狭山丘陵を箱根ヶ崎駅~六道山~狭山湖~多摩湖~東村山駅というルートで春のハイキングに行ってきました。
都心にほど近い場所にありながら緑豊かな自然が広がり、登山道にはつつじやシャガなどの春の花もたくさん咲いていました。
山口千手観音、西武ドームなど、色々と見どころも多くて街中トレイルとしても楽しめます。
2025年5月5日 狭山丘陵ハイキング
東京~埼玉にまたがる狭山丘陵(さやまきゅうりょう)。
ここがもしかしたら東京都心から最も近い丘陵地であり、自然豊かなハイキングと街中トレイルを同時に楽しめる場所なのかもしれない。
初めて訪れましたが非常に面白かったです。
今回は箱根ヶ崎駅から東村山駅までの区間を歩いてきました。距離は少し長いですが、電車のみのアクセスで駅から登山できます。
ということでスタート地点の箱根ヶ崎駅。
一応、狭山丘陵ハイキングコースの最寄り駅の1つですが、周りを見た感じハイカーらしき人は誰もいませんでした。
駅からは八雲神社の方面へ進んで行きます。
こちらの階段を登った右側にさらに上へと登る階段があって、その先が箱根ヶ崎浅間神社。
浅間神社を過ぎると、こんな感じのハイキングコースになります。
狭山丘陵というのが具体的にどの区間を指すのかよくわかっていませんが、おそらくここら辺からもう狭山丘陵なんだと思います。
この先、いくつかの山も越えて行きますが、どれも標高が低くて登りという登りはほとんど出てきません。
少し行くと最初のピーク。ごく普通の分岐点に見えましたが、標識には愛宕山と書かれていたのでここが山頂のようです。
傍らにお地蔵様が祀られていました。
その後も緩やかな傾斜はありつつも、基本的には平坦な道のり。
それでもしっかり自然の中なので、ヤマツツジなんかも綺麗に咲いていました。
さらに進むとお伊勢山の三角点広場に到着。
ベンチが置かれた広い場所で標高は194m。かなりの低山ですが、実はここが狭山丘陵の最高地点だと帰ってから知りました。
広場中央には確かに三角点。
四方を石柱に囲まれて、その見た目はとても崇高な感じ。これほど丁重な扱いを受けているのも、狭山丘陵の最高地点だったからなのか。
お次は出会いの辻方面へと向かいます。
ここら辺は分岐が非常に多いので、標識をよく見て進みましょう。所々に地図も用意されているので、それも一応参考になります。
今歩いているのは野山北・六道山公園。都立公園としては都内最大級を誇る広さだそうで。
小さくて少しわかりづらいですが、スタートの箱根ヶ崎駅が左端でゴールの東村山駅が右端。狭山丘陵をちょうど西から東へ突っ切る感じで進んで行きます。その間にある2つの湖がこのルート最大の見どころポイント。
狭山懸橋を越えていく。
出だしこそ山の中にいるような雰囲気ありましたが、ここら辺からは都内の大型公園らしい整備された道が続きます。
こちらが出会いの辻。
次の六道山へ行く場合は、写真奥の舗装路を左へ進んで行きます。
歩いている道は舗装路でも周りは自然豊かな森の中。
ここら辺はトトロの森とも呼ばれているそうで、この絵だけを切り取れば確かに都会とはかけ離れた大自然の中にいる気になれます。
そうして六道山に到着。
ここら一帯が六道山公園と名付けられている通り、この山が狭山丘陵の中では一番有名なんだと思います。
中央には展望台が用意されていて、上まで登れるようになっているので登っておきましょう。
展望台にあった関東の富士見100景の標識。
なるほど、この展望台からは富士山が見えるようです。
展望台途中の階段に六道山の標識がありました。
標高は192m。先ほどのお伊勢山より2m低いですが、展望台が用意されているので眺めはこちらの方が恵まれています。
こちらが展望台トップからの眺め。
周囲360℃の展望が見渡せる場所で、周り一帯が緑豊かな森に囲まれているのがわかります。
眼下には芝生のベンチも用意されていたり、六道山あたりは朝から散歩している人などたくさんいました。
正面に見えているのは奥多摩方面の山々。
肝心の富士山は雲に隠れていたのか、残念ながらはっきりとは見ることはできませんでした。
登ったと言えるのかわからないですが、とりあえず六道山の登頂を果たして次に目指すのは狭山湖。
六道山から狭山湖までは多少距離がありますが、道中はほぼ平坦で公園の中の遊歩道をひたすら歩いていく感じです。
傍らにはシャガのお花畑。
花が綺麗ですがその反面でハチも多くて、特に途中でスズメバチも見たのでお気を付けください。
途中で目にしたズタボロの車。
登山中にもたまに車の残骸を見ますが、こういうのは写真を撮られることも多いので、得てしてランドマーク的存在になったりもします。
都立野山北・六道山公園。池や小川も流れていて本当に自然豊か。そして広い。
ルートも多岐にわたるので散策しがいがあります。
道中、いくつかピークもあるので立ち寄ってみました。
まずこちらが大将山。一度遊歩道を外れて武蔵村山市総合体育館というところから登り返す感じでやってきました。標高152mしかないですが、しっかりと標識は用意されています。
その後、再び公園内の遊歩道をと合流して六地蔵に到着。
中央の石柱には6体の地蔵菩薩が彫られていました。
そこから少し進むと「あそびの森・冒険の森」という遊具エリアがありました。
GW中とあって、家族連れで賑わってます。
あそびの森を過ぎると、野山北・六道山公園の敷地エリアからも外れて次なるステージへ。
多摩湖通りに出たところにあったのが藤の花が綺麗に咲く休憩所。
ここの雰囲気が妙にメルヘンで居心地よかったのでしばし休憩。
多摩湖通りを時計回りに進んで行けば狭山湖に着きますが、反時計回りに進んだ先に谷津仙元富士というピークがあったので立ち寄っておきました。
展望も特にないので無理に立ち寄らなくても良い場所かと思います。
先ほどの藤の休憩所まで戻って、ここから狭山湖へ向けて進んで行きます。
こちらが多摩湖通りで傍らに自動車用の道路、その隣に歩行者・自転車用の道路が並走された道が続きます。丘陵地帯のサイクリングコースとあって、歩いている人よりも自転車走らせている人の方が多かったです。
多摩湖通りから所沢武蔵村山立川線に合流し、その途中で埼玉県入り。
街中トレイルだと県境の標識がしっかりと用意されているのがいいですね。最近、自分の中では遠征登山よりも、近場の山岳エリアをくまなく探索したい欲の方が断然高いです。
前週の塩船観音〜阿須丘陵~加治丘陵も東京~埼玉をまたぐルートでしたが、ここ最近は奥多摩と奥武蔵がだいぶ繋がってきました。
狭山湖までもう間もなくというところで、玉湖神社の奥に狭山富士というピークがありました。
こちらも標高151mという低山で、道がやや荒れていましたが山頂からの展望はまぁまぁ良かったです。
富士と名の付くあたり、傍から見ればもしかしたら富士山らしい姿をしていたのかもしれません。
そうしてやってきたのが狭山湖堤防。
入口辺りは芝生の公園になっていて、満開のつつじが綺麗でした。
そしてこちらが狭山湖。
最初に目にしたときの感想は「水がめちゃくちゃ綺麗!」ということ。
実際の水質はどんなものかわからないですが、澄んだブルーの輝きがとても美しいです。
堤防の上はこんな感じで対岸まで歩けるようになっているので、湖の中央辺りまで行ってみます。
狭山丘陵を歩くのであれば、ここはぜひ立ち寄ってほしいポイント。
堤防から眺める狭山湖全景。
とても広くて、そして美しい景観。周りが丘陵地帯の森に囲まれているので、都心近くとは思えない雰囲気があります。
奥に見えているのは奥多摩方面の山々で、晴れていれば左奥に富士山も見えるようです。
狭山湖は人造湖で、別名が山口貯水池。
堤防から見ると印象的な塔が湖畔に建てられていますが、あちらは山口貯水池第一取水塔。
三角形の屋根が可愛げで絵になりますね。
狭山湖は初めて訪れましたが、想像以上に綺麗な湖で感動しました。
東京都の上水道としても供給されている湖なので、都民としては貴重な水源。
その源の美しさを見れただけでも、東京水道水の印象が爆上げです。
傍らにあった「五風十雨の味わい」と刻まれた石碑。
これは2002年に狭山湖の耐震強化工事完了を記念して建てられたもので、この言葉は当時の都知事・石原慎太郎知事が揮毫したものだそうです。
狭山湖の次は、すぐ近くにある山口観音金乗院にも立ち寄っておきましょう。
ここも狭山丘陵ハイキングとしては外せない観光スポットです。
多宝塔や鐘楼が立ち並ぶ広大な仏教寺院。
せっかくなので賽銭を済ませて鐘を一突きしておきました。
寺院の目の前には西武ドーム。
大自然の中にいると感じつつも、すぐ傍らには近代的な建造物があるあたり、やっぱりここは都心部だなと。
登山と違って街がすぐ近くなので、気ままに歩いて気ままにやめれるというのが街中トレイルの魅力よ。
お次は千手観音像を見るべく千体観音堂へ。
すぐに目につくのが、奥の院五重塔。朱色の煌びやかな五重塔が印象的で、こちらも狭山丘陵ハイキングの山レポではよく取り上げられるスポットです。
五重塔の下にあるのが仏国窟という洞窟。
中では多数の石仏が祀られてました。
階段にはドラゴンボールの神龍を彷彿させるデザインの2匹の龍。
そして、無数に立ち並ぶ供養地蔵。
この寺院もまた見どころ豊富な観光スポットで、海外観光客もチラホラいました。
引き続き所沢武蔵村山立川線を東へ進んで行きます。
ここから多摩湖堤防までは距離があるので、疲れたら西武球場前駅をゴールにして電車で帰るのもありです。
エスケープルートはいくらでも用意されているので、気分次第で距離を伸ばしたり縮めたりできるのが都心に近い丘陵地ハイキングならでは。
途中で西武ドーム(ベルーナドーム)の真横を通り過ぎる。
プロ野球ファンには申し訳ないですが、野球はそこまで関心がないので、これまでの人生で球場に足を運んだことが実はありません。(サッカーや陸上競技場はありますが)
都民だからと言って巨人を応援しているわけでもないです。でも、大谷翔平とか日本人メジャーリーガーの動向は気になってニュースはチェックする、典型的なにわか気質でございます。
西武ドームからの舗装路歩きが長いですが、多摩湖が近づいてきたところでこちらのファミリーマートを発見。
実は今回のルート上では初めてのコンビニで、意外と補給ポイントがなかったのでここでドリンクとファミチキで腹ごしらえしました。
ファミリーマートからまた少し寄り道して、荒幡の富士という山に到着。
見ての通り低山ではあるものの、富士という名の通り綺麗な三角形しています。
あの山頂までは数秒という距離感ですが、道中には1合目、2合目……、という標識が一丁前に用意されています。
登山口から山頂まで、1分もかからずに登頂。
ここはかつての富士信仰によって築かれた人工の山だそうで天然ものではありません。
山頂からは周囲360℃の景観が見渡せます。
ここも天気が良ければ富士山が見えるそうですが、空気が霞んでいたのか単純に目が悪いだけなのか、この日は富士山の姿を拝むことはできませんでした。
荒幡の富士に寄り道して、先ほどのファミリーマートまで戻ってきました。
ファミリーマートの向かいにあるのが、こちらの掬水亭。標識に書かれている通り、ここは日帰り入浴も可能です。
すぐ裏手が西武園ゆうえんち駅なので、ここをゴールとして大浴場を満喫して帰るのもありだと思います。自分も日帰り入浴の文字に惹かれましたが、予定通りハイキングを続行。
そうしてたどり着いたのが多摩湖。
先ほどの狭山湖と同じく、堤防の上に遊歩道が敷かれているので対岸に向かって少し歩いてみました。
狭山湖に引けを取らないくらい、透明感ある綺麗な水の多摩湖。2つの湖は隣接していますが、繋がっているわけではないようですね。
そしてこちらも人造湖で別名は村山貯水池。東京都内の湖としては最大の広さを誇るらしいです。
狭山湖と景観は似ていますが、時間があればこちらも立ち寄ってみてください。
この後、道なりに舗装路を歩いて八国山緑地に到着。
この緑地帯を越えた先にゴールとなる東村山駅があります。
緑地帯とは言えど、足を踏み入れれば狭山丘陵と変わらないハイキングコース。
道中にはつつじも咲いていて、再び山の中にいるような雰囲気にさせてくれました。
奥へと進んで行くと八国山に到着。
こちらの将軍塚と書かれた石碑が山頂のようです。
そうして市街地へと下りて、東村山駅まで歩いて本日のハイキングが終了。
色々と寄り道もはさんだので、総距離28kmほどのロングルートになってしまいましたが、高低差はそこまでなかったので何とか歩き通せました。
箱根ヶ崎駅から東村山駅へと抜ける狭山丘陵ハイキングコース。
低山でありながらもいくつものピークを踏めて、さらに湖や寺院、球場などの観光スポットも巡れる非常に面白いコースでした。
何よりも狭山湖と多摩湖の美しさが際立っていたので、この2つはぜひ立ち寄ってほしいポイントです。
都内近郊にもまだまだ面白いトレイルがあると知れた1日でした。
良ければ歩いてみてください!
【日程】
2025年5月5日
【コースタイム】
8:40 箱根ヶ崎駅
9:20 お伊勢山(三角点広場)
9:40 六道山
12:00 狭山湖
14:50 多摩湖
15:50 八国山
16:10 東村山駅