四国第2の高峰、徳島県の剣山(つるぎさん)へ登ってきました。
標高2000mに満たない山ながら、峰々を連なる稜線がひときわ美しいとされている四国の名峰。日本百名山にも選定されている剣山を存分に堪能すべく、今回は剣山頂上ヒュッテに1泊して、剣山~次郎笈~三嶺までの果てしない稜線トレイルを縦走してきました。
季節は11月初旬ということもあって紅葉はだいぶ麓まで降りてしまってましたが、逆に初冬の寒気到来で山頂部では思いがけない霧氷(樹氷)の絶景!予想以上に風も強くて寒かったですが、青空の下で2日間良い景色に巡り合えました。
20kmもの稜線がひたすら続く1泊2日の縦走登山、まずは1日目の記録。
樹氷と緑が広がる剣山登山―――
登山としては初上陸となる四国。
四国の山として、やはりまず登ってみたくなるのが日本百名山にも名を連ねている「石鎚山」と「剣山」。どちらも紅葉が綺麗ということで秋の時期に狙っていたのですが、石鎚山については昨年に続いて今年も日程が合わずに断念。。。10月中旬のピークは外したくなかったので、来年に取っておきます。
もう1つの剣山も紅葉時期は同じようなものですが、こちらは11月に入ると紅葉が麓へと移ってきて、今度は剣山の麓にある祖谷渓が色づいてきます。この祖谷渓の紅葉はガイドブックには必ずと言っていいほど載っている紅葉名所でもあったので、11月に入ってからの剣山登山も1つの狙い目でした。
山ではもう冬支度が始まる季節。タイミングを間違えるといくら四国とはいえ、剣山も雪山にさえなりうる11月は登れるか怪しかったけども、以前から抑えておいた文化の日を絡めた連休に晴天予報が出ていたので、満を持して決行しました。
1泊2日の四国遠征登山、まずは1日目の剣山~一ノ森~次郎笈縦走編。
~~ 2016年11月3日 剣山~一ノ森~次郎笈 縦走登山 ~~
例によって今回の遠征登山も公共交通を駆使しての山行。
まずはいつも通り夜行バスにお世話になって東京から徳島駅へ。さすがに四国なだけあって乗車時間9時間を超えるので、高速バス慣れしていない人にとっては少しきついかもしれないです。近場の夜行バスで高所順応ならぬ高速バス順応しておきましょう(笑)
半分冗談ではあるけども、山までのアクセスでストレスを感じてしまうと登山そのものに影響を及ぼしかねないので、自分の登山スタイル、特に公共交通利用は色々と制約が絡むのでそれに慣れておくっていうのは結構大事だと思います。
朝イチで徳島駅に着いたら、そのまま始発の特急剣山1号に乗車。10月ならもう少しザック背負った人がいるのかもしれないですが、この時期は登る人が少ないのか、車内はガラガラでした。
田園風景を眺めながら小一時間電車に揺られて、穴吹駅というところで下車。
剣山へ電車とバスで向かう場合、穴吹駅、貞光駅、阿波池田駅と3つの駅からバスが出てますが、今の時期だと貞光駅からのバスは終了してました。
阿波池田駅からのバスが一番有名で本数も1日数本出ていますが、実はあまり知られていないこの穴吹駅の方が運賃も安くて早く登山口に立てます。(※ただし、1日1便しかないので特急剣山1号に乗れないとアウト)
バスの時刻まで40分ほど時間があったので、駅前をブラブラ散歩。すぐ近くに吉野川が流れてます。
駅前は閑散としてますが、徒歩5分くらいのところにセブンイレブンがあるのもうれしい所。ここで登山の買い出しも可能です。
近くに中学校か高校があるのか、一人で吉野川を散歩していたら早朝ながら自転車で学生さんが駆け抜けていき、その都度「おはようございます」と挨拶してくれたのがすごい嬉しかった。
都内ではまずない光景だな……
朝8時に開店してくれるので、バスの待ち時間の間にここで貴重な阿波徳島名物もゲットできます。
地元名産のぶどう饅頭と鳴門金時。他にも阿波ういろなども売られていたりして、和菓子好きなら色々と目移りしてしまう店内だと思う。
穴吹の観光地としては「うだつの町並み」が有名ですが、駅から少し離れているので残念ながら今回はそこまで行くことはできず。。。またの機会があるかわからないですが、駅周辺だけでもバスの待ち時間をそれほど持て余すことなく時間つぶせました。
8時20分、川上行きのバスに乗車。登山口の見ノ越へは途中で乗り換えることになります。(※阿波池田駅からのバスも途中で乗り換えが必要)
剣山の登山口はかなり山深い場所にあるので、ここでも2時間ほどのバスの乗車になります。マイカーでも相当行きづらいので、登山口までのアクセスがある意味で剣山の1つの核心部……。
結局駅からバスに乗ったのは自分含めて4人だけで、その4人が全員見ノ越までの乗車でした。乗り換えは運転手が指示してくれるので特に問題ないかと思います。
道はずっと舗装されてはいましたが、後半はかなり狭い林道を突き進むので、バスに乗っていく場合は事前に美馬市役所に運行状況を確認しておいた方がいいです。雨の後などは運休になることもあるみたいなので。
途中の林道から見る紅葉がなかなか綺麗で、中腹以下まで色づきが下っているのがわかりました。
10時30分、剣山登山口の見ノ越に到着。剣山の紅葉はもう終わりかけのはずなのに、駐車場は満車で大盛況でした。
バスの乗客が少ないから空いてるだろうと思ってたけど、全然そんなことはなかった。
見ノ越駐車場にはこんな感じでお食事処やお土産屋さん、民宿もありました。
下山後の登山者にはうれしい自販機もあり。
剣山リフト。剣山がこれほど人気があるのも、このリフトがあるから。観光客でも簡単に山頂まで行けるようになっています。
登山道も別にあってリフトを使わずに登っている方もチラホラいましたが、僕は楽してリフトを使わせてもらいました。
なんたって縦走登山のメインは2日目。1日目は頑張って登る日ではない!(笑)
リフトは一人乗り。乗車時間は15分ほどでしたが、この日は気温が低くて風も冷たく、ゲレンデのリフト並みに寒かった……。
山の上の方は紅葉が終わっているどころか、薄っすらと白くなっているのがリフトからも確認できました。
「雪降ったのかよ!?」と思わず独り言をぼやいてしまった、、、
標高1700mの西島駅に到着。このリフト場の下にはテント場もあります。
リフトを降りたところからの展望がすでにすごい。
左奥に見える山が、今回の縦走路の終点となる三嶺の頂。あそこまで距離にして20kmあるので、なかなかの登山となりそう。
2日目に備えて1日目は軽めに色々と見て回ります。
リフト場から山頂までのルートは色々ありましたが、大剣神社というのが気になったのでそちらに立ち寄るコースにしました。
この鳥居をくぐってスタート。
公共交通での移動を慣れている身とはいえ、夜行バス9時間+電車1時間+路線バス2時間の移動はさすがにちょっと疲れた。。。
ようやく歩き出せてウズウズしていた身体を全開にしてガンガン登りたかったけど、登山道は結構混んでおりましたとさ…。
10分ほど登って大剣神社に到着。御神体となる巨岩・御塔石がシンボルの縁結びの神社で、「天地一切の悪縁を絶ち、現生最高の良縁を結ぶ」と書かれてました。
神社から少し下ったところにあるのが、こちらの剣山御神水。先ほどの神社の御塔石から湧き出る水で、「病気を治す若返りの水」と書かれていたので、有り難く頂戴しました。
名水百選にも選ばれている聖なる水なので、若返りたい方はどうぞご賞味ください。
大剣神社の御塔石を少し上から見たところ。一般的に剣山は穏やかな稜線のイメージが強いけども、ここもかつては修験道の山として山岳信仰の対象なっていた山。こういう巨岩・奇岩を見ると修行の山という感じがします。
この日も白装束に身を包んだ修験者のような人たちが列になって歩いてました。
でも、圧巻だったのはこの巨岩ではなく、さらに上を見上げたこちらの風景。
真っ白な霧氷(樹氷)が一面に広がる絶景!リフトから見えていたので樹氷になっているのはわかってはいたけども、山頂部だけが見事に真っ白になっているのでものすごい綺麗でした。
手前の緑とのコントラストがまた素晴らしい!明け方までガスっていたことと気温が低いことの恩恵。
快適な道は続く。山頂までであれば誰にでも登れます。
実際、ダッフルコートやジーパンで登っている人もいました。今回は着替えなども詰め込んだので縦走用の45Lザックで登りに来たけど、ここだと逆に気合入れすぎちゃってる感が出て少し恥ずかしかった……
下から見上げる樹氷が何とも綺麗。あっという間に山頂直下に建つ雲海荘も見えてきた。
※あの雲海荘については、頂上ヒュッテが混雑しているときや団体さん利用の時に開放される山小屋のようで、この日は閉鎖されてました。
剣山本宮
11時30分に本日泊まる予定の剣山頂上ヒュッテに到着。ちょうどお昼時で、ヒュッテの食堂が大混雑していたので、チェックインは後にして先に山頂へ行くことにしました。
山小屋のすぐ裏手が山頂。こんな感じで山の上とは思えない開けた景観が広がっています。
自然保護に加えて観光客でも歩きやすいようにと、木道敷かれた散策路になっている剣山の山頂部。
やたら目につく人工物の鉄塔は、かつてここに測候所があったときの名残。もう10年以上前に測候所自体は廃止されてますが、その時の建物は今もこうして残っています。
まずは山頂へ。植物保護のために敷かれた木道、11月のこの時期ではもう花も終わってしまっていると思ったけど、意外な花が咲いていた…!?
枝が凍って樹氷ならぬ花氷とも言える氷の花。
明け方の霧が作り上げていった意外な副産物にお目にかかれました。
凍り付いた枝も近くで見ると素晴らしく繊細で綺麗。
雪とはまた違う霧氷は初冬のこの時期にしか見れないものだし、天気予報を見ただけで巡り合えるものでもないから、とても貴重なものを見させてもらいました。
明日歩く稜線も徐々に見えてきた。右端の尖がった山が目的地の三嶺。
一面に広がる爽快な青空、ぜひともこの天気で明日も歩きたい。
先ほどまで見上げていた樹氷が眼下に。何度見ても美しい景色。
紅葉が終わっているのは知っていたけど、まさか樹氷にありつけるとは思ってなかった。日差しによって日中はどんどん氷が溶けてしまうので、通常ならひと時の景色で終わってしまいますが、結局この日も夕方からガスに覆われたので、翌朝も氷の絶景をお目にかかることになりました。
剣山の山頂部。広大な平原に鉄塔の人工物というと、美ヶ原に少し似ていなくもない。
写真に写っている茶色い建物はトイレになっているのですが、山の上とは思えないほど綺麗なトイレで、本当に観光向けの山という感じがしました。
木道を伝ってあっという間に山頂に到着。
標高1955mの剣山山頂。石鎚山に次いで四国で2番目に高い山で、石鎚山と同じく日本百名山の1つ。
この頂上三角点にあるしめ縄はその年の登山の安全祈願を込めたもので、毎年7月頃に掛け替えられるそうです。掛け替えた日付が標識に記されてました。
そしてこちらが、剣山で最も有名な次郎笈へと通じる稜線。よく剣山紹介の際に取り上げられる写真がこのアングルからの風景です。
剣山の隣にある次郎笈(じろうぎゅう)。剣山の別名が太郎笈ということもあって、それと対を成す山ということでその名がつけられたんだとか。
翌朝はあの山を越えて三嶺へと目指すことになりますが、結局この後時間があったのであちらへも行くことになりました。見てわかる通り、なかなか急な登り返しが待ってます。
いったん戻って、次郎笈とは反対側の一ノ森へ行ってみることにしました。写真右端の森のような山が一ノ森。
明日はこちら側は歩かないので今日のうちにできる限り歩いておきます。
所々に展望デッキも用意されている山頂の木道路。駐車場も満車ということで相当な人の数が登っていましたが、山頂もそれなりに広いので窮屈な感じはしなかったです。
それに風がかなり強かったので、ゆっくり腰を下ろしてお昼ごはんとかいう感じではなかったのかも。観光客の方は足早に山頂を去っている感じでした。
こちらが一ノ森へと続く稜線。こっちもこっちですごくいい!
歩きやすいなだらかな稜線。片道1時間弱なので短かかったけども、なんとも自分好みの稜線でした。
剣山と比べるとこちらは圧倒的に人が少なくて静かだったのも良かった。
登山道も親切すぎるほど整備されています。
途中にあった剣山本宮二ノ森神社。地図に記されているとおり、本宮奥参りとして計20個のポイントが順路通りに番号を振られているので、これを参考にコースを組んでみるのもいいかもしれないです。
さらにその先にあったのが殉難の碑。新田次郎の名前が記されていますが、この人が亡くなったわけではなく、かつて山頂に建てられていた測候所の職員が雪崩に巻き込まれて遭難死したのを悼んだもの。
自然相手のお仕事というのは命がけだというのを痛感させられます。
稜線をひたすら歩いて一ノ森に到着。アップダウンもそれほどきつくはないので、剣山から1時間もあれば歩いてこれます。
標高は1879m。森という名がついてますが、山頂部は開けていて展望は良好です。
一ノ森からの眺めと言ったらこれしかない。
右に剣山(太郎笈)、左に次郎笈。太郎次郎コンビを眺められるのが一ノ森の最大の見どころ。
こうして見ると、標高が低いだけで山の姿としては次郎笈の方が「岳」という感じがして好きでした。
青い屋根が特徴の可愛らしい一ノ森ヒュッテ。5月から10月までの営業のようなので、この日はすでに営業終了してたみたい。静かで人の気配はしませんでした。
まだだいぶ時間があるので、この先の槍戸山まで行ってみようかと思ったけど、途中から藪が深くなってきたのですぐにやめました。
今日は藪漕ぎなんてする日じゃない。さっきも言ったけど、今日は頑張る日じゃないんだ!(笑)
……ということで、翌日たくさん歩くからという名目で稜線歩きはここまで。剣山へと引き返します。
気になったのがこの枯れ木。鹿による植生被害が大きいらしく、葉を失った枯れ木が目立ってました。鹿の被害が大きいと景観も似てくるところがあって、大台ヶ原と非常に似た雰囲気がありました。
こちらは稜線から見下ろす紅葉。色づきはだいぶ麓の方まで降りているようでしたが、今年の剣山の紅葉は全体的に色づきが悪かったらしい。
下山後に立ち寄ったかずら橋の紅葉は、色づき始めという感じでした。全国的に今年の紅葉は色づきが遅くてその色も例年ほどは映えなかったみたいですね。。。
穴吹駅でゲットした阿波名物、ぶどう饅頭と阿波ういろ。風が強いので木陰に避難してしばしおやつ休憩。
緑茶がほしくなりました。
歩いてきた稜線を戻る。一ノ森からの展望もなかなか良かったので、時間があればぜひ立ち寄ってほしい場所。
剣山の喧騒が嘘のように静かなのも魅力的でした。
ここへ来るときに通ってきた剣山ドライブウェイ。黒部峡谷・水平歩道の道路版と言った感じで、よくあんな場所に道路通すなぁ~と。
公共交通・マイカー、いずれでアクセスするにせよここまで来るのは一筋縄ではいかない道路事情があります。それくらい山深い場所にあるのば剣山。
剣山頂上ヒュッテまで戻って本日のお宿にチェックイン。
こちらが宿泊室。山小屋とは思えないほどの清潔感に満ちた空間。
普通の山小屋にある大部屋はなく、ほとんどの部屋が個室になっています。
個室はこんな感じ。こたつも付いてるあたり、山小屋としては恵まれすぎな環境。
こたつは有料で500円~1000円でした。
ソロの場合はこちらの半個室に割り当てられることが多いです。個室よりはグレードは下がるけど、それでもここのすごい所は各寝床に電球とコンセントが完備されているところ。
基本的に剣山は日帰りで登れてしまうので、この山小屋に泊まる人はそう多くはないそうです。この日はこの半個室1つを占有できちゃいました。自分のほかに4人のソロの方が同じくこの半個室に割り当てられてましたが、その4人の方とはとても親しくさせていただいて、夕食後に食堂で呑んだりとソロならではの出会いがあってすごい楽しかった!
リフトを使って登ってきた場合、その半券を見せるとフロントで手ぬぐいをもらえます。なかなかデザイン良いし、こういう山で使えるものは大変うれしい。
山小屋のスタッフさんも電話予約した時からとても感じが良くて、かなり気に入った山小屋になりました。ここなら次は仲間を連れて来ようと思える。
まだ時刻は13時過ぎなので、明日登る次郎笈まで散歩に行くことに。
下見もかねて明日歩く稜線トレイルがどんなもんかを確かめに、再びザックを背負って剣山山頂へ。
いよいよ剣山登山の醍醐味とも言える次郎笈への稜線を歩いていく。
このとき背景をバックに記念写真を撮ってもらったんだけど、そのとき撮ってくれたおじさんがまたすごい方で、徳島が地元ながら富士山を日帰りで登りに行ったり、家族全員で日本百名山を踏破したとか…(*_*)
レベルが違いすぎて恐縮したっきりだったけど、翌日三嶺まで縦走するって言ったら喜んでいただきました(笑)
次郎笈へ向かおうと思ったら、稜線の入り口でワンコ発見。しっぽをクルンとさせた柴犬、鋭い眼光で登山客のお昼ご飯を狙っているようでした。
ただ、冷たい風が吹いていたので物凄い寒そうでした。勇ましい顔とは裏腹に足がブルブル震えてたのを確認。
飼い主さんと共に下山路へと消えてゆきました。
柴犬に別れを告げて、翌日の稜線トレイルに備えた前哨戦、いざ次郎笈へ。
一ノ森へ行く前に見た時よりも太陽が西に傾いているので、次郎笈が陰って先ほどとは若干雰囲気も違って見えました。
こちらの紅葉もだいぶ終わりかけでしたが、もう1、2週間早ければ見事な紅葉風景が稜線から見下ろせていたかもしれません。
紅葉は初夏の花と同じく数週間と待ってくれないので、狙うのが本当に難しい。
快適な稜線トレイル。14時近くになるとここら辺を歩いている人はほとんどいなくなる。
日没ギリギリまで山を楽しめるのも小屋泊ならではです。
振り返ってみる剣山。この風景がまた素晴らしい!
鹿による採食被害なのか、ところどころ草が剥げてまだら模様になっているのが印象的でした。
次郎笈手前は急登でしたが、ここも樹氷ワールドが広がっていて、白く輝く霧氷が綺麗でした。
誰もいない次郎笈の稜線。山頂はもう目の前。
14時30分、次郎笈山頂に到着。
剣山よりも山頂らしいピークで、誰もいないこの山頂は居心地最高でした。
こちらが翌日歩く、三嶺へと続く稜線。距離にして20kmにも及ぶ果てしない縦走路。
見たところアップダウンはそれなりにありそうですが、平坦な所も多そうだったので何とかなりそう。何より草原のように開放感に満ちた箇所が随所にあったので、今すぐにでも飛び込みたい衝動に駆られた!
翌日が一層楽しみになった瞬間でした。
次郎笈から見る剣山。稜線に敷かれた登山道がくっきりと見えました。
この次郎笈からの眺めは剣山にも劣らない見事なもの。翌日はスタートを出来るだけ早めたかったので、日の出前から小屋を出発して、この次郎笈でご来光を迎えることに決めました。
実りある次郎笈までの下見を楽しんで、再び剣山へ。
この稜線は単純な往復でも十分楽しめます。
剣山に戻る頃にはだいぶ山も陰ってきた頃。次郎笈までは最後の登りが急ですが、それでも剣山から1時間もあれば登れる距離です。普通に剣山を日帰りで登る場合でも、あちらの次郎笈へ足を延ばす時間は十分あると思うのでぜひこの区間だけでも稜線を歩いてみてください。
こうして頂上ヒュッテに戻って1日目が終了。山小屋に着く頃には、山頂部が雲に覆われつつあるところで、これがまた翌日の絶景を生み出すことになりました。
剣山頂上ヒュッテの夕食。普通の街中の宿でも出てきそうな見栄えのいいお食事。この他に暖かいお蕎麦もついてました。
ヒュッテの売店はお酒も豊富。四国の地酒が揃えてありました。
翌日が早いので特に呑むつもりもなかったけど、半個室の方々に呼ばれて夕食後の食堂で晩酌することに。
徳島地酒「芳水」を頂く。夕食後にも関わらず一品料理としておでんを頼めたりと、呑んでくださいと言われているような居心地のいい食堂でした。
食堂に居座って呑んでいるのは半個室を割り当てられた自分たちだけでしたが、この時間がまた良かった。地元の方から山仕事をされている方、さらには自衛隊の方と普段は全く聞けないような話もできて本当に貴重な時間でした。
お互い名前もわからない間柄ですが、またどこかの山で会えたらと思ってます。(※実際、このうちのお一人とは奇跡的に下山後に会うことになりました)
こうして21時に就寝して四国遠征登山の1日目が終了。大半は移動に費やした1日でしたが、短い時間ながらも一ノ森~剣山~次郎笈と周れたのは良かったです。
何よりも想定外だったのが、この霧氷の絶景!明け方まで剣山を包み込んでいた雲が作り出してくれたこの景色。まだ紅葉が残っているかも、という期待をしてやってきたら、思いがけない初冬の風景に巡り合えて、これはこれで良かったです。
さらには山小屋で他の方と親交を深められたのも小屋泊ならではの醍醐味で、充実した1日になりました。
次郎笈にも登れたことで、翌日のプランも固まったし良い弾みになった。
1日目が充実の後に終了。2日目はいよいよ今回の登山のメインとなる剣山から次郎笈を越えて三嶺まで歩く、20kmにも及ぶ稜線トレイルへ。
2日目へ続く……
【日程】
2016年11月3日 快晴
【コースタイム】
見ノ越(10:30) — リフト — 西島駅(10:55) — 大剣神社(11:10) — 剣山(11:40) — 一ノ森(12:15) — 剣山頂上ヒュッテ(13:00~13:30) — 次郎笈(14:20~14:35) — 剣山頂上ヒュッテ(15:30)
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