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爺ヶ岳(北アルプス) 南尾根 日帰り登山

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北アルプスのじいちゃん、標高2670mの爺ヶ岳へ行ってきました。

4月中旬に毎年開通する立山黒部アルペンライン。山に登らずとも、観光名所の雪の大谷がニュースにもなるので知っている人も多いはず。その開通に合わせて扇沢までの林道も開き、爺ヶ岳登山口までのアクセスも可能になります。

ただ、それでも4月中はまだ登山道は雪の中。通常ルートの柏原新道は通れないので、冬期ルートとして臨時で用意されている南尾根ルートで登ることになります。

冬期ルートとしては東尾根よりは格段に楽な南尾根ですが、それでも標準ルートではないバリエーションルート。乗鞍岳よりは簡単には登らせてくれないだろうなと不安1割、期待9割で挑んでやりましたぜ!

暴風予報が発令で、登山口に着いた時には不安2割くらいに増していたけど、そこで出会えた景色は素晴らしいものがありました。毎度のことながら、北アルプスの偉大さを感じずにはいられなかった…

 

そんなわけで、乗鞍岳に続く2015年北アルプス山行第2弾!

北アルプス後立山連峰の爺ヶ岳へ―――

 

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爺ヶ岳に移る前に……

ここ最近の天気は何なんですかね?

晴れるのはいいけど気温が高すぎじゃないですか。もう夏だよ、夏。今日なんて半袖短パンで十分だったし、モーニングのホットコーヒーも美味しく飲めやしない…

通勤電車の中も蒸し風呂状態で正直きつい。。。雪山に逃げたい。というか、こんな日々が続いたら山の雪もあっという間に融けちまうよ…

 

そんな不満が募る日々だったので、前々から計画していた爺ヶ岳はタイミング的にはちょうど良かった。4月は他にも山に行ってたけど、とりあえず記憶が新しいうちに爺ヶ岳を先に書いておきます。

 

~~ 2015年4月18日 爺ヶ岳南尾根 ~~

毎年4月中旬に開通を迎える立山黒部アルペンライン。この開通を迎えると、いよいよ北アルプスにも春が来たんだなと思うようになったのは、3年くらい前からか。

 

扇沢。室堂へのアルペンライン開通と同時に林道の通行止めも解除されてこれるようになる登山拠点。

ここに初めて来たのは3年前の同じく初めて爺ヶ岳に登りに来たとき。その時は鹿島槍ヶ岳~五竜岳まで縦走したけど、正直天気があまり良くなかったことだけ覚えていて、旅の記憶は薄れつつある。

 

今回は、その時見れなかった景色を求めて再訪した旅でもありました。

 

スタートは扇沢少し手前の爺ヶ岳登山口前駐車場。10台ほどしか停められないけど、早朝4時半に到着した時はまだ空きがありました。

軽く仮眠して朝6時半のスタートを迎える頃には青空一色!目の前には北アルプスの輝かしい山壁。都内の蒸し暑さを忘れさせてくれるよ。

 

3年ぶりの爺ヶ岳登山口。たった3年かもしれないけど、その間によう山に行ったわ。北アルプスの地理も当時と比べたらだいぶわかるようになった(はず)。

 

登山口のポストに登山届を提出して出発。今回は男5人。個々でそれなりに雪山も登っているけど、この5人で一緒に登るのは初めてか。

あつし、たくみ、まさき、すすむ、どうぞよろしく。

 

南尾根ルートで登る場合も、しばらくは柏原新道を歩くことになります。

 

とは言っても、道は雪で隠れていたりもするので、決して歩きやすくはない。

朝は雪が硬かったのでアイゼンつけたくもなるんだけど、、、

 

雪がとけているところも結構あるので、アイゼンつけるにつけれない。

今年は雪解けが早いそうなので、本来ならもう少し雪が残っているはず。道が明瞭でわかりやすいのはありがたいんだけどね。

 

この後も雪があったりなかったりの繰り返し。

登りはそこまで急じゃないけど、やたら暑い…。登っている間は半袖で十分ってことで気合入れて肌を露わにした矢先、枝にスパッと腕をやられて早々に切り傷を食らったのは、情けなかったな…。

 

なんで雪が残っているのかわからないくらいの気温。この日だけでも相当雪は融けたはず。

日焼け止めが汗で流れていく。。(でも、めんどくさいから塗りなおすことはしない)

 

7時10分、八ッ見ベンチに到着。思っていたよりも早く着いた。

 

ここから見る針ノ木岳に癒された。あちらは未踏の山。

個人的には隣の蓮華岳に興味があるから、近いうちに合わせて登りに行きたい。

 

下を見ると土石流が凍って固まったように雪崩れた雪渓が目に入った。こういう些細なワンシーンでさえ、自然の力強さ、恐ろしさを感じる…。

 

八ッ見ベンチの先が南尾根への取りつき地点。わかりやすく看板が設置されているので、取りつきポイントで迷うことはないです。

5月までの積雪時に用意されている冬山限定ルート南尾根へ。

 

林間コースを縫って登っていく。たまに赤テープもあったし、幸いトレースも薄らついていたのでルートファイティングを駆使して登るようなことはなかったです。

ただ、整備されている道でもないので、枝や倒木が時折邪魔。序盤の枝による攻撃を受けて、枝の攻撃力がなかなかのものだと知っているので侮れない。

 

もともと今回は1泊2日で爺ヶ岳~鹿島槍ヶ岳の予定だったんだけど、暴風予報もあったし色々な都合で日帰り爺ヶ岳に変更。

荷物も軽いし時間に余裕があるので、ゆっくりペースで登る。

写真の技術は全然向上しないけど、仲間の隠し撮りの腕はそこそこ上がった気がする。自然体が好きなんよ。

 

樹の合間から先を行く仲間を激写。バリエーションルートなだけに、こういう短い距離も迂回していかなきゃならないから、うかうかしていると距離はなされる。

 

と言いつつも、色々と自然に目を向けてゆっくり鑑賞に浸る。これがサクランボじゃないってのは、いくら花や植物に詳しくない自分でもわかるけど……

これは何の実ですか?

 

登って行くにつれて、展望も良くなる。柏原新道よりも標高を上げるペースが速いので、展望も早々に開けてきます。

 

南尾根いいじゃない。思っていたよりも道が明瞭なので、全然迷う心配なし。

という言葉を、最後尾にいて仲間について行くだけの自分が言うなって話か…( ̄▽ ̄)

 

滑らかで穏やかな稜線。ヤマレコとかを見ていると、この手のメローな稜線を「美味しそう」って表現する人がいるけど、何となくわかる気がする。

 

うーむ、、何度も振り返ってしまうのが針ノ木岳。扇沢に来るとどうしても立山室堂へ目指しがちだけど、爺ヶ岳と同じく針ノ木岳も扇沢拠点で登れる山としては魅了されるな。

日本三大雪渓の1つ、針ノ木雪渓も良く見える。

 

眼下には扇沢も見えました。見ての通り、4月中旬のGW前なのに駐車場は大繁盛。

北アルプス南部の登山拠点が上高地なら、北部はこの扇沢だと思う。

 

景色に見惚れつつ、所々急斜面なので頑張って登る。

 

上から見るとなかなかの急斜面。滑って落ちるとたぶん一気に沢まで連れていかれるので、お気を付けください。

早朝なのでまだ雪はツルツルです。

 

ジャンクションピークへ向かう雪の尾根道へ出た。

ここでようやくアイゼン装着。ここから先、ジャンクションピークに出るまでは結構な斜面を登ることになります。

 

アタック開始。所によっては登るというより這い上がる感じ。

 

距離的にはそんなになさそうだけど、なかなかの標高差。

先は長そうだ……

 

融雪が早くて、時々踏み抜くこともあるのでご注意くだされ。残雪期は日単位でルートが変化する。

 

アイゼンかましてひたすら登る。ここは見た目以上に長く感じました。

疲れるけど標高は一気に稼げるので、無駄なアップダウンがないだけまし。

 

だいぶ登ってきた。上から見るとここもなかなかの急斜面。

そして、相変わらずバックの針ノ木岳が美しい。

 

ジャンクションピークまであと少し……

 

ここら辺まで来ると、バックに北アルプス南部の山も見えてくる。特に目立っていたのはやっぱり槍ヶ岳。北アルプスの角は流石の存在感。

 

9時20分。ジャンクションピークに到着。ここに来てようやく目指す爺ヶ岳を見ることができます。

 

ドン!っと目の前に現れた爺ヶ岳。北アルプスの爺ちゃん、穏やかな山容でありつつも貫録を感じる。

昨年、初の北アルプスの雪山として登った唐松岳。そこから乗鞍岳へと登り、次に北アルプスで登りやすそうな山として選んだのがこの爺ヶ岳。ここまでは程よい登り応えです。

 

樹林帯も抜けてきたけど、暴風予報の割にはまだ風は弱め。

山頂も見えたし、残り100分頑張ります。

 

左手には爺ヶ岳から針ノ木岳へと延びる稜線。そこにポツンと見えるのが雪に半分埋もれた種池山荘。

稜線上に建つこの山小屋は、爺ヶ岳以上に記憶に残っている。泊まってみたい山小屋の1つなんだよね、ここ。屋根のオレンジ色が親近感を感じるぜ!

 

爺ヶ岳、東側斜面は雪があるけど、西側斜面はほとんど融けてる。

 

ここから先は雪がなくなるので、アイゼン外す。今回、ピッケルは用無し。アイゼンも登りに関しては使う場所が少なかったです。

 

ハイマツ帯に入って山頂を目指す。

 

すっかり雪なし。見える景色に関しては夏山と言ってもいいくらい。

ただ、ここら辺から強風になってきて、風が冷たい。体感温度もやや下がる。

 

山頂まで残り1時間というところで、お目当てだったあの山が見えてきた。

 

岩の殿堂、剱岳。雪の剱が見たかったのも爺ヶ岳を選んだ理由の1つ。

カッコいいわ。岩の殿堂、イケメンですわ~!!

 

後ろを振り返れば、また絶景。北アルプスの山脈を間近に感じられて言うことなし。

 

見えてからの爺ヶ岳も意外と距離がある。まぁ、まだ10時すぎなので焦ることはない。強風予報が出てるけど、天気の崩れはなさそうだしね。

 

高い山に登るほど、空が近く感じる。

登山をしてない人に登山を勧めることはあまりしないけど、山に登ると色々と自然に対する価値観も変わってくるし、何より日本の自然の雄大を身に染みて感じられる。だから、山に登らないのは損だと思う。自分としては登山をやってて良かったと思える。

 

槍ヶ岳をバックに――

これも雄大な自然の中に身を置いているワンシーン。

 

爺ヶ岳までのビクトリーロード。写真では伝わらないけど、ここら辺はかなりの暴風が吹き荒れてました。

 

吹き荒れる風に吹き飛ばされそうになりながら山頂を目指す。風速は20mくらいあったかな…。晴れているのと気温が高いのが幸いで、そこまで過酷ではなかったが。

 

剱岳方面もより一層見えてきた。北アルプス立山連峰、あちらは富山県。

手前の稜線が長野県と富山県の県境。

 

剱岳をバックに種池山荘のオレンジの屋根が目立っている。遠目に見ると可愛い山小屋。

あの山小屋に泊まったら、剱岳のモルゲンロートなんかも見れるのかな?

 

もう1つ見るべきは南西方向。

 

見えてきた立山。先ほどまで主役だった針ノ木岳も右奥の立山がその座を奪っていく。日本を代表する山たちが周りにひしめいていて、本当に贅沢な眺め。

 

針ノ木岳の奥に見えてきたのは薬師岳かな?

 

名峰揃いの景色に感動しながら、標高2670mの山頂へ。

 

11時ちょうど、爺ヶ岳山頂に到着。山頂は相変わらず風が吹き荒れてました。

登りに4時間半を要したけど、危険箇所もなくて割とあっさり登頂。日帰りとしてはちょうど良いレベルでした。

 

爺ヶ岳南峰頂上。

 

爺ヶ岳中峰、北峰を経て立ちはだかるのが鹿島槍ヶ岳。

 

双耳峰の鹿島槍ヶ岳。

鹿島槍は前回登った時は展望が全く望めなかった山なので、別に積雪時じゃなくてもいいからもう1回は登っておきたい。

 

風は強いけど、気が済むまで北アルプスの山脈を堪能させてもらう。

 

やっぱり爺ヶ岳からの展望と言えば剱岳か。手前のオレンジの小屋はもはやミニチュアサイズ。周りの山々が大きすぎる。

 

三角点とケルン。

 

山頂から記念撮影。「いつか残雪の剱岳も登ってやるから待ってろよ!」と言ってますが、おそらくそんな日は来ない…

 

山頂にいたのは15分ほど。風が強いので、そそくさと退散。来た道を戻ります。

この写真、何気にお気に入りの1枚。自然体の仲間の姿を撮るのが楽しいわ。

 

ダイナミックな景観を目の前にしながらの下山。ピストンだけど、帰りは帰りで十分楽しめる。

 

南尾根途中の展望台。

 

行きでアイゼンを脱いだところでお昼休憩。

このお昼休憩がなければ、”奴”に出くわしかもしれないと思うと、昼飯食べておいて良かった。

 

30分の休憩の後に下山再開。

 

ジャンクションピークから爺ヶ岳とのお別れ。

楽しい山だったので、残雪期に登りたい山が減ってきたらまたお邪魔させてもらいます。

 

登りできつかった斜面を一気に下る。

脇には行きで自分たちが付けたトレースが残ってたけど、その中にひときわ巨大な足跡が…

 

熊。しかもこの足跡の大きさからすると、かなりでかいんじゃ…。足跡も新しかったので、ほんの数分前に熊が横切っていったみたい。下山中にすれ違った人に話聞いたら、遠目で熊を見たとのことで、、、。

冬眠から覚めて、腹ペコで食欲旺盛であろう熊。いよいよ熊たちも動き出す時期になったか。

 

右の樹林帯に熊が逃げ込んだようなので、気持ち左わきを歩いて行く。

熊に遭遇したことはないけど、これだけ登ってればいつか鉢合わせになるんじゃないかって思ってる。

 

南尾根は麓が見えてる分、高度感が半端ない。目の前には北アルプスの山壁、迫力ありすぎます。

 

景気づけにいきま~す!\(^o^)/

 

北アルプスに向かって、大ジャンプをかましてみた。この開脚は何点ですか?

 

登りで体力削られた雪の斜面も下りならあっという間。ヒップそりでもすれば相当なスピードが出るだろうけど、谷側に落ちかねないので、やめたほうが良さそう。

 

雪庇の名残。厳冬期の風と雪の強さを垣間見る。

 

樹林帯に入ってからは来た道をそのまま戻るだけなので省略。

南尾根に限らず、標準ルートでないところは登りよりも下りが迷いやすいので、要注意。

 

14時20分、麓まで下山。暑すぎたので、扇沢で水浴び。これが気持ちよすぎる。

下山してからの沢での水浴びって、、やってることはもう夏山だな。

 

14時半、爺ヶ岳駐車場へ戻る。お疲れ様でしたm(__)m

 

駐車場から見た針ノ木岳の稜線。朝と比べても雪が融けたのがよくわかる。

 

下山後の温泉は、やっぱりここか。「薬師の湯」。扇沢からの帰り道にある温泉で、バス停もあるので公共交通利用でも来ることができます。

広さ、綺麗さ共に文句なし。

 

温泉後はそのまま帰っても良かったけど、大町市にある観光地に寄り道。

 

それがここ、大町山岳博物館。ロゴが可愛い。

山に登る者として、その歴史についてもちゃんと勉強しておかないといけないよな。

 

…まぁ、17時過ぎてたんで閉まってたけどさ、、、orz

でも、ここは高台にあるので、来て損はない場所です。

 

こんな感じで北アルプスを一望!麓の大町市からいかに近くに北アルプスが聳えているかがよくわかる。

もともと桜の名所として花見目的で博物館にやってきたんだけど、桜は少し時期が早くてまだ咲いてませんでした。

それでも、この展望にありつけたんだから収穫としては十分。

 

夕暮れ時の北アルプスと空の色が美しすぎる。大町市の人は毎日この景色を眺められるのかと思うと、羨ましさを感じずにはいられない。

 

こうして、夕日の北アルプスに見守られながら長野を後にしました。

登った山を下山後に眺めて終わるってのは、一日の旅を振り返れる意味でもいいもんだね。

爺ヶ岳日帰り登山の旅も充実感に満たされて終了。

 

~~~~~~~~~~~~

 

北アルプス爺ヶ岳の日帰り登山。時間としては往復8時間程度の短い山行ではあったけど、今回も天気に恵まれて良い景色に出会えました。

南尾根は雪も少なくて道が明瞭だったので割と簡単だったけど、状況次第じゃ当然難易度も変わります。去年の同時期の記録では、長時間のラッセルを強いられた人もいたみたいだし。

コンディションには恵まれすぎた感はあるけど、とりあえず無事に登れて一安心。

 

3年前には見れなかった景色。針ノ木岳の他にも、お目当ての剱岳や鹿島槍ヶ岳も見れて目的としては十分達成できたしね。

前回の乗鞍岳は北アルプスでありながら少し距離が離れているので俯瞰してみる感じがしたけど、今回は北アルプスのど真ん中にいる感覚を味わえました。

 

ギリギリ熊との遭遇も回避できたけど、熊さんも動き出す時期になってきましたね。

今年に入ってから例年以上に山に登っている気がするけど、山の本格的なシーズンとしてはこれから。雪が消えていくのが寂しくもあるけど、花や新緑と山の魅力も移り変わっていくので、これからの山がますます楽しみ。

 

登れるときに登っておこうスタンスで、もうしばらくは山のペースを落とさずに登ろうかと思ってます。山の記録が全然追い付かないけど、書きたい時に一気に書くスタイルなので、次の記事も書きたくなったらアップします。

 

良ければまた見に来てくださいm(__)m

 

北アルプス、残雪の爺ヶ岳より―――

 

おしまい

 

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毎度読んで頂きありがとうございます

 

 

【日程】

2015年3月18日

【コースタイム】

爺ヶ岳登山口(6:30) — 八ッ見ベンチ(7:10) — 南尾根取り付き地点(7:15) — ジャンクションピーク(9:20) — 爺ヶ岳南峰(11:00) — 爺ヶ岳登山口(14:30)

 

 

 


木曽駒ヶ岳(中央アルプス) ゴールデンウィーク残雪登山

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ゴールデンウィーク前半の4月末に中央アルプスの木曽駒ヶ岳に登ってきました。

中央アルプスの主峰、標高2956mの木曽駒ヶ岳。通年営業の駒ヶ岳ロープウェイがあるので、雪の時期でも標高2640m地点まで一気に上がることができます。

今年は例年以上に雪解けが早くて、稜線上には雪がほとんど残っていなかったですが、それでも一面雪に覆われた千畳敷カールは残雪期ならではの絶景!ダイナミックな雪のカールはゴールデンウィークでもまだまだ見ることができました。

山頂からは南アルプス、北アルプス、御嶽山などの山々が見渡せ、麓では桜が満開を迎えており、下山後にはお花見散策も満喫。

今話題の山映画「エヴェレスト 神々の山嶺」の撮影隊に出くわしたのだけが想定外か…。

短い中でも色々あったけど、今回もまた充実した旅でした。

 

残雪の木曽駒ヶ岳―――

 

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木曽駒ヶ岳と言えば、前回の爺ヶ岳と同じく3年前の夏に登った山。

3年くらい経つと「もう一度登ってみてもいいかな?」って思えるようになったのを最近自覚したけど、もともと木曽駒は今年の”厳冬期雪山登山リスト”に名を連ねていた山。

それが決行に移せなかったのは、木曽駒登山の生命線であるロープウェイが、倒木による停電で冬の間はずっと運休だったから。。。

3月にロープウェイが復旧したものの、厳冬期に登りたいという思いがあったので、仕方なく木曽駒ヶ岳は来年の雪山リストに追加。

なので、今年はもう登ることがないと思っていた木曽駒ヶ岳でしたが、週末ノープランな自分にお仲間さんから有難き木曽駒のお誘いがかかったので、来年の冬山登山の下見も兼ねて行ってきました。(呑んだくれの週末はこうして回避)

 

個人的には「ゴールデンウィーク前半」という言い方がいまいちピンと来なくて、ただの土日の休みじゃん!という感じがしたけど、世間的には4月末からGWが始まるらしいので、GW前半に木曽駒ヶ岳に登ってきました、って言っておきます。

 

~~ 2015年4月26日 木曽駒ヶ岳 ~~

今回も前夜発。夜発は例え前日がフリーであってもそわそわして寝れないことが多い、、。この無駄に神経質な性格をどうにかしたいんだが…。

前回は高速バスに乗って木曽駒ヶ岳に来たけど、今回はお車を出してもらって、夜明け前に菅ノ台バスセンターの駐車場へ。

 

早朝の菅ノ台の駐車場。木曽駒ヶ岳ロープウェイまではマイカー規制がかかっているので、ここで始発の路線バスを待つ。

この時期の始発は7:15。6時過ぎにはどの車でも仮眠から目覚めて準備はじめてました。

 

路線バスとロープウェイの運賃はこちら。3900円は安くはないけど、文明の力を駆使して標高2612mまで楽して連れて行ってくれるのを考えれば仕方ないか。

 

バスに一斉に並び出して、あっという間に長蛇の列。夏のシーズンの朝イチがどんなものか知らないけど、この日はバス2台で収まったから少ない方なのかな?

登山客と同じくらいボードやスキー持ったBCの人もいました。

バス待ってたら、列の後ろの方に久しぶりの山仲間発見。2年前の西穂高独標を一緒に登ったにっぴ。こちらの方がロープウェイ1本早く乗ったはずなのに、後にこの岳女に簡単に追いつかれることになる…。

 

始発のバスは並んでいる人数に合わせて出してくれるようなので、全員座れてました。ロープウェイ乗り場のしらび平までは所要時間30分。

バスの車内から麓に咲く桜が満開を迎えてました。都内では桜はもうすっかり終わったけど長野はまだ桜のシーズン。

…ってのを確認したのち、貴重な30分を無駄にはせず引き続き睡眠に徹する_ _)zZZ

 

しらび平に着いたら、そのままロープウェイ乗り場へ直行。前回はここで整理券配られて、まさかの2時間待ちを食らったけど、朝イチなので今回はスムーズにゲートイン。

千畳敷は夏のシーズンは観光客で賑わうけど、雪が残るこの時期はまだまだ登山客だけの世界。

 

7:45の第1便のロープウェイに乗れました。受付のアルバイトと思われる女の子、朝早くからご苦労様ですm(__)m

 

文明の力を有難く使わせていただき、標高1000mを一気に稼ぐ。ここ中央アルプスに関しては、昨年初冬の空木岳の日帰り山行で痛い目に合っているんで、ロープウェイを使うことに何ら躊躇はない。

 

ロープウェイに乗って雪の世界へ。

本来であれば4月であればまだまだ雪たっぷりの木曽駒ヶ岳のはずだけど、今年は雪解けも早くて目に見えて融雪が確認できました。

雪の斜面につけられた線は雨の跡かな…?

 

ものの10分ほどで標高2640mの千畳敷に到着。山に登る者としては、まず足が向かうのはホテル千畳敷前の展望台。

 

こちら、目の前に広がる南アルプスの展望。

朝靄の上に浮かぶ3000m級の山々はやっぱり偉大でした。華やかさがある北アルプスに比べると地味な印象の南アルプスだけど、南アルプスも大好きです。痛感したのはやっぱり昨年秋の赤石岳~荒川三山縦走。玄人向けの渋さ全開の標高3000m級は、静かでありながらも貫禄ある風景で、北アルプスとはまた別の魅力。登るまでは辛かったけど、それに出会えたのは今となっては良い思い出。

写真には一応富士山も写ってるんだけど、この場では脇役感が否めない。

 

ロープウェイと南アルプス。文明の力も見方によっては自然と調和する。

 

そして、こちらがメインとも言える雪の千畳敷カール。観光地としても有名な日本を代表する山岳カール、千畳敷。

岩場が露出しているとはいえ、カールにはまだまだ雪が残っていました。

夏の千畳敷を一度見ているので、夏とはまた違う風景でその対比がまた面白い。

夏の千畳敷カールはこんな感じ↓

山って四季の変化が激しくて、時期をずらすだけでこれだけ見える世界が違う。

だから同じ山でも時期を変えたりコースを変えたりして登りたくなる。登山を一生続けていくのであれば、この千畳敷もあと何回来るのかわかったもんじゃない。

 

千畳敷カールに見惚れつつ、雪の世界に降り立つ。

 

千畳敷では4月下旬から5月上旬だけ、Tバーリフトを設営したスキー場が開かれています。

 

春スキーを楽しむスキーヤー。残雪のこの時期は山登りをする人、滑りを楽しむ人、それぞれが直に終わる最後の雪を楽しむ季節。

 

見るからに急な千畳敷カール、まずはそのトップを目指す。見た目は雪景色だけど、実際この日は初夏の陽気。風も通らず半袖で十分で、上からの日差しと雪の照り返しで日焼け対策必須でした。

 

その日焼け止め対策を極めると…

 

女性はこんな感じになるそうです↑

今回誘ってくれたさっこさん。この出で立ちが不審者すぎて、ぷぷっ!笑、、って感じだけど、本人に言ったら刺されるので黙っておく。

 

ピッケルアイゼン装備して、急登のカールを登りはじめる。

見た目急だけど、雪も適度に締まりつつ緩みつつだったので、正直なところピッケルはお守り。良くはないけど、登ろうと思えばチェーンスパイクだけで登れるコンディションでした。

 

ただの直登なので、迫りくる岩壁を存分に楽しむ。

この迫力とスケールは、海外の山岳風景にも引けを取らないんじゃないか!?(イモトがモンブラン登った時も、こんな風景映ってた気がするし…)

ここから見た景色が、自分の中では今回の旅のハイライト。

 

この日は高気圧に覆われたド快晴予報だったので、それを狙っての登山客もたくさん。

後を振り返れば列ができてました。

(この中に、すでにロープウェイ1本遅れのはずのにっぴが追い上げてきてるはず)

 

登るにつれて迫力を増す千畳敷の岩壁。

 

良く見えれば宝剣岳直下に取り付いているクライマーの姿もありました。

 

迫力ある岩壁の脇を歩けるのが、カールの醍醐味。

 

後を振り返れば長蛇の列。木曽駒ヶ岳、冬場でもロープウェイが動いているだけあって、雪のシーズンでもその人気は衰えない。

 

岩稜帯越しの南アルプス。

南アルプスは北アルプスに比べてアクセスが良いとは言えないので、登るのであれば固め打ちが理想的か。特に南アルプス南部はなかなか攻めづらい領域。今年も夏から秋にかけて狙ってる山があるけど、、、無事に登ってブログを書ける日が来ればうれしい。

 

カールトップは雪が消えてました。来年の雪山登山の下見としてやってきた春の木曽駒ヶ岳だったけど、例年になく雪解けが早くてすでに初夏の様相でした。

アイゼンとピッケルはここで用無し。

 

40分ほどで千畳敷カールを登りきり、乗越浄土に到着。

 

左に見える山小屋は天狗荘。右の山は木曽駒ヶ岳の前衛、中岳。稜線上は見るからに雪がなかった…。

 

こちらは宝剣岳。天を貫く尖った出で立ち、シルエットのインパクトとしては木曽駒ヶ岳よりも上か。

 

良く見ると、先ほど見えたクライマーがまだ頑張ってました。(写真のどこかに写ってます)

 

登ってきた方向を見ると、相変わらずの南アルプス。雲海のように敷かれた靄がまたイイ感じで南アルプスを引き立ててました。

 

一応富士山も載せておきます。

ちょこんと顔しか出せていないのは、やっぱり手前の南アルプスが大きすぎるからか。申し訳なさそうに顔を出してましたが、標高3776mは日本の中では2位以下を寄せ付けない圧倒的な高さ。もっと堂々としていいんだぜ!

 

上から見下ろすホテル千畳敷。まだ9時ということで、どんどん人が登ってきます。

山の上のホテルに泊まるのであれば、千畳敷も興味あるけど、やっぱりまずは立山のホテルに泊まってみたい。それとブログにコメントくれた方から、美ヶ原のホテルも勧められたし、、、考えれば考えるほど山でやりたいことは尽きない。

 

景色に見入っていたら、いつの間にかにっぴに追いつかれた。バスもロープウェイも1本後だったはずなのに、あっという間に差を縮められたぜ。。。岳女ほど恐ろしいものはないな。

 

こちらは伊那前岳方面の稜線。木曽駒ヶ岳を目指すならスルーする方向だけど、今回目についたのは稜線上にたくさん人がいたから。

(ちなみに、中央左に座ってる人が番人)

 

30人規模の団体さん。

最初は登ってるのかと思ったけど、聞いてみたら、映画『エヴェレスト 神々の山嶺』の撮影隊だった。

この前日にネパールの大地震があったので、その後の収録がどうなったのかはわからないけど、快晴の残雪木曽駒ヶ岳で映画のワンシーンか何かを撮ってました。

伊那前岳へ登りに行こうかと思ったけど、番人に「撮影中だからできれば先に他を周ってきてください…」と言われたので、先に木曽駒ヶ岳を目指す。

まぁ、野次馬根性で伊那前岳へ行こうとしただけなので、ここは素直に従う。

 

渡り鳥の群れが横切って、「先にこっちに来たらええやん」と言われてる気もしたしね。

 

まずは中岳へ。ここら辺はもう雪がなくてアイゼンもいらなかったです。雪は多少残っているけど、目にする風景はもう夏山とほとんど変わらない。

 

途中、後ろを振り返って見る宝剣岳。その背後に見えてきたのは空木岳あたりか。

 

9:35、中岳に到着。ここからの展望も良好。

 

まずは登ってきた方向。手前が映画の撮影隊。自分で撮っていて言うのもあれだけど、背後にそびえる富士山と南アルプスの迫力もそこそこ表現できた1枚。

ただ、撮影隊が広げている黄緑のシートは何や!!

 

撮影隊の動きが全然なかったので、視線をずらしてこちらが木曽駒ヶ岳。右下に見えるのが駒ヶ岳頂上山荘。まだこの時期は営業してないです。

そして左奥に見えるのは、御嶽山。

 

アルプスから近くありながらも、やや距離を置いて佇む御嶽山。噴火したことは抜きにしても、周りを寄せ付けないその存在感はやはり圧倒される。

1ヶ月前の乗鞍岳からも御嶽山が近くに見えたけど、木曽駒ヶ岳からでもほぼ同距離に近く見える。御嶽山って北と中央を混在しがちだけど、一応北アルプスに属しているってことでいいんだっけか?

個人的には独立峰のイメージしかないから、アルプスの山と言う感じは全然しない。

 

景色を堪能しつつ、とりあえず山頂へ。山荘の前の広場になっているのが、この界隈では唯一のテント場。中央アルプスはもう少しテント場がほしい。空木岳へ向かう稜線上にテント場があれば、縦走もしやすくなるのにといつも思う。

 

10時、木曽駒ヶ岳山頂に到着。ロープウェイを下りてから2時間弱で来れてしまう、標高2956m地点。

 

山頂からの展望。中央アルプスの稜線がずっと南に延びています。左奥に見える白い山が空木岳や南駒ヶ岳か。

見た感じ、なかなかアップダウンありそう。

 

中央に中岳。そのすぐ右隣の尖がったのが宝剣岳。左奥の山脈が南アルプス。

 

御嶽山方面。山頂はこんな感じで雪もまばらに残っている程度でした。

 

北西方面、ひときわ真っ白に雪が残るのが北アルプス。一番左が3月に登った乗鞍岳

南アルプスはだいぶ雪解けが進んで黒々して見えたけど、北アルプスはまだ雪が残って白い姿を見せてました。それでも例年よりはだいぶ融けるのが早いみたいだけど…

雪のアルプスが見れるのも、あとわずかなのかもしれない。

 

この日は天気が良くて、周りの山が良く見えた。周りを名峰が囲いながらも、色々な思いもあって御嶽山に目が向いてしまうのはある意味仕方ないか。

あの山もいよいよ雪解けを迎える季節。

 

風もないので山頂でしばらく休憩。山頂では岳女にっぴもいたので、記念にパシャリ。

一応これで、今年に入って北、南、中央アルプスは登れた。南アルプスの山に関してはまだ記事が書けてないけど、追々アップできたらいいかなと思ってる。

 

いつか歩いてみたい中央アルプスの稜線。

見えてる木曽駒ヶ岳~空木岳の稜線はあまり興味がなくて、むしろ奥に見えてる空木岳~南駒ヶ岳あたりの南部の稜線を歩きたい。空木岳を日帰りで登るのだけはもう勘弁したいぜ…。

中央アルプスはテント場がない上に、避難小屋は幽霊疑惑が付き物なので、ビビりの自分にはかなり困る。。。

 

1時間ほど休憩して下山。中岳まで登り返す。

右に巻き道が見えるけど、落石とかあって危険な道とされているので、できれば登ったほうがいい。あと、この時期だとまだ中途半端に雪が残ってるはずなんでね。

 

中岳山頂の岩場より。

前回はここからご来光を見たんだったな。ほんの3年前のことなのに、ずいぶん昔に感じるのはその間に山に登りすぎたからなのか…?

今日という日も、また懐かしく感じる日がきっと来るんだろうね。。

 

近づくにつれて存在感が増す宝剣岳。北アルプスのシンボルが槍ヶ岳なら中央アルプスは宝剣岳だと思う。

 

山頂は定員1名。見たら人が立ってました。

 

こんな感じの一人立てるだけの山頂です。(↑3年前の僕)

 

このまま宝剣岳に登ろうかと思ってたけど、宝剣山荘についたら映画の撮影隊が撤収を始めてました。

機材の撤収、ご苦労様ですm(__)m

 

通行止めが解除されたようなので、今回は宝剣岳には登らず伊那前岳方面へ向かうことに。(こっちの道は前回歩かなかったしね)

雲の湧き方が、もやは夏山。

 

撮影隊とすれ違うたびに思わずにはいられないネパールの地震。エベレストを題材にした映画だけど、大地震で雪崩も起きたって言うし、撮影や公開は大丈夫なのだろうか…?

 

映画は無事に公開されたら見に行くとして、こちらが登り切ったピーク。

石柱が建てられてました。

 

ここから見た宝剣岳と空木岳へいたる南部の稜線。空木岳あたりはまだまだ雪の山という感じでした。

下には千畳敷のホテルも見える。

 

こちらは伊那前岳へ向かう稜線。今回はここで引き返すけど、こっちの稜線も面白そうじゃないか!アルプスならではの稜線という感じ。

木曽駒ヶ岳はやっぱりロープウェイの存在感が大きいので、こういう稜線をたどって登りに来る人は少ないんだろうね。この稜線も蛇渡沢登山口というところにつながってるけど、ヤマレコでも歩いている人はそんなにいなかったです。

 

そして、ここにはもう1つ面白いもんがあって、、、

 

この子↓↓

!?!?

 

これは…!?

見るからにイルカ岩!!!

イルカ岩と言えば、本家の燕岳のイルカ岩だけど、それよりはだいぶミニチュア版。でもかなりのクオリティー。

 

(燕岳のイルカ岩)

本家の燕岳のイルカ岩に比べたらだいぶ小さいけど、小柄で可愛いイルカが出迎えてくれるので、機会があれば会いに行ってみてください。

 

イルカとご対面を果たして今回はこれで下山。そういえば、この区間だけ、故か大量に虫が発生していて厄介だったわ…。

いよいよ虫も多くなって、昼ご飯も落ち着いて食べれない季節がやってくる…。

 

乗越浄土まで戻って、千畳敷カールを下る。

 

上部は急なのでピッケルはあったほうがいい。下を見るとシリセードやヒップそりで一気に滑り降りてる人がほとんどでした。

 

そんなわけで、ある程度緩やかになったら、滑って一気に下山~!

このシリセードのためにも、下のレインウェアは持って行って損はないです。

 

下山途中で振り返って見て思った、雪の千畳敷カールの雄大さ。

雲がいい感じで出てきてくれたので、帰りのほうが綺麗に見えました。

ダイナミックな雪のカール。この風景を見るのも、雪の木曽駒へ来る理由の1つ。

 

下山は一瞬でした。雪が緩くてビショビショになったけど、暑いのですぐ乾く。

写真見てて気づいたけど、、左の人の黄色いヒップそり、割れちゃってないか…?!

 

カールトップからスキーで滑走している人も何人もいました。天然のゲレンデを縦横無尽に滑るのは、見ているだけでも気持ちよかった。

 

あっという間の木曽駒ヶ岳残雪ハイク、最後に見納めしておきます。

今年は厳冬期には来れなかったけど、雪の千畳敷カールを見れて本当に良かったです。

あの斜面のラッセルはかなり大変そうだけど、ここはいつか雪山シーズンにまた来たい。ロープウェイが通年営業ってのは本当にありがたいよ。来年の冬はどうにか無事に運行していてください…!

 

13時半のロープウェイに乗車して千畳敷を後にします。

8時にスタートしたから5時間半のハイク。短めだったけど、良い天気でいい景色見させてもらいました。

 

さようなら、雪の千畳敷。

いつの日か、厳冬期にまた来ます。

 

帰りもロープウェイからバスに乗り継ぎ、菅ノ台駐車場へ戻ってきました。ロープウェイからバスは接続の時間が考えられているのでスムーズに乗れます。

予定よりだいぶ早く下山できたけど、近くの光前寺のしだれ桜が「満開」という情報があったので、温泉後に寄ってみることにしました。

 

温泉は空木岳の帰りにも寄ったこぶしの湯へ。木曽駒ヶ岳の帰りであれば、駐車場から近くの「こまくさの湯」でもいいかもしれません。

どちらも料金は同じくらいで内湯も露天もあり。ただ、館内の広さと綺麗さはこまくさの湯のほうが上だったと思います。

こぶしの湯は車でないとアクセスしづらいので、空いているのだけが助かりました。

 

…で、温泉後にやってきたのは光前寺。ここも桜の名所の1つになっています。

 

光前寺のしだれ桜。都内ではもう桜もすっかり終わった4月末だけど、長野市内はまだまだ見ごろの所がたくさんありました。

 

陽が当たりやすい幹はもう桜も散って葉桜になってました。

それでも春の到来を感じる葉桜もまた綺麗。

 

スイセン

 

ムスカリ

 

色々と花が咲いてて光前寺もなかなか楽しめました。

庭園の池に無数のオタマジャクシもいて、春を感じずにはいられなかった小一時間の散歩でしたとさ。

 

こんな感じで今回の旅もおしまい。

GW前半の山行でありながら、ただの日帰り登山に終わったけど、思っていた通りに雪の千畳敷カールは迫力ありました。

 

これぞ、ダイナミック・カール。

海外の高山を思わせる鋭利な岩のカールは、まるで日本で出会える風景とは思えず。ただただ感動する風景でした。

今年の厳冬期はもう終わってしまったけど、ロープウェイを利用すれば積雪時でも(雪崩さえ注意すれば)十分狙える山と言うのがわかったので、来年の冬にチャンスがあれば再訪したいと思います。

 

日帰り登山なのに長くなりつつあるので、今回はここら辺で。

個人的にはむしろ、ゴールデンウィーク後半の山行がメインだったので、そちらを早くブログに書き起こしたいと思います!

 

そんなわけで、次回はあちらの山域へ!!!

 

続く、、、。

 

【日程】

2015年4月26日 快晴

【コースタイム】

菅ノ台駐車場(7:15) — しらび平(7:45) — (ロープウェイ) — 千畳敷(8:00) — 乗越浄土(9:00) — 木曽駒ヶ岳(10:00~11:00) — 千畳敷(13:30) — (ロープウェイ) — しらび平(13:45) — 菅ノ台駐車場(14:20)

 

 

槍ヶ岳(北アルプス) ゴールデンウィーク残雪テント泊登山

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2015年のゴールデンウィークは槍ヶ岳へ行ってきました。

”日本のマッターホルン”、”北アルプスの角”と称される標高3180mの槍ヶ岳。この日本第5位の高峰にGWに登ろうと思ったのは、ちょうど1年前のGWの表銀座縦走時。

過酷な大天井岳登頂後に見た槍ヶ岳の姿があまりにも凛々しくて、来年はあの頂に立ちたいと思った。

その時は、まさか本当に今年挑戦しているとは思わなかったけど、天気もよさそうだし体力があるうちに挑戦できることはしておきたかったので、今年も再び北アルプスへ足を踏み入れてきました。

2泊3日で槍ヶ岳と北穂高を巡る旅。最終日は下山だけだったので、実質2日で槍ヶ岳と北穂高を登るのは相当過酷だったけど、昨年以上の疲労感と充実感に満たされた山行となりました。

 

まずは1日目、上高地から槍沢大雪渓を経て槍ヶ岳へ―――

 

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昨年のゴールデンウィークの山行――

北アルプス表銀座縦走

 

北アルプスの王道ルートとして人気の表銀座を、テント背負って燕岳~大天井岳~常念岳~蝶ヶ岳と回ったのはちょうど1年前。あれから、もう1年か、、、とあっという間な感じしかしないけど、後にも先にもこの山行ほど死ぬ思いをした登山はない。

燕岳を過ぎて1日目も終わりに近づいた大天井岳直下での猛吹雪。。。そもそも大天井岳までの直登をなめていて、あまりの雪の急斜面に怖くなり、視界も悪くて終わりが見えず不安になり、身体は寒くて凍えそうだし……、山の事故ってのはこういう時に起こるもんなんだなと頭をよぎった。

 

何とか無事に登り終わって、急いで避難小屋に避難して、心が落ち着いてくると同時に湧き上がる自分の未熟さ。その時は達成感なんて全然なくて疲労感しかなかった。

 

それでも、夕方になると山は晴れてくれて…

 

偉大な雪の北アルプスを見せてくれた。雪の北アルプスとかもう勘弁とか思ってたけど、一晩寝て頭をスッキリさせ、翌朝改めて穂高から槍ヶ岳までを眺めていると、再び憧れが強くなってきた。

一緒に登ったまさきも同じ気持ちだったようで、「来年は槍だな」と。

 

こうして翌年のゴールデンウィークの槍ヶ岳登山が決定し、1年後の2015年。

槍ヶ岳を目指す旅が始まった……

 

~~ 2015年5月2日 上高地~槍ヶ岳~槍沢キャンプ場(ババ平) ~~

今年も日並びに恵まれたGW。今回も5月2日~4日の2泊3日の行程で、槍ヶ岳に焦点を絞りつつも、せっかくの連休なので可能なら近隣の穂高あたりも合わせて登りたいなということで、登山届に書いたスケジュールはこんな感じ。

 

▼スケジュール

1日目:上高地~横尾~槍沢~槍ヶ岳~槍沢キャンプ場(テント泊)

2日目:槍沢キャンプ場~横尾~涸沢~北穂高岳~涸沢(テント泊)

3日目:涸沢~上高地

 

1日目と2日目がかなり長丁場できついけど、山の上にテント張るわけじゃないので逃げ道はいくらでもあるってことで、この行程で頑張ることにしました。

3日目は天気予報が思わしくないので下山だけ。

 

今年初の75Lザック。ザックの写真を側面から撮るあたりが写真センスの無さを露呈してるけど、気にしない。(背面から撮ると、今度はパッキングのセンスの無さがバレるしな…)

準備中は、雪山装備にこの重たい荷物背負って12時間以上の行程を歩けるか不安で仕方なかった、、、

 

金曜の夜。これから5連休ということで、23時ごろには都内を出発したけど、早くも道路は渋滞気味。もう少し遅ければ完全にはまってただけに、早めに出発して良かった。4時前には沢渡駐車場に着いて軽く仮眠できました。

 

明け方の沢渡駐車場。4時半には起きて準備し、4時45分に沢渡を出発。さすがにGWなだけあって、広い駐車場も早朝から盛況してました。

上高地まではマイカー規制がかかっているので、ここでバスかタクシーに乗り換え。

 

バスの始発を待つのも面倒だったので上高地まではタクシーで行くことにした。今回はまさきに加えて、伯耆大山乗鞍岳をご一緒したあつしも同行。3人なので、割り勘したら運賃もバスとさほど変わらない。

テントザックが入りきらずに荷台半開きのタクシーは、上高地ではごく普通の風景。

 

5時20分、上高地に到着。釜トンネルのゲートが開くのが5時なので、スタート時間はどうしても5時半ごろになってしまう。

標高1500mの上高地。例年より気温高めとはいえ、早朝はまだ肌寒い。

 

1日目の行程は標準タイムで14時間オーバー。なるべく先を急ぎたいので、登山届提出してさっさと出発。

上高地も何だかんだ5年連続でやってきているので、ここら辺はもう見慣れた風景。

 

上高地の中でも観光スポットとして有名な河童橋。日中は観光客で混雑するこの橋も、早朝5時半ならこんなもん。

 

小梨平のキャンプ場。 2年前にここにキャンプしに来たこともあったけど、それはそれで楽しかった。

山抜きのキャンプは今年の夏にしたいことの1つ。

 

小梨平からの穂高連峰。雲1つない快晴。今年のゴールでウィークは、ここ2,3年の間では一番天気に恵まれた年なんじゃなかっただろうか。3日間を通して、結果的にはこの日が一番の登山日和でした。

 

穂高・槍などの雪解け水が流れる梓川。その透明度は限りなく高く、キンキンに冷えているのが見ただけで分かる。

綺麗で日中は涼しげな清流だけど、早朝は寒気しかしない。

 

しばらくは沢沿いをひたすら歩いて行く。

 

槍ヶ岳までは22kmの道のり。

先は長い……

 

上高地から歩いて40分ほどで明神館に到着。角のように尖った明神岳がカッコいい。

 

次に目指す徳沢までは3.4km。横尾まではほとんど平坦だから、体力的にはそんなにつらくはない。

ただ、その遠さがわかっているから、先を考えるとげんなりする。

 

道なりにひたすら進んで行く。遅く歩いているつもりは全然ないのに、結構抜かれる。

装備とか見ても何キロ背負ってるの?っていうくらい大きなザックも見かけるし、この時期の上高地は強者ばっかりだわ…。

 

陽を浴びる穂高岳の岩壁がカッコいい。道のりは長くても雄大な景色を見せてくれるので、頑張って歩いて行ける。

 

澄んだ青空と岩の峰々。目指す槍ヶ岳はまだはるか先。ここからでは見えない。

 

7時前に徳沢キャンプ場に到着。

芝生が敷かれた快適なキャンプ場。お気に入りのテント場の1つ。

 

徳沢ロッヂ。ここのソフトクリームは有名で、来るたびに食べてしまう。今回も帰りに頂きます。

 

まだ歩きだして1時間半程度なので、休憩せずに進む。明神館、徳沢と過ぎて、次に目指すのは横尾。

 

足元にたくさん咲いていたのがフキノトウ。ご自由にお取りくださいと言わんばかりにそこら中に咲いてました。

 

相変わらずの沢沿いの道。景色は徳沢までの道とほとんど変わらない。

ここまで登りは全然ないんだけど、冬靴なもんで長距離の歩きはやや疲れる。道は観光客でも歩けるくらいに整備されているから、軽いスニーカー持ってくるのもありかもしれない。

 

この時間帯になると徐々に気温が上がって暑くなってくる。梓川へ飛び込みたい意欲も高まる。

 

徳沢から1時間弱で横尾に到着。個人的にはこの横尾が槍・穂高の登山口という印象。

ここで槍組と穂高組に分かれる。

 

横尾大橋とこいのぼり。この橋を越えれば涸沢へ。いまだに涸沢へ行ったことがなく、この橋も渡ったことがない…。順調に槍ヶ岳へ登れたら、明日はこの橋を渡って涸沢へ行く予定。

 

ようやくここで半分。平坦な道をひたすら11kmも歩いてきました。

残り11kmだけど、標高は全然上がっていないので、これからが辛くなってくる。

 

横尾を過ぎると観光地的な雰囲気もなくなり、登山道には雪も出てくる。

横尾からは涸沢方面へ向かう人が大半で、ここから先は一気に静かになりました。

 

横尾から50分ほどで一の俣に到着。ここら辺から水の消費量が一気に増えてきて、暑さとの戦いが始まる。

 

上流へ向かうにつれて川の水もより綺麗になる。春の清流は水量も豊富で心地よいBGMになってくれるのが救い。

重たいザックをぶん投げたくなる衝動が、この川のおかげで少し和らぐ。

 

一の俣から10分ほどで二の俣。ここから槍沢ロッヂまでは残り30分。

 

横を流れる清流が本当に綺麗。目に優しいエメラルドグリーン。

槍ヶ岳までの道のりは片道22kmとかなりの長丁場だけど、その大半が沢沿いを歩けるので気分的にはいくらか楽。22kmがひたすら樹林帯とかだったら、おそらく耐えられない…

 

少しずつ標高を上げていく。それにつれて登山道も雪の量が増えてきて、やっと冬靴の意味が出てくる。

 

夏を思わせる暑さで雪の崩壊も進む。道も所々狭くて、見えない落とし穴とかあったりするので、要注意。ザック重たいので踏み抜き率高し!

 

9時半、槍沢ロッヂに到着。槍沢のテント場はここからまだ30分ほど先へ行ったところですが、テントの受け付けはここで済ませておく必要があります。水は無料でもらえました。テント場に水ががない上に、ここから先は槍ヶ岳山荘まで山小屋もないので(殺生ヒュッテはまだ営業してない)、水2リットル汲んでおく。

 

水2リットル分が加わり、この日一番の重量でテント場を目指す。テント場に着けば荷物デポれるから、残り30分頑張る。

横を流れていた沢はいつの間にか消え、一面雪になってました。

 

途中、一瞬だけ目指す槍ヶ岳が見えた!

あまりに遠くて絶望的に感じた…

 

ババ平までが本当に遠く感じた。たかが30分の距離なのに、少しの登りでさえ汗が噴き出て息が切れる。。

3日間を通して一番エンスト起こしてた時間だったかもしれない…。周りの岩壁の迫力が素晴らしいはずなのに、この時はあんまり景色に目をやる余裕がなかった。

 

30分とは思えないほど長く感じた槍沢ロッヂからキャンプ場まで。

ようやく着いたようで…

 

10時15分、槍沢キャンプ場(ババ平)に到着。まだスペースは結構空いていて余裕がありました。

それと使わなかったけど、テント客用にバイオトイレが1つ設置されてました。

 

先にテント設営を済ませておく。天候も明日まで穏やかなので、軽く平らにする程度。

 

11時15分、不要な荷物はデポって槍ヶ岳アタック。

だいぶ歩いてきたけど、ここからでも槍ヶ岳はまだ遠い。往復7時間以上かかる距離で、ここから登りも本格的にきつくなってくる。

 

テント場に正規の水場はないけど、良く見たら少し離れたところに沢が見えていて、水場として利用できそうでした。

 

先行く人の足跡をたどって、雪渓をひたすら登っていく。ここから槍ヶ岳山荘までは、ひたすらこの槍沢雪渓。

アイゼンはテント場からつけました。

 

身軽なので、団体さんは抜かして先へ行かせてもらう。軽いってやっぱり幸せだな~

景色を楽しむ余裕も出てくる。迫力ある岩壁の合間を突っ切っていく。

 

水俣乗越への分岐。右へ行くと東鎌尾根へ通じる登り。自分たちはこのまま槍沢雪渓を進むけど、右へ行く人は東鎌尾根か、、もしくは北鎌尾根か…。いずれにしろまだ自分には行けそうにない方向。

 

広大な雪渓を登っていく。今年は雪と戯れる山行が多くて、この手の雪渓も少し見慣れてきた感じがするけど、それでも雪の上を歩くのはやっぱり楽しい。

 

広い雪の斜面だけど、融雪が始まってクラックや落石も潜んでいるので、必ずしも安全な道とは言えない。

実際、下山時にここら辺を歩いていると、登りではなかった雪の塊や岩が散乱していて、残雪期の怖さを垣間見た。

 

夏には見れない、広大な雪のカール。先週の木曽駒ヶ岳の千畳敷カールに通じるものがある。

夏はこの部分はガレ場になってて色々と迂回しながら進むけど、積雪時は直登できるのがありがたい。

 

だいぶ登ってるように感じるけど、後ろを振り返るとそうでもないっていう…。

 

身軽になっても失った体力が戻るわけじゃない。。やっぱり疲れる。

暑くて水分補給も尋常じゃないくらい。

 

稜線が近いようで、これがまた全然近づかない。

雪山マジックの1つ。2月の宝永山で身に染みるほど学んだ。

日差しが強くて日焼け止めも何度塗りなおしたかわかったもんじゃない。普通なら山に入ると日焼けはあまり気にしないんだけど、GW最終日に山友さんの結婚式があるんで、少しだけ神経質になる。

結果的に顔の日焼けはある程度マシだったけど、唇の日焼けがひどくてパサパサになった。唇はどうしたらよかったんでしょうかね…?

 

登っているのに、肝心の槍ヶ岳が全然見えてこない。見えてる岩場も槍ヶ岳じゃなくて、前座扱いの岩場。槍さんはラスボス感を備えて、さらに奥で待っております。

前に見えてる斜面をいったん登り切れば、その姿がようやく見える。

 

写真だとわからないけど、たまにズボッと踏み抜くからそれもあって余計に疲れる。ハマって身動き取れなくなってる人もいました。

後ろを何度も振り返るのは、景色が見たいから……

、、、ではなく、半ば現実逃避。一向に槍が見えないから、せめて登ってきた斜面を眺めて少しでも達成感を得ようと必死。

 

13時すぎ、天狗原分岐かな?

下から見えていた、いったんの雪の斜面を登り切る。

 

ここに来て、ようやく槍様のご登場。

 

ドン!とな。絵に書いたような見事な円錐形。これぞ岩山と言うフォルムで、多くの登山者を魅了する槍ヶ岳。

ようやくその足元まで来た。

 

ただ、近くに見えるけどズームして撮ってるだけで、距離的にはまだ結構ある。

アプローチが本当に長すぎる……。すでに上高地をスタートして8時間以上経過。

やっぱり簡単には登らせてくれない、北アルプスの角。

 

横を滑り降りるスキーヤーが羨ましすぎた。あまり考えないようにしているけど、今回は登ったらババ平まで下りないといけない。

スキーならテント場まで数分なんだろうね…

 

ようやく見えたゴール。遠いけど1歩ずつ頑張るしかない!

まずは槍ヶ岳の手前の殺生ヒュッテを目指す。

 

上空をヘリコプターが巡回してました。

悲しいけど、どれだけ晴れていようがGWに山の事故はつきもの。すぐ近くの奥穂高ザイテングラートで死亡事故が起きてしまうのはこの3日後。

 

飛行機雲と槍ヶ岳。風もなくて昼の穏やかなひとコマ。

毎年多くの登山者が魅了されて、あの頂目指して登りに来るのもよくわかる。他に類を見ないほど鋭利な山容を見せられたら、誰でもその天辺に立ちたくなるでしょ。

 

後を振り返ると常念岳が見えてきた。もう常念の雪はほとんど消えてました。

 

14時、殺生ヒュッテと同じ高さまで登ってきた。この時期の殺生ヒュッテはまだ営業しておらず、雪に埋もれた状態。

 

もう本当に疲れたぜ……。1回目に槍ヶ岳に登った時は、今登ってるルートを下山で利用したけど、その時は横尾も徳沢も初めてだったから目を輝かせて歩いたけど、2回目は色々と知ってるだけに辛いなー、、、

 

小休憩したのち、ラストスパート。稜線までの最後の直登。

これさえ登り切ればもう、終わったようなもんさ…。

 

疲れていなければ何てことはない距離の斜面だけど、最後のこの傾斜がまたかなりしんどい。

足は動かしているのに全然進んでいる気配がないので、極力上を見ないように一定のスピードで進む。

 

昨年の表銀座縦走と違って、天気が幸せすぎるほど安定していたので問題なかったけど、去年みたいに吹雪かれていたらこの斜面も登れていたかわかったもんじゃない。(たぶん途中で引き返していた)

今年一番のポンコツっぷりを披露しております( ̄^ ̄) ドヤッ!

 

3人で登っているけど、基本的にペースは合わせずにそれぞれのスタイルで登る。自分はゼンマイ式で一定のスローペースで登る傍ら、まさきはチョロQ式で一気に登って小休憩、一気に登って小休憩を繰り返すタイプ。

結果的には大抵まさきの方が早く上に到着する。

 

チラッと横を見たら東鎌尾根へ至る標識が埋まってた。「大天井岳」という文字には機敏に反応するようになったな(笑)

稜線上の雪は融けても雪渓の積雪量はまだ相当なもん。

 

15時、ようやく、、、槍ヶ岳山荘に到着。本当に長すぎた…。

もう少し早く着けると思ってたけど、前半の体力の消耗が響いた。。。決して早いペースではないけど、まぁ積雪時なら頑張ったほうでしょ。

…と自分を慰めておく。

 

春を迎える日本の角。

槍ヶ岳山荘からの槍ヶ岳は、ここまで来るとただの岩場と化す。山頂も手が届くほど近くに感じる。

 

初日で一気に槍ヶ岳までアタックした恩恵が、この空き具合。

下から見ても取り付いているのは3,4人ってところでした。シーズン中の週末ともなれば、大渋滞必須の岩場です。

 

これでも頑張って雪渓上では抜かした方。下を見て、列をなして登ってくる登山客を見ると、決して後発組ではなかったんだ、と少し安堵する。

ただ、ほとんどが槍ヶ岳山荘泊のはず。ババ平まで下りなきゃいけないのは自分たちくらいだと思うので、まだまだ1日目の終わりは遠い。

 

槍ヶ岳山荘に着いて、見るべき風景といったらこの裏銀座方面の山々か。

前回槍ヶ岳に登ったのは3年前。その時は裏銀座界隈の山なんて全く登ったことがなかったけど、今は違う。

この2,3年で一通り巡った領域なので、目にする風景、1つ1つの山に思い出がある。膝の負傷で散々な思いをした笠ヶ岳、昨年のメイン山行となった裏銀座からの雲ノ平周回。どれも懐かしい記憶。

 

槍ヶ岳へ至るアプローチとしては、次に歩いてみたいのが西鎌尾根。この稜線の果てに双六岳が続いていて、残雪の双六岳に関しては去年悪天候で撤退したので、いつかまた再トライしてみたいと思ってる。

見ればトレースも薄らついてるから、GWに西鎌尾根を登ってくる人もいるんだろうか…。

 

荷物をデポって山頂アタック。下から見てわかってはいたけど、槍ヶ岳本体には雪が全くついていないので、アイゼンとピッケルは不要。ヘルメットと祝杯用のジュースだけ持って行く。

去年、大天井岳から見たときは、まだ真っ白な槍の穂先だったのに…。今年の雪解けの速さは異常。

 

懐かしい岩場。槍ヶ岳の岩場に関しては、岩場苦手の僕でもそこまで苦にならずに登れるから、見た目ほどは大したことない。

むしろ怖いのが、シーズン中に渋滞するとき。他人が引き起こす落石ほど予想できないものはないから、ヘルメット着用はやっぱりしたほうがいいです。実際、ここまで登ってくる人を見ても、ザックにヘルメット括りつけている人が大半。

 

ハシゴ、鎖場も数ヶ所あり。

 

振り返るとなかなかの高度感。岩場は登りは楽しくて、下りが怖い。。。この苦手意識はここ数年、一向に克服できていない。

 

途中は下りと登りでルートが分かれてくれるので、今回の山頂アタックは待ち時間ゼロ。

ひどいときは槍ヶ岳山荘まで大渋滞を引き起こすので注意が必要です。3時間待ちとかもあるらしい…

 

すでに時刻は夕方の16時近く。稜線にも陰影が創り出されて、その影がまた槍ヶ岳っぽく鋭利に浮かび上がる。

いつぞや書いたかもしれないけど、自然の景色の移り変わりを敏感に感じ取れるようになったのは登山をしたからこそ得られたものだと思ってる。山が嫌いな人を否定する気は全然ないけど、山に登って自然に対する価値観が大きく変わったのは自分の中での成長の1つ。

僕も山に登る前は、「辛い思いをして登って何の意味があるの?」とか思ってたくらいだしね。やってみないとわからない楽しさってやっぱりある。それを教えてくれたのは、一番最初に登った富士山だったかもしれない。

 

山頂へ伸びる最後のハシゴ。これに取り付くのも3年ぶり。

あの時は一人で登って一人で達成感味わってたけど、今回は仲間と登ってる。それも大きな違い。以前はテント泊はソロに限るなんて思ってた時期もあったけど、今は仲間と登るほうが断然多い。ソロもソロで楽しいけどね。

 

そして……

 

15時40分、上高地をスタートして実に10時間。やっとの思いで槍ヶ岳山頂に到着!!!

長かった…、本当に長すぎた。。。夏場はもっと早く着けるもんなの?上高地からの22kmはやはり尋常じゃないくらい遠かったです (´;д;`)

 

先客2名ほどの静かな雰囲気で出迎えてくれました。ゴールデンウィークとは思えない空きっぷり。

 

辛かったからこそ、その頂から見える景色の雄大さには感動の一言。

槍ヶ岳と言えば北アルプスの筆頭格。北アルプスのほぼ全域が見渡せます。中でも裏銀座はまだまだ雪がたっぷりで、白銀の美しい世界を魅せてくれました。

 

こちらは北鎌尾根。この日に登ってくる人はいなかったけど、自分は挑戦する日が来るのだろうか…。

過酷な旅路よりも目にする景色を求めて山に入るスタンスだから、バリエーションルートとかには今はあまり興味がない。岩場苦手だしね、、、。この日も鋭利な岩稜よりも、奥に聳える薬師岳やら立山連峰に魅了されてた。

確認はできなかったけど、おそらく2週間前に登った爺ヶ岳も見えてたはず。

 

こちらは大キレットを経ての穂高連峰方面。

この日は無事に槍ヶ岳山頂を踏めたということで、翌日の北穂高岳登頂が現実味を帯びてきた。

偉そうにこうして登山ブログを書いているけど、実は穂高連峰についてはいずれも未踏。2年前の冬に西穂高独標まで登ったくらい。

 

そして、こちらが昨年のGWに歩いた大天井岳から常念岳へ至るルート。

 

正直、この景色を見たときはショックだった。

雪が全くない。去年、あれほど苦労して登り切った大天井岳直下の雪の斜面も、すっかり雪解けの様相。今年はおそらく夏道で登れる。

 

前回とは逆に、槍から雪の表銀座を見届けたかったけど、それは叶わなかったか……。あの苦労は何だったんだっ!!っていう残念な気持ちが強かったけど、去年の大天井岳があってこその今の槍ヶ岳チャレンジがあるわけだから、あの経験は決して無駄ではなかったはず。そう思うことにする。

 

燕岳から燕山荘までの稜線を拡大。こちらも全く雪がなかった。

この分だと、高山植物の開花も早まりそうな感じだね。

 

ヘトヘトすぎてもう降りるのさえ億劫だけど、とりあえず槍ヶ岳登頂お疲れちゃん、自分!

手にしているプレートは3年前にはなかったもの。刷新した槍ヶ岳プレート、GWに無事に掲げてやりました。

 

山頂で乾杯!!!

のどが終始カラカラになるほど水分に飢えていたので、槍ヶ岳山荘で購入して山頂で一気飲み。10時間以上の旅路を終えての至福の時。たまらんぜ~!

個人的にコカ・コーラだろうがペプシだろうが、コーラ350mlを一気に飲めない体質なのでCCレモンでビタミン摂取。

 

ジュース片手に下界に目を向けると、まだまだ登山客が登ってきてました。

生意気ながらも至福の優越感に浸りつつ、これからテント場まで下りなきゃいけないという現実に目を背ける自分…(´Д` )

 

槍ヶ岳山頂から見下ろす槍ヶ岳山荘。営業が開始されつつも、まだ一部は雪に埋もれたまま。

山小屋のスタッフは仕事とはいえ、自力で小屋を掘り返してトイレや水場、炊飯や寝具に至るまで整備してくれるのは感謝の一言しかない。山にかける熱量ってのは尋常じゃないんでしょうね…。恐れ入りますm(__)m

 

個人的には一番見ていて心地よかったのがやっぱり裏銀座方面。夕暮れ時に映える稜線の陰影がまた綺麗でした。

 

天気も快晴。せっかく360℃の展望が得られたので、穂高連峰から裏銀座までの風景をパノラマ撮影。

 

誰もいない槍の穂先。GWとは思えない閑散とした槍ヶ岳山頂。初日にここまで登ってくるのはスケジュール的にもタイトになるので、少なかったのかな?

辛いけど、GWの初日に槍ヶ岳山頂まで登り詰めるのはアリだと思います。

 

30分ほど山頂に滞在して、16時15分下山開始。

 

下山のほうが高度感あるのは当たり前。

ここ数年で岩場の下山スキルが身に付いていないのは、どうにかしないといかんな…。

 

16時半過ぎ、槍ヶ岳山荘に戻る。

だいぶ陽も傾いてきました。

 

この時間になってもまだまだ登ってくる登山客。雪渓はすでに陰になっていて暑さは幾分和らいでいるだろうけど、それでも足取り重くて辛そうでした。

 

こちらも日没までにテント場まで登らなきゃいけなので、名残惜しいけど槍ヶ岳とはこれでお別れ。

短い時間でしたがいいもの見させてもらいました。1年前大天井岳から眺めた槍の穂先にも立てたし、十分満足。

 

後ろ髪引かれる思いだったけど、槍沢キャンプ場に向けて下山。

 

すれ違う登山客やBCの方が懸命に登ってる姿が印象的でした。

自分も登ってきたからわかる、そのつらさ…

 

夕暮れ時、雲が出てきて槍ヶ岳のシルエットもより一層カッコよく見えました。

青空一面よりも雲が適度にあってくれた方が写真としては映える。

 

ある程度登山客をやり過ごすと、雪渓には自分たちだけ。

17時すぎ、無人の槍沢大雪渓を縦横無尽に下って行く。雪渓の下りはあっという間。

 

下山途中、夕暮れに映える空が何とも言えない幻想的な風景を造り出してました。

 

すでに18時を迎えつつあるけど、無事に槍ヶ岳を登頂できて気持ちは達成感だけ。

クラックなんて軽く飛び越えてやんよ!!

 

18時20分、まだヘッデン必要ないほど明るいうちに、どうにかテント場に戻ってきました。

この日の行動時間は約13時間。。。テント泊登山が久しぶりな身としては十分よくやった方だと思ってます。

 

槍ヶ岳の夕暮れのシルエットに感動しつつ、長い1日目は終了。

上高地から一気に槍ヶ岳を目指して、ババ平へ降りる強行プラン。不安しかなかったけど、何だかんだ身体も動いてくれて、無事にスケジュール通りに1日目を終えることができました。

 

わかっていたつもりだけど、旅を終えての一言としては「上高地からの槍ヶ岳日帰りは遠すぎる…」ということ。

 

疲れが身体中に響いて翌日の登山ができるか不安だったけど、疲労感以上に充実感に満たされて、この日は21時には就寝。翌日に備えました。

2日目も引き続き過酷な登山スケジュールとなっているけど、まぁ、どうにかなるだろ(笑)

 

そういうわけで、2日目もまさき、あつしの岳人とともに頑張りまっせ!

 

アップがなかなか追いつかないけど、後半も色々と過酷な局面があったので、追々書いて行きます。

 

まずは1日目、槍ヶ岳登頂完了―――

 

続く、、、

 

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毎度読んで頂きありがとうございます

 

【日程】

2015年5月2日 快晴

【コースタイム】

上高地(5:20) — 徳沢(6:50) — 横尾(7:50) — 槍沢ロッヂ(9:30) —ババ平・槍沢キャンプ場(10:15~11:15) — 殺生ヒュッテ(14:10) — 槍ヶ岳山荘(15:00) — 槍ヶ岳山頂(15:40~16:10) — 槍ヶ岳山荘(16:40) — ババ平・槍沢キャンプ場(18:20)

 

 

 

北穂高岳(北アルプス) GW残雪登山 涸沢テント泊

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1日目の槍ヶ岳の続き。

2日目は槍沢キャンプ場から涸沢に移動して、北穂高岳へアタック。この日の行程も10時間超えの長丁場で、加えて前日の13時間の山行の疲れが取れていなかったので、なかなか厳しい登山となりました。

標高3106m、国内第9位の高峰”北穂高岳”。槍ヶ岳よりは低い山ですが、北穂高岳のほうがまだ雪が相当残っていました。ルートも夏場とは異なり、積雪のこの時期は北穂高沢の雪渓をひたすら直登するコース。

緩んだ雪に足元崩されながら、振り返ると肝を冷やすほどの高度感ある急斜面。苦手意識の高い穂高連峰の初戦として、ビビりながらも山頂を目指した2日目の旅。

2015年GW北アルプス残雪登山、後半の記録です。

 

2日目、北穂高岳目指して―――

 

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2009年に登った富士山を最初の登山とするなら、もう今年で登山は7年目。

最初は近場の奥多摩や丹沢といった低山しか登らなくて、アルプスなんて憧れの山域でしかなかった。装備も少しずつ様になってきて、初めて北アルプスに足を踏み入れたのが2011年の夏。

その時は焼岳の日帰りだったけど、初めて上高地に来たということもあって、エメラルドグリーンに輝く梓川や野生の猿にとことん感動。正直、山の知識なんて全然なくて、焼岳の山頂に立って周りの山々を眺めたけど、どれが何ていう山なのかも全然わからなかった。

それでも偉大な北アルプスを肌で感じて、もっと知りたい、登りたいと思って、それ以降は何度も計画を立てては色々なところに登った。

 

昨年の裏銀座~雲ノ平周回も無事に済ませて、北アルプスの名峰と言われるところは大抵周ったけど、その中で唯一残ったのが今回登る穂高連峰

北アルプスの中でも割と王道の山で、最初のうちに登る人も多いんだろうけど、何故かこの山とは相性が悪くて、これまで行く機会に恵まれなかった。唯一近づいたのは、2年前の冬の西穂高独標くらい。

あの有名な涸沢にさえ行ったことがない。

 

だから、今回の北穂高岳登頂を目指すのは、割と強い思い入れがあった。いよいよか、、、という感じで。

 

そんな思いがあっての、2015年のGW北アルプス登山後半戦。

 

~~ 2015年5月3日 涸沢・北穂高岳 ~~

前日の13時間の長旅を終えたのが、18時も過ぎた時刻。長丁場を終えて夕食を取り、翌日のスケジュールを確認して寝たのが21時頃。雪上だったけど、風もなく寒さも全然感じなくて非常に快適なテント泊でした。

 

4時半ごろに起きて、テントから顔を出すと、この日も朝はいい天気。

 

ほとんどがこれから槍ヶ岳へ向かう人たちで、みんな雪渓方面へと歩いて行く中、自分たちはゆっくり朝ごはん食べてテント撤収。

テント泊の時はどうしても朝ごはんが食べれなかったんだけど、それはやっぱりよろしくないので、今年からは少しでも何か口にするようにしている。雑炊はすんなり食べれたので、持って行って正解でした。

 

5時50分、一晩過ごした槍沢キャンプ場に別れを告げて、来た道を戻る。

涸沢へ向かうため、いったん横尾まで下山。

 

20分歩いて槍沢ロッヂに到着。ここの宿泊者も続々と槍ヶ岳へ向かい始めてました。

前日の空きっぷりが嘘なくらい、この日の槍ヶ岳は混んだのかもしれない。

 

朝の梓川がまぶしくて心地良い。すでに気温は高めで、この日も相当暑くなりそうな予感でした。

 

途中、前日登った槍ヶ岳が見えた。

少し下りてきただけのはずなのに、もうはるか遠くに感じる槍の穂先…。あそこまで1日で良く一気に登ったもんだなと改めて思う。

そして、今日もまたまだまだ先が長いんだった、、というのを思い出す。

 

横尾まではほぼ平坦。朝の足慣らしにはちょうど良くて、脇を流れる梓川がとにかく綺麗で癒される。昨日通った道でも、ここら辺はまだまだ楽しんで歩けます。

 

対岸の屏風岩。あの岩を回り込んだ先に、念願の涸沢・穂高岳が待っているらしい。

自分としては初の領域。早く行きたい。

 

7時40分、横尾まで戻ってきた。ここまで来ると人もたくさん増えて、かなり賑やかになる。もう少し遅くなると、この日の朝イチで上高地入りするマイカー・バス組も加わるから、できるだけ早く通過したかったところ。

 

涸沢まで6km。ここから先は歩いたことがないから、どの程度の登りが待っているのかわからないけど、1つ言えるのが、歩き始めて2時間程度なのに、すでに疲れが出始めてるってこと…(^^;

涸沢の水場の状況を事前に調べていなかったので、ここで2L汲んで担いで行ったけど、結果的には涸沢ヒュッテにしっかりと水場があったので不要でした。

疲れた身体に無駄に鞭打って、プラス2Lの水を背負って出発。

 

ついに、この横尾大橋を越える!個人的には歴史的瞬間。

涸沢は紅葉時期に行こうと思って計画したのが過去に2回。どちらも雨にやられて、行くことができず。まさか最初に横尾大橋を越えるのが残雪期になるとは、、、

人生どういう巡り合わせがあるかわかったもんじゃない。

 

いよいよ涸沢へ。疲れもあったけど、ここから先は未踏の地だから、何が待っているのか楽しみでしかたなかった。

 

横尾大橋の上からの梓川。何度眺めても、水の透明度には感嘆するしかない。

昨日苦労して登った槍沢の雪渓。そこの雪解け水がこうして下を流れて、上高地まで続いていく。

 

足元には豊富なフキノトウ。昨年山菜取りを体験したこともあって、山菜にも結構興味わいてきた。ここまで綺麗にたくさん咲いていると、少しくらい持って帰りたくなる衝動に駆られる。

 

横尾から先もしばらくは平坦な道。重い装備には優しい道だけど、たまにいやらしい残雪が落とし穴を作っていたりして、細かいことで体力が削られていく…。

 

真下から見上げる屏風岩。涸沢へ行くもう1つのパノラマコースってのは、この目も前の岩を越えて行くらしいから、相当登ることになるんだろうね。

大変そうだけど、あの岩の上からの展望も見てみたい。パノラマっていうくらいだから、さぞ開放感があるんでしょうね、きっと。

 

穂高・屏風岩はクライマーの聖地らしくて、その道の人からしたら憧れの場所なんだとか。

素人目にはどこをどうやったら登れるのか、さっぱり見当がつかない。

 

たびたび言ってるけど、僕は岩場が大の苦手なんで、穂高岳とかはいわば苦手ジャンル。だからある意味では、今こうして歩いている長くて体力勝負なルートのほうが性に合ってるのかもしれない。

 

この時間帯は涸沢から下山する人も多くて、すれ違いも多い。

道を譲っていると、大抵「ありがとう」と言われるけど、こういうキツい登山の時は貴重な休憩時間を確保しているだけなんで、むしろこっちが助かる(笑)

そんなすれ違いの中で出会ったのが、宝永山とかを一緒に登った岳。数日前から涸沢入りしていたそうで、自分たちとは入れ替わりで下山してました。

 

どんな山であっても、知り合いと会えるのはうれしい。元気もらえて少しだけ気持ちも楽になった。

そうして、到着したのが本谷橋。夏場だと橋が架かるらしいけど、GWはまだそんなものは架ける必要もなく、このまま雪渓を直登していくことになります。

 

1日目に続き、再び雪渓上の登山。傾斜は前日の槍沢に比べるとかなり緩くて、涸沢までだったらアイゼンなくても歩けるくらいでした。

地獄の急斜面が待ち構えているのは、涸沢から先。ここら辺でヒィヒィ言っているようでは話にならないけど、すでに絶好調なくらい息切れ起こしております( ̄^ ̄)ドヤッ

照り返しは相変わらず強烈で、雪の上にいながらかなり暑い…。

 

もう見慣れてしまった白い雪渓。荷物の重さでペースが上がらない横を、小さい子どもが元気にはしゃいでいるのを見て、あの余裕がどれほどほしいと思ったことか…。

楽しそうにヒップそりもしていて、本当に山を楽しむあるべき姿というのを見た気がした。それゆえの、数時間後に行われる我らの怒涛のシリセード大会(笑)

 

広大な雪渓を2時間ほどひたすら登る。

それにしても、この白い風景が帰りには一変して荒れ果てた景色になるとはこの時思いもしなかった。。

 

涸沢ヒュッテとテント場への分岐点。大した違いはないけど、テント泊なので右に向かう。

雪の登りに関しては、この後にすごいのが待っているんでここはかなり省略しているけど、体力・時間ともに結構削られてます…。

 

シャリバテでスローペースで歩きながらも、どうにか11時すぎ。涸沢テント場に到着。

念願の初涸沢は、何とも無様な格好での到着となりました。

 

GWの混雑っぷりは毎年聞いていたけど、噂通り色とりどりのテント場並んでる。

見た感じモンベルのテントが多くて、何か目印つけてないと夜とか迷子になりそうだと思った…。

いい感じで空いているスペースを見つけたけど、広さが足りなかったのでスコップで整地。雪上のテント場ってスペースつくるだけでも結構疲れるのよ…。30分くらいかけて2張りのテントを設置した時には、正直それで満足してた自分がいた、、、(北穂高岳登らなくてもいいじゃないかと…)

 

写真で良く見た岩壁の真下に建てられた涸沢小屋。遠目でもテラスでくつろいでいる人がたくさんいるのが見えました。

涸沢といったらビール&おでんが有名だし、昼間っから呑んべぇになってる人もきっと多いはず。それが余計に誘惑になる……

 

テント場からの景色がとにかく素晴らしくて、周りを穂高の岩壁で囲まれた絶好のロケーション。

こちらは奥穂高岳。日本第3位の高峰。

今回は登る予定はないので見るだけ。この山はまた別のルートで登ろうとしているので、その時に取っておきます。

 

涸沢のテント場の料金は……、なかなかいい値段するね。

右後ろのテントが受付で、この日は12時から受け付け開始してました。

 

テントを張り終えて、何よりもお腹が空いていたので涸沢ヒュッテのパノラマ売店でお昼ご飯。山小屋の食事を頼ることにした。

ここも、すでに朝方登り終えた人がビールとか飲んでてまったりモードが漂ってました。

 

小屋のごはんと言えばカレーだよな。基本的に僕のテントの時の食事はラーメンなので、どうしてもお米が食べたかった。

テント泊のときは、基本的にお昼ご飯は行動食で済ませる派なので、小屋で食事をとることなんて滅多にない。腹が膨れればいいやと思ってたけど、これが想像以上に美味しいし、すぐに食べられるので、今後も小屋でのお昼ご飯はかなりありに思えてきた。

 

カレーを食べていると、このまま飲み始めて北穂高岳も登らなくてもいいかな~、、なんて思ったりもした。

それくらい疲れているのもあったし、前日の槍ヶ岳で十分達成感があったって言うのもあったし、、、まわりでビールとおでんで一杯やっているのを見て、やる気削がれたのもあるし。。。

 

こいのぼりをボーっと見て、コースタイムを再計算。

すでに12時半。北穂高岳まで夏の標準タイムで往復5時間。帰ってくるのは18時近くになるけど、、、考えてみたら前日の槍ヶ岳も似たようなもんだったか(笑)

翌日の天気が良ければ、もしかしたらこの日はこれで終わっていたかもしれないけど、悪天っていうのはわかっていたので、とりあえずやれるだけやってみようってことになった。まさきとあつしも行く気だったし。

 

そういうわけで、12時40分。この時間帯から登りはじめる人はほとんどいなかったけど、北穂高岳に向けてアタック開始。

前日の槍ヶ岳同様に、ここから先は荷物デポって軽装で登れるんで、多少楽になる。

 

ただ、この北穂高岳までの道。積雪時は北穂高沢の雪渓をひたすら登り詰めるんだけど、前日と格段に違うのが傾斜。

下から見ててわかってはいたけど、相当な急斜面。

 

この傾斜を山頂までひたすら登る。長丁場になりそうなのは、スタート早々察知した。。

 

もう一つのアタック方面が奥穂高岳のザイテングラート。米粒みたいに見えるのが登山客です。

あの場所で滑落死亡事故が起きてしまうのは、この2日後…。あちらも相当な急斜面だってのは、傍目で見てもよくわかった。

 

後ろを振り返ると良く分かるその傾斜。高度の上げ方が尋常じゃない。

登山道にはまだ人がいたけど、ほとんどが山頂まで登り終えて下山する人たち。登るのも大変だけど、降りるのも慎重な足取りで結構大変そうでした。

 

上からだとテント場の状況も良く分かる。なんか思っていたよりはテント少なかったです。

実際、この前日がテントの数もピークだったようで、この1.5倍くらいは張られていたみたい。

 

ある程度登ると降りる人もほとんどいなくなって静かな雪壁だけが目の前に広がる。

途中、脇で落石とかも発生していて油断ならなかったけど、幸いだったのが雪が思ってた以上には緩んでいなくてアイゼンが効いてくれたことか。

足元崩れるシーンはそんなになかったです。

 

涸沢ヒュッテとテント場をバックに登り詰める。

テントが見るからに小さくなっていくことで、高度が増しているのを自覚する。

 

北穂高岳に関してはとにかくこの急な雪渓をひたすら登るしかない。

…ってことで、ここから先は上を見上げては後ろを振り返っての繰り返し。

 

登っていると全然山頂に近づいている感じがしないんだけど、後ろを振り返ると確実に高度を上げているのが実感できる。テントももう豆粒みたいに小さい。

 

近いようで全然近づかない雪渓の登り。もうこの雪山マジックには慣れたので、特に気にしない。

歩いていればいつかは着く。

 

あっという間に14時を過ぎる。まだ山頂は遠い…。

テント場ではどこもかしこも宴が始まる頃なんでしょうね、きっと。。

 

終盤に差し掛かると、山頂を見上げるのも少しきつくなってくる。それくらいの傾斜。

写真で写っている部分は、雪がない時期は歩かないルート。夏場は途中で南稜に取り付いて岩場を登っていくことになります。

 

ようやく近づいてきた感じがする。でもまだ時間はかかる…。

それでも前日の槍ヶ岳よりも楽に感じたのは、身体が慣れてきたからかもしれない。自分が(超がつくほど)スロースターターというのは前から自覚していて、登山も後半になるころにようやくペースが上がってくる。テント泊の時も1日目よりは2日目のほうが格段に調子がいい。たとえ疲れが残っていても、1日目ほどは息切れがしない。

最初っからカッコよく飛ばして行けたら最高なんだろうけど、それができないのが非常にもどかしく情けない…。

 

たまにこういう窪みがあるのは、おそらくシリセードで降りた跡。こういうところはステップが効かないので、脇の踏み抜きがある方を登っていきます。

 

テント場を眺めていると、その数が徐々に増えていくのがわかった。

まだまだ登ってくる人たちがたくさん見える。槍ヶ岳にしろ北穂高岳にしろ、日帰りの行程で登る人は少ないから、大半は前日入りして明朝アタック。だから朝方の山頂が混む。

逆に昼過ぎにアタックすると空いている山頂を満喫できるんだけど、その分ハードスケジュールになるしガスる可能性も高くなる。自分でやっておいてなんだけど、今回のような行程はあんまり人には勧められない。

 

山頂の岩場もだいぶ近づいてきた。ラストがかなりの傾斜だけど、雪が柔らかいので最後までストック使ったほうが楽でした。

ピッケルは帰りに大活躍。

 

長かった雪渓もラストスパート。先人が作ってくれたトレースを頼りに登っていく。

 

標高3000mを越えた地点。時刻が15時を過ぎたころにようやく稜線に到着。

 

登ってきたのが松濤のコルと呼ばれる場所。まず目に付くのが目の前に現れた巨大な岩。これが松濤岩でしょうかね…?

 

稜線部にはテントを張っている人もいました。標高3000m地点でのテント場はやっぱり寒そう…。こういう場所でのテントは、今の自分にはまだ真似できそうにない。

 

稜線に出たら、後は山頂直下の岩場を登って山頂へ行くだけ。

この岩場部分だけ雪がなかったです。

 

そして、15時20分――

 

北穂高岳山頂に無事に到着!穂高連峰のピークとしてはこれが初。

広い山頂とは聞いていたけど、まだまだ山頂は雪たっぷりで、それほどの広さは感じませんでした。

この時間に登頂する人なんて他におらず、当然ながら貸切。

 

北穂南峰方面の岩稜帯。この時間になると徐々にガスってきちゃいましたが、岩場とガスの相性はそう悪くはなく、見る分には雰囲気出ててなかなか良かったです。

この稜線もいつか歩いて、涸沢岳や奥穂高岳に踏める日が来ればいいと思っている。

 

まぁ、何より今回のターゲットはこの北穂高岳。穂高連峰初の山頂ということで、槍ヶ岳登頂とはまた違う感慨深いものがありました。

無事に登頂できたので、もう1段先へ行けそうかな。次は西穂か奥穂か……。

 

山頂のすぐ近くにある北穂高小屋があるので立ち寄ってみることに。山頂からはこんな感じで雪の回廊を思わせる階段が掘られていました。

これを見て、山頂部にはまだ相当な雪が残っているんだとわかった。

 

標高3100m地点に建てられた北穂高小屋。避難小屋を抜きにすれば、日本で一番高い位置にある山小屋らしいです。

 

はるか眼下には涸沢のテント場も見えました。これも、頑張って登ってきたんだなぁ~と、達成感を与えてくれる景色の1つ。

これからあそこまで下りなきゃいけないわけだけが、、、。そう考える頭が痛くなるけど、帰りは帰りで素敵な時間が待ってました。

 

大キレット方面はガスってきてしまったので、残念ながら槍ヶ岳は見れませんでした。

こういう時は、山が「また来なさい」と言ってると思うことにしているので、ここにはまたルートか季節を変えて来たいと思う。あわよくば、大キレット越えなんかもありか!?

 

雲が多くなってきたけど、常念・表銀座方面は見渡すことができました。

前日も思ったことだけど、今年の表銀座は本当に雪ないなぁ~と。

 

16時、そろそろ下りないと日没を迎えてしまうので、北穂高小屋をあとにして涸沢テント場に戻ることに。

槍ヶ岳が雪が全くなかっただけに、この北穂高岳山頂の積雪量にはかなり驚かされました。少し距離が離れているだけで、こうも違うのか…。

 

短い時間だったけど、北穂高岳とお別れ。無事にピークを踏めたのでホッとしております。

後は涸沢まで下山してしまえば、3日目は上高地まで下りるだけなので、ここからの急斜面の下山が最後の頑張り。登りより危険なにおいがプンプンしたので、どうか無事に降りれますように。

 

山頂直下の岩場を下って行く。

 

そして、ここで思いがけない素敵な出会い!

 

北アルプスの癒し系ゆるキャラーー

 

ライチョウ。冬の時期は真っ白い羽を纏う雷鳥もGWは羽も生え変わり始めてました。

天気が悪いときに良く姿を見せてくれる雷鳥。ガスってもこういう恩恵が待っているから北アルプスは素晴らしい。

岩場だらけの場所に1匹だけ顔を出してくれました。

 

しっかりカメラ目線も頂きました。

とにかくこのぷっくらしたまん丸のお腹がたまらない!何度触ってモフモフしたいと思ったかわからないけど、非常に貴重な鳥なので脅かさずにそっと見て楽しむ。

 

まさかのライチョウ遭遇で、ガスった分の感動は取り返せたかな。

時刻は16時20分。ここから涸沢まで標高差700mほどを下らなきゃならないけど、下山は1時間40分ほどらしいので、どうにか日没前には降りれそう。

急斜面なのでピッケル片手に下りはじめる。

 

下りは怖いかと思ったけど、案外楽に降りられる。登ってくる人もいないので、雪を多少崩しても問題ないのが気楽。

 

広大な涸沢カール。山もガスに包まれてきたけど、下山までは持ちこたえてくれそうなのでもう安心。

ここに来てようやく気が楽になったかな。後は涸沢まで下山して、翌日は上高地まで戻るだけなので、もう実質登ることはなし。2日間の長丁場をよく耐えたなぁ~としみじみ。

 

だから、最後は楽しんで終わりましょうかね!

ある程度傾斜が緩くなった滑走地点にスタンバイ。

 

あとは涸沢まで一気にシリセ~ド~!!(((((((((((っ・ω・)っ

この時のために山頂でレインウェアに着替えておいた。ピッケルがないとスピード付きすぎてリアルに滑落する危険があるので、ブレーキかけながらね。

シリセードには過去最高にちょうどいい傾斜。一気に標高下げられて、笑いが止まらなかったわ(笑)

 

結局30分ほどで下山完了!登りで3時間かかったところを下りは30分って、、、

あまりの速さに、もう少し山頂でゆっくりしても良かったとさえ思ってしまったよ。呆気なさすぎる下山でしたとさ。

 

装備がかなり濡れたけど、予定よりだいぶ早く降りれたのは結果オーライ。

さっさと着替えて、売店前のテラスで2日間の打ち上げじゃ~!

 

涸沢ヒュッテ名物のおでん。17時で販売終了してしまっていたけど、売店の綺麗なお姉さんがコッヘルあれば売ってくれると言ったので、ビール&おでんを堪能できました。しいたけはサービスしてもらっちったぜ。

 

そのあとは夕食もかねて19時半くらいまで飲んでたかな。とにかく翌日は下山だけだったので気楽でした。仮に3日目も晴れてたら、奥穂高岳に登りたくなる衝動が出たかもしれないけど、(都合よく…?)悪天だったので割り切ることができた。

 

夜の涸沢テント場。この日もそれほど寒くなく風もなく、穏やかな夜でした。

どこのテントもまだ明かりが点いていて、綺麗だったな。賑やかすぎて山の上の、しかも雪のテント場とは思えないくらいでした。

 

さっきまでいた北穂高小屋の明かりも下からはっきりと見えた。GWはまだ2日目。みんな思い思いに山旅を楽しんでいるようでした。

自分たちもテントに戻って、しばらく飲んでこの2日間を振り返ったりしたな。たかが2日間だったけど、槍ヶ岳も北穂高岳も長旅だったから、本当に色々なことがあった。3人とも精根尽き果てるほど疲れたけど、ここに来てようやく安心感も味わえた。無事にスケジュール通りにこなせて、後は下りるだけ。

 

翌日は5時くらいに起きて、早めに下山できたらしようって軽い取り決めだけして、21時過ぎに就寝。

 

怒涛の2日間がこうして終了。

 

最終日の3日目へ……

 

~~ 2015年5月4日 涸沢キャンプ場から上高地へ下山 ~~

3日目の朝。起きたのは予定通り5時すぎだけど、真夜中に大雨が降ってたまに目が覚めた記憶あり。自分は決して寝つきが良い方ではないと思ってるけど、テントとバスの中だけは人並み以上に熟睡できるタイプなんで、少しうるさくてもあんまり問題なし。

逆に寝坊が怖いけど、これだけテントが多いと5時にもなれば周りも行動を初めて騒がしくなるので、自然と目が覚める。

 

テントの外を覗いてみると、あいにくの曇り空。

でも、雨は上がってくれていたのでテント撤収は楽でした。

 

昨日見えていた北穂高岳も山頂はガスの中。

それでも北穂や奥穂にアタックしている人がたくさんいました。奥穂高岳ザイテングラートで滑落死亡事故が起きてしまったのが、この翌日の朝。テント場からも登山道がしっかりと見えていたから、滑落の瞬間を目撃していた人もいるのかな。。

GWの北アルプスは暖かくなってくる時期ではあるけど、山の上はまだまだ雪の世界。天候が少しでも崩れれば厳冬期並みの寒さが押し寄せるし(昨年の表銀座で経験済み)、ある意味足場も脆さは真冬以上に厄介だから決して油断ならない。それでもせっかくのGWだから登頂したい気持ちってのも良く分かるし、、そのジレンマがあり続ける限り登山事故はなくならないだろうね。

 

5時45分、下山開始。標高としてはまだ2300mの地点、残りは下山だけとはいえ、上高地までは5時間ほどかかる距離。

それでも荷物はだいぶ減ってくれているので、1,2日目よりかは出だしもだいぶ楽。

 

ただ、この後すぐに昨夜の大雨の威力を知ることになる…。

 

登ってくるときには、真っ白い雪渓が広がっていた登山道。

それが土砂崩れやら落石で見るからに荒れ果ててた。一晩でこうも景色が一変するのかと、ただただ驚くしかなかった。もし登ってくる時に雨が降っていたら、この土砂崩れが直撃していた可能性だってありえる。

帰り際で山の怖さを垣間見た瞬間でした。

 

6時半、本谷橋へ戻ってきた。ここら辺もだいぶ荒れてました。

ここから先は雪もなくなるので、アイゼンを外してひたすら長い平坦な道のりを上高地まで下って行きます。

 

途中の屏風岩。霧があることで風格が増して、迫力ありました。

 

GW3日目ともなると、登ってくる人も少な目。涸沢からの下山も先行隊だったので、それほど混雑することなく歩けました。

 

雨上がりだったので、コケが瑞々しくて綺麗でした。

平坦で単調な道でも見どころは豊富。

 

7時半、横尾に到着。予報よりは天気良くて、たまに陽がさしたりもしました。

湿度が高いので、かなり蒸し暑かったが…。

 

横尾まで来たら、後は沢沿いにひたすら長い平坦な道を戻るだけ。

 

特に目新しい風景もなかったので、樹と苔でカメラの練習でもしてみた。

ここら辺は登るときは先を急いでいたので、ゆっくり景色を眺めて歩くにはちょうど良かった。霧の苔むす森、もののけの雰囲気漂っていました。

 

徳沢に近づくにつれて人も徐々に増えてくる。長く単調な道だけど、木漏れ日差す林間コースが気持ち良かったです。

 

霧と陽の光で幻想的に映る上高地の森。

 

9時少し前に徳沢に到着。ここまで来ると完全に観光地化して、雨合羽して林道を散策する人もたくさんいます。

 

…で、絶対に外せないのが登りでも触れた、徳沢のソフトクリームね。

 

ここのソフトクリームはコーンがサクサクで美味しい。ソフトクリーム行列ができるほど、この日も人気でした。

 

軽く休憩して、徳沢のキャンプ場を出発。

 

上高地までは残り2時間。脇に咲く花を鑑賞しながら進む。

綺麗な花がたくさんあったけど、いかんせん名前がわからない。。。例えばこの写真の花は何ですかね??

 

曇っていたからなのか、苔むす森が一層綺麗に見えました。葉の緑と幹の茶色が良いコントラスト。

 

水も滴るいいお花。花に目を向けられるようになったのも、1つの成長。以前だったらひっそりと咲くこの手の花はスルーしてただろうし。

 

上高地名物の猿も道脇にたくさんいました。

かなり人間慣れしているので、普通に顔色一つ変えずに真横を歩いて行く。

 

10時10分、明神館に到着。ここに着いた時だけ、一時的に雨に降られたけど、それでもすぐに上がってくれてザックカバーもそんなに意味をなさずに上高地まで歩いて行きました。

今回の旅で一番濡れたのは、間違いなく2日目の北穂高岳からのシリセード(笑)

 

11時、長い道のりを終えて上高地に戻ってきた~!

梓川と河童橋。お昼に差し掛かる時間帯だったので、この天気でも観光客がたくさんいました。

 

こうして上高地バスターミナルに無事に帰還!涸沢から約5時間の下山だったけど、足もどうにか持ちました。

3日間通してお疲れ様!!

 

バスも混雑していて並ぶのが面倒だったので、帰りもタクシー使って沢渡まで行きました。

 

温泉は近くの「さわんど温泉 梓湖畔の湯」で済ませました。露天風呂はあるけど、洗い場も浴槽もそこまで広くはないので、大人数には不向きかもしれません。

上高地近くの温泉で、他にいいところあったら教えてください。

 

帰りがけ、5月にもなったということで上高地付近でも新緑が綺麗でした。

今回は北アルプスの残雪登山ということで雪景色が大半だったけど、ここから先は新緑がメインの登山になりそう。

 

松本市へ下りてくると青空も見えて、すっかり夏の空模様。山には雲がかかっていたけど、結局この日以外はまた翌日から北アルプスも晴れたので、今年のGWは天気に恵まれた年だったね。よかったよかった!

 

帰りに少し寄り道しました。「カモシカスポーツ松本店」。

建物自体がオシャレで、店前の庭園には花も咲かせておりました。

 

これはエベレストかな…?

 

特に何も買わなかったけど、登山初期から使っているオレンジマムートのレインウェアがいい加減ボロボロだから買い替えたい。後は40Lのザックがそろそろ壊れそう。

山の装備は揃ったとしても次々とダメになっていくから、お財布に優しい趣味とは言えないよな。。。

 

徳沢のソフトクリーム以降何も食べてなかったので、猛烈な空腹!寿司、焼き肉、どんぶり……、登山後はあらゆるものが食べたくなるけど、今回はたまたま目に入った松本市内のインドカレー屋でバイキング。失ったカロリーを一気に取り戻す。

 

こういうことを毎回繰り返すので、山に登っていても決して痩せることはないのさ……。

 

3日間にわたる北アルプスの山旅が終わり、東京へ戻る。すでに渋滞がひどかったけど、日付変わる前には自宅に帰れました。

山に登ったのは1日目と2日目だから、登山は実質2日間か。両日ともに10時間超えの長丁場で相当しんどい思いをしたけど、怪我もなく無事に終われたんで、めでたしめでたし!

これは余談だけど、GW最終日が山友の結婚式で、特にまさきとあつしは2次会の司会を任されてたから、到底怪我なんてさせられず。車内でもかなり練習してたけど、そちらも無事に終わったので、めでたしだな!

山にも行けたし、幸せムードで終われて今年もゴールデンウィークでした。

 

色々書きたいことは山ほどあるけど、相変わらず長くなってしまったので、サラッとまとめると……

後半の北穂高岳編のハイライトは、やっぱり初の涸沢でした。

 

写真で何度も見た北アルプス涸沢。名高い穂高岳に周囲を囲まれたキャンプ場、ここが人気になる理由がよくわかりました。

夜景も綺麗だったし、ここもまた山の上の楽園と呼べる場所。涸沢と言えば紅葉が有名なので、いつの日か秋にも訪れてみたい。混んでる山はあんまり行きたくないけど、ここの紅葉だけは仕方ないと思ってる。平日でも激混みらしいからね。

 

また来た時は、きっと今回の山行を思い出すことだろう。山旅なんてそんなもん。

 

過去の山旅の中でも、行動時間で言えばトップ3にランクインするほど長かったけど、まさきとあつしがいてくれたおかげで最後まで頑張れた。3日間通して一緒に登ってくれた、まさき、あつしサンクス!!今年の雪山を何度も一緒に登った二人だったんで、長丁場でも足並みそろえて登れましたよ。

 

アップがだいぶ遅くなってしまってもう5月も終わりだけど、この槍・北穂以降も今月は調子よく山に登れたので、順次アップしていこうかと思います。

しばらくアルプスが続いたけど、次回からは雪景色も減って新緑や花メインの登山になるので、気が向いたらまた読みに来てください。

 

2015年GW 槍ヶ岳~北穂高岳残雪登山(完)

 

おしまい

 

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毎度読んで頂きありがとうございます

 

【日程】

2015年5月3日 晴れのち曇り

【コースタイム】

・2日目

槍沢キャンプ場(5:50) — 横尾(7:40) — 涸沢(11:10~12:40) — 北穂高岳(15:20~16:00) — 涸沢(16:50)

・3日目

涸沢(5:40) — 横尾(7:30) — 徳沢(9:00) — 上高地バスターミナル(11:00)

 

 

白砂山~八間山 日帰り登山 残雪と花の稜線とエメラルドグリーンの野反湖

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GWの山行も無事に終え、その翌週末に向かった先は白砂山。

長野、新潟、群馬の3県の境にそびえる標高2139mの山で、日本二百名山にも選定されています。

知名度はそれほど高くはないかもしれないですが、白砂山は前から行きたかった山の1つで、何と言っても自分の大好きな”稜線“が見どころ。緊張を強いられたGW山行後のリフレッシュハイキングとしてはちょうど良かったです。

初夏の時期であれば麓から山頂に至るまで色んな花が咲いて、花と稜線が存分に楽しめる山。今回は時期が5月初旬だったので、花の時期には少し早かったですが、それでも足元には小さな花が咲き、夏の到来を予感させました。

何よりこの時期の目玉は、残雪と新緑が織り成す白と緑の稜線。この雪が残った山の稜線が、また大好きなんです。

期待通りの稜線、そして想定外の絶景に巡り合えた麓に広がるエメラルドグリーンの野反湖。

また1つ自分好みの山に出会えた旅でした。

 

白砂山、残雪の稜線を歩く―――

 

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槍ヶ岳北穂高岳の記録。結構な方に読んで頂いたようでありがとうございますm(__)m

去年のGWの北アルプス表銀座縦走に続いて、今年のGWの山旅も相当厳しかったけど、思い出として色濃く残るもんだったなと。

2日連続で標高3000m超の山を登ったので、翌週くらいは休んでもいいかという思いもあったんだけど、GW後半がゆっくり休めたので、すっきり疲れも消えて迎えた週末。再び山モードに入っておりました。

本当なら土日で行くつもりが、この週は土曜の天気が大荒れ予報だったので、急遽日帰りに変更。冒頭でも話した通り、稜線フェチとして前々から気になっていた白砂山をリクエストしたところ、お仲間さん達が快諾してくれたので決行となりました。

 

今回は前回までとは打って変わって、緊張感なしのまったり登山。

行程としては8時間程度の軽いハイクですが、個人的には大好きな山行ジャンルだったので期待せずにはいられなかった。

 

山はもとより、登山口に広がる野反湖に深い可能性と魅力を感じた山旅でした。

 

~~ 2015年5月10日 白砂山・八間山 ~~

今回も前夜発。白砂山自体の行程はそれほど長くはないんだけど、登山口までのアクセスがかなり遠い…。

高速道路を下りてからの下道がやたら長く、渋川伊香保ICから80km弱あります。

道は登山口までしっかりと舗装されているのが幸いだけど、運転手のくろちゃんには頭が上がりません。。

 

登山口はいくつかあるけど、今回は野反湖ダム手前の駐車場から登ることに。ここが白砂山山頂まで一番近い登山口だから、最も登られてるスタート地点だと思います。

駐車場もかなり広くて、50台は楽に停められるスペース。登山者の受け入れ態勢は万全!

 

ただ、寂しいことに日曜にもかかわらずこの日はわずか5台ほど。時期が少し早かったのもあるかもしれないけど、色々下調べをしても、この駐車場が混雑するような記録は全くなかったので、山自体の知名度がまだあまり高くないのかもしれない。

 

この駐車場には夜間でも使える休憩所とトイレがあります。(右の建物)

さらに自販機や靴の洗い場も完備されていて、登山者にはこれ以上ないくらい充実したインフラ。昼間は左の建物が売店になるらしいんだけど、早朝なのでまだ営業はしてませんでした。

 

休憩所の中はこんな感じ。この日は朝から強風が吹き荒れていて、外が物凄い寒かった…。

なので、この休憩所が本当にありがたくて、ここで朝ごはん食べたり着替えたりして出発の準備を整えました。

 

登山口前には、こんな立派な地図もあります。今回利用する登山口は野反湖の北側の現在地となっているところ。他の記録を見ると、南の富士見峠から登っている人もチラホラいました。

最短ルートは今いる登山口なんだけど、南の富士見峠は時期がもう少し遅ければシラネアオイやコマクサの群生地が登山口付近にあるので、時期次第ではそちらをアタック拠点にするのが良いかもしれません。

 

今回は堂岩山~白砂山~八間山と登る周回コース。白砂山から八間山に素晴らしい稜線が広がっているから、どのルートで登るにしろ、この2つの山はぜひ周回してほしい。

 

登山口正面に見えたお山。

こちらは今回は登らない西側の高沢山と三壁山。山頂が見えているので簡単に登れそうだけど、上の方は樹が少なくて見るからに展望が良さそう。

稜線も穏やかに見えたし、時間があれば登ってみたかった山です。

 

こちらが白砂山登山口。だいぶ車で上の方まで登ってこれたので、標高1530m地点からのスタート。

標高で言えば上高地に匹敵。ただ風が強い分、前週の上高地に比べると格段に寒かったです。

 

7時前に登山開始。まだ所々固まった雪が残ってたけど、アイゼンつけるほどでなかった。

残雪の状況以上に気になっていたのが、この日の天気。強風は事前の予報で知っていたので別に問題はなかったけど、3つの県境に位置しているので、どのエリアの天候を参考にしてよいのかが微妙だった…。

近隣にある名山としては、長野側に草津白根山、新潟側に苗場山、群馬側に谷川岳という位置関係。その中心にある白砂山。谷川岳方面がこの日は終始ガスの予報だったけど、長野側の天気が快晴と出ていたので、それに賭けての白砂山になったというのもあり…。言いだしっぺでガスられたらどうしようもなかったけど、強風が雲の流れを群馬側に押しやって、上空は徐々に青空が広がってくれてました。

 

天気が良いと、登りはじめて早々に1つの絶景にありつくことができて……

 

それがこちらの野反湖。この後も何度も見ることになるけど、水の色がとにかく綺麗。高い標高に位置している分、周りの山との高低差が少ないので、周りの雰囲気にしっかり溶け込んでいるのもいい。空も近く感じる。

陽が当たらないこの時間はオーシャンブルー。これが日中になるとエメラルドグリーンに変化して、さらに綺麗な景色を見せてくれる。

 

この時点では、山頂方面がまだ雲の中だったけど、風で雲がみるみる流れていくので、何となく大丈夫そうな予感がした。

厄介に感じていた強風も、頼もしく思えてくるから不思議。ガスった稜線なんて歩きたくないから、頼むから雲を吹っ飛ばしてくれ!

 

登山道としては少しだけ登って、いったん沢まで下る。薄らトレースがあったので迷わなかったけど、残雪時にそこまで入山する人がいないようなので、状況次第ではここら辺はやや迷うかも。

 

このハンノキ沢を渡るのが正解。壊れかけた橋とこの標識が目印です。

白砂山まで5.7kmってなっているけど、それがすごく近く感じるのは、たぶん前週の槍ヶ岳のせいだな(笑)

ここからしばらくは樹林帯の登りが続くけど、堂岩山まで登ってしまえば後はお待ちかねの稜線が始まるので、頑張る部分としては3.6kmだけ。

 

陽が当たらない部分はまだかなり雪が残っていて、探りながら登っていく。

GW前なら確実にルートファイティングが必要なので、迷うのが心配ならヤマレコとか見てある程度先客を待った方が良いかもしれません。

 

登山道わきに咲いていたのがショウジョウバカマ。群生とはいかないまでも、足元を見るとチラホラ咲いていて、目の保養になりました。

登山初期の頃なんて足元に目を向けたことなんてほとんどなかったから、こういう花は見逃していたと思う。そう考えると、何と勿体ないことをしていたんだろう……

 

朝はかなり寒かったけど、樹林帯に入ると風も収まって、暑くなってくる。

自分の理想形としては、なるべく脱ぎ着はせずにスタートの服装のまま山頂まで行くことなんだけど、風が強いとやっぱり難しいな…。暑がりな体質なんで、できることなら半袖で行動したい派なのです。一方で重度の寒がりでもあるので、スタート時は着込んでしまうというね…(^^;

 

途中にあった廃屋。白砂山の記事を見ていると、みんなこれを載せていたので、自分も流れに合わせて載せておきます。

何の用途で建てられたかは不明。

 

緑の小さな息吹。

5月ともなれば標高2000mの山でも新緑を迎えつつある季節。いよいよ雪も終わり、夏山シーズンの到来を予感させます。

 

登っていると何度か展望開けた尾根に出る。

雪が積もっていてくれると、その分が足場となって視界も広がる。

 

眼下に見えるのが先ほどの野反湖。こうして眺めると、湖自体が山の上に広がっているのがよくわかる。

湖の綺麗さはもとより、周りを取り囲む山の雰囲気がまた良くて、トレッキングコースやキャンプ場も充実している。野反湖メインで遊ぶのも楽しいかもしれない。

 

尾根にはハート型の残雪も発見。男子登山でも、こういうのを見るとキャッキャするんだぜ!

 

雪と緑を同時に楽しめるのが、この時期の標高2000m級の山の魅力。

 

途中の水場への分岐。水場の状況は確認してないのでわからないけど、ルート上ではここが唯一の水場。

今は寒いとはいえ、標高2000mを少し超えるだけの山なので夏場はかなり暑いと思う。水は多めに持って行ったほうがいいです。

 

標高1800mを越えたあたりはほとんど雪。

たまにルートを外しつつ、トレースや赤テープ探したりGPS確認したりで登っていく。

 

樹林帯の合間から見える野反湖。

あまりの綺麗さに、どうしても目が行ってしまう。

 

堂岩山までのラストの登り。多少の登り返しはあるけど、基本的に登山口からここまで急登と感じられるようなところはなかったです。

 

9時10分、堂岩山に到着。これから向かう白砂山も八間山も雪が完全に融けていたけど、この山頂だけがまだかなり積雪ありました。

 

標識だけこんな感じでくり抜かれてた。

残雪分だけ標高上積み。展望もその分開けて見える。

 

こちらが白砂山。まだ距離は少しあるけど、これから歩く何とも楽しそうな稜線が見えてしまったので、テンション上がらずにはいられなかったな!

心配していた雲も、白砂山の背後までどいてくれました。

 

雪が積もっていてくれたので西側の展望も良く見えた。

 

手前が相変わらず綺麗な青の輝きを見せる野反湖。その向こうに見える高い山が草津白根山。

野反湖の綺麗さは本当に想定外で、周りの名山さえ霞ませる。山旅のオプションとしては贅沢すぎる付加価値でした。

 

心配だった雲は全部群馬県側に流れて、そちらには雲海が広がってました。

谷川方面の山に登っている人には申し訳ないと思う反面、稜線を境にここまで天気が変わるもんなんだな~と山の天気の変化に一人感嘆としておりました。

 

ここからいよいよお目当ての稜線ハイク開始!

この稜線を歩きたくて遥々やってきたわけだから、じっくり堪能させてもらう。

 

稜線に差し掛かってすぐに堂岩分岐点。まずは標識通りに白砂山まで登って、帰りは八間山経由で帰る。

八間山に至る稜線も素晴らしいのでそれは後ほど。

 

稜線上に咲いていたのはミネザクラ。これから満開を迎えようかって頃合いでした。

 

雪が残る稜線。この残雪が良いアクセントになって、緑の稜線がひときわ綺麗に見える。

稜線の風景としては、この適度に雪が残った状態が一番好きかもしれない。

 

山の斜面にもちらほら残雪が残る。見ての通り、山の斜面に背の高い樹木がないので、稜線上の開放感が素晴らしい。

標高2000m程度でこの展望が得られるのは、谷川岳に通じるものがある。

 

稜線から良く見えたのが、南側に聳える榛名山。普段はあまり意識して見ない榛名山だけど、この白砂山からだと多数の峰を有する複雑な山容が一望できる。

一見した時に、八ヶ岳と見間違えたのはここだけの話(笑)

 

稜線上は基本的に道が整備されているけど、一部藪漕ぎっぽいところもあり。

この日は乾いてたから良かったけど、雨上がりはかなり濡れるかもしれません。そういう場合、パーティーで登るなら最後尾からついて行けばあまり濡れないけど、仲間のひんしゅくを買う可能性大なのでご注意を!(大源太山での経験談)

 

稜線と並行して北側に見えた山が八十三山。地図で見た限りでは一般ルートはなかったけど、あちらの稜線も気持ちよさそう。

八十三山の名前の由来が全く分からなかったので、誰かわかる方いたら教えてください。何が八十三なのかと…

 

石板のように砕けた雪のブロック。この砕け散り様、なんでかドラゴンボールを思い出してしまった。

 

この日、稜線上で出会った登山客は5人程度。静かな稜線がまた良かった。

 

稜線途中の猟師の頭。地図には載っていなかったポイント。

行きはただの通過点だけど、帰りに見ると1つのピークに見えます。山頂まで残り1.3km。

 

ここから山頂までは、ご覧のような登り返し。

 

岩に張り付く苔がまた綺麗。

稜線でも細かく見れば見どころも豊富。

 

朝から強かった風は、この稜線に入ってもあまり弱くなることがなく、たまに強風で身体持っていかれそうになったりもしました。

日中になって気温が上がってきたので、歩いている分にはちょうど良かったか。

 

山頂手前の金沢レリーフを通過。

 

最後の登り。急登と言えるところは、登りではここくらいでした。

この登りも数分なので、登りのルートとしてはかなり楽なもん。序盤の残雪による道迷い以外は危険箇所がないので、体力的にはそこまで求められない山です。

 

日差しが当たるけど、風が強くて涼しいので登っているとちょうどいいくらい。前週の槍・北穂を登っていた時の方が全然暑かった。

 

ニセピークが少しあり。下から見えていたのは山頂ではなく、ピークは少し奥まったところでした。

 

10時20分、山頂到着。白砂山の山頂は大して広くはないけど、誰もいなかったので堂々と羽を伸ばせた。

 

山頂からの展望。下には歩いてきた稜線、左奥に見えるのが草津白根山、右奥に見える真っ白な山が志賀高原の岩菅山とか。

残雪が良いアクセントとなって素晴らしい山の風景が広がっていました。

 

こちらは白砂山からさらに先の稜線。ここから先は人があまり立ち入っておらず、悪路らしいので一般ルートにはなってないです。ただ、稜線伝いに歩いて行くと、白砂山と同じく二百名山に選定されている佐武流山にも行きついたりして開拓し甲斐がありそう。

白砂山は長野、群馬、新潟の3つの県にまたがる山だけど、その3県の境界線が交わるところもこの山頂ではなく、ここから少し先へ行ったところ。

そういう意味でも、この稜線をもう少し先まで歩いてみたくなる。

 

そういえば、グレートトラバースが今度は日本200名山一筆書きに挑戦し始めましたね。佐武流山へ行くときは、北側の正規ルートじゃなくてこの稜線を突っ切って行くんでしょうね、きっと……

 

高速下りてから長い下道を走ってきただけあって、街らしきものが全然見えない。決して高くはないけど周囲山だらけで、山深さを感じます。

 

こちらは浅間山。雪が消えると山座同定もわかりづらくなってくる。

谷川岳、苗場山方面は雲に隠れて見えませんでした。

 

まだ11時前だったのでお昼ご飯といえるか微妙だったけど、せっかく貸切だったので山頂でご飯休憩。

暖かければ長居したかったのだけど、風が強くてジッとしていると寒かったので、結局30分くらいで撤収しました。

 

歩いてきた稜線を戻る。同じ道だけど帰りのほうが八間山に至る稜線まで見えるので、改めてこの稜線の雄大さを知ることができる。

展望の良い稜線ハイクはやはり何よりも好き。稜線上のアップダウンならそこまで苦にならずに楽しめる。

 

こちらが来たときに通った猟師の頭。行きでは気付かなかったけど、岩場のピークでした。

 

5月の稜線は緑と雪の共演が見れるのがまた楽しい。

稜線の雰囲気としては上州武尊山の剣ヶ峰へ至る道に似ている。上州武尊山は夏と冬に登ったけど、どちらの時期も楽しい山でしたよ。特に冬場は谷川岳を越える面白さでした。

 

記念に1枚。冬は道路が封鎖されるので、 アクセス的に厳冬期に訪れることはほぼ不可能に近い山だけど、こういう穏やかな稜線とはっきりとしたピークの山容は雪の時期に登っても絶対に楽しいはず!アクセスさえ良ければもっと人気が出る山だと思いました。

 

目の前の山が堂岩山。左奥に見える少し低い山が八間山。

稜線ははるか先まで続く。

 

堂岩分岐点まで戻ってきて、そのまま八間山方面へ。

 

この先も展望豊かな稜線が続く、楽しい時間。

稜線を伝って右奥に見えるのが八間山。その手前に1ヶ所だけ大きな登り返しがあります。

 

基本的にこちらの稜線も緩やかで楽に歩けます。

風もこの時間帯はだいぶ弱くなってくれました。

 

中尾根の頭。地図上にはない標識がたくさんあって、少し親切すぎるくらい小刻みに距離を教えてくれる。

 

振り返って見る白砂山の稜線。雪の残り具合と稜線のアングルから見ても、ここら辺から見る白砂山が一番綺麗に見えました。

白砂山だけでも楽しめるけど、時間があるなら絶対に八間山も周るべき。

 

途中、一気に下る箇所あり。いったん樹林帯に入って、少し勿体ないくらい標高を下げます。

 

倒木のトンネルを抜けて、光の差す方へ……

 

そこで待っていたのが、この登り返し。雪の部分が一見すると傾斜が緩いように見えるけど、これが見た目よりも結構きつくて、ここの部分だけは男5人も無言になったな(笑)

 

白砂山~八間山を歩くなら、どちらから登ってもここの登り返しは避けられないので頑張るしかない。

ここまでが楽すぎてハイキング気分になってしまったので、余計に辛く感じたのかもしれない。

 

登り切ったところが黒渋の頭。

 

あとは八間山まで小さいアップダウンを繰り返していけば着きます。

 

稜線に敷かれた1本のトレッキングルート。これがまた好きな風景なんだな。

この手の緑豊かな稜線は、上信越特有のものだと思っている。巻機山や上州武尊山も同じで、一面ハイマツ帯や岩場のアルプスの稜線とはまた別の魅力を備えている。

 

八間山は標高2000mを切っているけど、それでもこれほど開放的な稜線が用意されている。

稜線フェチとして、やはり選んで間違いはなかった。

 

山頂手前に、ここにも廃屋。いったいどのような用途で建てられたものなんだろうか……

 

13時すぎ、八間山に到着。

 

標高は1934m。白砂山よりも200m程低いけど、山頂の広さはこちらの圧勝。そこそこの大人数でも問題ない広さだし、簡易ベンチも用意されていました。

 

展望もこちらの方が上かもしれない。白砂山へ至る稜線を一望できる。

こうしてみると結構距離があるように感じるけど、実際に歩くと2時間くらいで着いちゃいました。その間、ほぼ展望の良い稜線なので飽きることがない。

 

本当に山深い場所。これだけ周りが山だらけでも、高い山が他にないから眺望もいい。アクセスしづらい場所ではあるけど、展望に関していえば立地条件が優れているということか。

 

草津白根山もかなり近くに見える。過去に一度しか行ったことがないので、また観光ついでにでも登ってみたいけど、いかんせん火山だから以前よりは敬遠してしまう…。

 

後は下山するだけだったんだけど、今回ルートミスを犯したのがここ。

池の峠方面に下りなきゃいけないのに、野反峠方面の稜線をそのまま進んでしまいました。地図を見誤って、この先に分岐があると思ってたんだけど、良く見たら八間山から少し戻らなきゃいけなかった。

間違ってしまったけど、ここから先の道も気持ち良さそうで歩いてみたかったし、この先に時期が合えばシラネアオイとコマクサの群生地があるので、花が咲いている時期ならむしろこちらへ降りたほうがいいかもしれない。

 

一向に分岐点がなくて、これくらい降りたところでようやく間違いに気づいた。

ここで無駄な登り返しで体力を削る…。

 

それでもこちらに来ると、また足元に小さい花がたくさん咲いていたので、収穫はあり。

まぁ、あのまま下りてしまったとしても駐車場までプラス1時間遠回りになるくらいだから、そんなに影響はなかったけどね。

 

八間山まで戻って左の脇道へ入っていく。残雪があったので少しわかりづらかったです。

 

下山路に入って再び見えてきた野反湖。色はもはや南国の海だな!風で波立っているようにも見えました。

 

こちらのルートは残雪時期だと樹が密集してかなり迷いやすいので少し注意が必要。

多少のルートファイティングとGPS頼りに進んだ部分もあるので、心配なら遠回りでも自分たちが間違えた野反峠へのルートを行くのが安全かもしれません。

 

残雪が消えていれば全く問題のない道。ひたすら下りなので、迷わなければ標高を一気に下げて短時間で降りられます。

 

野反湖も大きく見えてきた。朝方は真っ青な色をしていたけど、陽が当たっている今は綺麗なエメラルドグリーン。

ここまで野反湖に魅了されるとは全く思ってなかった。

 

道迷いで多少のタイムロスはあったけど、14時半には登山口に出れました。

 

ここは池の峠駐車場。残雪が邪魔をしていて、この時期は3台くらいしか停められないスペースだったけど、この日は誰も利用してなかった。やはり自分たちがスタートした駐車場か、もしくは野反峠からのルートが定番のようです。

 

駐車場までは少しだけ道路を歩いて戻る。

 

野反湖が本当に綺麗すぎる!砂浜も見えるし、もはや湖という名のビーチ。

白砂山を語る上で、野反湖は絶対に外せない。

 

14時50分、駐車場に戻る。位置的なものもあるのか、朝と同様に山から吹き下ろす風が強くて、ここはかなり強風でした。

片づけをしていても色んなものが吹っ飛ばされたので、ささっと撤収。

 

そういえば、ちょうどバスが来てました。ここまでバスが通ってるのは知らなかったけど、長野原草津口駅というところから野反湖まで1日数本バスが出てるみたいです。公共交通でも来ようと思えば来れる山。

 

帰りがけに何度眺めたかわからない野反湖を見納め。野反峠に湖の展望台が用意されてました。

雲の位置が近くて、山の上に広がる湖というのがよくわかる。周りを取り囲む山の雰囲気がまた良くて、南国さえ思わせる。白砂山と合わせて、ここはもっと注目されるべき場所だと思いました。

 

下山後の温泉は、尻焼温泉という川底から湧き出る天然露天風呂が近くにあるので、良ければ寄ってみてください。無料で開放されているそうです。

他にも麓にいくつか温泉があったんだけど、どこも狭かったり露天風呂がなかったりしたので、インター近くまで行ってから入ることにしました。

 

利用したのは、「小野上温泉 さちのゆ」。

広くて綺麗で、410円というリーズナブルな料金設定に魅かれてここにしました。今はなかなか400円台で入れる日帰り温泉って少ないから、節約登山としてはありがたい。

 

登山としては8時間くらいの行程だった今回の旅。前回の13時間の山行に比べたら短かかったけど、今回も朝から日が暮れるまで遊んで帰りましたとさ。

 

期待していた白砂山の稜線。残雪もちょうどいい具合に残っていて、緑と白のコントラストが最高に綺麗。

歩いていても開放感抜群だったし、期待通りのハイクができました。八間山の稜線も穏やかで歩きやすかったし、山頂も広いのでここはぜひ縦走してほしい山です。

そして、忘れてはならないのが麓の野反湖ね!麓でキャンプして1日は野反湖で遊ぶのもありかもしれない。それくらい野反湖には魅力を感じました。

 

白砂山は花の山でもあるので、むしろこれからがシーズン。稜線上にも花がどんどん咲いて彩りが増すと思うので、ぜひ稜線好きの方、登ってみてください!稜線フェチとしては強く勧めておきます。

 

残雪の稜線、白砂山の旅でした―――

 

おしまい

 

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【日程】

2015年5月10日 快晴

【コースタイム】

白砂山登山口(6:50) — 堂岩山(9:10) — 白砂山(10:20~10:50) — 堂岩分岐(11:40) — 八間山(13:10) — 池の峠登山口(14:30) — 白砂山登山口(14:50)

 

 

高原山(釈迦ヶ岳) 日帰り登山 ~~シロヤシオ・ツツジの群生~~

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5月中旬に栃木県の高原山へ行ってきました。

日本三百名山の1つで、那須火山帯として複数のピークから成るお山。今回はその中の最高峰、釈迦ヶ岳(標高1795m)に登りました。

この山も前から気になっていた山ですが、登る時期は絶対に5月にしたくて前から温めておいたプラン。満を持して今年ようやく決行することができました。

というのも、高原山はツツジの群生で有名で、5月に登ると色とりどりのツツジに出会うことができます。紫色のミツバツツジ、白色のシロヤシオ、朱色のレンゲツツジ…。同じツツジでも満開になる時期がそれぞれ違いますが、今回登った5月17日はちょうどシロヤシオが最盛期を迎える頃。春の新緑と合わせてシロヤシオ目当てで登ってきましたが、山頂からの大展望、ツツジの群生、下山後の餃子地獄(笑)と、日帰りの山旅としては十分すぎるほど充実した1日となりました。

 

ツツジと新緑、お釈迦様が待つ高原山へ―――

 

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前週に続いて今回もお気楽山登り。

登った山は栃木県の高原山。山頂にお釈迦様の仏像があることで知られていますが、この山の魅力は何といっても春に咲くツツジの群生。5月初旬はアカヤシオ、中~下旬はシロヤシオ、6月はレンゲツツジと時期によって見れるツツジが違いますが、今回は5月中旬ということでシロヤシオ目当て。

白く綺麗なツツジが見れたら万々歳と考えていましたが、実際の登ってみたら花の名山で、登山道中色々な花を愛でることができました。ツツジについても、まだ残っていた紫のミツバツツジ、これから咲く朱色のレンゲツツジと、一通りのツツジを見ることができたし、何よりも新緑が綺麗で、緑の森に心底癒された。

 

山行自体は緩いコースですが、花にこだわる登山としては十分な内容でした。

 

~~ 2015年5月17日 高原山(釈迦ヶ岳) 新緑とツツジ登山 ~

登山コースとしては朝発の日帰りで十分登れる高原山ですが、今回は事情があって、あえて都内夜発で向かうことに。

高原山に登る場合、登山口がいくつかあるのですが、今回は最もメジャールートと思われる大間々台から登ることにしました。ここから登れば3時間弱で高原山最高峰の釈迦ヶ岳へ登ることができます。

 

深夜3時前に着いて駐車場でガッツリ仮眠。起きたのは5時半ごろなので、夜発の登山としては十分すぎるくらい寝ることができたな。

起きて外を出てみたらすでに綺麗な朝日が昇っていたけど、どうにも身体が動く気にならず、6時近くになってようやく準備。

風が結構強くて、「いい加減起きんかい!!」と怒鳴られてる気がした。

 

朝食を取りながら登山の準備。その間にも陽が昇って、空をすっかり日中の青色。明け方は空気も澄んでいて、那須方面の山々も綺麗に見えました。

 

大間々台駐車場は観光地でもある八方ヶ原のベースにもなっているので、ここに来るまでの道路も駐車場もしっかり整備されています。水道やトイレももちろんあり。

日中はトイレ横に売店も出てました。

 

6時15分スタート。この時間帯ですでに大間々台の駐車場は8割ほど埋まってます。

夜発にしたものこの駐車場に停めたかったからで、ツツジのシーズンであれば週末なら7時を過ぎればあっという間に満車になるそうです。登山客以外にも観光客も来るので、大間々台の駐車場を確保するなら陽が出る前に到着するのが理想かと思います。

 

登山ルートは見晴コースと林間コースがありますが、迷わず見晴コースで行く。

林間コースはツツジや新緑が見どころみたいですが、それは下山路の大入道あたりで十分すぎるほど見ることができるので、ここは見晴らし優先で!

 

スタート早々、朱色のレンゲツツジが出迎えてくれました。このレンゲツツジについては、高原山というよりは八方ヶ原が名所として有名です。

本来なら6月あたりに咲く花ですが、今年は全国的に花の時期が少し早くて、5月中旬で場所によっては見ごろを迎えてました。

 

登山口まではしばらく平坦。観光客でも歩ける散歩道になってます。

 

ツツジと合わせて綺麗だったのが新緑。山の世界では長かった雪のシーズンを終えて、夏の訪れを感じさせる緑の息吹。

これも春にだけ見ることのできる山の景観。

 

レンゲツツジに続いて、紫のミツバツツジが咲いていました。

このミツバツツジは、1つ手前の登山口である小間々台では”女王”扱いされている花で5月が見ごろ。散っている部分も多かったですが、遅咲きしたミツバツツジもまだふんだんに残っていました。

 

少し歩いて見晴らしコースの登山口に到着。このまま左に進めば、青空コースに入ってミツモチという山に行けます。

ミツモチは観光客向けの山で、道中はツツジの群生が広がっていて山頂には関東平野を一望できる展望台もあるそう。時間があれば行ってみてください。

 

鳥居をくぐって登山道へ。しばらくは緩やかな登りが続きます。

 

登りはじめて早々に目についたのが足元に咲くスミレ。花にこだわる登山をするようになってから、ひっそりと咲く花も見つけられるようになったのは1つの成長。

 

ただ、花以上に全く知識がないのが樹木。樹を見て「あぁ、これは○○だわ~」なんて到底言えない。白樺やスギくらいしかわからないっす…。

 

例えばこれはヤシャブシという樹らしいんだけど、どこで判別するのかが全くわからない。。

花はもう少し勉強頑張ろうと思うけど、樹はいいや。

 

樹木の名前がわからずとも、新緑がとにかく綺麗ってのはわかった。

緑の陰影と葉っぱの個性ある形が微妙な変化を作っていて、見ていて十分面白い。

 

登山道はかなり整備されている印象。地図見ずとも、道なりに進んで行けば全く問題なし。

 

そして早くもシロヤシオ登場!見晴らしコースに関しては展望優先なので、ツツジの群生はそれほどなかったけど、たまにこんな感じでひっそり咲いている箇所がありました。

 

少し登ると展望台のように開けた場所に出ます。ここからが見晴らしコースの醍醐味。

 

一気に展望が開ける登山道。

 

これまで歩いてきたコースがこんな感じの樹林帯だったから、あっという間に雰囲気が変わる。

この序盤の樹林帯も、苔や新緑が綺麗で十分楽しめたけどね。

 

道は依然緩やかな登り。ほとんど疲れることなく見晴らしハイキングを楽しめる。

前方には目指す釈迦ヶ岳山頂も見えてきた。

 

展望はこんな感じ。眼下に見えているはげた部分は牧場なのかな?

南側に山はほとんどなかったけど、街が近くに見えない辺りは、ここもまた山深さを感じさせる風景でした。

 

ガレ場を進んでいく。ツツジを抜きにしたら、歩いていて一番開放感あって楽しかったのはここら辺。

 

登山道わきにはシロヤシオがチラホラ。

シロヤシオの群生は帰りにしっかり見るので、また後ほど。

 

見晴らしコースなだけに展望いいね~!急登もなくて、本当に気持ちよく歩けた。

 

八海山神社。ここで林間コースと合流。

小さい祠があるだけでの場所ですが、展望は素晴らしい。

 

歩いてきた見晴らしコース。南側には展望を遮る大きな山もないので、遠くまで見渡せる。

ここから先、これほど開放感ある場所は山頂に行くまでないので、休憩するならここがおすすめ。

 

まだ1時間も歩いていないけど、山頂まではもう残り2時間弱。余裕ですな。

笹の道を進んで樹林帯に入っていく。

 

すぐのところに「矢板市最高点地点 1590m」というポイントがありました。市で最高地点を定めているとは、なかなか自慢の場所なのだろうか…。(残念ながら展望はなかったけど、、、)

地図上ではこの先に剣ヶ峰と呼ばれる場所があるはずなんだけど、見つけられませんでした。

 

剣ヶ峰を過ぎたらいったん下る。ここら辺は熊が良く出るポイントだそうで、この数日前のヤマレコの記録を見ても、熊が出没したそうな。

心配で一応熊鈴持って行ったけど、そういえばつけるの忘れてた…(^^;

登山を初めて5年以上経つけど、いまだに熊を見かけたことがない。

 

途中の分岐。下山は右の大入道方面へ行くけど、この大入道までの道が地味に長く感じました。今回と同じコースをたどるなら、登りより下山のほうが時間かかるのでご注意を。

 

ツツジの他に目についたのがこの白い花。他の山でも結構見ることが多くて、アジサイに見えるんだけど、違うのかな…?

調べたらツルアジサイっていうのに似てたので、もしかしたらそれかも。

 

ここから登り返し。山頂までの距離は短いけど、ここから先はたまに急登も出てきます。

 

この日は一切疲れなかったのは、花に目が行ってたからか…。やはりツツジが豊富で、白、紫、赤、色とりどりのツツジを見ることができました。

色によって最盛期がずれるから、欲張って全部が満開の時期っていうわけにはいかないけど、5月から6月の間に来れば何かしらのツツジには出会えるはず。

 

山頂まではほぼ樹林帯。道もそれほど広くはないので、混んでいると渋滞する。

写真は他に登山客が写っていないものを選んでいるだけで、実際は結構抜かしたり、すれ違ったりしてます。

 

基本的には展望がきかない道だけど、向かって右手を意識していると、時折絶景にありつける。

 

木々の合間からチラっと見えたこの雪山!

この山は、会津駒ヶ岳。手前の山脈と比べてみても、奥の会津駒ヶ岳がいかに真っ白なのかがよくわかる。

北アルプスでさえ、もうこんなに雪は残ってないんじゃないか!?……ってくらい白い山肌でした。

 

これは山頂からの展望も期待できそうってことで、ノンストップで山頂を目指す。

途中滑りやすいところはロープが設置されていたりもするけど、特に使わずに登れます。最後に少し急登が続く程度で、全体的には山登り入門編ルートという印象でした。

 

山頂手前にはミネザクラも咲いてた。

 

少しあっ気ない感じもしたけど、8時40分に山頂到着。山頂だけがこんな感じで開けています。

 

高原山の最高峰、釈迦ヶ岳。標高1794m。

若干謎だったのが、何故か山頂に登山届のポストがあった。登山口にあるのはわかるが、山頂って……、どういうシーンでこのポストは利用するんだろうか…。

 

山頂に着いてまず目に付いたのは、すぐお隣に見えたこの山。釈迦ヶ岳と並んで高原山の主峰と言われている鶏頂山。

気になったのが山頂部分。

 

なんか家っぽいのが建てられていました。神社だとは思うけど、遠目で見ると普通のご自宅という感じで少し違和感あったな。

今回は鶏頂山の方までは登らないけど、時間があれば寄ってみてください。ここからだとそこそこの登り返しが待っているので、片道1時間くらいかかるようです。

 

その奥に聳えていたのが、先ほど見えた会津方面の山。

どこが山頂かわからないほど、緩やかな稜線が続いている山。同じ福島県でも、安達太良山や磐梯山はもう全然雪がないって聞いてたから、これだけ雪が残っているとは全くの予想外。

予想外すぎて、あまりの白さに「まさかの飯豊山!?」とか思いかけたけど、こんなに近いわけはない…。北アルプス以上に近くに欲しい飯豊山。飯豊山、ホント好きな山です。

 

こちらは日光を代表するご夫婦、男体山女峰山。左が男体山で、中央が女峰山か。

ネームバリューとしては男体山が上だけど、その山容の大きさや尖ったピークを有するあたりは、女峰山のほうが威厳があるように思える。実際登ってみても、女峰山のほうが断然辛い…。男体山が可愛く思えるほど、母は侮れない山なのでお気を付けください。

 

こちらは西平岳へ至る稜線。南側は一面平野が広がっているので、開放感は抜群。

 

…と、こんな感じで展望を先に載せたけど、釈迦ヶ岳には忘れてはならない1つのシンボルがあって、それがこちら↓↓

 

山頂に鎮座するお釈迦様。釈迦ヶ岳に登って、この仏様をスルーする人はまずいない。釈迦ヶ岳と言えばこの仏像です。

冬に登りに来ると、例年積雪がだいたい2mくらいになるので、ちょうどお釈迦様の顔だけ雪から出ているというシュールな画が見れるらしい。

 

由緒ある仏様なので、簡単に挨拶して、2,3個お悩み相談でもしておく。

 

(切実↑)

 

(ある意味羨ましい↓)

(`‐ω‐´) ボイよ、罰が当たらないように気をつけな!(笑)

 

お釈迦様と記念写真撮るのもありだけど、釈迦ヶ岳にはもう1つ絶好の撮影スポットがあって……

 

笹藪に隠れて見えづらいけど、南側に一人立てるくらいの小さい岩場があります。

 

こんな感じで関東平野をバックに撮れるんだぜ!

 

標高1500mほどの場所でありながら、高度感は抜群。

若干景色が霞んでいるけど、見晴らし十分。

 

この構図、いつぞやの写真と被るが気にしない…。

 

お昼ご飯っていう時間帯じゃないけど、軽く休憩。風が多少強くて、停まっていると少し寒かったです。

この時点では山頂も10人くらいでのんびり過ごせたけど、この時、実はジワリジワリと後ろから大群が迫っていた……

 

山頂でお釈迦様へ欲張るくらいの祈願をしたり、岩場で写真撮ったり、何だかんだ1時間近く居座って9時半に下山開始。

昼前には下りれるだろうと思ってたけど、ここから下山までが意外と時間かかった。

 

下りのほうが滑りやすい。山頂直下の狭い急坂を早めに通過できたのが幸いだったか…。

この直後、過去最大とも言える大名行列と遭遇。

 

普通の団体ツアーかと思っていたら、列が一向に途切れず、老若男女、さらには外人さんまでおった。

一体なにかと思ったら、実はこの日、ちょうど高原山の開山日だったようで、山頂で開山式が開かれることになってたらしい。確かにすれ違う時に神主さんっぽい服装の人もいたな……

6,70人規模の団体で、すれ違うのにも一苦労だった。開山日というのは一切知らないで登ってたけど、結果的には空いている時間帯に登り終えて良かったかな。

 

樹がねじれてます。

 

団体さんをやり過ごすと、途端にまた静かな山に。目の前に見えているのが、登りで目にした矢板市最高地点のピーク。

帰りはそちらへは行かずに、左の尾根を進んで行く。

 

分岐を大入道方面へ。

釈迦ヶ岳は登り終わったけど、今回の山旅の目的としてはむしろここからが本番。

 

ここからがシロヤシオの群生ゾーン!登山道の両脇に純白の花が咲き乱れていました。

 

紫色のミツバツツジも。紫と白のコントラストがまた綺麗で、それぞれの色を引き立ててました。

 

葉の緑も瑞々してくて、それがまた余計に綺麗。

 

ツツジを愛でながら尾根を進む。時期はシロヤシオが見ごろになりかけの時期だったので、場所によってはまだつぼみの部分もありました。

最盛期は一面ツツジのトンネルになりそう。

 

ただ、なぜかここに来た瞬間に風が急に強くなった。(開山式がいよいよ始まったのかっ!!)

ツツジも風に流れて、写真がブレまくってしまったので撮れ高としてはまずまず。

 

ムラサキのこの透き通った色も素敵だったな。

5月からは花にこだわる山旅がしたかったけど、ここは狙い通りの大当たり。決して標高が高いわけでも、抜群に知名度が高いわけでもないけど、こういう山こそ夏前のこの時期に登っておきたい。

来て本当によかったです。

 

新緑のトンネル。この新緑の綺麗さも今回の山旅では際立ってました。

太陽の光が適度に差し込んで、登山道を緑色に染め上げている。トトロの世界観に近い。

 

11時45分、大入道到着。ツツジ見ながらゆっくり歩きすぎたせいか、大入道までにかなり時間かかってしまった。

気が付けばもう昼前。ここから大間々台までは、残り1時間半ほど。

 

大入道から先は沢まで一気に下りる。展望はないけど、道が歩きやすいし、何よりここも新緑が綺麗。

 

緑のもみじ。秋の紅葉時期に来ても、かなり楽しめる山なのかもしれない。

 

たまたま見つけた、この小さい赤い実。これはいったい何でしょうか??

フワフワして可愛すぎました。

 

沢まで下りる。水は枯れていほとんど流れてなかったけど、ここも雰囲気良かった。

 

沢から少し登り返して、小間々台へ。最後の方は公園みたいに広い平地で、缶蹴りやらドロケイに最適なフィールドが広がっていました。

ここまで来れば観光客も散策するハイキングコース。

 

すでに散々見たミツバツツジ。正しくはトウゴクミツバツツジというらしいです。

小間々では女王扱いされておりました。

 

ミツバツツジの最盛期は5月上旬。すでに主役はレンゲツツジへと移り変わって、紫色のツツジはほとんど終わってました。

 

少しだけ残っていたけど、シロヤシオの時期なら山の上の方がまだ見ごろだったので、女王の姿は大入道あたりでしっかり目に焼き付けておくべし!

 

こちらが小間々台駐車場。大間々台と比べると停められる台数は少ないけど、それでもしっかりと整備されていた駐車場でした。

今回は大間々台を基点に歩いたけど、ここからスタートしても周回時間はさほど変わらないので、お好みでどうぞ。

 

大間々台までは林道わきの公園を散策して帰る。

 

ツツジ以外にも最後まで色々な花を見せてくれました。

 

13時20分、大間々台に到着。だいたい登り3時間、下り4時間という行程でした。

往復7時間なので、朝発の日帰りでも十分に登れるコースです。

 

駐車場は予想通り満車。ツツジのシーズンは朝発だと高確率で満車になるので、できるだけ早めに来た方がいいです。

歩く距離は長くなるけど、麓の山の駅「たかはら」の駐車場に車を停めてそこから登るのも手。

 

せっかくなので駐車場に設置してあった展望デッキへ上がってみる。

 

展望台から見る大間々台の駐車場と高原山。知らずに開山日に来てしまったというのもあって、この日は山も観光客も大盛況でした。

 

八方ヶ原。もう少し時期が遅ければここら辺もレンゲツツジの群生が見れるそうです。

5月中旬のこの時期だと、まだまばらに咲いている程度。登山には良かったけど、観光には少し時期が早いかもしれません。

 

横川知事さんへの感謝のメッセージがありました。

確かにここに来るまでの道路は立派すぎるほど整備が行き届いておりました。

 

その立派な道路に感謝して大間々台を後に。道は路駐の車だらけでひたすら長い列ができていました。

ツツジの高原山がここまで人気だとは思っていなかった…。朝発でゆっくり着てたら、少し悲惨な目に合っていたかもしれない。

 

下山後の温泉は、「矢板温泉 城の湯やすらぎの里」で済ませました。

良くある市が運営する入浴施設。この手の温泉は広くて綺麗で安いから、露天風呂の有無さえチェックすれば基本的にハズレはない。

 

さっぱりして温泉出たのが16時近く。お昼御飯が早すぎてかなり腹が減ってたので、少し早い夕食。

 

向かった先は、ぎょうざ専門店「正嗣」。

 

氏家店が近くにあったので、寄ってみました。

宇都宮界隈ではみんみんと並んで有名店。仲間内でも食べに行ってる人がたくさんいて、うまいと評判だったので一度は食べてみたい餃子屋でした。

 

売られているのは焼き餃子と水餃子のみ。ライスもなし。

純粋にぎょうざを楽しめってあたりが、専門店だな~!ラーメンもそうだけど、色々な味のバリエーション出さずに、メイン1つに絞る店の方が断然うまい。

 

焼きと水餃子をひたすら交互に堪能。

若干食いすぎた感があるけど、初正嗣、美味しかったです。

 

こうして、今回も消費カロリー以上のカロリーを摂取して山旅が無事に終わり。(山に登ってるからって、簡単に痩せると思ったら大間違いなんだぜ!)

 

今回のメインはシロヤシオ。4月に見ごろを迎えたアカヤシオは、あまり見れなかったので、何としてもシロは見たいと思って高原山を選んだけど、タイミングはバッチリでした。

バッチリすぎて開山日に当たってしまっていたのは想定外だったけど、山頂も静かなうちに踏めたし、シンボルのお釈迦様を拝むこともできました。

 

高原山はツツジのメッカとも言える山。シロヤシオに限らず、紫のミツバツツジや紅いレンゲツツジなど、色とりどりのツツジが出迎えてくれて、登山道を華やかに彩ってくれます。

ツツジが見れる山は他にもたくさんあるけど、高原山のツツジも他に負けず劣らずの見ごたえあるものなので、4月~6月のツツジのシーズンにぜひ登ってみてください。梅雨入り直前あたりが、この山の魅力が最大限に発揮される時期だと思います。

 

 

以上、ツツジを愛でる高原山の旅でした。

 

次回は少しハードな山行に戻るけど、それもまた後ほどアップしたいと思います。

 

シロヤシオの高原山、釈迦ヶ岳より―――

 

おしまい

 

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【日程】

2015年5月17日 快晴

【コースタイム】

大間々台駐車場(6:15) — 八海山神社(7:10) — 釈迦ヶ岳(8:40~9:30) — 大入道(11:45) — 小間々台(12:40) — 大間々台駐車場(13:20)

 

 

【祝!】 登山ブログ記事が200を突破

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早いもので、このブログの登山記事も前回の高原山記録で200を突破しました。

飽き性な自分にとってはかなりの快挙( ̄▽ ̄)

ブログもサボり気味で書いてない山行記録もたくさんありますが、いまだに記録を残すことに関しては苦にならずに楽しんで書いているので、しばらくは続けていこうかなと思います。

300記事までいけるかは流石にわからないですが、これからも随時更新していくのでどうか気軽に読んでやってくださいm(__)m

 

いつも読んで頂きありがとうございます!

 

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これまでの山行をざっと振り返って見ると、記録に残っている限りでは初登山から現時点までで登山日数は計236日。

記録自体は200なので書いてない記事も結構あるけど、何だかんだ続いているもんで飽き性B型の自分としては結構驚いた数。

 

登山年表はこちら↓↓

http://bluesky.rash.jp/blog/tozan-history

 

ピークは2012年で、この時は年間71日というありえないほど登ってた。

それ以降は山に登る回数も年々減ってるけど、山ばかりに時間を費やしているわけにもいかなくなってきているので、最近はこれくらいの頻度でいいとは思ってる。

 

書きだすとどうしても長い記事になってしまうのは反省ですが、毎度読んでコメントしてくれる方もいて励みになっております。(いつもありがとうございます!)

もうしばらくこのブログは続くと思うので、今後ともどうぞよろしくお願いしますm(__)m

 

とりあえず直近アップ予定があるのは、5月末から6月上旬の以下の3つの記録。随時アップしていきたいと思います。

 

・日帰り難関の南アルプスの展望台へ

 

・レンゲツツジの名峰

 

・ワタスゲ広がる空中庭園

 

では、今後ともよろしくお願いします。

 

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笊ヶ岳(南アルプス) 日帰り登山 ~~急登からの南アルプスと富士山の大展望~~

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5月最後の登山は、南アルプスの前衛「笊ヶ岳(ざるがたけ)」へ。標高は2629m。

南アルプス界隈の山の中では知名度、標高ともに決して高くはないけど、日本二百名山に選定されており、その中でも特に”日帰りが困難”と言われている山。

最短ルートの登山口でさえ標高が500m程度しかないので、単純高低差でも2000m以上を登らなければならない。登りだけでも標準タイムで10時間超え……。

しかも、山頂までほとんど展望がきかない上に、穏やかな稜線歩きが待っているわけでもない。ある意味、修行以外の何物でもない。

そんな山の1つの楽しみは、山頂からだけ見ることのできるパノラマ展望。南アルプスの前座として独立してそびえているので、山頂からの展望は一級品とのこと。

今回は山頂からの展望と夏前のトレーニング、その2つだけを求めて登ってきました。

 

南アルプスの展望台、笊ヶ岳―――

 

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梅雨前にやっておきたい、少しハードな山旅。

山仲間のイソから誘われて決行となったのが、今回の標高2629m笊ヶ岳(ざるがたけ)。日本二百名山の1つであり、山梨百名山にも選定されているお山。(山自体は静岡県と山梨県にまたがっています)

あまり知られていないけど、都道府県によっては登山ルートのグレーディングが行政から出されていて、山梨県や静岡県でも山のランク付けがされています。長野や新潟にもあるので、登ろうとしているルートがどの程度のレベルなのかを知るのに便利です。

で、山梨県が発行している山のグレーディングによると、今回の笊ヶ岳のランクは7D

 

日帰り登山の登竜門とされる甲斐駒ヶ岳(黒戸尾根)が6Dだから、ほぼそれと同じレベル。(黒戸尾根、まだ登ってないけど…)

技術難易度がDに設定されているけど、この山は技術的には何も必要なくって、実際はただの体力勝負。往復15時間の道のりを日帰りで登ってこれるか。

 

往復15時間なら、普通であれば山中1泊するところだけど、ここは行程が長い割には途中に避難小屋や正規のテント場がないので、登るなら基本的に日帰りしかない。他の記録を見ても、ほとんどの方が日帰りで登ってます。

 

正直なところ、GW後は緩い登山しかしてなかったので、この行程を登れるのか不安でしかなかったけど、大切なのは気の持ちよう。それが良く分かった登山でした。

 

~~ 2015年5月27日 笊ヶ岳 日帰り登山 ~~

久しぶりの平日登山。日帰りルートの選択肢としては基本的に1つで、老平からのピストン。他は破線ルートになっていたり、藪漕ぎ祭りだったり、さらに難易度が上がるのでそもそも記録自体が少ない。

スタートとなる老平駐車場はそんなに広くなくて、ギリギリ10台停められるか、ってほどのスペース。この日は5台停まってました。

 

2台がおそらく釣り客。1台が自分たちで、もう1台も同じく日帰りの方。もう1台はテント泊の方でした。

往復15時間かかるので、日帰りなら4時台のスタートは当たり前。軽く仮眠して4時きっかりに駐車場を出発しました。

 

薄明かりの中、しばらく林道。セメントで固められた若干不気味なトンネルが笊ヶ岳登山の入口。

2,3年前に落石が起きてこんな感じでセメントで固められたようです。この唐突感が異質だからか、笊ヶ岳のどの記録でも大抵このトンネルの写真を目にします。

 

どうか明るいうちに戻ってこれますように……

 

途中の廃屋。夜明け前の薄暗い中で見ると、若干不気味。

 

久しぶりのイソとの二人登山。とりあえず行ける所まで頑張ります!

いきなり急登だとしんどいけど、序盤は平坦な道なのでかなり助かる。左側は谷になっていて、川が流れています。

後でその川を渡ることになる。

 

つり橋。これも序盤のポイントとしては有名。

思っていたよりも高度感があったな。

 

この序盤の道を歩いているときはこれから始まる急登のことで頭が一杯だったけど、渓谷沿いを歩いているので紅葉時期はもしかしたら綺麗なのかもしれない。

川ははるか下であんまり見えないけど、片側に岩壁が迫っているあたりは(ほんの少しだけ)黒部峡谷の水平歩道を思わせた。

 

ガレ場のトラバース。こういうところは、大雨の後なんかは悲惨なことになっているから、状況次第では通過に難儀するかも。

 

普通、朝4時から登り始めれば、いい感じの場所でご来光を見れたりするもんだけど、この時点でまだ標高は700m程度。

これから始まる急登手前で、朝日が差し込んできました。

すでに半袖でちょうどいいくらいなので、これから地獄の暑さも襲ってくる……

 

1時間ちょっとで広河原に到着。この川を渡って対岸に行くと、いよいよ急登の始まり。

 

この渡渉はある意味で今回の核心部かもしれない。

水の量がなかなか豊富で、渡渉ポイントは自分なりに探す必要があります。この部分のためだけに長靴持って来たり、足にビニール巻いて渡ったり、素足で渡ったりする人もいるそうで。

ドボンしないように、要注意。

 

岩場に飛び乗って、ソーイッ!!って感じで何とか渡れた。もう少し水量が多かったらどうなっていたことやら…

若干ヒヤヒヤしたぜ。。。

 

広河原を過ぎたら、ここから登り坂。途中に水場がないので、広河原でしっかりと汲んでおいたほうがいいです。

まだ夏前の5月でも、結果的に2.5Lを消費した。

 

4時スタートでも標準タイムで登っていたら、帰りが19時すぎになってしまうので、この登りでいかに巻けるか。

先が長いのでペースを一気に上げるわけにもいかないけど、落とすこともできない。

 

広河原から40分ほどで1つ目のポイント、山の神に到着。一気にたどり着いたように書いているけど、この間が本当にしんどくて写真なんて撮ってる余裕がなかった。やっぱり自分はスロースターターだなって思った。。。序盤の弱さがどうにも克服できない。

ただ、70分かかるところを40分なので、まぁいいペース。

 

山の神以降も同じような展望のきかない登り坂。標高はまだ1000mを少し超えたところなので、まだまだ先は長い。

 

一番つらかったのは最初の40分くらいで、この後は登りにも慣れてきて、花を見る余裕も出てくる。

ヤマツツジが綺麗に咲いていました。

 

この後も頑張って登ってます。ただ、撮った写真があまりに変わり映えしないので、途中は省略。

 

2つ目のポイント、ワイヤー散乱地点。こんなところが地図上でも正規のチェックポイントになっているのが、ある意味でマイナーな笊ヶ岳らしい。すっかり錆びたウインチが放置されていました。

山の神からここまでも45分ほど。標準タイムだと90分になってるけど、流石にこれは多めに見積もりすぎな気がする。登りのタイムは甘目という印象でした。

※ただし、下りはシビアなタイム設定(後述)

 

この辺りから、たまに展望が開けた場所に出る。…それでも、ほんの少ししか見えない。特に名峰が見えるわけでもない。

でも、これまで樹林帯続きだったから、たったこれだけでも気分は晴れる。天気も予想通り快晴。

 

どんどん登るぜ~!

この時点でコースタイムも結構巻いて貯金ができているので、気分的も余裕が出てくる。傾斜は相変わらずの急登だけど、ここら辺まで来ると、急登にも慣れてきてそんなに疲れない。暑くて水の消費量が半端なかったけど…

 

自然に目をやる余裕も出てくる。南アルプスは北アルプスに比べると雪が少ない分、森林限界が高くて2700mくらいまで行かないと展望が開けない。だから北アルプスに比べると敬遠する人も多いんだろうけど、その分緑が綺麗で水もうまい印象がある。

 

テンナンショウだっけ…?。食虫植物に似たようなのがいた気がする。

 

小さく垂れ下がって咲く、この赤い花が綺麗でした。例によって名前がわかりません…。

 

道は相変わらずの樹林帯。楽な道と思われたくないから、本当なら写真すっ飛ばしたくはないんだけど、やっぱり変わり映えしないから省略。必死になって登ってる姿を想像して、この先もお読みくださいm(__)m

ちなみに、老平駐車場は先頭でスタートしたけど、この辺りで日帰りのソロの方にあっさり抜かれました。この人がまた健脚で、14時前には下山してたらしい…。(すげっ!)

 

7時半に桧横手山に到着。ここまで3時間半なら上々のペース。

 

一応山頂だけど、どこがピークがわからないほどの平坦な場所。標識がなければ普通に通過しているところでした。

 

意外に笊ヶ岳は花が豊富で、足元にイワカガミもたくさん咲いてました。人があまり入らないからか、登山道のど真ん中に咲いていたりもして、手つかずの自然が残っている感じがした。

 

まだまだ急登は終わらない。ただ標高はようやく2000mを越えたので、このペースならあと1時間も登れば展望が良くなるはず!

 

こういう倒木が、越えるのに地味に疲れていやらしい。。

荷物が軽いのだけが本当に助かる。日帰り困難な山とは言え、ここをテント装備で登ろうとはまず思わない。笊ヶ岳は短期決戦で登るに限る。

 

途中、たくさん咲いていたこのお花。調べたらコミヤマカタバミってのに似てたけど合ってるかな…?

 

ここら辺まで来ると、ある程度の急坂は当たり前になってくるので、もう何とも思わない。黙々と登る。

 

展望がきかない分、花や苔や新緑をいつも以上に楽しめました。

ストイックに登りつつも、こういうささいな自然も楽しんでいかないと笊ヶ岳は登れない。体力あっても精神的に嫌になると思う。

 

そしてスタートして5時間になろうかってところで、ようやく展望が開けてくれた。

 

南アルプスの名峰が目の前に現れ始める。

これまでの苦労が報われる瞬間!!

 

まず見えてきたのが上河内岳。この後、聖岳や赤石岳なども見えてくるけど、次に一番登りたいと思ったのがこの上河内岳。稜線フリーク御用達の道が待っているとかいないとか、、、

 

道も西側の斜面がガレ場となって、開放感が出てくる。西側に南アルプスが並んでいるので、どうぞ見てくださいと言わんばかりのガレ場の稜線。

 

↑この子(自分)もよう頑張っております。

 

それにしても、雲1つないド快晴!快晴とわかっていたからあえてこの山にしたわけだけど、やっぱり展望開けるまでは天気が持ってくれるかいつも心配。無事に急登を登れたってのもあって、2重の意味でホッとした瞬間。(まだ登りは終わってないけど…)

 

南アルプスの名峰がドカンドカンと立ちはだかっておりました。

左が上河内岳、中央が聖岳、右が昨年秋に登った赤石岳。3000m級なだけあって、聖岳の大きさには迫力を感じずにはいられなかった。南アルプスの山は、1つ1つがとにかくでかい。

 

これが見たくて登ってきた笊ヶ岳。これだけ急登を登ってガスられたら洒落にもならないから、無事に見れて一安心。

展望がない笊ヶ岳なんてそれこそ修行になっちゃうから、快晴予報が出ているときに狙うべき。

「曇り時々晴れか…。もしかしたら晴れっかも!」は、リスクありすぎ。ここでガスられたら本当に泣くし、もう一度登りに来ようともたぶん思えない。

 

9時15分。布引山に到着。テント1張りくらいは張れそうなスペースがありました。

手前の小ピークっていうところはどこかわからずいつの間にか通り過ぎてた。

 

登りはじめて5時間経過。標準でここまで7時間40分だから、まずまずのペース。時間的にも体力的にも問題なさそう。

 

笊ヶ岳はここから1時間半ほど先へ行ったところ。すでに標高は2500mはあるけど、この後に高低差200mの登り返しが待っているので、もう少し頑張る必要あり。

少し気になってた雪も、山頂付近でこの程度。登山道わきに残っているくらいで、雪の上を歩くことはほとんどなかったです。

 

時期がもう少し遅ければ、ここら辺は石楠花天国になるかもしれない。

笊ヶ岳に登るのであれば5月、6月当たりがおすすめか。真夏は絶対にオススメできない。感覚的には雲取山に登っているのと大して変わらないから。

 

途中、東側の開けたところから、待望の富士山!

富士山と南アルプスのちょうど間に立つ笊ヶ岳なので、富士山と南アルプスが東西反対側に見えるのがかなり新鮮。普通、南アルプスと富士山はセットで見えるイメージ。

ここくらいでしか見れない位置関係じゃないだろうか。

 

一応、ここも稜線ではあるんだけど、全く展望がきかない。標高2500mは超えているので、北アルプスならハイマツ帯。ライチョウが出てきてもおかしくはないはずの高さなんだけど、流石は南アルプスさんだな!そう簡単には展望を許してはくれない。

 

登り返し手前で、ついに見えた笊ヶ岳。左が笊ヶ岳、右が小笊。山頂まで樹が立っているように見えるけど、笊ヶ岳山頂はギリギリ森林限界を超えていて、ハイマツ帯になっています。

 

ここに来てからのいったん登り返し。ここだけ残雪が残っていて、やや慎重におりたところ。

 

鞍部まで下りる。ここら辺もテントが張れそうなスペースがありました。展望がきかないから、快適なテント場とは言えないけども。

この辺りで途中で抜かしていったソロの方とすれ違いました。もう山頂まで行って引き返して来たらしい。

上には上がいるなぁ~、、、早すぎだわ(笑)

 

この辺りにたくさん咲いていたのが、バイカオウレン(?)

花びらが5枚のはずだけど、これは4枚だね。

 

ここから登り返し。せっかく稼いで標高を無駄にする登り返しは登山中は厄介ものでしかないけど、正直ここら辺まで来ると200mくらいでは動じなくなってくる。

やっぱり一番疲れたのは広河原から山の神までの序盤の急登。

 

こういう身を低くして進まなきゃいけない倒木だけは勘弁。。。いちいち疲れるんだよな、こういうの。

 

そして、ようやく背の高い樹が消えてハイマツが見られるようになったところが待望のゴール!

 

10時20分、笊ヶ岳山頂に無事に到着!登りは計6時間20分でした。登ってみたら意外とあっさり。時間の割にはそこまでヘトヘトになることもなく登ってこれた。

山頂に着いてまず思ったのが、静岡県側の標識が立派だなという、割とどうでもいいこと。赤石岳に登った時も思ったけど、山頂にある標識が静岡県と山梨県でかなり差があるのがどうしても気になるんだよな……(山梨もっと頑張れよ…。負けてんぞ)

 

そして、こちらが山頂からの展望。さっきも見たけど、上河内岳、聖岳、赤石岳が目の前に見えてます。

 

さらに北の方まで見える。左手前が悪沢岳、中央奥が塩見岳、さらに右奥が間ノ岳と北岳。

こうしてみると、塩見岳だけが孤立して立っているように見える。南アルプスの縦走は何度か考えたことがあるけど、やっぱり遠いなあ~。。。距離がすごいあるし、登り返しが半端無さそう。

実はいまだにテントを背負って登ったことがない南アルプス。縦走する日は来るんだろうか。

 

下を見ると山の中に赤石ダムが見えた。見えた人工物と言えばこれくらい。

街も見えない、相当山深い場所にいるというのがわかる。

 

そして、笊ヶ岳の有名な展望と言えばこちら。

 

小笊越しの富士山。笊ヶ岳と言えばこのアングルからの富士の展望。

やや標高が低い小笊は、山頂でも森林限界を迎えていない。本当にギリギリのライン。笊ヶ岳に展望がなかったら、おそらく登ることはなかった。

 

時間に余裕もあるので、誰もいない山頂で休憩。気圧でパンパン現象が起きているけど、これだけ頑張って登ってもまだ標高2600m程度か~、、、という気がしなくもない。

 

南アルプス南部のパノラマ。北部の北岳、甲斐駒ヶ岳、仙丈ヶ岳に比べると格段にアクセス難だし、どの山も登るのにかなり苦労するからそこまで人気がある山域ではない。

けど、こうして凛々しく目の前に立たれると、やっぱり登りたくなる。まだ赤石岳、荒川三山しか登ってないしね。

 

聖岳もその1つ。南アルプス最南端の3000m峰、名前がカッコよすぎです。

 

もう二度と来るかわからない、笊ヶ岳。気が済むまで写真を撮っておく。

 

 

 

 

日帰りが過酷と聞いて、若干気負いしすぎて登りに来た笊ヶ岳。相当な辛さを覚悟でやってきたのもあるから、結果的には「あぁ、こんなもんか」くらいの余裕を持つことができた。

登りで6時間超えは確かにきつかったけど、登りに入ってしまえば何とかなるもん。急登もいつの間にか慣れてた。GWの槍ヶ岳のようにバテバテにならずに済んで良かったです。

心配するくらいの心構えでちょうどいいのかもしれない。

 

お目当てだった展望も無事に見れて、大満足で下山!南アルプスの展望台というのは納得でした。

 

布引山までの登り返しさえ終われば、後はひたすら下りなので、そこまで頑張る。

 

登りが終わって気が緩んだんだろうね。苔や花に目をやる余裕を見せていたら、残雪につまづいて、怪我した。サポートタイツにも穴が開いてしまったぜ……(T T)

トホホだよ、トホホ…

 

布引山も過ぎて、ガレ場の稜線。ピーク以外ではここしか展望の開ける場所がないので、そこまで面白さがある登山ルートとは言えない。

 

それでもここはやっぱり南アルプスの絶好の展望台。北岳から光岳までほぼすべての山を望めるので、1回は登っておいてもいいと思います。ここまで南アルプスの全貌が見える山も、早々ないしね。

それと一応二百名山なんで、今やっている二百名山一筆書きのグレートトラバース2でも取り上げられるだろうから、それで少しは知名度も上がりそう。

 

しばらくさようなら、南アルプス!

秋にでもまた登りに来れたら来ようと思います。

 

樹林帯に戻ったら後はひたすら下山するだけ。登りでゆっくり見れなかった花に目を向けつつ、淡々と下って行く。

登りの時に載せた花の写真も、実は下りで撮ったものだったりします(^^;

 

ギンリョウソウも発見。何度見ても、この透明感が少し不気味。

 

ツツジも明け方よりは生き生きとしている。

 

ワイヤー散乱地点まで戻ってきた。

陽が暮れる心配はもうなさそうだけど、割とスムーズに下りているはずなのにコースタイムが全然縮まらない。そもそもここら辺の標準タイムは登り90分の所を下りは45分とか。いくら急登でも、この下山タイムはきついぜ。。。

登りが甘い分、下りがかなりシビアに設定されているので、時間配分は十分ご注意くだされ。やや駆け足でとんとんくらい。

 

後半はほぼ駆け下りた。おかげで汗だくになって、広河原がオアシスに見えたよ…。

 

冷たい水が最高に気持ちよかった。リアル南アルプスの天然水、綺麗で美味いよ!

コバルトブルーの清流と新緑が癒し空間で、広河原からしばらく動けなかった。

 

登りは気が張っていた道も、帰りには余裕も出て新緑と渓谷が綺麗な道に見えました。

 

ムラサキツツジも咲いていました。

 

11時間前に渡ったつり橋も無事に通過。帰りは広河原から駐車場までの道が意外と長く感じた。

やっぱり気の持ちようだね。気が緩むと、少しの距離が退屈に感じてしまう。

 

登山入口のセメントトンネルも明るいうちにくぐれました。

 

行きは暗くてスルーしたけど、歩き始めはこんな感じの民家の脇を入っていきます。

 

16時30分、駐車場に帰還!休憩込みで計12時間30分の行程でした。

他の記録を見ても、だいたい16時台に下山してたから、まぁどうにか遅れは取らずに下りれたかなと。これもまた1つ自信につながった山行となりました。

 

下山後の温泉は、ヴィラ雨畑という温泉施設がすぐ近くにあったのでここにしました。

マイナーな笊ヶ岳の割には、そこの登山客を狙ったように建てられた温泉。露天風呂はないけど、改装したてという感じでかなり綺麗な温泉施設でしたよ。

 

登山後の帰りがけに見る夕日はいつもきれいに見える。

日帰り困難な笊ヶ岳登山も、こうして無事に終了。

 

結局、これが5月最後の登山になったけど、5月を振り返って見るとGWの槍ヶ岳北穂高岳でスタートして、白砂山の稜線高原山のツツジを挟んで、今回の笊ヶ岳。最初と最後がハードな山旅となったけど、どれも充実したものでした。それぞれに求めるものが違ったから、同じ登山でも別の楽しさ、面白さがあって非常に満足できた1ヶ月。

笊ヶ岳に関していえば、GWの長時間歩きがあったからこそ、行こうと思える気になれた。

 

でなければ、普段からこのレベルの登山ばっかりしているイソについて行こうとは思わなかったしな。おそらく一人で登っていたらもっと早く歩けたんだろうけど、こちらのペースに合わせてくれて感謝。(イソ、ありがとう!)

 

夏前のトレーニングという名目もあったけど、それ以降、また緩い登山や呑んだくれの日々が続いているので、体力づくりという点ではほぼ無意味なものになりかけているな。。

でも、まだまだその気になれば、こういう登山も行けるんだというのがわかった。体力に一番自信があったのは2012年のときで、そこから膝の怪我とかもあって下降しているけど、最近は調子取り戻している感じもする。そういう時にこそ、この手の登山は済ませておきたい。観光気分で登れる山も華やかでいいけど、それはいつでもできるしね。

こういう山こそ、この先登りに来る可能性なんてないから、今回登っておいて本当に良かったと思います。

 

日帰り困難な笊ヶ岳。ストイック系登山になるのは間違いないけど、そういうのがお好きな方、もしくは南アルプスが大好きな方にオススメしておきます。

 

あと、ちょうどこの記事を書いているときに、下山中に穴をあけたスポーツタイツも修理から戻ってきました。

 

CW-Xの機能タイツ。高いから買い替えはしたくなかったけど、送ったら無償で直してくれた(送料だけ自己負担)。修理に3週間ほどかかるけど、これで夏前に準備が整ったわい!

 

そんなわけで、梅雨が入った6月は山登りほどほどにして、夏に向けて色々プラン練っていこうと思います。

 

日帰り難関の南アルプス笊ヶ岳(完)

 

 

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【日程】

2015年5月27日

【コースタイム】

老平駐車場(4:00) — 広河原(5:15) — 山の神(5:55) — ワイヤー散乱地点(6:40) — 桧横手山(7:35)— 布引山(9:15)— 笊ヶ岳(10:20~11:10) — 布引山(12:15) — 広河原(15:00) — 老平駐車場(16:30)

 

 


双六岳(北アルプス) 梅雨の残雪時期にテント泊登山

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これはちょうど1年前の2014年6月の記録。梅雨入りすて間もない時期に、総勢13人で北アルプスの双六岳にテント泊登山してきました。

双六岳は夏場であれば何の問題もなく登れる山ではあるけれど、例年6月はまだ残雪時期で、途中の雪渓を一部迂回しなければならなかったり夏道が解放されずにハイマツ帯を直登したりと、なかなか神経を使う登山行程。

週末でありながら悪天候の予報だったからなのか、テント場は自分たち以外誰もいない貸し切り状態!天候に阻まれてピークを踏むことはなかったけども、残雪時期の北アルプスを体験できたし、頼もしい仲間たちと一緒にテント泊できたのは良い思い出になりました。

双六岳は花の百名山にも選定されていて、7月にもなれば三俣蓮華に向かう登山道にはコバイケイソウをはじめとするたくさんの高山植物が花咲かせるお花畑が広がっています。

残雪時期は登り応えありの雪山登山、それが終われば一変してお花畑の楽園に変貌する双六岳、北アルプスの中でもお気に入りの山の1つです。

 

 

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ちょうど1年前の6月の記録。この記事自体はずっと前に書き終えていたけど、双六岳山頂までは登ってないし写真もあまり撮らなかったので、ずっと放置していた山行記録。

あれから1年が経ち今年も梅雨入り。山にもあまり行けず悶々とする日々が続き、ブログの整理をしていたところで、この懐かしい記事を思い出した。

仲間内でテントキャンプに近いワイワイ登山だったので、特にアップする予定もなかったけど、双六岳は個人的にもかなり気に入っている山なので、残雪期の山行に少しでも参考になればとアップしておきます。

 

記事中の文章は1年前に書いた時のままなので、一部内容がちぐはぐしているかもしれませんが、それは適当に読み流してくだされ。

天気の都合上、テント泊のみで登頂はしなかったですが、残雪の北アルプスの難しさや楽しさもわかって、個人的には充実した2日間でした。

 

~~北アルプス双六岳 6月梅雨時期のテント泊登山~~

テント泊登山の場合、過去を振り返ってみてもソロが大半で、仲間と一緒に行くにしても最大で3人くらい。別に大人数が嫌いってわけじゃないけど、テント泊の場合は各々休みも合わせなきゃいけないし、重たい荷物背負っての登山。ペースも合わせなきゃいけないので、あまり大人数というイメージがなくて、これまでソロが大半でした。

大人数どころか他の人とテント泊ってあまりしたことがないんです。

 

今回の双六岳もそう。

あれは忘れもしない、昨年の7月の山行…

 

以前からこのブログを読んでいる人なら見たかもしれないけど、昨年の夏に双六岳はソロでテント泊しているのです。それがこちらの記録。笠ヶ岳がメインの登山で、その縦走の過程として登った双六岳。

 

お花畑と北アルプスの名峰にとにかく感動して、一人でやたらはしゃいでいた双六岳縦走登山。

大成功の後に終わるかと思っていた山行だったけど、2日目に起こった小さな悲劇。。。

 

それが膝蓋靭帯炎の再発…

 

まぁ自業自得ではあるんだけど、体力あると勘違いしていろいろ無茶に歩いた結果、発症した膝の痛み。完治したと思ってたら全然そんなことなくって、よりによって双六岳~笠ヶ岳の稜線の途中で再発。エスケープもできずに死ぬ思いをしたのは今にしてみれば笑い話だけど、山で本気で泣きそうになった苦い思い出の1つ。

この日以降、1ヶ月くらいは膝の治療に専念して、今もテント装備では膝へ負担をかけるのが怖くて軽いトラウマとなってる。最高の景色を拝めて良い思い出もあるんだけど、傷跡も深く、、、

そんなこともあって双六岳はなにかと因縁のある山だったりします。

 

そんな思惑もある双六岳に仲間のイソから残雪登山に誘われて、再び双六岳へ登ることになりました。

 

花金の6月20日金曜日、でかいテント装備背負って深夜のラッシュの電車に乗り込む。電車慣れしてても、大きいザック背負っての満員電車は流石に気が引ける。。。

それでも今回は、最寄り駅でメンバーのたくみと会ったので少し助かった。自宅から5分の所に山仲間が住んでいるってのは貴重や!

二人して申し訳なさを出しつつ、電車に乗り込んで集合場所へ。

 

車3台、計13人で新穂高温泉へ。大人数だけど、個々とはそれぞれ何度も登っているので、特に心配事もなし。…というか逆に、冬山ガンガン登る面子だったので、着いて行けるか若干不安ではあった。

 

4:30頃に登山開始。新穂高から双六岳までのルートは去年歩いてるけど、雪の残り具合がまるで違うと聞いていたんで、とりあえず初めて登る山という意識で行ってきます!

新穂高から双六岳まで登ったことある人にはわかるかもしれないけど、しばらく単調な林道が続く。

 

前回は普通に通れた道でも、この時期はまだまだ雪が残ってる。場所によっては雪を踏んで進んで行く。

 

6月は北アルプスでも新緑が綺麗に見える季節。雪と新緑のアンマッチな季節感も豪雪山域の北アルプスならではか。

冬靴で歩いているので、できれば早く積雪の上へ行きたいところ。

 

整備された林道。ここら辺も懐かしい風景。

 

2時間ほど歩いて小池新道登山口。ここがようやくスタート地点。登りが始まります。

 

 

ガレ場や雪が交互に現れる。装備は冬山と同等のものなので、冬靴が無雪道のところを歩くのが少し応える。。

去年はソロで黙々と歩き続けた道。時期は少し違えど、1年越しで今年はこうやって仲間と歩くとまた感慨深いものがある。

 

天気は土日両方雨の予報だったんだけど、初日に関しては予想以上に良かった。青空も広がって快適なハイクでした。

 

そして目の前に広がる雪渓。今回の第一の核心部が見えてきた。

 

秩父沢。去年歩いた時期であれば普通に橋が架かってたけど、この時期はまだそんなものはなく、、、

標識にある通り、薄い崩れかけの雪渓を避けて高巻して進んで行きます。

それにしても、落ちると心臓マヒとは…… (ノ゚ο゚)ノ

 

こういう無駄な登りが発生するのも残雪期ならでは。地図上のコースタイムはあくまで夏場の正規ルートのもの。

6月とはいえ、雪があるこの時期はまだあてにならない。

 

上からみたらただの雪渓だけど、下の方はいつ崩れてもおかしくないから、その上を歩くことはできない。

心臓マヒだけは起こしたくないっ!

 

一度雪渓にたつとひたすら直登してみたくなる(笑)

この雪渓の果てに行きつくのが秩父平なのかな?去年、自分が膝の痛みの再発でしばらくうずくまった地点。

 

この後もひたすら雪渓と夏道の繰り返し。上に行くにつれて雪も多くなってきて、登山道もわかりづらくなってくる。

登りは目指す方向がある程度分かっても、下りが夏道に入り込むポイントがわかりづらくて迷うかもしれないのでご注意ください。

 

後半はほぼ雪渓。コンディションとしてはアイゼンだけで登れるけど、厳冬期装備は必須。

登山装備としてはシュラフやマットも持っているので、今シーズン一番の重たさかもしれない。

 

10時15分、鏡平山荘に到着。スタートしてすでに6時間経過。大人数だから標準タイムよりは遅いとは思うけど、夏とは比べ物にならないほど時間かかります。

 

鏡池は雪に埋もれて、少しだけ顔をのぞかせている状態。

雪解け水の透明度が半端なかった。

 

予定通り天候が悪くなってきた。

ただ雷雨ってわけじゃなくて、梅雨にありがちな小雨が続く予報だったので、登っている間は風もなくて穏やか。梅雨にしてはまぁ登山日和の部類に入るかと思う。

 

槍ヶ岳も見えたぜ!!このあと雲に隠れて見えなくなったので、ギリギリでした。

 

ちなみに晴れたときの鏡平からの槍ヶ岳はこんな感じ↓

 

今回はあくまで残雪期の北アルプステント泊が目的。晴れの写真などは前回の記録を参考にしてください。

 

ここから双六小屋までは夏道であれば2時間程度。

ただ、この時期はそうはいかない。

 

本来なら夏道は斜面を横切って右斜めに進んで行くんだけど、途中の雪面のトラバースがどう見ても危険。

 

そんなわけで、この時期の双六岳は春用の臨時ルートが用意されています。

途中から夏道を逸れて春限定の藪漕ぎルートへ。

 

ハイマツ帯を登っていく。途中、写真撮る暇もないほどの藪漕ぎだったり枝をかき分けて登ったりがあるので、ここはそこそこエグい。地面が土で滑りやすいしね。

 

ここが今回の登山ルートとしては一番厄介で難所だった。 春ルートの藪漕ぎは避けられない。

 

 

ハイマツ帯を登り切ったところ。こういう感じの簡易的な看板があるので、取り付き地点で迷うことはないかと思いますが、ハイマツ帯がそこそこの悪路で急斜面なのでご注意くだされ。

 

あとは尾根伝いに双六小屋を目指す。

ここら辺も7月以降であればお花畑が広がる稜線だけど、6月はまだ雪が多め。

 

夏であれば高山植物の楽園でっせ!

 

途中からポツポツ雨が降ってきた。

 

 

後は稜線沿いに道なりに歩いて、双六小屋に到着。鏡平からは3時間半ほどかかりました。

 

小屋で受付。営業開始して間もない双六小屋でしたが、この日の宿泊者は誰もいなかったようで、、、

当然テント泊も誰もいなくて貸切ということが判明。広々と使わせてもらう!

 

夏場なら目の前の雪も溶けてもっと広いテント場になるんだけど、6月中旬はまだ雪がだいぶ残っているので、雪がない部分は山荘近くのこの辺りのみ。

それでも20張くらいは張れる広さがありました。

 

頑張って登ってきたご褒美とばかりに鷲羽岳が最後まで姿を見せてくれていました。

鷲羽岳も雲ノ平と合わせていつか登りに行きたいんだよなー

 

イソがご用意してくれたタン塩!!

 

↑これ、お土産品。酒のつまみにピッタリで美味しかった。

 

雨は止んでくれたけど、天気が怪しいのでピークハントは諦めて早々に宴に切り替えてやった。

 

本当なら憎っくき相手の笠ヶ岳を眺めてやろうかと思ってたんだけど、あいにく雲の中。

笠ヶ岳は百名山にも選ばれているし、独立峰の用に聳える出で立ちがカッコいいんで、いつか再訪したいとは思っている山。そこに至るまでの稜線も、本当に綺麗な景色が続くから、次こそはもう少しスマートに登りたい。

 

2日目も似たような天気だったので、省略。来た道をそのまま戻って帰りました。

 

途中で春ルートの藪漕ぎへ入って行ったけど、夏場であれば笠ヶ岳への稜線もぜひ歩いてほしいところ。稜線フリークとしてもかなりオススメです。

アップダウンがあるけれど、お花畑はもとより向かって左側に槍と穂高連峰が見渡せるので、景色も最高!

 

こんな感じの稜線が待っております!

 

帰りも少し時間はかかったけど、14時半に新穂高温泉に下山完了。駐車場もこの天気のせいかガラガラでした。

 

 

ざっと書いたけど、残雪期の双六岳の山行としてはこんな感じ。

ピークハントも行こうと思えば行けたけど、登っても展望は期待できなかったのでやめました。

ただ晴れていれば、双六岳からは槍ヶ岳の展望が素晴らしく綺麗に見えるので、ぜひ登ってほしい山です。

 

山頂直下のこの広い稜線も見所の1つで、稜線越しの槍ヶ岳の展望が双六岳の中でも有名なアングル。

こうして過去の写真を見ているだけでも、また登りたくなってきた(笑)

 

こんな感じで、テントキャンプがメインの登山にはなったけど、仲間と大いに楽しめた2日間でした。

普通にこのレベルの残雪登山をこなせる山仲間がいるって言うのは、改めて幸せなんだとも思った。

 

梅雨時期ということもあって天気はそこまで優れなかったけども、初日は青空も見れたし、北アルプス特有の岩山と稜線も見れたので満足してます。

 

今回は残雪の双六岳に登れなかったけども、別に残雪期のピークハントにこだわっているわけでもなく。

また機会があれば夏のハイシーズンに登りに来たいと思っている山です。

 

またいつかこんなお花畑を見に行きたいな

 

 

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【日程】

2014年6月21日~22日

【コースタイム】

・1日目 晴れのち曇り時々雨

新穂高温泉(4:20) — わさび平小屋(5:40) — 鏡平山荘(10:15~11:10) — 弓折岳(13:00) — 双六小屋(14:40)

・2日目 曇り時々雨

双六小屋(7:00) — わさび平小屋(12:50) — 新穂高温泉(14:30)

 

 

 

甘利山・千頭星山 日帰り登山 満開のレンゲツツジ

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6月初旬にレンゲツツジの群生地で有名な山梨県の甘利山(あまりやま)へ行ってきました。

今年は例年よりもツツジの開花が早くて6月初旬で早くも見ごろ。ちょうど満開を迎えて、山頂一面が朱色に染まって華やかなお花畑が広がっていました。ツツジ目当ての登山客はもちろん、駐車場から15分ほどで登れてしまうので観光客も多かったです。

甘利山もまた花の名山で、レンゲツツジ以外にも色とりどりのたくさんの花が咲いています。梅雨の曇り空でも十分に楽しめる花のトレッキング、1つ先の千頭星山も合わせて登れば、日帰りとしては十分歩き応えのある登山ルートも組めます。

甘利山は夜景スポットとしても有名なので、機会があればこの山からの夜景も見てみたいです。

 

レンゲツツジと富士の展望、甘利山―――

 

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今年も梅雨に入ってしまいました……

 

「1年の中で一番嫌いな月は?」と聞かれたら、迷うことなく「6月」って答えるな。

ただでさえ祝日がないうえに、梅雨のジメジメした空気で不快指数は常にMax。洗濯物を干すチャンスも少ないし、寝苦しい夜が続くかと思ったらたまに寒い日があったりして油断ならない。

クーラー付けると寒いし、止めると暑い。。どうすりゃいいんだ…

 

6月は色々と疲れます……

 

普通の生活が苦行でも、週末に山にでも行ければ文句はないんだけど、そう美味い話なんてなく……、例年だいたい6月は天気に泣かされて山に行けない日々が続く。

そうなると、自然とお酒の量が増えるのは当たり前で、余計に健康体から遠ざかって、夏の縦走も怪しくなってくる。困ったもんですよ……。

 

悶々とした生活が続きがちの6月だけど、それもようやく終わりで、今年は2回山に行けました。(2回行ければよしってことにしとく)

まずはその1つ目がこの甘利山。6月の最初の週末に行ってきました。6月、7月は花にこだわる旅がしたいと決めていたけど、それが狙い通りの達成できた旅。

 

トレッキングとしては気楽なもんだったけど、ここもまた楽しい山でした。

 

~~ 2015年6月7日 レンゲツツジの甘利山・千頭星山 ~~

久しぶりの朝発日帰り登山。

今回登る甘利山は標高1731mとそこそこ高いですが、山頂直下まで県道が通っているので誰でも日帰りで簡単に登ることができます。

 

スタートの甘利山駐車場に着いたのは9時半ごろ。ここまでの県道は路面は整備されていましたが、道が狭くてすれ違いにやや困難な場所があったりしました。

 

レンゲツツジのシーズンは駐車場もかなり混雑します。広いのでよほどのことがなければ停められるとは思いますが、着いた時には満車になりかけていたので早めにくるに越したことは無い。観光客もたくさん訪れるので、自分たちが帰る14時くらいでも、まだ登ってくる車が結構いましたよ。

 

駐車場に案内図があったので一応載せておきます。

今回は甘利山を登って、さらに先の千頭星山まで行く予定。それでも往復でだいたい4時間半の行程。高低差500m程度なので楽なトレッキングですな。

近隣に色々と山があるのがわかるけど、すぐに目に入ったのが上に聳える南アルプスの鳳凰三山。直線距離で言えば割と近い。

甘利山から縦走する人が果たしているのか知らないけど、途中の分岐点にはちゃんと鳳凰三山の案内がありました。

 

観光客に混ざって手軽な装備でスタート。見ての通り、登山口からいきなりツツジの群生。

 

 

見事な朱色!この前登った高原山で見たのはシロヤシオ。ツツジの開花順としてはアカヤシオ、シロヤシオと来てレンゲツツジという流れだから、花の開花を追う感じで山に来れてる。

スタッフの人から聞いたところ、もう満開宣言が出たとのことで、花びらも全開でした。

一面レンゲツツジのお花畑でも、良く見ると色が微妙に違うのも面白い。

 

甘利山まではしっかりと整備された登山道。スニーカーでも難なく歩けます。山頂まではひたすら登山道わきにレンゲツツジが咲いています。

ちなみに、この日は序盤はガスガスの天気。。。最近は晴天登山ばかりだったから、久しぶりのこの悪天。予報では晴れるはずだったんだがな……。

たまにコメントやメールなんかで「晴れてばっかりで羨ましいです」なんて言葉を聞くけど、ご覧下さい!!ガスってます(笑)

 

それでも、この山のいいところは、展望効かなくても花がたくさん咲いて楽しめるところ。

 

この不思議な形の花はマイヅルソウ。角みたいに飛び出た突起が可愛すぎる。

 

こちらはシロバナノヘビイチゴ。感じで書くと「白花蛇苺」。この花も綺麗にたくさん咲いていました。

ヘビの要素がどこにあるのかはわからないけど、蛇が大好きな花ならマジで勘弁。。。ヘビは大の苦手で、見ただけで全身の鳥肌が立つ。

 

こちらはツマトリソウ。形が幾何学的で美しい。

 

花のすぐ横に写真付きで説明書きが書かれているから、花に疎い僕なんかには大変助かる。

花って家に帰ってから調べようと思っても、なかなか特定できないから難しい。カメラに写したら、その場で花の名前を教えてくれるアプリなんてないものだろうか…

 

 

右も左もそこら中レンゲツツジの群生。さすがに有名なだけあって規模が大きいです。

 

紅いレンゲツツジに交じって黄色いツツジも見れました。黄色はあんまり見たことないから希少価値高い感じがする。

 

観光客でも安心して歩けるように木道も整備されています。なんで右だけ網で囲われているのかはわからなかった。植生保護かな?

ここら辺は帰りに晴れてくれたので、また後のほうで写真載せます。

 

 

足元にひっそりと咲いていたスミレ。この花を見ていた時に、横から年配の方が「○○スミレだよ」って教えてくれたんだけど、肝心の○○が思い出せないっ!!

珍しい花と言っていたような、言ってなかったような……

 

 

花を愛でていたら、いつの間にか山頂到着。本当にすぐでした。

標高は1731m。先週の笊ヶ岳に続いて、ここも山梨百名山の1つ。

 

山頂はこんな感じでかなり広いです。360℃の展望が開けているんだけど、あいにくガス。。。山頂で展望見れなかったのは久しぶりだけど、帰りに来た時には晴れてくれたので、それも後ほど。

山頂にスタッフさんがいて、写真撮ってもらいました。スタッフさん曰く「レンゲツツジの開花が梅雨と被るから、こういう天気ばっかりなのよ……トホホ」とのこと。

こういう天気でも楽しんでいるから大丈夫です!(`・ω・´)

 

早々に甘利山は登り終えて、次はさらにその先の千頭星山を目指す。レンゲツツジともいったんここでお別れです。

ここから先は完全な登山道になるので、登るのであれば登山服で。

 

この先は所々急登もあり。千頭星山の標高が2139mなので、単純標高差でも甘利山から400mは登る必要があります。

 

登り返したところから見た甘利山。山頂一帯がレンゲツツジで紅く染まっているのがここからでも良く分かる。

 

だいたい甘利山に登るハイカーは千頭星山とセットで登るので、登山道は踏み固められて歩きやすい。急登もあるけど、こんな感じで平坦な笹の道もあるので、そこまで疲れる道ではないです。

 

途中、奥甘利山というピークがあったので寄ってみました。

ただ、なんてことはない。展望効かない場所だったので、すぐに先を行く。

 

途中、上を見上げると桜っぽいのがたくさん咲いてました。ミヤマザクラで合ってるのかな?

白い花びらに蕾の赤と葉の緑が織り交ざって綺麗でした。

 

この天気もそうだけど、瑞々しい植物の姿を見ていると、これこそ梅雨らしい登山。

晴れるに越したことはないけど、これはこれで十分に楽しめるな。

写真の枝に垂れ下がった海ぶどうみたいなやつ、これも苔なんだね。メンバーに苔好き女子に教えてもらいました。

 

分岐点では必ず標識があるので迷うことはないです。

右に「青木鉱泉」って文字が見えるあたり、鳳凰三山の近さを感じる。鳳凰三山についてはこちらの記事を見てもらいたいけど、登ったのはもう4年前。南アルプスの中では入門編という位置づけだけど、結構大変だった記憶あり。

まだ登ってない山もたくさんあるけど、3,4年経つと過去に登った山も再び登りたくなってくる。こうやって登山は一度ハマると、なかなかやめられないあたりが中毒性高い(^^;

 

雪もなく、岩場もなく、平和な登山道。途中で団体さんを追い抜いたけど、ここなら大人数でも初心者を連れても安心して歩ける。

 

露の樹。都会のジメジメした空気を忘れさせてくれる、山の涼しげな雰囲気がたまらない。

 

千頭星山へのこの笹の道も、公園のように広い散策路で楽しいかったです。

唯一注文を付けるとしたら展望か…。南アルプスに近い山だけど、そちら側に開けたポイントがルート上にはほとんどないので、南アルプスの展望台というわけにはいかないようで。

 

天気はあいにくのガス。この日は午前中が晴れの予報だったんだけど、標高的にちょうど雲がかかるところだったからなのか、しばらくは辛抱な時間帯でした。

予想に反して午後になって晴れてくれたのは幸い。天気はやっぱり行ってみないとわからんね。

 

甘利山から1時間半ほどで千頭星山に到着。

 

山頂はこんな感じで樹林帯に囲まれていて展望はなし。

標高2139mは甘利山よりも400mも高くて、ここも山梨百名山の1つですが、ネームバリュー的には甘利山に完全に負けてる。やっぱりお花畑と展望を持っているってのはでかいのか。

 

山頂はそこまで広くはないけど、大盛況でしたよ。

みなさん、満開のレンゲツツジをお目当てに来たそうで。ガイドさんらしき人もいたので、ツツジのシーズンはツアーも組まれているようです。

 

ここから先は南アルプスの領域に入るので、今回はここまで。南御室小屋と言えば、自分が初めて一人で泊まった山小屋。思い出深いものがある。

今回はここで引き返してしまったけど、これを読んでいる方で時間がある方はぜひこの先の大ナジカ峠というところまで行ってほしいです。

というのも、下山後に案内所の方から聞いたところ、この先の大ナジカ峠辺りまで行くと展望が開けるらしいんだとか。今回のルートだと展望が開けているのは東側だけなので南アルプスの名峰を臨むことは叶わず。。。この先をもう少し進めば見えたのかもしれません。

 

大混雑の山頂だったので、サクッとご飯食べて下山。来た道をそのまま戻ります。

 

やっぱりガスっているとはいえ、この笹の道は好きだわ。

もしかしたら、ここら辺は晴れていれば左手に鳳凰三山が少しは見えたのかもしれない。

 

雨上がりだったので、苔も綺麗。このホワホワした感じが最近は可愛く思えるようになってきた。

梅雨時期は苔を狙った旅が良いのかもしれない。北八ヶ岳あたりは特に有名。あとは遠いけど屋久島とか。

もしくは、展望よりも花や雰囲気を楽しむ湿原散策とかか。去年行った、池の平湿原なんかもオススメの場所。

 

【池の平湿原】

水ノ塔山・篭ノ登山と合わせて歩けば、登山も湿原散策も楽しめます。

 

甘利山までの下山途中にようやく空が晴れてきてくれて、気が付いたら木々の合間からあの山が見えました。

 

マウント富士!!雲海の上からちょこっと顔を出してくれた。

甘利山と言えばレンゲツツジだけど、ツツジ越しのこの富士山のアングルが特に有名。登りでは見れなかっただけに、帰りは期待できそう。

 

甘利山の近くまで戻ってくると、行きよりもレンゲツツジの群生がより鮮明に見え、さらにその奥には麓の街並みが広がっていました。

 

甘利山のレンゲツツジと富士山。そして下に広がるのが甲府盆地。この3つが甘利山の見どころで、ツツジ越しの富士山、もしくは夜景の甲府盆地と富士山のセット、これが有名。

これだけ街並みが見えるんだから、夜景が綺麗なのもうなずける。写真で見てもかなり綺麗だったから、次に来るとしたら甘利山のナイトハイクか!?

 

甘利山まで戻ってくると、ワンコも散歩中。

甘利山自体は公園と言ってもいいくらいの観光向けの山。誰でもレンゲツツジを楽しめるようになっています。

 

登りでは見れなかったので、改めてレンゲツツジ越しの富士山。

雲海が敷かれていて、富士山が天空に浮いているように見える。

 

ツツジの群生地に再び戻ってきました。

群生と言ってもまばらに咲いているので、傍から見ると「一面朱色の絨毯!!」というわけにはいかない。遠くから眺めるよりも、お花畑の中に立って楽しむスタイル。

ツツジの密集具合からしたら、湯ノ丸山の方が上かも知れません。湯ノ丸山も割と簡単に登れる山なので、この甘利山と合わせてレンゲツツジの山としてオススメしておきます。

 

行きではガスっていた木道脇のお花畑を改めて堪能して下山。

ちょうど満開の時期に訪れることができて良かったです。

 

老若男女、ワンコも何匹かすれ違って大盛況だった甘利山。こんな感じで道は整備されているので、甘利山までならスニーカーで十分です。

 

13時半、下山完了。往復4時間程度のトレッキングでした。

この時間でもまだまだ登ってくる観光客はたくさんいましたよ。駐車場も依然混雑。

 

登りではすぐに登山道へ入ってしまったけど、駐車場わきもお花畑が広がっていて色々な種類の花を見ることができました。

この黄色い花はウマノアシガタ。

 

こちらはアマドコロ(甘野老)。可愛らしく整列してました。

 

草の陰には、かしこまったようにスズランも咲いていました。

 

ツツジ苑という売店があったので寄り道。この小屋の所に、甘利山で出会える草や花、蝶や鳥などがイラストで描かれていてとても参考になります。

 

小屋の中はかなりオシャレ空間で、甘利山や南アルプスの絶景写真がたくさん見れました。登山バッチもここで売ってます。

大ナジカ峠まで行けば展望が見れた、という話を聞いたのもここのスタッフさんから。

 

ちょっと事前リサーチが足りなかったかもしれないけど、とりあえずはお目当てのレンゲツツジの群生を見れたから、今回の旅も満足の後に終了!レンゲツツジ以外にもたくさんの花や苔を見れたので、予想以上に楽しめました。

 

久しぶりに天気がハズレて、ガスの中のスタート。山梨の山に登ったのに富士山が見れなかったらどうしようと思ったけど、帰りにしっかりと顔を出してくれたので安心しました。

同じ日の記録を見たら、甲斐駒ヶ岳あたりでは朝から雲海が広がっていたので、標高が低い甘利山はちょうど雲の中だった模様。時期的にも標高2000m未満の山は蒸暑くなってくるし、そろそろ限界かな。

梅雨の時期と開花が重なるレンゲツツジですが、天気が少しくらい悪くても花が楽しませてくれるので、6月の登山プランとしては十分ありだと思います。

 

レンゲツツジの観賞と富士山の展望だけで良ければ甘利山、トレッキングも楽しみたいなら千頭星山まで歩くのがオススメです。さらにハードモードで行きたければ、鳳凰三山まで行ってみてください(笑)

 

高原山のシロヤシオに続くツツジを愛でる山旅、第2弾。

レンゲツツジの群生、甘利山の記録でした。

 

おしまい

 

 

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【日程】

2015年6月7日 曇りのち晴れ

【コースタイム】

甘利山駐車場(9:30) — 甘利山(10:00) — 奥甘利山(10:30) — 千頭星山(11:30) — 甘利山(12:50) — 甘利山駐車場(13:30)

 

 

 

田代山・帝釈山(尾瀬) オサバ草祭りとワタスゲの群生 雄大な湿原散策登山

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2015年6月13日に栃木県と福島県にまたがる帝釈山・田代山へ登ってきました。

他の山ではあまり見られない”オサバグサ”の群生で有名な帝釈山。登ったこの日がちょうど開山日で、そこから2週間ほどは「オサバ草祭り」が開催されて、山に行くと記念バッチももらえます。

日本有数とも言えるオサバグサの群生。祭りが開催されているだけあって、緑の中に輝く白い花はどれも満開を迎えてとても綺麗なものでした。……が、今回の旅のハイライトは、間違いなく田代山湿原のワタスゲ!

山の上に広がる高層湿原、そこに敷き詰められたように咲くワタスゲもちょうど満開で、今までに見たことがないスケールのワタスゲ天国が広がっていました。湿原一帯は高山植物の宝庫で、ワタスゲ以外にも初夏に咲くたくさんの花が見ごろを迎え、青空の下で気持ちのいい湿原散策を堪能。

ここにもまた、花の楽園がありました。

 

田代山湿原のワタスゲ天国―――

 

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日本を代表する高層湿原、尾瀬。栃木県と福島県にまたがる帝釈山と田代山も尾瀬国立公園の一部ですが、尾瀬の山と言えば尾瀬ヶ原周辺に聳える至仏山燧ヶ岳あたりが有名なので、それに比べると両山とも知名度はそこまで高くはないのかもしれない。

至仏山も燧ヶ岳も過去に登ったことはあるものの、いずれも時期が秋の草紅葉のシーズンだったので、花が咲く夏の尾瀬を体感したことがなく……。

尾瀬と言えば初夏の時期というイメージもあるので、今年こそは夏の尾瀬に行きたいと思っていたところ、尾瀬の端に位置する田代山の存在を思い出し、天気もまぁまぁ良さそうということで、今回やっと行くことになりました。

 

ちょうど開山日というのも帝釈山でオサバ草祭りが開かれているのも知っていたのですが、田代山湿原にあれほどのワタスゲ天国が広がっているとは思わず、いきなり目にした山の上の楽園にただただ感動!

今年の夏山の始まりという意味でも最高のスタートを切れた旅となりました。

 

~~ 2015年6月13日 帝釈山・田代山 日帰り登山 ~~

関東梅雨入りしてまだ間もない6月中旬。少ない晴れ間を狙って2015年上半期最後の登山へ。

帝釈山と田代山は、2つ合わせても朝発の日帰りで十分登れる山ですが、前夜の金曜に仕事を早々に切り上げて栃木県宇都宮へ。

宇都宮在住のたくみ先生もちょうど同じ日に田代山に行こうと思っていたようで、一緒に行かせてもらうことになりました。

 

新宿から一本でJR宇都宮駅に到着。この駅で待ち合わせの時は大抵終電で来るけど、この日の到着は22時。華金ということもあって、まだ駅前が賑やかでした。

 

ここでたくみと合流。冬の蔵王山以来だから、4か月ぶりか。

車を走らせ、向かった先は登山口……

 

ではなく、こちら↓

宇都宮市内にある某クライミングジム。朝発で十分間に合うので、前日はここで軽く汗を流す。久しぶりにボルダリングしたけど、都内では考えられないくらいの空きっぷり(ほぼ貸し切り)で、好きなだけ登ることができました。

山に登る前にして腕パンパンになったけど…(^^;

いい運動になったのがトランポリン。ちょうどこの日に入荷したようなので少し使わせてもらったけど、短時間でかなり疲れるな。。足腰もバランス感覚も養えそうだし、梅雨の時期はこういう場所で遊びつくすのもありかもしれない。

 

この日はたくみ宅に泊めさせてもらって、翌朝6時に宇都宮を出発。帝釈山登山口へ。

栃木県内の山だけど、帝釈山・田代山は福島県側からしかアクセスできないので、宇都宮からでも2時間以上かかります。東京から来ようとすると、北アルプスに行くより時間かかる気がする。

 

帝釈山と田代山、双方に登山口がありますが、今回は帝釈山側の登山口である馬坂峠から登ることに。登山口までの林道はこんな感じ。すれ違い困難な狭い道が続くけど、田代山側の登山口までの林道も似たようなものみたいです。

ツアーバスも通るので、そこまでの悪路というほどではなかったけど、距離が長い…。

 

馬坂峠まで残り200mくらいってところで係員の方がいて、上の駐車場は一杯だから手前のここに停めるようにと。

開山日はどこの山もやっぱり混むな~。開山日を狙ってきたわけじゃないけど、ベストシーズンを狙おうとすると、こうして開山日にぶつかることがある。1ヶ月前の高原山もそうだった。

登る前に大混雑を覚悟する。

 

登山としては少し遅めの10時過ぎにスタート。帝釈山は標高2000mを越える山だけど、車で上の方まで上がってこれるので、この時間からでも十分に歩いて回れます。

馬坂峠まで少しだけ林道歩き。

 

開山日に合わせたツアーバスも来てました。この狭い道をバスが通るとは……、すれ違った車はさぞ大変だろうに。

 

こちらが馬坂峠駐車場。30台ほど停められるスペースは満車。

この時点で標高は1780m。1時間かからずに帝釈山まで登れてしまうので、アクセス難だけど尾瀬の中ではかなり登りやすい山。見頃を迎えたオサバグサ目当ての観光客も多かったように思う。

 

帝釈山登山口で山開き記念バッチが配られてました。今日から2週間ほどオサバ草祭りが開催されていて、その間に行けばもらえるようです。(※数に限りありとのこと)

台倉高山というのは帝釈山の向かいにある山。今回はスルーするけど、そちらにもオサバ草が咲いているようです。

 

オサバグサ、オサバグサ言ってるけど、かく言う自分はどういう花なのかも知らないでの訪問。このバッチの絵を見て初めて姿かたちを知る(ドヤッ!)

 

10時半に登山口をスタート。歩き始めて早々に噂のオサバ草を見ることができます。

 

こちらがオサバ草。小さく白い花が垂れ下がって咲いている植物で、帝釈山と田代山はその群生を見ることができる数少ない山らしい。

 

木陰あたりにひっそりと咲いているので、身を乗り出してお顔を拝見する。

 

群生と言ってもお花畑みたいに一面白い花が咲いているわけじゃなくて、ポツンポツンと一定の距離を空けて咲いている感じ。

小さいながらも上品な印象でした。

 

登山道は木道や階段が整備されているので歩きやすい。帝釈山までなら登りも1時間程度で着いてしまいます。高尾山に登るよりも楽。

見どころはオサバ草だけど、他にも色々と花が咲いていてなかなか足が進まなかったです。

 

たくさん咲いていたのが、このミツバオウレン。

 

こちらはイワナシ。ピンクの花が樹林帯の中では目立っていました。

 

オオカメノキ

 

緑のとげとげ

 

オサバ草は陽に当たると、白い花びらが輝いて神々しさを感じる。

自らが光を放つランプのように明るく照らされていました。

 

登山道はひたすら登り。岩場が出てくれば山頂も近い。

帝釈山までの登りはほとんどオサバ草鑑賞に時間を費やしました。

 

こちらが帝釈山山頂。簡単に来ることのできる標高2000m超えの山。

山頂はそんなに広くはないですが、360℃開けていて、周囲の名峰を臨むことができます。

 

こちらはすぐ目に前に広がっていた会津駒ヶ岳。6月中旬にして、なおこれほどの雪が残る。

 

こちらは尾瀬の主峰格、燧ヶ岳。独立峰として風格ある佇まい。

 

こちら、遠くに見えるのが日光の山々。男体山とか女峰山とか。帝釈山は栃木県と福島県にまたがる山だけど、アプローチが福島県側なので、会津の山に比べると日光の山は少し遠くに感じる。

 

写真には写っていないけど、帝釈山山頂はかなり混雑していたので先を目指すことに。目の前に見える平らな山が田代山。

ここからだとわかりづらいけど、山頂には広大な高層湿原が広がっています。空撮写真なんかを見ると雲ノ平のように湿原台地になっているので、良ければ見てみてください。

 

帝釈山から田代山までも1時間程度。木陰には残雪が少し残っていましたが、全体的に歩きやすい道でした。

 

ここらで特に目立って咲いていたのがシャクナゲ。前回の登山までは蕾しか見られなかったけど、ようやく咲いてくれました。

 

ムラサキヤシオツツジもまだ残ってました。

 

ショウジョウバカマ

 

ギンリョウソウの頭部

 

登り返しが終わればあっという間に田代山。こちら側にもオサバ草がたくさん咲いていて、樹林帯でも飽きることのない道でした。

 

湿原の手前にあったのが田代山避難小屋。立派なトイレもあります。ベンチも用意されていて、ここで休憩している人もたくさんいました。

逆に田代山湿原に入ってしまうと、途中で休憩するポイントがないので、お昼ご飯を食べたりするならここら辺で済ませておくべし。

 

避難小屋と言っても弘法大師堂も兼ねているので、仏様が祀られています。

由緒ある場所なので、気安く寝泊まりできる避難小屋ではないな( ̄▽ ̄)

 

軽くお昼ご飯を食べて、ここからいよいよ田代山の高層湿原へ。

 

湿原の入口。樹林帯から一変して展望が開ける感動的ポイント。

 

こちらが田代山山頂に広がる高層湿原。写真で見えているのはほんの一部分にすぎず、実際はかなり広いです。

 

この湿原の木道は一方通行で道順が決まっています。標識に従って反時計回りに進んで行く。

木道が基本的に単線なので、逆走するとすれ違いが困難。くれぐれも回る順序を間違えて正面衝突しないように。

 

湿原散策を開始して、いきなり出迎えてくれたのがワタスゲの群生。

咲きたてホワホワの綿が木道脇にたくさん咲いてました。

 

見応え十分だけど、ここら辺はまだ序の口。奥に行けばいくほどワタスゲ天国になっていきます。

1つ注意点としては、木道がこんな感じで追い抜きできないほど狭いので、混雑していると後ろからプレッシャー感じて、落ち着いて写真を撮ったりできないなんてことがあるかも。この時は幸いにも、前後に人が全くいなかったので、ゆっくりお花鑑賞させてもらった。

 

チングルマもちょうど最盛期を迎えていました。

 

ヒメシャクナゲ

 

タテヤマリンドウ

 

イワカガミ

 

どの花も「俺が主役じゃ!」みたいに競い合うように咲き乱れているけど、この時期は完全にワタスゲに軍配。

規模が桁違い。

 

梅雨の合間の青空。空の青以上に白い雲が綺麗に感じる。そこに敷かれた一本の木道がまた尾瀬らしい景観。

まさに思い描いていた夏の尾瀬のイメージそのまんま。

 

コバイケイソウの葉。7月以降に咲く花なので、6月中旬ではまだ花は咲いていませんでした。

ワタスゲが終わると、今度はコバイケイソウあたりが主役になるのかな。

 

高山植物オールスター。ワタスゲの群生に負けじと咲いていました。

 

この時期のワタスゲがこれほど綺麗なものだったとはっ!!緑の湿原を覆うように一面真っ白に咲いてました。

咲きたてなので毛並みも良く、かき集めたら相当気持ちよさそうな羽毛布団ができそう…( ゜ρ゜ )

 

チングルマの群生。ワタスゲの次にたくさん咲いていたのはチングルマでした。ワタスゲもチングルマも梅雨時期が一番見ごろで、活き活きしている。

 

今回の登山のハイライトシーンを選ぶとしたらここ。

どこまでも続く1本道、その両脇に道行く者を歓迎するかのように咲く白い綿。

これぞまさしくワタスゲロード!

 

湿原の向こうに見えてきたのは会津駒ヶ岳。雪山と初夏の湿原、季節感がまるで違う景観をこうして同時に見れるのも、山に登ったからこそ。

山に登る前なんて雪のシーズンはせいぜい1月から3月。かなり短いもんだと思ってたけど、登るようになってからは雪の時期はとても長く感じる。6月になって雪を見るなんて、昔じゃ考えられなかったからな…

 

逆に花の時期が物凄い短いもんなんだと常々思ってる。だから、今年はこれまで以上に花にこだわった山登りがしたかったけど、今のところは十分達成できている。

気が早いけどこのワタスゲの群生は相当気に入ってしまったので、毎年の恒例イベントにぜひ加えたい!

 

ワタスゲと会津駒ヶ岳。

 

広大な湿原も見所の1つ。ここが山頂とは思えない広さ。

雄大な湿原が広がる山頂と言えば苗場山を思い出すけど、あんまり天気が良くなかったのと、花がだいぶ終わった時期に登ってしまったので、苗場山もぜひもう一度登りたい。

 

ようやく木道半分。

こちらは猿倉登山口方面。帝釈山から登るなら馬坂峠、田代山から登るなら猿倉。どちらも林道の長さは同じくらいなので、お好きな方を選択してください。若干猿倉への林道のほうが荒れていると書かれた記録もありました。

猿倉からだと、樹林帯から開けた瞬間にいきなりこの湿原に出るから、さぞ感動ものだろうね。逆にこの後に帝釈山に登って、魅力をどれだけ感じられるか…。

日本二百名山に選定されているのは帝釈山だけど、大方が魅了されるのは間違いなく田代山。

 

こんな感じで湿原の入口には順路が書いてあるので、それに従って反時計回りで湿原散策。

 

いや~、本当に広いわ、ここ! Windowsのデスクトップ壁紙にありそうな風景。

何でもっと有名にならないのか不思議でしょうがない。

 

ちょっとだけランドネ風に撮れた。

 

この日は天気はもちろん良かったけど、夏雲がまたいい仕事をしてくれて、湿原に程よい陰影をつけてくれてた。

 

雲の影を感じられるのも夏らしい景色。

 

湿原散策がメインの田代山だけど、展望に関していえば会津駒ヶ岳の存在感、これに尽きる。

会津駒ヶ岳の山の大きさを一番感じられた場所だったかもしれない。

 

弘法沼。大きな池が空を映し出していました。

 

どこを見てもお花畑。田代山湿原はワタスゲ天国であり、花の楽園。

まだまだこれから咲く花もたくさんあるだろうし、少し時期をずらせばまた違った感動を味わえそう。

 

木道途中に一応山頂の標識があります。ただ、この場所は明らかに最高地点ではないので、本当のピークがどこなのかはわからない。

ピークは完全に福島県にありながら、ちゃっかり栃木百名山にも選ばれている田代山。

 

何とまぁ穏やかな山頂か。田代山も帝釈山も尾瀬でありながら、あまりスポットライトが当てられてない気がするけれど、こういう場所にこそ何度も来たい。

 

 

山頂の標識を少し過ぎたあたりが、ワタスゲの群生のピークポイントでした。ワタスゲを求めてやってきたわけでもないから、こんな景色に巡り合えるとは思ってもいなく……。

予備知識ほとんどなしで来た分、感動もひときわ大きいものでした。

 

ラストはひたすらワタスゲ天国。咲き始めのこの時期だからこその、このホワホワ感。

 

 

 

 

田代山湿原周回完了。ゆっくり周回して、だいたい1時間半ほどでした。

あれほど帝釈山は混んでいたのに、湿原にはほとんど人もいなくて、終始静かな木道散策でした。

たくさん写真を載せてしまったけど、ひたすらワタスゲ天国。山の上の楽園がここにもあった。

 

下山は来た道をそのまま戻る。

群生の希少価値などからすると、オサバ草がメインとなるはずだけど、ワタスゲのあの群生を見てしまうと、今日の主役は完全にワタスゲ。これほどの景色が見れるなら、もっと前から初夏の尾瀬に行っておけばよかった。

 

再び帝釈山。行きで大混雑していた山頂も帰りには誰もいなかった。

田代山が雄大な高層湿原で華やかさがある分、帝釈山は地味な印象を感じ得ないけど、こちらはこちらで周囲の山を一望できる展望台になっているので楽しめる。

帝釈山と田代山をセットで回っても、5時間もあれば歩けてしまうコース。その短時間に詰められた山の魅力は相当高いものがあります。

 

行きでは気付かなかったけど、帝釈山山頂にはベニサラサドウダンが咲いてました。

2つの山で何種類の花を見れたかわからないくらい、今回もたくさんの花に出会えた。

 

駐車場へ下山。オサバ草は陽の光が当たると、本当に白く輝いて見えたので、陽が差し込む時間帯に見るのがベストかと思います。陽が傾きかけたこの時間帯のオサバ草は、どこか侘しい感じもした。

 

15時半に馬坂峠に下山完了。

5時間ほどのハイキングだったけど、花を愛でる山旅としてはこれまた十分すぎるほどの内容でした。オサバ草に始まり、登山道に咲いていたシャクナゲやツツジ、そして湿原のワタスゲと高山植物の数々。

見どころが多すぎて載せる写真を精査するのに苦労したくらい。

 

梅雨にしては奇跡的な晴天で、1日中青空ハイクを楽しめた旅。田代山はぜひまた来たいと思ったし、夏の尾瀬に深く魅了された日でした。

 

宇都宮に帰ってきたら、たくみせんせーオススメのラーメン屋「幸麺」で締め。

 

幸麺のみそラーメン。コッテリみそは好きな部類で、(もう少しコッテリ感あっても良かったけど)並ぶだけあって美味しかったです。チャーシューうまかったよ。

自分の家の近くにはみそラーメンを専門に出すラーメン屋がないから羨ましい。

 

 

締めのラーメンを食べ終えて、改めて帝釈山・田代山を振り返って見ると、、、

 

やっぱりワタスゲのインパクトがでかすぎました。あんな群生は初めて見たし、その脇に咲き華やかな高山植物と、湿原の緑。空の青と雲の白、そして背後にそびえる会津の雪山。

絵に書いたような楽園風景が広がっていて、本当に素晴らしい場所だと思いました。田代山湿原、仲間内でも行ったことあるっていう人をあまり聞かないから、これから宣伝していかないとだな!

 

ワタスゲがメインどころだったという意味でも、見た順序がオサバ草からワタスゲで良かったと思う。序盤だからオサバ草の白い輝きにも感動できたけど、先にワタスゲの群生を見てしまったら、オサバ草にどの程度感動できたかわからない。

 

山深い場所なので行きづらさがあり、歩いている時間よりも行き帰りのアクセス時間の方が長くなるとは思うけど、行く価値は大いにある山です。

 

帝釈山と田代山、無数の花とワタスゲの楽園でした。

いつかまた訪れたいと思います。

 

 

おしまい

 

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【日程】

2015年6月13日 晴れ

【コースタイム】

馬坂峠(10:30) — 帝釈山(11:15) — 田代山(12:40) — 湿原散策(14:10) — 帝釈山(15:00) — 馬坂峠(15:30)

 

 

秋田駒ヶ岳~乳頭山 ムーミン谷のお花畑と展望豊かな稜線登山 

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2015年夏の東北遠征登山、まずは花の名峰・秋田駒ヶ岳へ。

甲斐駒ヶ岳、木曽駒ヶ岳、、、○○駒ヶ岳と名のつく山が日本にたくさんある中で、最も高山植物豊富な駒ヶ岳と言われているのが今回の秋田駒ヶ岳。標高1637mは決して高山というわけではないものの、ムーミン谷をはじめ湿原に広がるお花畑は駒ヶ岳随一の言われる花の宝庫で、いつかは登りたいと思っていた山です。

8合目までバスが通っているので秋田駒ヶ岳だけであれば観光気分で登れる山ですが、今回は少しロングコースを選択して湯森山から乳頭山まで縦走してみました。結果的にはこれが大正解で、乳頭山方面は稜線フリークにはたまらない静かで雄大な稜線が広がり、点在する湿原にはお花畑も豊富。下山後には乳頭温泉にも入れて、秋田駒ヶ岳のもう1つの隠れた魅力を感じられました。

阿弥陀池やムーミン谷に広がるお花畑はもちろん良かったですが、時間があればぜひ隣の乳頭山まで歩いてみてください。個人的に最も気に入ったのが、縦走路の途中にある笊森山!飯豊山を思い出させる広い稜線と秋田駒ヶ岳の絶好の展望台がそこにはありました。

 

高山植物の宝庫、秋田駒ヶ岳―――

 

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今回は……、というか今回も公共交通手段だけを利用しての東北遠征登山。2年前の岩手山八幡平、昨年の飯豊山に続く東北の電車・バスの山旅。

東北は遠いけど、有名どころの山は登山口までバスが通っていることが多いので、割と行きやすい。

今回の秋田駒ヶ岳については、田沢湖駅から秋田駒ヶ岳8合目行きのバスが出ているのでそれを利用。

 

で、田沢湖駅までどうやっていくのかって言うと、都内からだと良い具合に直通夜行バスが出ていて、それが「レイク&ポート号」。

 

浜松町バスターミナルからこんな路線経路で田沢湖駅まで連れて行ってくれる、秋田駒ヶ岳登山には打ってつけの夜行バス。 もともとは盛岡駅まで夜行バスで行って、そこから電車で田沢湖駅まで行く予定だったけど、偶然このバスを発見したのでこれを利用させてもらいました。

 

この日は木曜日の夜。平日なので車内がら空きで、6人くらいしか乗車してなかった。好きなところに座っていいと言われたので、適当にみんな散らばって何とも快適空間でした。

そしてこのバス、クオリティーが半端ない!3列シートはもちろんだけど、席1つ1つに仕切りのカーテンまで着いとる。夜行バスはかなり利用している身だけど、カーテンでプライベート空間演出できるのは初だな。

現地到着は朝の8時だし、これなら登山開始前としては異例の9時間睡眠余裕で確保できるわぃ( ̄▽ ̄)

 

のんびりバスに揺られて、いざ東北・秋田へ!眠りに着く前にスカイツリー見えたけど、、、そういやあれはまだ登ってなかった。

快適なレイクポート号だけど1つ注意点があって、10時間ほどの乗車時間なのに途中休憩でSAに停まるようなことはないです。まぁ、こっちは寝るだけだからいいけど、そういうこともあるんだなって思った。

 

普段仕事に行くときと変わらない時間に起床して、田沢湖駅到着。8時到着の予定だったのが、だいぶ早く着いちゃいました。

新幹線も停まる駅なので駅舎は大きいけど、駅前には確かコンビニの類はなかった。

ここから8合目までの直通バスが出てるけど、本数がそれほど多くない。8時15分のバスまでだいぶ時間があるので、アルパこまくさまで移動。アルパこまくさまでは乳頭線の路線バス、もしくはタクシー利用で行けます。

 

こちらがアルパこまくさ。秋田駒ヶ岳は週末だけマイカー規制がかかるので、その場合はマイカー組もここからバスに乗ることになります。

ここまで来てしまえば8合目までのシャトルバスが豊富にあるので、直通バス待つよりも早めにスタートできます。

 

ここから駒ヶ岳8合目行きのバスに乗車。右上に見えているのが秋田駒ヶ岳。

この日は特にマイカー規制もかかってない平日だったので、バスも空いてました。

 

秋田駒ヶ岳8合目に到着。平日朝8時半過ぎの8合目駐車場はこれくらいの埋まり具合でした。

8合目からすでにこの雄大な眺めだけど、標高はまだ1300m。さすが東北、森林限界も低いっすな!

 

8合目の水場。 秋田駒ヶ岳の周回ならハイキング気分で回れるけど、今回は少し長めのコースなので水も2.5Lほど持った。

 

入口の地図。今回のルートは

8合目~男女岳~男岳~ムーミン谷~横岳~焼森と秋田駒ヶ岳の有名どころを周って、焼森から稜線伝いに湯森山~笊森山~乳頭山と縦走するコースを予定。帰りは乳頭温泉へ降りるつもりなので、もうここには戻ってこない。

9時スタートでこのコースは時間的には少し厳しいけど、乳頭温泉からの最終バスが18時15分なので多少巻けば行けなくはない。せっかく遥々やってきたので、可能な限り歩き回る精神で行ってきます!

 

9時前にスタート。8合目まで来ているので、すでに山頂らしきものが目の前に見えている。

 

登山開始からいきなり周りにはお花畑。ハクサンチドリがたくさん咲いていました。

 

すぐに見えたのが、この硫黄鉱山跡。豊富な高山植物で知られる秋田駒ヶ岳だけど、今なお活動を続ける活火山でもある山。

お花畑の楽園の裏でこういう物々しい姿を見せたりもする。

 

少し前を歩いていた山マダムさんたちが熱心に見ていたのが、このミヤマハンショウヅル。

貴重な花なんでしょうかね……?

 

阿弥陀池に向かう途中にあった片倉岳というところに到着。目の前に見えるのが、最初に登る男女岳。

 

ここが絶好の展望台で、麓の田沢湖が良く見えた。

日本で一番深い湖で真冬でも凍ることがないらしい。日本百景にも選ばれていて、秋田県では有名な観光スポット。東京からの直通バスがあるのも、秋田駒ヶ岳ではなくあの湖のおかげ。

 

こちらが北側の展望。右奥に見えるでかい山が、2年前の東北遠征で登った岩手山

その手前のこんもりした丸い山が後で登る予定の笊森山で、稜線伝いに左にちょこんと飛び出た山が乳頭山。

こうしてみると距離的にかなり近くに感じるけど、実際にあそこまで歩くとなると、それなりに時間かかります。

 

すでに登山道脇がお花畑で、青紫色のハクサンシャジンが綺麗でした。

 

ニッコウキスゲやコバイケイソウも咲き始めてました。

 

他にも色々と咲いているんだけど、この先でも見ることになるんで、写真は後ほど。

今回は載せる写真の精査に本当に苦労して、絞るのに困るという贅沢な悩み。それくらい見どころが多い山でした。ここまででもかなり端折ったつもり。

 

やがて木道が出てくると、秋田駒ヶ岳の中枢にたどり着く。

 

阿弥陀池。秋田駒ヶ岳にある巨大な池。周囲に木道が敷かれて、その周りにはお花畑が広がっています。

 

ヨツバシオバマの群生。パッと見、ハクサンチドリとの見分け方が良く分からないけど、たぶんこれはヨツバシオバマで合っているはず。

 

エゾツツジとミヤマダイコンソウ。阿弥陀池の周りで一番見れた高山植物が、この紫と黄色の花のセットでした。

 

阿弥陀池の水も透き通っていてとても綺麗。

秋田駒ヶ岳はいたるところに湿地帯があって、水も豊富な山。だからお花畑も多いんだろうね。

 

1周15分ほどの阿弥陀池。池の周りに秋田駒ヶ岳を形成する火山峰がコンパクトにまとまっている分、登山道が入り組んでいるので少々わかりづらい。かの有名なムーミン谷の場所もあまり把握しないで来てしまったので、歩いている人に教えてもらいました。

 

とりあえず、まずはムーミン谷の前に1つピークを踏んでおく。

登ってくる間にずっと見えていた男女岳。他に男岳、女岳もあるけど、時間の都合上ピークはそんなに回れないと思っていたので、とりあえず(名前的に)男と女を網羅する男女岳だけは登っておこうということになった(^^;

見た感じすぐに登れそうだったし。

 

山の斜面には一面、ミヤマダイコンソウの黄色いお花畑が広がっていました。

 

少し登ったところから。

目の前に広がっている湿地帯は浄土平と呼ばれている場所。ここも高山植物の宝庫らしい。木道が敷かれているけど、今回は山の尾根伝いに歩くので、ここは眺めるだけ。

 

トウゲブキ?

現地では花の名前なんてほとんどわからないから帰って調べるんだけど、2,3割は調べてもわからない……

 

10時、標高1637mの男女岳山頂に到着。”だんじょだけ”かと思ったけど、”おなめだけ”って読むんだね。

「だんじょだけに登りました!(キリッ!)」なんて恥さらさないで良かったわ。

 

男女岳山頂から阿弥陀池を挟んで反対側に見えているのが男岳。標高はこちらのほうが高いけど、秋田駒ヶ岳の本峰はあちら。

今回はスルーしてムーミン谷に行くつもりだったけど、あちらも割と簡単に登れそうだったので後で寄って見ることに。

左に見える、いかにも火山という姿をしているのが女岳。右奥には田沢湖。

 

こちらは北側の展望。右奥に聳えているでかい山が、序盤でも見えていた岩手山。 標高2038mは岩手県最高峰。

あの山に関しては、盛岡市内から見るのが一番迫力ある。

その手前には乳頭山までの穏やかで広い稜線が見えていて、稜線フリーク魂に火が付いた!!アップダウン全然ない、素晴らしい!早くあそこを歩きたい。

 

東側、遠くに早池峰山も見えました。あちらはこの翌日登る予定だけど、今回の山旅のメインは秋田駒ヶ岳。日本百名山に選ばれている早池峰山のほうがブランド的には上なのかもしれないけど、そういうのはあまり気にしない。とにかく秋田駒ヶ岳に登りたかった。

 

男岳に寄り道するんで、サクッと下りて阿弥陀池の対岸へ。

 

池の周りが穏やかな雰囲気で、歩いていて気持ちよかった。ここが山の上ということを一瞬忘れる。

池のほとりに建つ小屋は阿弥陀池避難小屋。片方の棟がトイレでした。

 

阿弥陀池をグルッと1周して、男岳方面へ向かう。ここを登り切ると、また1つ新しい景色が見える。

 

眼下に見えるのが女岳。その左隣にクレーターのように凹んだ山が小岳。名前からして親子関係か。

地図を見る限りではこの2つの山に登るルートはなかったので、立ち入り禁止なのかもしれない。

穏やかな池のほとりハイキングから一変して、火山の様相になってくる。

 

やせた稜線を歩いて秋田駒ヶ岳本峰の男岳へ。ここも周囲にお花畑が広がっていました。

 

本峰、男岳到着。標高は1623m。もちろん現地では「おとこだけ」って読んでたけど、帰ってきて「おだけ」と読むことを知った。それに倣って女岳も「めだけ」と読むらしい。

山の名前は難しいわ。

 

山頂から見下ろす。このカールになっている部分が、秋田駒ヶ岳の名スポット「ムーミン谷」。木道が敷かれ、秋田駒ヶ岳屈指とも言えるお花畑が広がっている場所です。

歩くにはだいぶ下りないといけないけど、秋田駒ヶ岳に来たからには外せない場所。

 

ムーミン谷に行く前に、稜線フリークとしてはまたまた見逃せない尾根道発見。

これは南側からの登山ルートの1つ、金十郎尾根。 上から見てると何組か登ってきてました。かなり先の方まで展望良さそうな道が続いていて、歩いている人を羨ましくも思った。

 

そしてこの方角のはるか遠くに、もう憧れに近い存在になってしまったあの山の姿を見る。

 

秋田・山形にまたがる名峰、鳥海山。秋田富士とも呼ばれているだけあって、富士山を思わせる円錐形。登りたいと思いつつも、もう2年連続で悪天候に阻まれて行けていない。

3年目の正直ということで、今年こそはと思っているけどどうなることやら……

 

先ほど登った男女岳も眺めておく。見晴らしがどの方角もいいので、山頂にいる人、稜線歩いている人、木道散策している人、全部見える。こんな楽に登れて展望いいんだから、人気が出るもの当然。時間が経つにつれて観光姿の人も増えて、徐々に賑わってきました。

遠方から来ている人も多いようで、この男岳でおじいちゃんに写真撮ってもらったんだけど、その人から「どっから来たの?」って聞かれたから、「(遥々的な意味を込めて)東京です!」って言ったら、「勝った!こっちは広島から!」とのことで…。

参りましたm(__)m

 

おじいちゃんとお別れして、いよいよムーミン谷へ。

このムーミン谷へ降りるところがかなりの急斜面で、登ってくる人はみんな息切らして辛そうでした。岩が多いので落石にやや注意。

 

こちらへ来ると、阿弥陀池の周りとはまた違った花たちを見ることができます。

 

シラネアオイ

 

ウラジロヨウラク

 

イワカガミ

 

ムーミン谷へ下りてきたところ。可愛い名前とは裏腹に、下から見あげると岩が険しい風景で、千畳敷カールあたりに似ている。

お花畑よりもまずこの迫力に魅せられたムーミン谷でした。

 

ムーミン谷で一番見応えあったのが、何と言ってもチングルマの群生。

時期的には花は終わりかけだったけど、それでもまだたくさん残っていて一面のお花畑見れました。

 

ムーミン谷の木道。標高は低くくても、独特の火山地形が高山帯を造り出していて、これだけの高山植物が咲くらしい。

 

エゾツツジの群生。紫色の花はひときわ目を惹く。

 

想像と違ってムーミン谷は岩のカール。お花畑と同時にその迫力も楽しめる場所でした。

梅雨とは思えない青空の下で見れたのも良かった。

 

チングルマの群生が本当に綺麗。7月中旬のチングルマは花としては終わりに差し掛かっている時期で、逆に2つの姿を楽しめる。

 

チングルマの実の群生。花の後はこのような姿に変貌するチングルマ。どちらかと言えば、実の方が多かったので、花のお花畑を見たいなら6月下旬ごろが最盛期だと思います。

本当はその時期に狙っていたのに、雨で延期での今回。その時は残念に思ったけど、こうして快晴の日に来れたんだから全然問題なし!

 

ここにも小さな池がありました。

駒池。水辺の周りにはたくさんの花が咲く。

 

ショウジョウバカマ。この子はどこにでもいる花だな。

 

ここらでとても可愛らしく咲いていたのが、このヒナザクラ。1つ1つはかなり小さい花だけど、たくさん集まって賑やかに咲いていました。

 

ここにもハクサンシャジンの群生。

 

色々咲いていたけど、ムーミン谷ではやはりチングルマのお花畑が一番だったな。

ここら辺一帯の高山植物帯は国の天然記念物にも指定されている貴重な花の宝庫。規模、種類共に豊富です。

 

歩いて行くとまた景色が一変する。湿原地帯から火山特有の砂地へ。

そして、ここにも1つの有名な高山植物が咲く。

 

高山植物の女王、コマクサ。

砂の斜面にたくさん咲いていたけど、近寄って撮ることができないのでなかなか写真に収めるのに苦労した。

実際目で見てみると、斜面にピンクのコマクサが点在して本当に綺麗です。

 

ムーミン谷の散策コースを終えたら、横岳まで登る。何てことのない上り坂だけど、砂で足を取られて結構歩きづらかったところ。

先ほどのコマクサはここら辺からのほうが良く見れました。

 

コマクサはちょうどピークを迎えていた頃で、一帯にコマクサ天国が広がっていました。

ここまで規模の大きいコマクサの群生は初めて見た。

 

大焼砂から先ほどのムーミン谷方面を眺める。ここが秋田駒ヶ岳の火山峰を眺めるポイントとしては一番の展望台で、女岳と男岳をセットで眺められる。こうしてみると、穏やかさよりも険しさを感じる秋田駒ヶ岳。標高1600m程度の山とはとても思えない。

 

登ってきた道を振り返る。この尾根も横長根と呼ばれる登山ルートの1つで、岩手県と秋田県の県境も兼ねている尾根。向かって左側が岩手県で、右側が秋田県。

この後、横岳~焼森~湯森山~笊森山~乳頭山と歩いて行くけど、ひたすら県境を歩くことになり、途中の標識を見ると秋田県になっていたり岩手県になっていたりする。

 

12時、横岳に到着。予想よりもいいペース。

花はゆっくり見るけど、標準タイムでは帰りのバスに間に合わないので、登るところは一気に登って時間稼ぐ。標高差は大したことないんだけど、花を見るためにしゃがんだり立ったりの繰り返しだから、結構疲れてます(笑)

 

横岳で軽く休憩して、お次は焼森方面へ。目の前に見える広く禿げた丘が焼森。

 

この山頂はかなり広くて、ここの周辺にもコマクサの群生が広がっていました。

 

数時間前に散策した男女岳と阿弥陀池。

これ以降は秋田駒ヶ岳からはどんどん遠ざかっていくので、一通り見納めしておく。

 

焼森から先は、男女岳から見えていた広大な稜線エリアへ。稜線と言うにはあまりにも平べったい丘のようなところだけど、ここがまた最高に素晴らしい道でした。

 

ここから先は人も一気に減って、周りには誰もいなくなる。ルートは明確だけど、一部藪漕ぎに近い箇所もあったので、念のため熊鈴鳴らしながら歩く。

湯森山までの道はヨツバシオバマロードで、登山道わきにたくさん咲いていました。

 

美味しそうな赤い実。

 

先ほどまでの賑やかな秋田駒とは打って変わって静かな道を歩く。緩やかな坂道が続くけど、日陰がない分、暑さがなかなかきつかった。

 

ハクサンシャクナゲも満開を迎えていました。

 

12時50分、湯森山。山頂の標識があるのは、ここから少し先へ行ったところですが、展望はこのベンチがあるところのほうが良いです。

 

湯森山から見た秋田駒ヶ岳はこんな感じ。

 

湯森山周辺にはヒサギギクがたくさん咲いてました。現地では名前がわからないので、とりあえずヒマワリってことにしておいた(-з-)

 

まだまだ続く広大な稜線。

見てください、このアップダウンがほとんどない身体に優しい稜線を!!

花メインのハイキングとしてはこれくらいがちょうどいい。

 

途中には木道が敷かれて、こちら側にも花の楽園が待っていました。

 

コバイケイソウとニッコウキスゲの群生。

 

湯森山と笊森山の間には、熊見平という湿原が広がっていて、ここもお花畑になっています。

阿弥陀池やムーミン谷に比べたら規模は小さいけども、こちら側まで歩いてくる人はほとんどいないので、静かな湿原散策が楽しめる。

ただ人が誰もいない分、熊見平って名前がやたら気になって、熊が出てこないかかなり心配だったが……

 

ワタスゲも咲いてました。前回の田代山を思い出す。

 

傍から見たら丘に見えた笊森山も、実際に歩けばそこそこ登る。

それでも開放感抜群なので終始楽しく歩けた道でした。途中に宿岩などの巨岩も点在していたけど、写真が多くなってきたので省略。今回のコースは見どころが多すぎる。

 

13時45分、笊森山に到着。1人だけ先客がいました。

 

笊森山から眺める秋田駒ヶ岳。こうして見ると、だいぶ遠くまで歩いてきた感じがする。

今回立ったピークとしては、この笊森山が一番のお気に入りで、展望はもちろん、ここに至るまでの稜線ハイクが最高に楽しかったです。仲間内で秋田駒ヶ岳に登る人が出てきたら、笊森山はぜひとも勧めておこう。

 

北側には相変わらずの岩手山。独立峰に思われがちだけど、岩手山も鬼ヶ城というそれはそれは楽しい稜線が待っているので、ぜひそのコースを歩いてみてほしいです。左に延びている尾根がそのルート。

ここから道は二手に分かれて、自分は乳頭山方面へ。今回は歩かないけど、もう一方には千沼ヶ原という湿原地帯が広がっていて、そこにも綺麗なお花畑があるらしい。

ここまで来ると秋田駒ヶ岳の山域というよりは八幡平の一角に入ってくる。

 

自分が進む方向はこっち。左奥に見えるのが今回のコースの終点、乳頭山。笊森山からはどの方面を眺めても穏やかな稜線が続く。

こういう雄大な稜線を眺めを見ると、どうしても1年前の飯豊山を思い出してしまう。この手の景色はアルプスではなかなか見られない、東北ならではだと思う。

標高1400m程度でこの景色は、関東ではありえないな(笑)

 

登山道脇には湿原がいたるところに点在。綺麗にくり抜いたような円形がまた絵になって可愛らしさあるな。

ちなみにこの池は、真ん中の池がトナカイのように見えることから、トナカイ沼なんて呼ばれてもいるらしい。

 

乳頭山。名前からも見た目からもわかる通り、おっぱいに似ているから乳頭山。名づけた人の単純さがいいな(笑)

岩手山の山頂にも、確か通称「おっぱい山」と呼ばれている山があった。

 

これはミヤマダイコンソウで合ってるのかな?

乳頭山付近でたくさん咲いてました。

 

乳頭山までの最後の登り。立ったりしゃがんだりを繰り返していたら、ここら辺で足をつりそうになったので少しだけ休憩する。

 

14時40分、乳頭山山頂に到着。先客の方は笊森山にいた方です。湯森山以降は結局この方を含めて3,4人ほどしか会わなかった。

 

乳頭山山頂。岩手側からは烏帽子岳とも呼ばれている山。日本三百名山にも選ばれています。

 

山頂からは360℃の展望!今回踏んだピークはどこも展望が開けているので、見える景色にそれほど違いはないけど、乳頭山からは歩いてきた稜線が 何とも心地よい眺めでした。雲の陰影が夏らしい。

 

さっきまでいた秋田駒ヶ岳もだいぶ遠くに感じる。乳頭山と秋田駒ヶ岳をセットで登る人は多くないのかな?

公共交通利用だけだと多少時間に追われるけど、マイカーなら早朝から登りはじめれば標準タイムでも十分に回れるルートなので、かなりオススメしたいです。地元の人曰く、乳頭山から登るとキツいから絶対に秋田駒ヶ岳から登るべし!とのこと。

8合目まで文明の力で登れてしまうのは大きい。

 

乳頭山は片側がこんな感じで断崖絶壁になっています。落ちたら絶対に助からない高さ。

ロープや柵といった親切なものはないので、間違っても落ちないように。

高度感ある山頂でした。

 

15時前に乳頭山に到着できたので、予定よりだいぶ巻けた。当初の予定では、乳頭温泉に入る時間はないだろうと思っていたけど、これなら温泉に入れそうってことで、逆に疲れ吹っ飛んだな~!

少し休んで下山したけど、下山方面もまだまだ穏やかで展望の良い道が続く。こういう道なら時間が許す限り歩き続けたくなる。

 

ラストはニッコウキスゲがたくさん咲いていました。何種類の花を見たか思い出せないくらい、たくさんの花を見れた旅。

登山としても十分充実したプランが組めたし、観光の山とは程遠い登り応えと疲れも感じられた。

乳頭温泉へ降りる下山路は3つほどありますが、最短ルートではなく、せっかくなので田代平まで行ってから降りることにする。時間もそこまで変わらないし。

 

こちら田代平山荘。無人の避難小屋です。

 

田代平一帯は湿地帯になっていて、小屋の目の前にも綺麗な湿原が広がっていました。花は時期が少しずれていたのか、ハクサンチドリが一輪咲いているだけでした。ここは何の群生だったんだろ……

 

田代平からもう少し先まで稜線が続いていたようだけど、今回はここで下山路へ。思い残すこともないので、もう帰る。

朝方登った秋田駒ヶ岳が遠くに感じられました。

 

田代平から乳頭温泉までの下山路はひたすら樹林帯だったので省略。特に見どころはなかったのでサクッと降りました。早く温泉に入りたい思いと、どことなく熊が出そうな雰囲気があったんで、やや駆け足(^^;

 

16時に孫六温泉へ下山。乳頭温泉の中では一番奥地にある温泉だったっけか。

古き日本家屋が立ち並ぶ、昭和の時代にタイムスリップしたような場所でした。

 

秘湯感あふれてたけど、孫六温泉に入ってしまうとバス停までしばらく歩かないといけないので、我慢してもう少し下の温泉街へ。

 

乳頭温泉は日帰り入浴可能なところがいくつもあるけど、16時以降に入れる場所はかなり限られているので事前に調べて行ったほうがいいです。だいたいは15時くらいで日帰り入浴の受付終了してしまう。

 

自分が入ったのは結局ここ。乳頭温泉郷休暇村。

ここなら17時まで日帰り入浴やっているし、バス停が目の前なのでおあつらえ向き。入浴料510円と安いのもうれしい。

ここが一番遅くまで入れる温泉だけど、それでも17時まで。下山後に乳頭温泉に入りたいなら、時間にご注意を。

 

平日なだけあって、かなり空いてた。他の温泉宿に比べると秘湯感というか昔ながらの雰囲気はないけど、泉質は宣伝通りのぬるぬる感と硫黄臭でした。ドライヤーとかアメニティーが充実していたので、女性には入りやすいんじゃなかろうか。

 

頑張って歩いた甲斐あって、ゆっくり1時間ほどのんびりできました。

 

最終便の1本前の17時33分のバスに乗車。誰も乗ってなかったし、誰も乗ってこなかった(笑)

 

せっかくなので観光名所の田沢湖で途中下車。ちょうど夕日の時刻で、湖も空もいい感じに染まっていました。

田沢湖は夕日スポットとしても有名。

 

田沢湖の夕日。水面に反射した、見事なまでの光の階段。

最後の最後でもう1つ絶景を見ることができました。

 

こうして1日目の旅が終了。

この後は最終バスで田沢湖駅まで戻って、電車で盛岡駅へ。そこで格安ホテルに泊まって、また翌日の山旅に備えました。

 

秋田駒ヶ岳のお花畑、乳頭山までの稜線、乳頭温泉に田沢湖の夕日と、色々盛りだくさんな内容で本当に充実した1日でした。ムーミン谷だけで1つの記事書けるくらいのボリュームがあった。

秋田駒ヶ岳だけでも十分に見どころ多くて楽しめるけど、さらに時間をかけて山登りがしたいならぜひ乳頭山まで歩いてみてください。記事内でも書いたけど、穏やかな稜線と広大な湿原は秋田駒ヶ岳の火山帯とはまた違った雰囲気で、この山域のもう1つの魅力を味わえます。

 

2年前の岩手山の記事でも「あと1日休みがあったら秋田駒ヶ岳も登りたかった」なんて書いてたけど、ようやく登りに来れました。しかも花の最盛期に快晴とベストコンディションで。

登り終わった直後だけどかなり気に入った山なので、また登りに来たいと思います。

 

秋田駒ヶ岳登山、大満足で終了。

 

東北遠征登山、2日目へと続く。。。

 

 

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【日程】

2015年7月10日 快晴

【コースタイム】

秋田駒ヶ岳8合目(8:50) — 男女岳(10:00) — 男岳(10:40) — ムーミン谷(11:00) — 横岳(12:00) — 焼森(12:20) — 湯森山(12:50) — 笊森山(13:45) — 乳頭山(14:40) — 乳頭温泉休暇村(16:15)

※若干ペース早め

 

 

 

早池峰山(東北) 花の百名山へバスを利用しての日帰り登山

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電車・バスで行く東北遠征登山、2日目は早池峰山へ。

1日目の秋田駒ヶ岳に続いてこちらも花の名峰として有名で、初夏の時期には固有種である「ハヤチネウスユキソウ」などを見ることができる山。今回の登山もその花を見ることが1つの目的で、7月中旬ならまだギリギリ咲いているだろうと思って登ってきました。

早池峰山というと花のイメージが先行していたので、実際に登ってみて、その岩の多さにとにかく驚かされた。山頂に近づくにつれて迫力を増す巨岩、常に岩稜帯を目の前に登り詰めていくので、その風景は東北の山としては少し異質な感じ。どちらかというとアルプスに雰囲気が似た印象を受けました。

この日も梅雨の合間の快晴で、展望も花も満足いく内容。下山後の盛岡名物「わんこそば」で若干敗北感を感じたものの、充実した東北の旅となりました。

 

岩と花の東北名山、早池峰山―――

 

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2015年7月11日、1日目の秋田駒ヶ岳の続き。

1日目は田沢湖駅から盛岡駅に移動して、駅前の格安ホテルに泊まりました。1年で自然と某サイトのポイントがたまるので、それで相殺。

盛岡市内で飲み歩こうかと思ったけど、ちょうど「おおかみこどもの雨と雪」が放送されていたので、思わず見入ってしまい、缶ビール1本だけ飲んで就寝。

秋田駒ヶ岳が予想以上にハードな行程だったので、身体結構疲れてました。。

 

迎えた翌朝、朝7時の盛岡駅。この駅からは日本百名山の八幡平岩手山へのバスも出ているので、東北遠征の拠点としてかなり利用できます。個人的には南アルプスの甲府駅、北アルプスの松本駅、東北の盛岡駅がそれぞれ公共交通の拠点イメージ。2年前にここを基点に八幡平と岩手山を登ったのを思い出す。

 

今回の早池峰山も、夏のシーズンだけ盛岡駅から直行便が出ています。行き帰りで1便しか出ていないけど、コースタイムに合わせた時刻になってくれているのでそれほど困らない。

行きは7:10発。当日に都内からの夜行バスで盛岡駅に来ても間に合う時間です。

2時間近く乗ることになるので、全員座れるようにバスも2台出してくれていました。

 

途中で1回トイレ休憩あり。乗車距離・時間を考えたら片道1700円はそんなに高いとは思わないし、この時期はマイカー規制がかかるので、結局みんなバスに乗り換えなきゃいけない。

 

2時間ほどバスに乗って9時に早池峰山登山口に到着。登山口は河原の坊と小田越の2つがあるけど、自分たちは河原の坊からスタートして小田越へ降りることにしました。

 

登山口で簡単なガイドマップをもらう。携帯トイレの販売もしてたけど、往復6時間程度の行程なのでトイレ事情はそこまで切羽詰ることはなさそう。

登山口にトイレもあります。

 

9時過ぎにスタート。この日はゆーすけが現地合流しての2人登山。夜行バスで今朝盛岡入り。

電車・バス利用の登山はマイカー慣れしている人にとっては色々と制約がかかるから嫌だろうと思って、滅多に人を誘わないんだけど、プラン話したら乗ってきてくれました。

 

序盤は少しだけ樹林帯。花の百名山にも選ばれているので最初から色々と花が咲いているけど、前日の秋田駒ヶ岳で高山植物は見すぎたので、「これ、昨日見たな」というのが多かった。

 

早池峰山でやたらと見た標識。花よりもこの標識が目立ってた。

 

スタート早々、山頂はもう見えている。

標高差は800mほど。河原の坊コースも小田越コースもアップダウンは全くなくて、ひたすら登り一辺倒であの山頂を目指す。

 

最初に4,5回ほどの渡渉あり。増水時でもなければ特に問題なく通過できます。

 

沢沿いを登っていくと、いつの間にか樹林帯も終わって、山頂までの道のりが一望できる。

 

そして、序盤で早々に「おっ!ハヤチネウスユキソウ発見!!」

って思ってたけど、これはミネウスユキソウの方らしいね。似ているから現地ではよく区別がつかなかった。綿っぽいホワホワになっているのがハヤチネウスユキソウか。

 

意外にもしっかり登らされる。距離3km、高低差800mって聞くと楽に感じるけど、この先急登が続くのでそこそこ疲れる。

 

秋田駒ヶ岳ではチングルマもまだ花が見れたけど、早池峰山はほとんどが実になってました。

 

ミヤマアズマギク。登山中にたくさん見られた花の1つ。

 

こちらはハクサンチドリかな?

全体的に紫色の花が多かったです。

 

少し登ったところから後ろを振り返る。標高はまだたかが1400mくらいなんだろうけど、周りを覆う樹はもうない。

正面に見えているのが薬師岳。小田越登山口から片道1時間ほどで登れる山で、早池峰山とセットで登る人も多いそうで。

 

東北ではこういった岩場が続くのは珍しい気がする。

雰囲気は北アルプスの標高2500m付近に近しい光景。一見岩の山は花が少なそうに思えるけど、逆にこういう岩が多い特殊な自然環境が多くの固有種を生んでいるらしい。

 

ミヤマオダマキ。早池峰山で一番印象に残ったのはこの花。序盤から山頂にかけてたくさん咲いていました。

 

秋田駒ヶ岳でも見た、このカリフラワーみたいな花の名前がわからない……

 

そして中盤でようやく見れたハヤチネウスユキソウ。このホワホワ感はハヤチネウスユキソウで間違いないでしょ!

時期的には7月中旬は終わりかけだと思ってたけど、まだそこら中に咲いてました。

 

登山道はほぼ変わり映えなし。ひたすらこんな感じの岩場を登っていく。

ここら辺はまだマシで、山頂に近くなるにつれて急になってくる。登りは問題ないけど、ここを下山するとなるとかなり歩きづらいと思うので、河原の坊コースは登りで利用するのが良いかと思います。

 

イブキジャコウソウ?

 

ミツバオウレン?

名前はよくわからないけど、色々と咲いてました。

 

上から見ると急な登りというのが良く分かる。足場はしっかりしているので落石の危険はそこまで感じなかったけど、ここを下りで使おうとはやっぱり思えないな。

 

御座走り。ここら辺から手をついて登るような岩場も出てくるけど、見た目ほどきつくはなくて適度な楽しさ。登っていて危険を感じようなところは全くなかったです。

 

一枚岩の上を歩いて行く。この手の岩場は雨で濡れていたりすると厄介だけど、ここ数日の快晴で岩もからっから。設置されているロープも使う必要なし。

 

ひたすら登る。この辺りになってくるとハヤチネウスユキソウとかはもう見慣れたものになってくる。希少価値高いものかと思ってたけど、かなりたくさん咲いているもんなんだね。

 

途中に、やたら特徴のある岩発見!

打石と呼ばれる巨岩。

 

( ̄ー ̄)b イイネ!

 

薬師岳の標高(1644m)を越えたあたり。左に見える尾根が下山時に歩く小田越コース。遮るものがないので、向こうを歩く登山者の姿がこちら側からも良く見えてました。

 

千丈ヶ岩。ここまで来れば山頂まであと30分ほど。

晴れの土曜日とあって、登山道はかなり人が多かった。

 

青く光る岩。これは蛇紋岩?

この岩はたまに見たけど、滑りやすいので要注意。

 

最後に鎖場あり。ここも登りに関しては特に使わなくてもいける。

早池峰山に関してはあまり事前知識なしで来たけど、女性的なイメージの山だったから、もっと緩やかな道が続いているのかと思った。

 

これはナンブトラノオですかね?

ナンブトラノオも早池峰山の固有種。調べた限りだと、ハヤチネウスユキソウよりも希少価値が高いみたい。

 

ヨツバシオバマもたくさん咲いてます。

 

結局最後まで岩場。ストックはもともと持ってこなかったけど、あっても邪魔になるような道でした。

そもそもマナーガイドにも書いてあったけど、植物保護上、ストックの利用は推奨されていないので、ここは素手で登ってやりましょう!

 

11時半、山頂到着。結構長く登らされた感じがしたけど、時間にしたらたったの2時間半でした。

そして山頂は思っていたよりも全然広かった。

 

山頂には早池峰神社。社と仏様が祀られてます。

花の名峰であり、信仰の山として崇められている霊峰でもある早池峰山。

麓から見る山の存在感、希少価値高い花の宝庫。日本百名山に選ばれて当然と言える名峰でした。

 

山頂は360℃の絶景。若干霞んでいるけれども、雲1つない青空で遠くまで見渡せました。

 

右に見えるのは岩手山で、左に見えるのが秋田駒ヶ岳なのかな?

どちらも単体ではなく稜線の縦走路を歩くと、より一層楽しめる山。特に岩手山は八幡平までの裏岩手縦走路をいつか歩いてみたいと思っている。

 

岩だらけの山頂。移動しつつ東西南北一通り展望を見て回る。展望に関しては岩手山の存在感が圧倒的だったけど、東側には海も見えたし、麓の街がすぐ近くに見えてるあたり、地域に強く根付いている印象を受けました。

 

予定よりだいぶ早く着いたので、山頂でのんびり休憩。岩場が多いので、逆にプライベート空間が確保されて、みんな思い思いの場所でお昼ご飯にしてました。

日差しは強いけど、停滞中はウェア羽織ってちょうどいいくらいの涼しさで、最高のお昼寝日和でもあった。

 

最近は山頂に着くと、他のルートも欠かさずチェックして妄想登山を楽しむ( ̄▽ ̄)

この西に延びる鶏頭山の登山道は、しばらく展望のいい稜線が続いて楽しそうだと思った。

ただ、地図を見てみるとかなりロングコースらしく、歩いている人も少ないみたい。マイカー規制がかかった時の岳駐車場に直接降りられるので、マイカー組にはちょうど良さそう。

 

快晴の週末とあって、山頂はかなり賑わってました。

これだけ広い山頂でむしろ助かったか…。

 

12時過ぎに下山開始。帰りのバスがあるので、少し余裕見て出発。

帰りは小田越コースの方へ。

 

こちら側には木道が敷かれて、両側にはお花畑が広がっていました。

ここにもあった山の上の楽園。

 

イワカガミやコバイケイソウが咲き誇る。

 

ミヤマシオガマもたくさん咲いてました。

 

今回の旅は秋田駒ヶ岳がメインで、早池峰山についてはあまり調べてなかったけど、色々と(良い意味で)裏切られた。

こんなに登り応えあるとは思ってなかったし、もっと女性的な山かと思っていたら全然そんなことはない岩々しい山でした。山頂にこんな木道広がっているのも知らなかった。

 

秋田駒ヶ岳のインパクトが強すぎたから、花に関してはそこまで新しい感動はなかったけど、麓から見た山容含め早池峰山も立派な山でした。

そして、小田越コースの下山時に早池峰山を眺めると、一層この山の偉大さがわかった。

 

公共交通利用の場合、小田越コースの他に北側の門馬へ降りるルートも使えます。そちらはあまり歩いている人は多くないみたいだけど、門馬まで下りてしまえば盛岡駅までのバスが豊富にあるので、選択肢としてはありかと。

今回は初めての早池峰山だったので、王道の河原の坊コースと小田越コースを行く。

 

小田越コースは、こんな感じで○合目という目印があります。河原の坊コース以上に整備されているのが小田越コース。

登山口から山頂まで3kmないってのは、相当短く感じるね。

 

こんな感じで下の方までずっと見渡せる。小田越登山口もすでに上から見えている。

ほぼ展望のいい道が続いて、樹林帯に入るのは最後の20分程度。

 

小田越コース山頂手前のハシゴ。このハシゴは流石に知ってた。早池峰山の登山道では有名なポイント。

 

ハシゴにしろ鎖場にしろ、下りが怖いけど、このハシゴに関しては何てことない。親切に2つ設置されているので、登り下りスムーズで渋滞もしてませんでした。

 

多少ガレている箇所もあるけど、登りのルートに比べたら断然歩きやすい道。

 

小田越コースから登ってきた河原の坊コースを眺める。

山頂までの岩場を素直に直登しているのがよくわかりました。

 

こちらにもハヤチネウスユキソウはたくさん咲いてます。見れる花の種類に関しては、やや河原の坊ルートのほうが多かったかもしれません。

 

この小田越コースの醍醐味と言えるのが、振り返って見る早池峰山の眺望。河原の坊コースは急登すぎて目の前の岩場しか見えなかったけど、こちら側からは早池峰山の全容が見渡せます。

岩だらけかと思っていたらそうでもなく、緑も豊富な美しい山肌。

 

こんな感じで緩やかな道もあり。これでもかと登山道が整備されていて歩きやすかったです。

 

5合目の御金蔵。こちらにも巨岩は点在する。

 

何度も振り返ってしまうな。ここら辺からの眺めは、北アルプスと言ってもバレないくらいの雰囲気。

北アルプスで言えば標高2500mは超えているこの景観。それがここでは標高1500m程度で見れるんだから、東北の山のスケールの大きさを感じずにはいられない。

 

この岩の迫力感はこれまで登ってきた東北の山の中では随一だと思う。

「花の名峰」ということで、秋田駒ヶ岳と若干被る心配もあった早池峰山だったけど、全然そんなことはなくて、登山道の雰囲気はまるで違うものとなりました。

 

小田越コースは山頂付近よりも、むしろ標高の低い所のほうが岩場が多い。

 

この、どこぞのアトラクションのセットのような雰囲気がたまらなくいい!意図的に造られたような世界観。

早池峰山、岩場で楽しめるとは思ってなかったよ。

 

標高をかなり下げたところで、ようやく樹林帯。東北の山は少し標高を上げればすぐに展望開けるから羨ましい。

早池峰山の山頂、1917mなんて言ったら関東はもとより北アルプスでさえ樹林帯。

 

樹林帯に入ると可愛らしいマイヅルソウ発見。

 

携帯トイレボックスありました。これ見て携帯トイレの推奨を思い出したけど、この山は序盤の樹林帯を過ぎるとすぐに展望の良い道に入ってしまうので、携帯トイレ持っていてもなかなかする場所がないかもしれない…。こんな序盤でトイレボックスあっても登山口に引き返せばトイレあるわけだし。

山頂の小屋に携帯トイレ用の御手洗いがあったので、使うとしたらそこか。

 

14時、小田越登山口に到着。帰りのバスまで1時間もあるけど、まぁギリギリになるよりはいい。

往復5時間ほどの短いトレッキングだったけど、十分楽しめました。

 

小田越登山口からの早池峰山。こうして見ると、改めて横に広い台形型の山と言うのがわかる。

 

マイカー組もバスに乗らないといけないので、長いバス待ちの列ができていました。

炎天下の中、係員がしっかりと誘導してくれているのには頭が上がらなかった。こんないい天気ならさぞ山登りでもしたかったろうに……(ご苦労様です)

 

15時12分の盛岡駅行きのバスに乗車して、帰りも難なく座れたのでずっと寝てたな。2時間近くバスに乗るので、時間でいったら都内から富士山に行くのとそんな変わらない不思議。

 

17時すぎに盛岡駅に帰ってきました。

案の定、街中は暑かった……。

 

そして、そんな暑い中、歩いて向かった先がこちら↓

 

わんこそばの老舗「東屋本店」。盛岡三大麺の1つ、わんこそば。せっかく来たんだから食も楽しまなきゃってことで、やってきました。

東屋は駅前店というのもあるけど、ここはぜひ本店まで来るべき。盛岡駅から徒歩15分ほどで来れます。

 

わんこそばは2つあって、2700円のコースと3240円のコース。2700円のコースは平らげたお椀を積み重ねてもらえないから、いまいちわんこそばのイメージがつかない。

ってことで、ここは3240円コース1択!薬味もたくさんあって、軽く刺身食って臨戦態勢に入る。

だいたい成人男性で60杯が標準、女性で40杯とのこと。隣で小学生の女の子が挑戦してて、45杯食べていたのを見てこれは負けられんわと思った。 100杯食べれば記念の手形ももらえるから100杯目標で頑張る!

 

いざ、開始されると当たり前だけど写真なんて撮ってる暇も与えられず、食うことに専念。トイレに行くのも許されないので事前に行っておくべし。

それで、ここから約30分ほどのわんこそばの戦いが始まったんだけど、僕とゆーすけ、さらに隣に座った男性客1名の計3人に対して給仕が1人つきました。今思えば3人いて良かったと思えるけど、この給仕のリズムが速くって

「まだまだ~♪」

「よいしょ~♪」

「どんどん~♪」

みたいな感じで、リズミカルな掛け声とともにどんどん空いたお椀に盛ってくる。(薬味使う暇ねぇ!!)

 

まぁ最初のうちは登山後ってのもあるし、かなりお腹減ってたので楽勝。もっと早く盛ってくれてもいいのにとさえ思ったよ。

 

ただ、60杯を過ぎたあたりかな…。一口サイズのそばが徐々に効いてきて、ペースが落ちた。

 

「よいしょ~♪ まだまだ~♪」

 

いまだに頭に残る給仕の掛け声。70杯を食べたところで、100杯は諦めた。

 

最後の方は薬味を色々食べ比べて、本来のそばの味を楽しみつつ、終了。

 

結果、自分は80杯でした。手形もらえず……orz

ちなみにゆーすけは確か120杯。…惨敗ですわ。。

 

そば自体はコシもあって美味しかったし、わんこそば初体験だったから雰囲気も楽しめました。よく「ふたを閉めるまで終われなくて、給仕がふたを閉める隙を与えない」なんて聞いてたけど、簡単にふたを閉めて終わりを宣言できました。(1対1のタイマンだとどうかはわからない…)

店内に歴代の記録も書いてあって、1位がたしか500杯以上食べてた…。

どの世界にもすごい記録を持つ人がいるもんですな。

 

会計時に見つけたそばっち。

そばっちめ……

100杯食べれなかった屈辱感をなぜか最後に見たこいつから味わった。

 

わんこそばの件が少し長くなったけど、こうして早池峰山の山旅も終わり。

もう1日滞在してどこかに登っても良かったけど、秋田駒ヶ岳と早池峰山で十分満足したので帰ることにしました。

 

今回は登らなかったけど、やっぱり盛岡市内から見る岩手山はすごく綺麗。夕焼けと相まって、旅の終わりを感じた瞬間。

 

絶対にまた来ます、盛岡!

2年前の山旅と合わせて、この駅を基点に岩手山、八幡平、秋田駒ヶ岳、早池峰山と登ったけど、どれも良い山でした。

 

次に来るときは岩手山と秋田駒ヶ岳をセットで登りたいかな。岩手山は「ザ・火山」といえる雰囲気で火山特有の岩稜帯が形成されており、かたや秋田駒ヶ岳は火山でありながら広大なお花畑有する名峰。どちらも全く異なる雰囲気の登山を楽しめるし、自分好みの雄大な稜線も広がっているので、ぜひまた登りたい。

 

今回登った早池峰山については、固有種のハヤチネウスユキソウを見るという目的も果たせたので一応満足。

コースタイムとしては短いながらもお花畑と岩場・鎖場と盛りだくさんの内容なので、かなり楽しめると思います。ハヤチネウスユキソウがピークを迎える6月下旬から7月上旬あたりがかなり混雑するみたいだけど、山頂も広いのでそこまで窮屈な感じはしなかった。河原の坊コースよりも小田越コースのほうが歩きやすくて眺めも良かったのでオススメです。

 

夏のシーズンであれば盛岡駅からの直通バスも出ているので、その気になれば誰でも登りに来れる山。花の名峰として、ぜひ登ってみてください。

 

初夏の東北遠征登山、おしまい

 

 

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【日程】

2015年7月11日 快晴

 

【コースタイム】

盛岡駅(7:10) — バス — 河原の坊(9:00) — 打石(10:50) — 早池峰山(11:25~12:10) — 小田越コース5合目(13:00) — 小田越(14:00、15:12発)— バス — 盛岡駅(17:00)

 

 

 

白山~別山~三ノ峰 バスで行くテント泊縦走登山

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2015年夏のテント泊縦走登山、1発目は念願だった白山へ。

北陸地方の1つのシンボルにもなっている、標高2702mの白山。富士山、立山と並んで日本三霊山の1つに数えられている名峰で、2,3年前からずっと登りたいと思っていた山です。

登山口となる別当出合は石川県。都内からだとかなり距離がありますが、公共交通利用だと夜行バスと路線バスを乗り継ぐだけで行けます。ただ、それでも天気との相性がこれまで悪くて、なかなか行くことができずに毎年持越し……。花の名峰というのもあって時期を7月に限定していたのもあるけど、今年ようやく最終週に天気と休みが合致して行くことができました。

遥々遠くまで行くので、今回はテント背負って白山~別山~三ノ峰までを縦走するルートを選択。白山の御池めぐりとお花畑、別山までの稜線歩き、三ノ峰からの灼熱尾根下山……。

辛い中でも色々な景色に出会い、今回もまた色濃く記憶に残る山旅ができました。

 

霊峰の御池、白山―――

 

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今年の夏にどうしても行きたい山が2つあって、それが北陸の”白山”と東北の”鳥海山”。どちらもずいぶん前から行きたい山リストに入っていたんだけど、どうしても天気や休みのタイミングが合わずに行くに叶わず。。。

遠いので絶対に快晴予報じゃなきゃ行く気も起きなかったので、そりゃ簡単に行けるわけはないけど、例年の天気を見ると梅雨明け直後の7月最終週が狙い目だったので、まずは白山をターゲットに絞ってかなり前から夜行バスを予約。

プランはもともと練ってあったので、あとは無事に晴れてくれるのを願っていたけど、今年に関しては雨が少なすぎるんじゃないかってくらい晴れに恵まれて、天気の心配もそこまですることなく当日を迎えられました。

 

今回、ルートが少し変則的で、

別当出合登山口~白山~南竜山荘(テント泊)~別山~三ノ峰~上小池登山口

というもの。石川県から入って文字通り縦に両白山地を縦走、福井県に下りるという、登山口と下山口が全然違う公共交通利用ならではのルート。マイカーで白山・別山を縦走する場合は市ノ瀬を基点に周回することになるので、このルートで歩いている人はあんまりいないと思います。

三ノ峰方面は人も少なかったですが、別山平の広大な湿原もあってなかなか歩き応えあるものでした。電車・バス利用登山の方の参考に少しでもなればと、やや長くなりますが詳細書いておきます。

 

~~ 2015年7月25日~26日 白山・別山テント泊縦走 ~~

今回も高速夜行バスを利用。白山に行く場合、金沢駅から白山登山口までの登山バスがシーズン中運行しているので、金沢駅まで行けばいい。東京~金沢の便利な夜行バスがあるので、それを利用します。

公共交通利用なのに、今回は奇跡的に山仲間3人一緒に来てくれました。

 

JR新宿駅の高速バスターミナル。新宿は自宅からのアクセスがいいので、ここから乗れるのは助かる。

金沢行きのバスは毎年すぐに埋まるのでかなり前から予約してたけど、この日に限ってはなぜか当日になっても空席が結構あって、バス車内も割と空いてました。最近は当たり前になってきている3列シートだったので、すぐに眠りにつき、途中起きることもなく目が覚めたら金沢駅。

最近、高速バスでの寝つきの速さは伝統芸になりつつある……(^^;

 

朝6時、JR金沢駅に到着。目の前にあったのは駅のシンボル、「鼓門」と「もてなしドーム」。門でけぇ、、、!

石川県に降り立ったのはこれが人生初。観光名所を特に巡ることもなく、そのまま白山へ入ります。

 

白山行きのバスは1番乗り場。バス出発まで時間があったので、近くのコンビニで朝ごはん食べたりして時間つぶす。金沢駅は北陸の拠点でもあるので、名古屋や関西など色々な方面から夜行バスが到着して、各地のハイカーが集結!バス乗り場も結構な列ができていました。

夏のシーズン中は朝に3本バスが出ていて、自分たちは第2便の6:45のバスに乗車。始発の5:30のバスは東京からの夜行バスでは間に合わない…。

 

乗車時間は2時間以上あるので座れるか心配だったけど、こんな感じの高速バス仕様だったので余裕で座れました。

人数に合わせて増便してくれるようなので、ここは特に心配しなくて良さそう。

この2時間のバスでも伝統芸を披露して熟睡。バス利用の登山は十分すぎるほど睡眠時間を確保できるのがいいところ!

 

9時に登山口の別当出合に到着。市ノ瀬から別当出合まではマイカー規制がかかっているので、 マイカー組も途中でバスに乗り換えなきゃいけないんだけど、市ノ瀬駐車場がすごいことになってた…。700台停められる駐車場は満杯で、臨時で設けられたような駐車場まで一杯でした。

白山大人気ですな。

 

別当出合にはトイレも水場もあるので、ここで体制整えて出発。2つルートがあるけど、砂防新道を行きます。

このつり橋が登山道への入口。これが思った以上に揺れた(笑)

下に敷いてあるのは外来種を除去するためのマット。高山植物の宝庫である白山ならではの環境保護活動で、登山道の至るところに設置されています。

 

スタートしていきなり渋滞にはまる。あの駐車場の混雑っぷりを見れば、まぁ予想はしていたけど、、、

登山道はしっかり整備されて、山頂手前にもビジターセンターがあるので、標高2702mの高山でありながら大衆向けで登りやすい白山。ジャージやデイバックで登っている人もいて、テント泊の重装備は逆に目立つ感じでした。

 

少し登って中飯場に到着。ここにも水場とトイレがあります。

別山の方へ行くと水場がほとんどないけど、白山は水場豊富で、いい感じで給水ポイントがあるので水はそれほど担がないで大丈夫。

標識の「石川県」の文字を見て、遠くまで来たんだ~と少し実感。バスの車内ではずっと寝ているので、移動時間の長さがあまりつかめていないんだよね……(^^;

 

別当覗というポイントも過ぎて、まずは南竜山荘のテント場を目指す。早く重い荷物を置きたいぜ……

渋滞していた登山道も最初だけで、中飯場を過ぎると適当にばらけて快適に歩けました。

 

日本を代表する花の名峰、白山。その神髄は序盤から見せつけてきます。

 

センジュガンピ。序盤の登山道でたくさん咲いていた花。

 

こちらはキヌガサソウ。日本原産の固有種で石川県ではレッドリストに指定されている希少価値高い花。

 

甚之助避難小屋手前あたりから視界も開けてきて、展望も良くなってきます。

登るにつれて花も増えてくるから面白い。

 

これはハクサンチドリ?

ハクサンチドリに似た花って、調べてみると意外とたくさんあるから見分けに自信がない…。

 

これはミヤマキンポウゲで合ってるのかな?シナノキンバイにも似ているし、こちらも自信ない(笑)

 

11時半に甚之助避難小屋に到着。自分のイメージしていた避難小屋とは全然違って、山小屋並に大きくて綺麗でした。

トイレも水場ももちろんあり。

 

この後も歩きやすい道が続く。写真は載せていないけど、登山道わきには所々ベンチもあって休めるようになってます。

700台の駐車場、その登山客を受け入れるだけのインフラが整っているわけだな。大衆向けな登山道という印象でした。

 

途中、山頂へ通じるエコーラインへは入らずに、いったん南竜山荘方面へ。ここら辺のお花畑がまたすごい綺麗でした。

 

シモツケソウって言うらしい。このピンクの花は別山までの稜線上にもたくさん咲いていて印象的でした。

 

そして見えてきた、南竜山荘とその前に広がる広大な湿原。

この雄大なロケーションを目にした瞬間、一気にテンションあがったなー!ここにテントを張れるって考えただけで幸せだったわ。テント泊にして正解だと瞬時に思った。

 

南竜山荘のすぐそばには川も流れていて、なんとも長閑な風景。白山は本当に水が豊富で、高山植物が活き活きと咲いているのも納得。

 

山小屋まで続く木道。絵に書いたような楽園が広がっていました。

 

12時半、南竜山荘に到着。テント場は小屋から少し離れているので、先にここでテントの受付を済ませる。 1人300円の安さがうれしい。

 

飲み物のメニューとか。各種スナック菓子も売っていて、売店の充実具合も素晴らしかった。右上に書いてあるけど、テント場でもビール販売をしてくれています。

この南竜山荘のロケーションがかなり気に入ったので、登山バッチもここで購入。南竜山荘オリジナルでした。

 

小屋から少し歩いてテント場に到着。

 

雰囲気最高のテント場。すでにかなりのテントが張られていましたが、奥の方までスペースがあるのでそれなりの広さがあります。

ここのテント場のすごいところが、炊事場の充実度とバンガローがあったところか。奥に見える小屋はトイレではなくてバンガロー。1部屋12400円なので、定員の5人で泊まればかなりお得。

 

そしてこちらが炊事場。どこぞのキャンプ場並に水道も用意されています。

 

テント場の周りもお花畑。これまで泊まったテント場の中でも一番のロケーションなんじゃないかってくらい気に入りました。

白山だけなら日帰りでも十分に登れるけど、あえてゆっくり時間を使ってテント泊するのも大いにありだと思います。

 

テント場からの眺め。日帰りの人はこの南竜山荘には寄らないかもしれないけど、時間があればぜひ立ち寄ってみてほしい場所。小屋の周りの湿原が何とも雄大でいい眺めです。

 

荷物を軽くして山頂アタック。この小屋の前を流れる川とか、本当に雰囲気良かったな~!

南竜山荘付近だけで、写真を何枚撮ったかわからない。ここだけで1つの記事書けるほど見どころ豊富でした。

 

エコーラインに入って山頂を目指す。山頂まではまだ3kmほどの距離があるので、2時間はかかります。

南竜山荘から山頂へ行く場合、エコーライン、トンビ岩コース、アルプス展望歩道の3つがあるけど、トンビ岩コースが残雪で通行止めでした。なので、エコーラインで登ってアルプス展望歩道で下りてくることに。

 

エコーラインに入ると花の種類も一気に増える。

まずはお花畑の定番、チングルマの群生。

 

コバイケイソウ。白山はいたるところにコバイケイソウの群生があって、室堂へ向かう道脇にもたくさん咲いていました。

 

ニッコウキスゲ。開花時期が同じだからか、どこに行ってもコバイケイソウとセットで見れる花という印象。

 

エコーラインからようやく見えてきた白山山頂。エコーライン以降はずっと展望の良い道が続くので、歩いていても全然飽きない。

 

こちらは南竜山荘方面。山の合間に広がる高原。

いつか行こうと思っている立山の五色ヶ原もこんな場所なのかな…?

 

弥陀ヶ原。室堂手前に広がる高層湿原。ここも木道敷かれた白山の観光名所の1つ。

 

イワカガミ

 

イワイチョウ

 

ハクサンコザクラ。弥陀ヶ原にたくさん咲いていました。

 

近づくにつれて山容の迫力が増していく白山。ずっしりと構える緑と白の山肌が綺麗だったけど、あの裏側にはまるで違う景観が広がっている。

 

途中、自衛隊(?)の登山隊とすれ違った( ̄^ ̄)ゞ

 

室堂手前の五葉坂。やや急登だけど、距離はそんなに長くない。

何より後ろを振り返れば眺めが最高!

 

弥陀ヶ原を上から。標高2400mに広がる山の上の台地は爽快な眺め。

左奥に見えるのが翌日歩く予定の別山。

 

14時半に室堂ビジターセンターに到着。

山小屋というよりはホテルに近い、立派な宿泊施設。750人収容で、完全予約制。周辺には室堂平というお花畑も広がっていて、ロケーションは抜群です。

 

白山奥宮の鳥居。社は絶賛建設中でした。

 

山頂まで残り30分。室堂平のお花畑を見ながら登っていく。

 

珍しかったのがクロユリの群生。 高山植物の中でも個人的にはかなりレアだと思っているクロユリ。それがこんなにたくさん咲いているとは……、白山が高山植物の宝庫というのをまざまざと見せつけられた感じ。

 

クルマユリの群生。クルマユリって一匹狼みたいなところがあって単独で咲いているイメージがあるけど、そんなことを仲間と話していたら、群れて登場しました(笑)

 

ハクサンフウロ。「ハクサン○○」と名のつく花ってたくさんあるけど、白山が原産なのかな?

本場のここではハクサンシリーズの花を20種類も見ることができるらしい。

 

斜め上を見上げるイワギキョウ。

 

山頂までの登りの間に、室堂ビジターセンターの案内放送が普通に聞こえてくるのが、山の雰囲気を掻き消していて面白かったな(笑)

完全な観光地と化しているあたりは、同じく日本三霊山の富士山、立山と共通している。

 

山頂の白山神社に御参り。日本を代表する霊峰、心を込めて祈願しておきました。

 

15時半に山頂到着。白山のピークはいくつかあるけど、最高峰はここ御前峰。

時間が少し遅いというのもあって、日帰り組は下山していたので山頂は空いていました。

 

山頂から見る室堂、その奥に広がる弥陀ヶ原。白山山頂直下には、弥陀ヶ原と室堂平、2つの高層湿原が広がっている。

左奥が別山。こうして見ると結構遠い。。

 

そして、圧巻だったのが北側のこの風景!

 

雲の上に広がる白山の御池。まだ雪が残っていて、その残雪の影響で池が綺麗なエメラルドグリーンに発色していました。

雪が融ける前ならではの絶景!

本来なら山頂から北アルプスも見えるはずだったんだけど、北アルプスとの間に雲が浮遊していたので、良く見えませんでした。

 

この山頂のお池は登山道が通っているので周回できます。1つ1つの池にちゃんと名前も付けられている。

お池めぐりのコースにはこんな感じで標識がいくつかあるのでお見逃し無いよう。白山にまつわるお話が書かれています。白山が日本最西端の高山というのも初めて知った。

屋久島(宮之浦岳)も高山帯を持っている山だと思ってたけど違うんだな。

 

早速お池めぐりへ。それまでの木道敷かれた穏やかな雰囲気とは変わって、山頂付近は巨岩がたくさん転がっています。

標識に書かれてもいるけど、白山は火山。山頂近辺には火口がたくさんあって、今は静穏を保っていても将来的に活動再開もありえなくはない。

 

こちらは白山のピークの1つ、剣ヶ峰。登山道はないので登るのは原則禁止。

 

お池の中心部に下りてきた。周辺を白山の主峰群が取り囲み、その合間に池が点在しています。

左に見える山は大汝峰。あちらへは登るルートがあるので時間があれば登ってみてください。

 

こちらは油ヶ池。7月下旬でもまだこれほどの雪が残っている。雪が完全に融けるのは8月のお盆あたりだと思う。

 

紺屋ヶ池。水面下に雪が残っているので、綺麗なエメラルドグリーンに染まってました。

 

御池から白山の主峰、御前峰。室堂から見えていた姿とはまるで違う、火山特有の岩の山。

 

こちらが翠ヶ池。御池の中では一番大きい池。この池の水がまた綺麗で、鏡のように空を映していました。この池が造り出す風景は今回の山旅の中でも特に印象に残ったもの。このワンシーンだけでも東京から遥々登りに来た甲斐が十分にあった。

晴れていればこの池越しに北アルプスも見えます。

 

先ほどまでの木道歩きとはまるで別世界。1つの山で色々な風景を楽しめる白山はやっぱり偉大な山。

ここに来るまで3年かかったからなぁ~。。。長かったわ。

 

こちらは地図でも気になっていた”血の池”。名前からして赤く見えるのかと思ったら全然そんなことなくて、他の池よりも緑豊かな池でした。

そして、この池でも1つの絶景を見れました。

 

血の池からの「逆さ白山」。雪解け直後というものあるのか、水の透明度が本当に素晴らしく、鏡になってました。

いいもん見れたわ…。

絶景続きの白山の御池めぐり、序盤のお花畑が霞むほどインパクトありました。

 

お池めぐりを終えて室堂へ下山。陽がだいぶ傾いた時刻だったので、この時間の山頂は本当に空いていて、お池めぐりに至っては周りにほとんど人もいなかったです。

 

室堂に戻ってきたのは17時。7月は陽が長いので、1年を通して一番歩き回る時期。ここから1時間半かけてテント場まで戻らなきゃいけないけど、19時が日の入りなのでまぁ大丈夫でしょ。

 

室堂にこんな案内ありました。白山にも雷鳥がいるみたいです。これを読む限りじゃ、かなりレアな雷鳥なので、ガスったら割り切って雷鳥探しに徹するのもありかもしれないな( ̄▽ ̄)

 

帰りはアルプス展望歩道で帰ることに。こちらにもお花畑が広がっていて良い雰囲気でした。

 

コバイケイソウの大群生が特に印象的。エコーラインや翌日の別山へ稜線にもコバイケイソウの群生はあったけど、規模で言ったらこの室堂平が一番でした。

 

途中標識があったにも関わらず道を間違え、長野側の登山道(大倉尾根)へ下山しかける…(^^;

ここはまだ間違えに気付いていないところ。北アルプスは相変わらず雲が邪魔で見えなかったけど、左に見える三方崩山が「すごいなぁ~、崩れてるなぁ~」とか言ってた頃。アルプス展望台という名前に惑わされて、北アルプス方面に引き寄せられすぎたぜ(笑)

このあと15分ほど下ったところで間違いに気づいて登り返す。

 

正しい道に戻ってテント場へ下山。分岐の所に絶対に見落とさないだろってくらい立派な標識が立てられているので、普通ならまず間違わない。

なんで道を間違えたのか、いまだにわからない……。

 

こちらが地図上にあるアルプス展望台。狭いピークです。

南竜山荘に泊まる場合、ご来光を見るならここがオススメ。

……というか、ここまで登ってこないとたぶん見れない。もしくは別山方面の油坂の頭まで登るか。いずれも小屋から1時間くらいかかるけど、北アルプスから太陽が昇るので、見れたらさぞ絶景なんだと思います。

(ご来光がやや見づらいのが南竜山荘で唯一気になったところか…)

 

途中、道を間違えたりもしたので、結局テント場に戻ってきたのは18時45分頃。少し遅くなってしまったけど、それでもまだこの明るさ。

テントの数も結構増えてました。

 

ちょうど日没を迎える頃だったので、綺麗な夕日見れました。

久しぶりに見れた山からの夕日。この風景も本当に綺麗で、1日の旅の終わりを最高の形で締めくくってくれた。

これで十分満足!翌朝のご来光はパスして朝はゆっくりすることにしました(笑)

 

陽が沈んだ後の空が淡く染まる瞬間も好きな風景の1つ。

風もなくて涼しく、快適なテント泊でした。

 

おまけで、夜のテント場からの星空。サッコさんが深夜0時ごろに撮影してくれたようで、写真を拝借させてもらいました( ̄▽ ̄)

天の川が写ってる!!こういう写真を撮れるようになりたいもんだぜ。。。

 

1日目はこうして終了。これでも結構端折ったけど、色々と見どころ多かったので少々長くなってしまいました…。

でも、まだまだ続く白山縦走の旅。

このまま2日目の別山編を書いてやるさ!

 

~~ 2日目 ~~

 

翌朝、5時に起床。この時期は日の出は4時すぎなので、テントの外はすでに明るく、すっかり青空になってました。

この日も快晴。よっしゃ!って思ったけど、この快晴が後々地獄を見ることになるわけなんだな……

 

こちらがテント場のバンガロー。キャンプ場並に充実したテント場でした。

このテント場にはぜひまた泊まりにきたいし、このバンガローも人数揃えば泊まってみたい。

 

6時過ぎに出発。女性陣とはここでお別れして、あつしと2人で別山方面へ。

ここから先は下山するまでまともな水場がないので、水は十分に持って行ったほうがいいです。

 

テント場を出発して早々に油坂の登り返し。 油坂の頭でご来光を見ようと思ったら、この登り返しの時間も考慮に入れておく必要があります。

 

別山方面へ歩く人はあまりいなくて、昨日とは打って変わって静かな道でした。

 

油坂の頭から見る白山。ずっしりと堂々たる風格!

昨日登ったエコーラインや室堂もよく見えました。

 

そしてこちらは昨日見れなかった北アルプス。普段とは反対の西側から眺めているので、並び順が逆なのが少し違和感。立山から槍・穂高まで一望できました。

 

槍と穂高。えぐられた大キレットが遠くからでもよくわかりました。

 

御嶽山。右奥に見えるのは中央アルプス、左奥に見えるのは南アルプスかな。

 

こちらは霞んでいてわかりづらいけど日本海。海もすぐ近く。

下山して金沢に戻ったら海鮮食べるって決めてるんだ!

 

ここから先は別山まで稜線ハイク。奥に見えている山が別山だと思っていたけど、その手前の御舎利山でした。

 

稜線上のあった天池。天の飛行機雲を映し出していました。

 

稜線は所々道幅が狭かったりするけど、全体的に歩きやすい道です。地図上にはガレ場の危険マークが2ヶ所ほど載っていたけど、それがどこのことだったのかわからないくらい。

 

稜線上は花も豊富で、お花畑がずっと続いていました。

こちらはタカネマツムシソウ。日本の固有種。Made In Japan!

 

タテヤマウツボグサ

 

湿地帯に広がっていたハクサンコザクラの群生。白山に見劣りしないほど、こちらの稜線も高山植物の宝庫。

 

途中、数人とすれ違う程度の静かな稜線。すれ違った人ではトレランの割合が意外と多くて、1日で別山から白山まで駆け抜けるようです。

 

コバイケイソウの群生はここにもありました。

 

小ピークをいくつか越えて別山へ。多少のアップダウンはあるけど、まだ歩き始めなので全然余裕。

稜線好きにはたまらない道だと思います。

 

こちらが別山手前の御舎利山。山頂にちょうど団体さんがいて、遠くからでも良く分かりました。

山頂までは左側から巻いて登っていく感じになります。

 

9時に御舎利山に到着。360℃の展望で、白山の堂々たる風格を存分に見ることができます。

日本海から北アルプスまで見渡せる展望台。ここから市ノ瀬へ直接降りるルートもあるので、マイカー組にも便利。

ここで大半の人は市ノ瀬へ下山するので、この先三ノ峰方面は一層人が減ります。

 

すぐ隣にあるあちらが別山。片道10分程度です。

 

別山も霊峰白山の1角。山頂には別山神社がありました。

 

別山山頂到着。ひたすら稜線を歩いてやってきました。

ここまで来ると白山もだいぶ遠くに感じる。

 

別山からのアルプスの展望も抜群!山頂貸切で最高の眺め頂きました。

 

まだまだ続く稜線。ここからは徐々に高度を下げて、三ノ峰を目指します。

下山口の上小池までは9.7km。まだ先は長い。

 

結局雷鳥は見れなかったけど、良く分からない鳥は撮れました。 花以上に鳥の知識がなく、鳥については調べようにも調べられない…。「白山 白い鳥 鳴き声 ギエーギエー!」なんて検索してもわからんし。。

 

別山の先に1つの見どころポイント。

それが稜線に突然現れたこの広大な平原、別山平

 

自分好みの広い開放的な稜線!ここも気に入ったポイントの1つ。市ノ瀬を基点に周回するルートだと来れない場所だけど、ここもお花畑が広がっているので強くお勧めしたいところ。

 

振り返れば別山と白山をセットで見ることができます。

別山平ではニッコウキスゲが最盛期を迎えていました。

 

どこまでも続く稜線。油坂の頭以降、稜線が続いているけど、この稜線は県境にもなっていて、右側が石川県、左側が岐阜県。

さらに目指す三ノ峰の奥は福井県。何気ない存在に思える三ノ峰が、実は石川、岐阜、福井の3県の境になっている重要なポイント。

 

標高を落としていくと見れる花も変わってくる。黄色いこの花はマルバダケブキって言うらしい。

 

時刻は11時近く。徐々に暑さがピークを迎える時間帯で、この登り返しが結構つらかった。。途中に水場がないのも痛いところで、給水ポイントがたくさんあった白山がいかに恵まれていたかがよくわかった。

でも、この過酷さも縦走ならでは。

 

10時50分、三ノ峰に到着。三ノ峰という名前からしてただの小ピークに思えたけど、この山が立派な風格を持ち合わせていたのをすぐ後に知ることになる。

二ノ峰、一ノ峰もこの先にあるけどそこまで歩かず、今回はここが最後のピークです。

この山頂はドコモは電波入りました。事前に下山後のタクシーは予約してあったけどちょっと時間変更。

「暑さで思ったよりペースが上がらないので13時下山は無理ですわ。。。やっぱ14時にしてください(キリッ!)」

 

三ノ峰からの別山の眺め。標高差は200mほどだけど、登り返しがあるのでここから別山までは2時間ほどかかります。

 

すぐ近くに三ノ峰避難小屋があるので、そこで休憩することに。

この避難小屋も見て分かる通り、なかなかいい場所に建っております。

 

こちらが三ノ峰避難小屋。トイレもあって立派な避難小屋。

水場があれば言うことなしだったんだけど、残念ながらそううまくはいかない……。

 

ここから先もまだまだ展望の良い道が続く尾根道。左下に延びていく道が登山道で、今度は右側が石川県、左側が福井県の県境になる。

はるか下まで見晴らしの良さそうな道が続くので、この時はテンション上がったけど、これがかなり辛いことを思い知る。。。

 

ここから先は一気に標高を落とす。時刻は12時過ぎと最も暑い時間帯、加えてこの日は猛暑日で標高も2000mを下回るので、暑さとの戦いだった…。

熱中症になっちゃうんじゃないかってくらい日差しが強烈で、そうなってくると見晴らしのいい尾根道が酷に思えてくる。。。一刻も早く樹林帯の日陰に入りたかった。

写真を撮っている余裕もあんまりなかったけど、振り返って見た三ノ峰が印象的でした。「○○山」とか「○○岳」という名前がついてもおかしくないくらい立派な風格を持っていて、山頂直下はかなりの急登なので、登るのは結構つらいと思う。さらにその奥の別山までってなると、なかなかハードなコースだなぁ……

 

かなり省略しているけど、フラフラになりながらもどうにか六本檜に到着。ここが尾根の終点で、ようやく樹林帯に入れます。

 

久しぶりの樹林帯。水場もないのに、日差しを避けられたここがオアシスにさえ思えた。

日差しは晴れてくれてるんだから恨めないけど、無風なのが辛かった。真夏の登山はある程度風があったほうが快適に歩ける。

 

こちらは何という花でしょうか?

フラフラになりながらも花を撮る意識だけは残ってた(笑)

 

14時、登山口に下山。地図上にはその手前の山腰屋敷跡に水場マークがあったんだけど見当たりませんでした。

 

登山口のすぐ近くを流れていた川。川に飛び込みたい衝動に駆られるけど、ここでは自重しておく。

この数時間後に川に飛び込むことになるんで……

 

林道に出てから上小池駐車場までの地味な登りがいやらしかった。再び登山道には行ったときは「マジか……」て思ったけど、ようやく水場があったので少しだけ体力回復。

駐車場手前に大栗ノ木という、縄文杉を彷彿させるような大木もありました。

 

14時すぎ、やっとの思いで上小池駐車場に到着。 三ノ峰以降は灼熱登山でしたよ……

標識に書かれている刈込池というのは有名な紅葉スポットになっています。今回はスルーしたけど秋に登った時には立ち寄ってみるといいかも。

 

ここで頼んでおいたタクシーに乗車して次のステージに行くんだけど、かなり長くなってしまったので今回はここまで。

 

過去最長かもしれないほど長い記事になってしまったけど、読んでくださった方ありがとうございましたm(__)m

白山だけであれば日帰りで十分に登れる山だけど、時間があればぜひ山で1泊して、別山までの縦走をオススメします。別山までの稜線が展望も良くてお花畑も広がっているので、快適なハイクになること間違いなし!

さらに三ノ峰まで歩けば別山平の楽園なども味わえるけど、こちらまで来るとマイカーではほぼ不可能なので、公共交通利用ならではのルートだと思います。電車・バスで白山にお越しの際はぜひ三ノ峰までの縦走をしてみてください。白山の山域を十分すぎるほど味わえるので。

 

最後の方はやや駆け足になったけど、夏の白山~別山テント泊縦走の記録でした。

この続きは時間があれば書こうと思います。

 

別山から望む白山より―――

 

おしまい

 

 

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【日程】

2015年7月25日~26日 2日とも快晴

 

【コースタイム】

・1日目

JR金沢駅(6:45) — 別当出合(9:00) — 甚之助避難小屋(11:30) — 南竜山荘(12:30) — 室堂ビジターセンター(14:45) — 白山・御前峰山頂(15:30) — 御池めぐり(15:30~16:30) — 室堂ビジターセンター(17:00) — 南竜山荘テント場(18:45)

 

・2日目

南竜山荘テント場(6:00) — 油坂の頭(6:50) — 御舎利山(9:00) — 別山(9:20) — 三ノ峰(10:50) — 六本檜(12:40) — 上小池駐車場(14:00)

 

 

 

荒島岳(日本百名山) 勝原駅から電車利用の日帰り登山

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白山~別山テント泊縦走登山の続き。

北陸遠征登山3日目は、白山にほど近い福井県大野市の荒島岳へ。北陸地域では白山と並んで日本百名山に選定されている標高1523mの山。

日本百名山というのに加えて、標高がそれほど高くないが故に冬の時期でも比較的登りやすく、年間を通じて人気がある山です。雑誌でも雪山特集の中で良く名前が登場します。

実際、僕も冬の時期に狙っていた荒島岳だったのですが、今回白山に登るために遥々北陸へ足を運んだので、下見の意味も込めてどんなものか登ってきました。

結果としては……、まぁ、白山のあとだったので華やかさも雄大さも白山と比べると全然だったけど、冬山への妄想も膨らんだし、何より今回は電車の旅だったので、勝原のローカルな町なみにゆっくり触れられたのが良かったです。

標高が低いので、夏場に登るのであれば早朝に登ってしまうのが吉。途中、水場も一切ないので熱中症には要注意です。

 

ブナの原生林が美しい荒島岳―――

 

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前回の山旅の続き。

次の日―――、、、とかではなく、本当に下山後からの続きです。白山~別山~三ノ峰テント泊縦走を終えて、下りてきたのが上小池駐車場。軽く熱中症になりながらなんとか下り切って、呼んでいたタクシーに乗り込み、向かった先がJR勝原駅。

 

上小池駐車場からの最寄り駅がここ勝原駅。トイレと待合室だけがある小さな駅舎。一般的にイメージする田舎のローカル駅そのまんまです。

通っているのはJR越美北線。別名「九頭竜線(くずりゅうせん)」。なんともカッコいい名前で、某剣客の飛天ナンタラ流を思い出さずにはいられない( ̄▽ ̄)

 

駅前にはもちろん何もない。不幸中の幸いが駅の隣に公民館があって、そこにコカ・コーラの自販機がありました。

下山後でヘトヘトだったので、この自販機には助けられたわ…。

 

駅前には何もなく、誰もいない本当にローカルな勝原駅。こういう場所に降り立つと、自分の全く知らない土地に来たんだって感覚がすごいして、旅の雰囲気を一層盛り上げてくれる。スタンドバイミーの世界。

 

で、JR勝原駅と聞いてピンときた方もいるかもしれないけど、ここは荒島岳の登山口にもなっている駅。

もともとの話を少しすると、荒島岳は北陸の観光と合わせて冬に登る予定で単体でプランを練っていた山。その時も電車・バスを利用するつもりだったので、この勝原駅についてはアクセス網から周辺の情報(何もないってこと)はある程度知ってた。

それで今回白山のプランを練った際に、せっかく憧れの白山に行くんだから縦に一気に縦走したいよなと別山から三ノ峰まで歩き通すルートを計画。で、三ノ峰からの帰り方を調べていたら、下山口からの最寄り駅がまさかの勝原駅だったので、休みをもう1日プラスして荒島岳登山が決まった。

こんな感じ。

勝原駅までが唯一タクシー利用するけど、電車・バス利用で白山と荒島岳を一挙両得したいなら、三ノ峰登山口の上小池駐車場へ降りると便利です。さらに節約したいなら、上小池駐車場からさらに下の鳩ヶ湯ってところまで行けば、勝原駅までのバスもあります。

 

こういう形でJR勝原駅に来ることになるとは思ってなかったけど、調べれば案外どうにでもなるもん。特に山は下山口を変えるだけで、全く別の県に降り立つこともあるわけだから。こういうプランを自前で立てるときが、最高に楽しかったりもする。

 

こちらはJR勝原駅の周辺マップ。登山口のカドハラスキー場までは徒歩15分。駅のすぐ近くに「林湊」という唯一の民宿があります。ここは荒島岳登山者用の民宿と言ってもいいくらい登山者しか泊まらない宿。最初はここに泊まろうと思ったんだけど、日曜なのにあいにく満室……。荒島岳の人気っぷりを少しなめてた。

それでも今回はテントを持っているので、それほど困らない。これまたいい具合に駅近くにキャンプ場があります。

写真の左上にある「勝原園地」というのが無料のキャンプ場。

 

そんなわけで、キャンプ場を目指す。山は暑かったけど、下界はもっと暑い……。 下山してもなお汗だくになり、風呂も入れず体力はみるみる奪われていく。

民宿に泊まれないのはやっぱり痛かったかな、、、とも思いかけてたけど、勝原キャンプ場がまさに癒しの場所だったってのをこの後すぐに知ることになる。

 

こちらが勝原キャンプ場。このキャンプ場は情報が少なくて、もしかして廃れているのかと思ったけど、全然そんなことはなく、広くて良く整備されていました。車も何台か停まっていて、家族連れがBBQしていたりと賑やかだったのにはかなり驚いた。

駅の静寂が嘘みたい。

 

とりあえずテント設営。この移動型マイホームさえあれば、お金も節約できる。今回の3日間の旅も宿泊費に関しては南竜山荘のテント場300円だけだったからね。

 

で、設営している最中に、願ってもないものを目にしてしまった……

 

今回の灼熱登山を救ってくれたのが、キャンプ場の裏手に流れていた九頭竜川。こんな広かったんや~!!ってくらい流れも穏やかで泳ぐのに適した川でした。

キャンプ場の近くに川が流れているのは知ってたけど、こうして遊べるほど広いものとは思わず、、、ウヒョヒョ~!って感じで身体を冷やすためにドボンですよ。

 

最高に気持ちよかった九頭竜川!これで気分的にも体力的にも一気に回復した。いや~!まさかここ勝原で山だけじゃなくて川遊びもできるとは思ってなかった。

少し勝原キャンプ場を下に見すぎていた。BBQエリアもあったし、普通に1日キャンプを楽しめるパフォーマンスを秘めてました。

 

陽が陰る18時くらいまで川で遊んでたかな。結局テント泊は自分たちだけで、他の人たちは19時過ぎには帰っちゃいました。

 

白山~別山での灼熱登山直後、荒島岳はさらに標高が低くて熱中症の危険も高いので、まだ真っ暗な3時を目途に登りはじめることにして、20時には就寝。山の上じゃないので、シュラフいらず。逆に暑くて寝れないんじゃないかって思ったけど、夜は意外と涼しくてパンツ1枚で快適に寝れました。

 

そしてここから荒島岳登山編。

 

~~ 2015年7月27日 荒島岳日帰り登山(勝原コース) ~~

早朝、、、というか深夜2時に起床して、テントしまっていったん勝原駅まで戻る。

前日に公民館の職員の方がたまたまいて、登るときは公民館前にザックを置いて行って良いと言ってくださったので、重いザックは公民館にデポ。必要なものだけ持ってアタックザックで荒島岳を目指す!

途中に水場は全くないので水は十分持って行ったほうがいいです。公民館の前に飲料用の水道があります。

 

真っ暗な中、ヘッドライトをつけて勝原スキー場登山口へ。勝原駅からは15分ほどかかりました。

スキー場の入口がわかりづらくて少し迷ったので、下山後に少しだけ補足しておきます。

今回は写真にもあるように勝原コースのピストン。荒島岳の登山ルートはいくつかあるけど、最も一般的で一番登られているルートです。山頂までは標準タイムで登り3時間半、下り2時間半ほど。

 

夜間見るとちょっと不気味な電話ボックスに登山届の用紙とポストがあります。低山とはいえ何があるかはわからないので、ちゃんと提出しておく。

 

ちなみにこちらが勝原スキー場の駐車場。登りは真っ暗だったので下山後に撮った写真を載せておきます。

日本百名山というブランド力は相当なもんで、月曜日なのに結構車の台数多かったです。駐車場は広いので、埋まることはほとんどなさそう。トイレはあるけど、水場はなし。トイレの水道は飲み水には適さないよって、下山後に会った清掃のおばあちゃんが言ってました。

 

3時過ぎに登山開始。真っ暗で写真も撮ってないので、こちらも下山時のもの。

最初はこのスキー場跡地に敷かれたアスファルトの坂を一直線に登っていく。真っ暗だったのでどれくらい長いのか登っているときには見えなかったけど、そこそこ登らされた。

そして、ここを暗闇の中登っているときに、右の茂みで獣がガサッと!動くのを聞いた瞬間に焦った……。姿は見えなかったけど、音がかなり大きくてもしかしたら熊だったかもしれない。暗い上に熊の危険とかマジで勘弁してほしい……

 

熊鈴を鳴らしつつ、話し声やらなんやらで声立てながら進む。あいにく時間が早すぎるので、他に登山者もいないのがかなり心細かった。

アスファルトの道が終わると、おそらく旧スキー場のコース跡地と思われる斜面を登って行きます。

 

こんな感じで整備されているので歩きやすい。狙い通り早朝はずいぶん涼しくて、ここら辺は熊にビビりながらも割と快適に歩けました。

 

斜面を登り切ったところが旧リフト終点の跡地。

リフトの支柱の残骸のようなものが1つ残っていました。それがいい感じのベンチになっていて、平地で休めるポイントになっています。まだまだこの時点では真っ暗なので、軽く休んでさっさと先を行く。

 

ここが本当の登山口。ここから先、シャクナゲ平までは平坦なところはほとんどなく、基本的に登りが続きます。(しかも中盤は階段が多い)

 

真っ暗な道をひたすら登っていく。途中、白山ベンチという展望台があって、そこから見えた朝焼け。事前の天気予報ではこの日が一番天気良いはずだったけど、割と雲多めでした。やっぱり山の天気は行ってみないとわからんね…

それでも淡い紫色に染まっていた朝焼けは綺麗でした。

 

白山ベンチを過ぎたのが4時45分ごろ。5時を過ぎると登山道もだいぶ明るくなってきてヘッデンも不要になりました。

この荒島岳は8割樹林帯だけど、序盤のブナの原生林が1つの魅力。下山後にそれを目の当たりにするけど、白山のような華やかさはなくとも、里山の安心感ある風景というか、何となく心落ち着く雰囲気の森でした。

急登の階段には少し辟易したけどもね……

 

5時20分、シャクナゲ平に到着。自分は勝原コースを登ってきたけども、ここは他の中出コースと佐開コースとの合流地点でもあって、大抵の登山客なら一息つくポイント。

 

展望はあまり効かない中でも、ここから朝日が見れました。

早朝の涼しい中登ってこれたので、そこまで汗もかかずにここまで来れた。山頂まで残り1.5km。水は2.5L持ってきたけど、余裕で余りそう。

 

シャクナゲ平からはいったん下って登り返し。ここら辺は陽の光も感じられて、ようやく暗闇と熊の緊張感もなく歩けた。

 

地図上でも危険マークもついているもちが壁というポイントに入っていきます。

 

荒れた階段やハシゴもあって確かに急登ではあったけど、大して危険な感じはしなかったです。登りもそこまで長くはないし、あまり構える必要はないかと思う。

鎖場も「そんなところあったっけ?」って言うほど印象に残らない程度でした。

ただ、これが冬場ならなかなかの斜面になりそう。アイゼン・ピッケルかまして登っているシーンを想像すると、雪の時期にやっぱり登りに来たい。ブナの原生林も、いい感じの樹氷になる気がする。

 

もちが壁に入ると次第に展望も良くなってきます。低山でありながらも麓の街まで見渡せるので開放感は抜群。

 

もちが壁を登ったところが前荒島。 標高1523mの山なので割と楽に感じられるけど、勝原駅からだと標高300mからのスタート。標高差1200mって考えると、そこそこの登り応えにはなります。

 

見えてきた荒島岳山頂。真上は青空なんだけど、山頂の方にだけ雲がかかっている嫌らしいパターン。

 

登山道中、花も結構見れたけど、白山でこれでもかという程見れたので省略。

これは白山でも咲いていたシモツケソウかな?

 

前荒島から先のこのポイント、これこそが冬に思い描いていた荒島岳の稜線部!

雪の時期になると展望も一気に開けて白山も一望できる場所。

荒島岳を雪山にこだわっていたのは、真っ白い白山を間近で見たかったから。これに尽きる。

2年前の冬に西穂高独標から見た白い白山。それ以降白山への憧れは強まって、実際に登ってみたいと思っていたし、もっと近くで雪の白山を見てみたいとも思った。

すぐ近くの荒島岳は白山の絶好の展望台って言われていたし、雪の荒島岳に拍車をかけたのがFacebookの登山グループの投稿。ちょうど僕が今年の3月に鳥取の伯耆大山に登っていた日、ここ荒島岳では見事な雲海が見れて、その果てに白山がラピュタ城のように浮かんで佇んでいたとか。何人もその写真をアップしていて、これは冬に登るしかないと思った。

 

そういう思いもあっての今回の下見。チャンスがあれば大山の前後で登りに行こうとしてたんだけど、冬の北陸は本当に晴れないね…。天気見てたけどずっとダメでした。

狙い目は天気が比較的安定し始める3月初旬かな。あんまり遅いと今度は雪がなくなるから難しい。

 

6時すぎ、中荒島岳に到着。山頂まで残り412m。412mって、、、一ケタの単位まで距離を出してるのは初めて見たわ(笑)

大雑把なのが許せなかったんでしょうね。

 

ここからは白山の絶好の展望が得られるはずだったんだけど、あいにくこの日は雲の中。雲の位置が低いので、白山山頂からはもしかしたら雲海が広がっていたのかもしれない。

 

こちらも相変わらず薄らとしたガスが覆ったり晴れたりの山頂。いずれにせよ山頂からの展望はそれほど得られそうになかったので、 この稜線ハイクをじっくり楽しむ。

 

後を振り返れば見事な展望!右手前が中荒島岳、左手前が小荒島岳。はるか奥に見える街並み勝山市。山に囲まれた街というのがよくわかる。

 

取れそうで取れないガス。。。 標高はもう少し高ければ間違いなく雲の上に立てたんだろうけど、標高1523mしかないので雲の直撃をもろに受けてました。

 

そういうわけで、6時20分。真っ白い中で山頂に到着。

まだ時刻は日の出間もない早朝。当然ながら誰もいなかったです。

 

日本百名山、荒島岳山頂。真っ白いけど、陽の光が差しているのはよくわかって、何とも焦らされる状態。一瞬だけ青空が見えたりもしました。

 

予想外だったのが、山頂に広がっていたお花畑。まるで家庭菜園のように色とりどりの花が咲いていて、とても綺麗でした。

 

夏の花の時期に登りに来るということは、イコール灼熱登山のリスクがあるわけだけど、山頂には一面お花畑が広がるので登りに来る価値はあると思います。

 

それでもやっぱり憧れるのが冬の時期。山頂の案内図でも冬の白山が紹介されていたので、これは間違いなく冬に登りに来いって言われてるな!

この絵の風景を自分の目で見たい。

 

時間もあるので、山頂で少し粘ってみることに。

登る前は熱中症が心配だったけども、早朝から登りはじめたのと、薄曇りのおかげで直射日光浴びることも少なく、快適な山登りができました。

 

山頂にあった荒島神社。白山同様、ここ荒島岳も地域に根づく信仰の山です。

 

待つにつれて霧も薄くなっているように感じるけど、この後も取れそうで取れない雲。。チラッと展望が見えたりしたけど、長くは続かず。。。

帰りの電車の時間もあるので、7時に下山することにしました。「冬にまた来なさい」って言われてる気がしたので、いつになるかはわからないけど荒島岳はまた冬に再訪したいと思います。

 

勝原コースのピストン。登ってきた道と同じ道を下るけど、最初は真っ暗で何のこっちゃわからなかったので、楽しみは残っている。

 

下りてきてすぐに視界は晴れたけど、山頂付近を覆うガスは大きくなってた。日差しは照り付けているので天気がいいのか悪いのかはよくわからなかった。

 

雲の位置が物凄い近い。標高3000m級の山なら間違いなく雲海が見れる天候だったと思います。ここでは少し背が足りなかったか……。

冬に期待したいです。

 

長くはないけど、街を見渡せる展望いい稜線。序盤の展望が効かない分、中荒島岳以降の稜線は気分よく歩けます。

 

もちが壁の急坂。階段で整備されているけど、足元は不安定だったりもするから要注意。

 

足元にいて危うく踏みそうになったクワガタ。

クワガタと言えば、小学生の頃、夏休み中にラジオ体操を毎朝欠かさず行って皆勤賞を取ると、最終日にクワガタをもらえた思い出がある。あと、何故か文房具屋でクワガタやカブトムシが売られていた記憶あり。

 

登ってきたときとは打って変わって明るい登山道。徐々に暑くなってくる時間帯で、登りより下りのほうが断然汗かきました。

 

シャクナゲ平に戻ってきた。天気が良ければ少し先の小荒島岳まで登るつもりだったけど、この天気では展望もあまり期待できなかったのでこのままおります。

 

長く続く階段。写真には写ってないけど、下山中にすれ違う人がたくさんいて、皆さん一様に暑さが辛そうでした。。。

「もう登ってきたの!?何時ごろ登りはじめたの?」

「3時すぎです!(キリッ!)」

「ひぇ~~~!!」

というやり取りを何度したことか。ただ、7月8月の真夏に登るのなら、本当に3時とか早朝に登りはじめたほうがいいです。日中は暑くて相当難易度高い修行になると思います。

 

下山中、印象に残った花がこちら。この特徴的な花は何でしょうか…??

(コメントでホトトギスという花だと教えて頂ました。ゆかぽんさん、ありがとうござました!)

 

荒島岳に魅力の1つがブナの原生林。

写真に写っているのは「トトロの木」。ブナの森は緑豊かで、白山とはまた違った魅力を備えています。「気持ちい森林浴」とか書きたいけど、実際は蒸し暑くて仕方ない……

 

登りで朝焼けを見た白山ベンチ。ベンチとはいっても丸太が置いてい有るだけの簡易的な場所です。

 

白山ベンチからの展望。あいくにこの日は白山を眺めることはできなかったけど、冬場であればさらに視界が開けて綺麗な白山を臨めるってわけか。

 

8時50分、登山口に到着。

9時前にして、下り道を歩いているだけなのに汗びっしょり……。雲1つない快晴だったら、それはそれで危なかったかもしれない。

 

来た時と同じくスキー場脇を下りていくと、白いオオバギボシがたくさん咲いてました。登ってきたときには暗いので全く気付かなかった。

 

最後はこの長いアスファルトの坂を下っていく。左の茂みが、登ってくるときに何かがいたところ。

この坂が何とも歩きづらくて、下りは特に足に優しくなかった。。

 

9時半に登山口駐車場に到着。山ガールさん3人組がこれから登りはじめようってところでした。

すれ違った中にも若い人が結構いて、荒島岳の意外な人気っぷりを知りました。

 

清掃中のおばあちゃんから水道使って良いよと言われたので、ありがたく備品洗わせてもらいました。

飲み水としては適さないらしいので、水を汲むなら勝原駅前の公民館の水道が良いです。

 

ここからさらに15分ほど歩いて駅まで戻る。

この勝原スキー場の入口が少しわかりづらいです。駅からだと写っている国道158号線を左から歩いてくるんだけど、カーブに差し掛かったあたりで鋭角に入っていく感じ。

標識も特にないし、途中にダミーの脇道が何ヶ所かあるから迷いました。暗かったしね……

 

10時前に勝原駅に戻ってきた。たった1日しか過ごしていないのに、ここに戻ってくると妙な安心感がした(笑)

 

公民館でザック回収。電車が来るまで1時間ほどあったので、ゆっくり帰り支度。こんな感じで公民館前にはコカ・コーラ自販機、あと右下に見切れているけど、飲料水用の水道もあります。

前日に会った職員さんの「お疲れさま」という一声がとてもうれしかった。

 

11時、公民館の方にお礼とお別れを言って、帰ることに。

「また会いましょう」と掲げられた駅舎のメッセージ。荒島岳は冬に登りに来たい思いがなお強いので、雪の時期にまた来ます!

 

九頭竜線。山に登ることがなければまず乗らなかったであろうローカル線。

この勝原駅はこれまで訪れた駅の中でも一番田舎感出てました。都会に帰るのが少し寂しくもある。

九頭竜線はとにかく本数が少ないので要注意。自分たちが早朝に登りはじめたのも暑さが心配だったのと、この11時8分の電車に乗りたかったから。これを逃すと次は14時45分。3時間半以上待つことになります。

 

こちらが九頭竜線。1車両編成で、ドアも手動で押して開けるタイプ。

車両デザインがなかなか派手。恐竜が描かれているのは、隣の勝山市に恐竜博物館なるものがあるから。剣心なんかが描かれていたらどうしようかと思ったが、さすがにそれはなかった。

九頭竜線内から写真でも撮ろうかと思ったけど、何人もの本格的な鉄ちゃんがバシバシ撮っていて、ミラーレスカメラでは混ざれませんでした…。

 

九頭竜線に1時間ほど乗って、福井駅に到着。 ようやく街中に帰ってきた感じがした。

金沢駅並に大きい駅を想像していたけど、全然小さくて店もあまりなかった。

 

福井駅からほど近い極楽湯という温泉に寄りました。ここは福井駅からえちぜん鉄道に乗って2駅で来れるけど、ちょうど電車が行ってしまった後だったのでタクシー使いました。タクシー代は900円ほど。

荒島岳の下山後に温泉に入るなら、こんな感じで福井まで戻ってくるか、もしくは途中の越前大野駅で降りてバスで「あっ宝んど」という温泉に行くか。電車とバスの乗り換えが面倒なので結局こちらに落ち着きました。

 

福井では特に観光することもなく、電車に乗って金沢駅へ移動。ほんの2日前に金沢駅からスタートしたはずなのに、白山のテント泊から勝原でのキャンプと濃い時間を過ごしたので、降り立った時には久しぶりな感じがした。

ここで予てより決めていた海鮮を食す!

 

金沢駅構内にある「すし玉」というお寿司屋さん。 北陸で獲れた海鮮を安く食べれます。

 

朝から行動食しか食べていなかったので最高にウマかった!写真は「富山盛り」(カニ、ホタルイカ、白エビ)。他に朝どれ3種もおすすめ。平日であれば味噌汁飲み放題。

 

昼間はかなり混むみたいだけど、15時という中途半端な時間に行ったので空いてました。駅構内にあるので、電車利用には打ってつけのお寿司屋さんです。

 

帰りは今年3月から開業した北陸新幹線。東京まで2時間ちょっとで帰れる魔法の乗り物。

進行方向右側が北アルプス側だけど、この日の午後から天気が崩れてきたのであいにく雲に隠れて見えませんでした。

 

こうして3日間の北陸の山旅が終わり。

白山~別山~三ノ峰の稜線・お花畑登山と比べてしまうと、当然荒島岳は見劣りするけど、逆に里山感がすごい出てて、のんびり登れたのは良かった。冬に向けてのイメージもついたし、何より勝原駅で過ごした1日が田舎のゆったりした雰囲気に浸れて、ものすごいリフレッシュできた。九頭竜線に乗ったあたりは、これぞ旅っていう感覚を得られました。

勝原キャンプ場が意外に遊べる場所だったのは良い収穫。下山後に川に飛び込むという欲求も満たせて、勝原のオアシスでした。

 

白山と荒島岳は距離としてはかなり近くて、電車・バスの公共交通利用でも登山口と下山口を考えれば無駄な移動も少なく登ることができます。九頭竜線の本数の少なさは、福井~越前大野~勝原のバスの乗り継ぎでカバーできたりもするので、調べればまだまだ色々とプランニングはできそう。

 

荒島岳については冬にまた登ると思うので、その時に今回お預けとなった景色を楽しめたらと思ってます。

 

3日間の北陸遠征登山、おしまい

 

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【日程】

2015年7月27日 晴れのち曇り

【コースタイム】

勝原キャンプ場(2:50) — 勝原スキー場登山口駐車場(3:20) — シャクナゲ平(5:20) — 荒島岳(6:20~7:00) — シャクナゲ平(7:40) — 勝原スキー場登山口駐車場(9:30) — 勝原駅(9:50)

 

 

 


鳥海山(象潟コース) 夜行バスで行く日帰り登山 ~~花と海と夕日の眺望~~

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念願だった東北の名峰、鳥海山へ日帰りで登ってきました。

富士山に山容が似ていることから「出羽富士」とも呼ばれている、東北随一の秀麗な景観を備える標高2236mの活火山。限りなく海に近いところに位置しているため、山頂からは日本海を間近に見渡すことができます。

白山同様、鳥海山もずいぶん前から登りたいと思っていた山で、ようやく悲願叶った山旅。序盤の湿地帯から鳥海湖の雄大な眺め、穏やかな稜線にお花畑、そして火山特有の迫力ある外輪と岩の山頂。色々な山の美味しいところを全て持ち合わせたような景観で、日帰りで登るには勿体ないとさえ思えた山でした。

麓の象潟海岸は夕日の名所でもあり、旅の終わりに見た夕日も印象的でした。短い時間ながら山に海に食に温泉と色々楽しめた1日。期待通りの魅力あふれた山だったので、またいつか季節を変えて登りに行きたいと思います。

 

山と海が広がる東北の名峰、鳥海山―――

 

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いつかの記事で書いた気がするけど、何年も前から行きたくて仕方がなかったのに毎年天気に泣かされて行けなかった山。

それが白山鳥海山

白山については7月の最終週に待ちに待った晴れが巡ってきたので、前々回の記事でも書いた通り無事に登頂。これ以上ないくらいのベストシーズンに花と稜線の旅を満喫できました。

 

残るのが鳥海山。本当なら鳥海山も7月中に登りたいとは思っていたんだけど、7月ってどこの山でも高山植物の最盛期を迎えるから、とにかく行きたい山が多すぎて、全部回ろうとすると休みが到底足らない。

特に今年は7月の最初に快晴の中で秋田駒ヶ岳早池峰山の花の旅を十分満喫してしまったので、7月中の東北遠征はもういいやってなって、鳥海山は8月以降に持ち越し。さらに梅雨明け早々に白山の壮大な景色に巡り合ってしまったもんだから、この2回の旅だけで夏山はだいぶ満足してしまった。

なので、去年までに比べるとそこまで鳥海山に執着はしていなかったんだけど、いい流れってのは続くもんで白山登山の翌週、8月最初の週にチャンスが巡ってきました。

 

~~ 2015年8月5日 鳥海山日帰り登山(鉾立から象潟口コース) ~~

今回も高速夜行バスを利用。

抑えるバスは東京―本庄間で運行されている「ドリーム鳥海号」。鳥海と名がついているけど鳥海山まで直通というわけではなく、途中の象潟駅で下車して、そこからさらにバスに乗り換える必要があります。

 

このドリーム鳥海号は週末はあっという間に埋まってしまうし、夏休み期間に入ると帰省客も増えるので平日もすぐ埋まる。

白山・荒島岳の旅が終わって気持ちが高揚している中、「この勢いで来週鳥海山に行っちゃうか!」と軽いノリですぐにバスの予約を目指したけど、その時点で空いていたのが8月4日の便だけでした。あとはお盆過ぎまで満席だったので、仕方なく平日に1日夏休みをもらって、今年はこの日に賭けた。ダメならまた来年ってことにして。

 

そんな軽い気持ちで迎えた前夜。ニコニコ顔で東京駅に降り立つ( ̄▽ ̄)

梅雨明け10日がギリギリ間に合ったようで、何とか晴れ予報が出てくれましたよ。毎年延期慣れしていた鳥海山だから、うれしい気持ちはありつつも、いざ決行ってなるとそれはそれで焦る。こんな突発的な感じで行っていいものなのかと……

写真を見てもらうとわかる通り、ドリーム鳥海号は登山バスではないので登山客なんてほとんどいないです。見たところ自分以外でザックを持っていたのは3,4人でした。

 

秋田駒ヶ岳、白山に続いて3回連続の3列シートバス。別に割増料金出しているわけじゃなくて、ドリーム鳥海号はこの仕様。こんな感じでカーテンもあるので、バス慣れしてない人でも寝やすい空間になっています。

3列シートの小ネタとしては、毎日アルペン号は一番後ろの席が若干空間広くてアタリなんて言うけど、3列シートは逆にハズレ。そこだけ4列になっているので他より若干窮屈な感じで、リクライニングも最大限まで倒せない。あと、ドリーム鳥海号の座席にコンセントはついてないのでご注意を。秋田駒ヶ岳で乗ったレイク&ポート号には完備されていたので、てっきりついているもんだと思ったのが失敗。

出発前に携帯使いすぎて、残バッテリー30%で旅スタート……

 

例によって途中一度も目を覚ますことなく、あっという間に秋田県にかほ市入り。

早朝5時過ぎ、バスが止まったと思ったら象潟駅に着いてました。(「きさかた」って読みます)

ここは海沿いの駅。日本海もすぐ近く。

前回の勝原駅ほどではないけど、ここの駅前も特に何もなくて、良くこんな駅に高速バスが止まるな~とさえ思った。

ここから登山口まで行くバスは6時20分発なので1時間近く時間つぶす必要があります。コンビニは徒歩15分ほどの所にローソンとセブンイレブンがありました。

 

象潟は鳥海山と俳句のまちだそうです。俳句というのは松尾芭蕉の「象潟や 雨に西施が ねぶの花」という奥の細道の一句。「西施」というのはとある美女のことで、下山後にご対面することになる。

 

ちょうど朝日が出る時刻。象潟は日本有数の夕日の名所でもあり、それを見るのも今回の旅の目的の1つ。

だからこそ、今回は日帰り登山とはいっても、夜行バスで来て夜行バスで帰るという0泊2日の行程。

鳥海山に憧れを持ったのが3年前。3年前に計画を立てたときは寝台列車「あけぼの」で現地入りする手もあったんだけど、この列車は去年廃止になったので、現在公共交通で早朝入りするなら夜行バスしかない。機を逃すと、こういうことにもなるんだな。。

 

駅前に周辺地図があったので載せておきます。こんな感じで鳥海山と日本海に挟まれた、山と海のまち。

海岸近くにキャンプ場もあるので、これを利用する手も考えたんだけど、今回は都合で1日しか休みが取れなかったので行き帰り夜行バス利用のやや強行。それでも現地にほぼ丸一日滞在できるので、それなりに楽しめると踏んでる。

 

ここから「鳥海ブルーライナー」という登山バスに乗り換える。このバスは事前予約必須なのでご注意ください。見ての通りバスと言っても大型タクシーみたいなもんで、予約人数によって台数を決めてるんだろうね。時間になるとどこからともなく登山客が集まってきて、この日の乗客はちょうど1台定員の10人でした。

この登山バスも3年前と劇的に変わった。当時は片道料金1850円だったのに、今は3000円。。。往復6000円のバス代は流石に痛い。

この出費を避けるなら、南側の登山口の湯ノ台口コースを利用する手が一応ある。酒田駅からバスを乗り継いて登山口まで行けるけど、これだと11時近くにスタートになるので日帰り登山は無理。逆に山小屋泊って割り切るならありかもしれないです。

 

朝7時に象潟コースの登山口、鉾立(ほこたて)に到着。

鳥海山は四方に登山ルートがあるけど、一番登られているのがこの鉾立からの象潟コース。駐車場も広くて、山荘やビジターセンターもあります。

地図上には水場マークがあるけど、ざっと探してみたところ水場は見つけられなかった。すでに3L持っていたので特に問題はなかったけど、水はあらかじめ用意しておいた方がいいかもしれないです。

 

登山ポストは登山口の脇にあります。

真上は青空なんだけど、山頂方面はまだガスに覆われた時間帯。朝から晴れ予報だったのに若干不安な中での登山スタート…。

 

この象潟口ルートは親切すぎるほどよく整備されています。樹林帯と言えるような場所もほとんどなくて、最初から最後までほぼ展望の良い道が続く。

 

スタート早々にあったTDK小屋(東雲荘)。TDKはDVD-Rとか作ってるあの電気機器会社のことらしい。会社の保養所になっているんだとか。

一般の人も泊まれるようだけど、駐車場からあまりに近いので登山客で泊まる人はそんなにいない気がする。

 

その裏手にあったのが展望台。ここから晴れていれば鳥海山の秀麗美を目の前に見ることができるって聞いてたんだけど……

 

何か若干黒い雲も出始めて、「あれ、、?やっちまったかな…」と思った。

後光が差して無駄に神々しい風景だったけど、早く雲が取れてほしかった。

 

どうも天気に関しては前回の荒島岳の続きという感じ。雲がすぐ近くで取れそうで取れない。

山頂に行けば雲海が広がっているんだろうけど、この標高だと雲の直下。この時期は全国的に熱中症警報が出ていたので、水も多めに持ってきてたんだけど、日差しがないので全然涼しかった。

 

途中に秋田・山形県境の標識があります。特にピークでも稜線でも峠でもない珍しいパターン。

秋田県から登りはじめて数分で山形入り。

 

早く雲の上に出たいと思ってさっさと登ってたけど、それより先に雲が取れてきてくれた。徐々に見えてくる青空~

晴れを狙って3年も延期したんだから、晴れてくれなきゃそりゃ困るぜ!

 

7時50分、1つ目の絶景ポイント、賽の河原に到着。

一面お花畑というわけじゃないけど、小さな沢が流れていてとても穏やかな風景が広がっていました。ここは落ち着く場所だった。こういうだだっ広いところは大好き。

 

賽の河原ではチングルマがまだ咲いてました。8月に入るとチングルマの花ももうあとわずか。

 

ほとんどは穂に姿を変える。これはこれでまた綺麗。

チングルマ1つで季節の移り変わりを感じられる。

 

こちらはチョウカイアザミ。その名の通り鳥海山の固有種。花は7月の秋田駒ヶ岳と白山で十分満足したので、鳥海山では2つの固有種が見れればいいやと思ってた。そのうちの1つ、無事に発見。

この花もレッドリストに加えられているけど、割とたくさん咲いていました。

 

ここから先も緩やかな道。鉾立からのルートであれば、出だしはかなり楽です。終盤にたくさん登る感じ。

 

少し登ったところから賽の河原を振り返って見る。標高2000m足らずでこの開放的な景観はやっぱり東北ならではだと思う。

さらに今回は背後に一面の海が広がる絶景。最初の1時間程度でこれだけの展望にありつける鳥海山はやっぱりスケールが違う。

 

コバギボウシ

 

シロバナトウウチソウ

 

石段が続く登山道わきには色々とまだ花が咲いていました。高山植物の最盛期は7月なので8月に入ると枯れているものも結構あったけど、逆にお初の花もチラホラ見かけました。

 

登るにつれて目の前に広がってくる日本海。

これだよ、これ!!花もいいけど鳥海山と言えばやっぱり海。海の果ての地平線まで臨める山は早々ない。

 

歩きはじめて2時間ほどで御浜小屋に到着。夏季のみ宿泊可能な山小屋で、売店もありました。

ここも山頂小屋にも水場はないので、水分必要なら買うしかない。

 

御浜小屋からスタートの鉾立駐車場。こんな感じで草原のような場所をずっと歩いてこれます。あんまり登ってきた気がしないけど、標高的にはすでに半分登っている不思議。

登山道が楽しいと疲れも全然感じない。

 

この小屋で吹浦口ルートと長坂道ルートと合流。休憩中の人もたくさんいて、一気ににぎやかになる。

景色もまた一変するところ。

 

雲がちょうど切れていくところで、遠くにようやく山頂が見えた。

この時間は風がかなり強くて雲の動きがとにかく早かった。

 

ここでの見どころと言えばこの鳥海湖。鳥海山の1つのシンボルにもなっている場所で、山頂まで行かずにここまで登りに来る人もいるらしい。鳥海ブルーラインのドライブ記事なんかを見ると、この鳥海湖だけ見て帰るって人も見かけました。

湖の周りには周回コースもあるけど、とりあえず今は眺めるだけにして帰りに寄ってみる。

 

長坂道方面の稜線。左のこんもりした丘は鍋森という山。地図を見た限りでは登山ルートは無さそうだけど、形が目立つので遠くからでもなかなかの存在感ありました。

 

鳥海湖周辺もお花畑ゾーン。

こちらはハクサンシャジン。今回のルート上で一番多く咲いていたのがこの花でした。

 

ハクサンフウロ

 

クルマユリ

 

山頂まではまだ3時間ほど。

ここからしばらくは自分好みの稜線が続くので、さらに面白さが増すところ。

 

この山頂に向かって進んで行く感じが素晴らしく良かった。

雲がみるみる切れて山の姿が現れていくシーンは思わず足を止めて見入ってしまう。

 

南側に雲が追いやられて最初は雲海が広がっていたけど、それも徐々に取れてきた。

とりあえず天気の心配はもう無さそう。

 

鳥海山の1つの展望スポットがこの扇子森という丘からのアングル。すぐ前を歩いている人に被写体になってもらったけど、何か凛々しい風格の山に立ち向かっていく感じがたまらなくカッコよかったです。

 

平日でもかなりの登山客がいる鳥海山。写真にはそんなに写ってないけど、大抵こういう時は抜かすだけ抜かして人が少なくなった瞬間に撮っているので、すぐ後ろには団体さんが控えていたりもする。

全体的に道幅が広い登山道なので、人が多くてもそれほど窮屈には感じなかったです。

 

ヨツバシオガマ

 

色々と咲いていたけど、このハクサンシャジンの群生が他を圧倒していた。本当にたくさん咲いていました。

 

 

先ほどいた扇子森はこんな感じの丘。こういう広くて穏やかで、危険度ゼロの平和な道が何よりも好き。

そしてこの手の雄大な稜線が東北には多い印象。だから東北は好きなんだよなー

 

御苗代に到着。ここから少し行くと分岐が待っています。

道が広いので、どこでも休憩できる。大勢で登るのにも適している山だと思います。(ただし山頂が逆に狭い!)

 

徐々に岩場が多くなってくる。鳥海山は活火山。景色のうつり変わりが激しいのもまた面白いポイント。

 

こういう穏やかな稜線もいったんここまで。これ以降はいよいよ道も火山っぽくなってきます。

 

分岐の七五三掛。外輪を行くか、千蛇谷を行くか。

コースタイムは変わらないのでどちらでも良かったけど、前の人がみんな千蛇谷の方へ行ってたのでそちらにしました。

 

今回のルートで唯一危険マークがついていたのがこの箇所。左下に見える登山道まで一気に下ります。

 

急な場所だけど、ハシゴや鎖がしっかりついているので歩く分には全然問題なし。注意書きにもあるように落石がやや怖い程度のところでした。

 

何とも開放的な眺め!眼下には広大な鳥海の森が広がっている。

左に見えるのは稲倉岳。バックカントリーとして有名な山のようで、調べても3月頃の登山記録しか見つからない。夏は登山道がそもそもないのかな……?

 

ミヤマダイモンジソウ。鳥海山も花の百名山の1つ。登山道に花が尽きない。

 

こちらが千蛇谷雪渓。連日の酷暑でだいぶ雪解けが進んでいるけど、まだ踏みしめて歩ける程度の雪は残ってました。

この時間になると風も収まって気温がかなり上がってきたので、雪渓の天然クーラーが心地よかった。

山頂方面の雲もいつの間にか完全に取れた。

 

千蛇谷に下りると、周りを囲う外輪の迫力がすさまじい。

 

雪渓を渡って、こんな感じの登り坂をひたすら登っていく。大して急でもなかったけど、単調だったのでここが一番疲れたところでした。

 

横には壁のように立ちはだかる岩と緑の外輪。鳥海湖あたりの穏やかな稜線とはまるで違う雰囲気。

帰りはあの上を通って帰ります。あの上もまた展望が良さそうで楽しみ。

 

ここら辺から後ろを振り返って見る眺めがまた素晴らしい。これまで歩いてきた稜線と日本海の眺望。

山と海、緑と雪が広がる世界。

 

山頂に近づくにつれてガレ場が増えてくる。穂高・槍ヶ岳あたりの北アルプスを思わせる風景。こういうガレた道は東北では珍しい気がする。

 

10時15分、山頂手前の御室小屋に到着。200人収容の鳥海山の中では最大規模の山小屋。神社も併設されています。

 

とりあえず混み始める前にサクッと山頂へ。ここから山頂まではもうひたすら岩場。時間にして20分ほど。

東北でこんなガレ場に出くわしたのは初めて。

 

岩場の片隅で発見したのがチョウカイフスマ。チョウカイアザミと同じく、鳥海山の固有種。代表的な固有種2つを無事に見れたから、花は十分満足!

 

それにしても山頂付近は岩だらけ。。。鳥海山の山頂がこんな感じになっているとは知らなかった。

岩場苦手の自分でも難なく登れているので、危険は全くないです。マーカーも親切なほどついています。

 

岩の裂け目。山頂へ通じる門みたく、この合間を入っていきます。

初夏の早い時期だとこの岩の裂け目に残雪が残っていて、やや通りづらいようです。

 

岩の洞窟のようなアトラクションチックな場所。色々と楽しませてくれる鳥海山、素敵ですな!

 

あとは道なりに岩場を登ったら山頂。

 

10時40分、鳥海山山頂到着。標高2236m。

登り3時間40分、日帰り登山としてはちょうど良いくらいのコースタイムでした。

 

朝に比べると若干霞んできたけど、日本海と秋田の街並み。

見ての通り近隣に山が全くなく、完全な独立峰。出羽富士たるゆえん、傍から見たら富士山のように見えるのも納得できる。

 

海とは逆の東側は外輪が遮っているので良く見えない。後で向こう側に登るので、その時見渡してみることにする。

 

山頂はそんなに広くはないです。10人もいられない狭い岩のピーク。

鳥海山山頂というのは、厳密にはこの新山という山が最高峰。眺めで言えばここも良いけど、途中の扇子森、それにこれから歩くことになる外輪の行者岳も良かったです。

周りの景色見渡して「すげーすげー」言ってるから、地元民じゃないってわかったんだろうね。写真に写っている方から

「どこから来たの?」

「東京です!」

「おぉ~!遥々よく来たね。どこから登ってきた?」

「象潟口からです!」

「おぉ~!私はあそこに住んでいるんだよ(と麓の街を指さして)」

自分が秋田側から登ってきたのがうれしかったのか、色々と声かけてもらえました。象潟名産の岩カキも今が旬でオススメとのことなので、下山後に食べることが決定。

 

念願の鳥海山!記念の1枚。 この写真を撮るために3年かかったからなぁ~……。感無量とはこのこと。

ずっと天気との相性が悪かった鳥海山だったけど、こうして晴れてくれたんだから何も言うことはなし。序盤の曇り空も嘘なくらいに登山日和となりました。

強かった風も山頂に着くころには収まってた。

 

狭い山頂であんまり長居していても迷惑なので、いったん山小屋まで下山。短いけど小屋から新山までは周回路になっているので下山は別ルートで帰ってみます。

 

こっちには胎内くぐりという安産の神様がおりました。

 

山仲間では出産の予定のある人はいないけど、せっかくなのでどこかの誰かの安産を祈願して通っていく。

ここ、実際通ろうとするとかなり狭くて、テント泊用のザック背負ってたらたぶん通れなかったと思う。祈願して通ってみようとしたけど、挟まって動けません!。。。とか、一番やってはいけないパターンなので、通る際はお気を付けください。

 

胎内くぐりを出て小屋に戻るまでにたくさん咲いていたのが、このイワブクロ。東北の火山系の岩場に多い高山植物らしいけど、秋田駒ヶ岳でも早池峰山でも見なかった気がする。岩場に咲いているのでひときわ目立って綺麗でした。

 

外輪への道はいったんスルーして山小屋へ戻る。登山バッチは集めているわけじゃないけど、鳥海山のバッチだけはぜひ買っておきたかったんでね。

 

その前にお参り。鳥海山大物忌神社が小屋の裏手にあります。

晴れてくれたことへの感謝っ……!圧倒的感謝っ…!!

 

登頂祝いのジュースと念願の登山バッチゲット!登山バッチは自分にとって特別印象に残った山やそう簡単には登りに来れない山だけ買うようにしていて、これで5つ目。

今のところ、屋久島飯豊山伯耆大山白山、そして鳥海山。我ながらいいラインナップ。北海道の大雪山は単純に買い忘れ……orz

アルプスはその気になればいつでも簡単に登りに行けるので今のところ買ってない。ただ、南アルプス南部の聖岳あたりは手に入れたいところ。

 

少し休憩して、続いては外輪ステージへ。外輪へ登る崖もやや落石の危険があったので注意ポイント。

 

外輪を登ったところ。外輪の先にあるのが七高山(標高2229m)。 鳥海山の中では2番目に高いピーク。

 

こちらが山頂からは見えなかった東側の景色。当然ながらこっちにも周囲に山と呼べる山はなかった。良く見ると南の方向に近隣の月山は薄ら見えたんだけど、気温上昇で視界が霞んでいたので写真にはあまり良く映らなかった。

目の前に何もないので、夕日はもちろん、ここからの朝日もさぞ素晴らしい景色になりそう。次に鳥海山に登るに来るときは、ゆっくり山小屋泊もありかもしれない。

 

こちらが七高山。せっかくなので立ち寄ってみました。

 

七高山から見る新山。遠くから見ると富士山のように綺麗な円錐形に見えても、実際に登ると外輪があったりいくつものピークがあったりと、やや複雑な山容でした。

 

さらにもう少し先まで外輪が続いていたので、先端まで行ってみた。

 

こちらが外輪の先端。割れた石碑が散乱している場所でした。

この外輪の先端方面にも登山ルートが2つあって、こちら側から登ってくる人もチラホラ。鳥海山は本当にルートが豊富。

 

外輪の先端から外輪全景を見渡してみる。これがまた爽快!ビクトリーロードのような駆け抜けたくなる弧を描いてますな。

 

山の上から見る地平線。こんなに目の前に海が広がる景色は初めて。

空気が澄んだ秋ならより一層綺麗な地平線が見れそう。

 

帰りのバスの時間もあるので、外輪を伝ってゆっくり戻る。

早くも雲がプカプカ浮かび始めた。

 

外輪からの山頂御室小屋。見ての通り山頂付近だけが火山特有のガレ場。

あの山小屋からだと周囲の展望が効かないので、朝日も夕日も山頂か外輪まで登ってこないと見れないです。

 

どの景色も捨てがたいけど、個人的には外輪と千蛇谷、さらに稜線と海を一望できるこの眺めが一番良かったかな。雪も程よく残っていて岩と緑も豊か、これほどいろんな要素が織り交ざった景観は、他では見ることができないと思う。いいところ詰め合わせの鳥海山。

 

途中の文珠岳あたりまではほぼ平坦な稜線道。快適に歩けます。

 

外輪山の1つ、行者岳。ここは新山の絶好の展望台になってました。

ラストの写真もここから撮ってもらったもの。

 

しばらく続く外輪ハイク。千蛇谷は景観は良かったけど、歩いていて楽しかったのは外輪ルートだったな。

はるか先まで見渡せる登山道はやっぱり気持ちがいい。

 

伏拝岳にあった湯ノ台口コースへの分岐点。このコースの麓にある鳥海山荘に15:55までに下りられればそこからバスに乗って帰ることも可能。これなら鳥海ブルーライナーの3000円という運賃を払わなくて済むし、実際まだ12時過ぎだったので時間も間に合いそう。ペース早めで歩く方なら、行きは鳥海ブルーライナーで登って、帰りは鳥海山荘へ降りるのもありかもしれないです。(ただし時間に追われるのは目に見えているのでオススメはできない)

 

この湯ノ台口コースもお花畑広がってて何とも平和な道でした。他のコースを見るたびに後ろ髪を引かれる思い。次はどこのコースを歩こうかと色々考えてしまう。

鳥海山は絶対にまた登りに来る山だしね。

 

外輪最後のピーク、文珠岳に到着。12時を過ぎると早くも雲が出始めてきました。

 

雲も展望さえ遮らなければいい。これはこれで夏らしい景観。

ここまで来れば千蛇谷との分岐もすぐで、あの稜線天国に再び戻っていきます。

 

御田ヶ原分岐。帰りは鳥海湖のほとりまで行ってみるので、目の前の扇子森へは登らずに分岐を左へ。

 

鳥海湖までは木道敷かれた道だったけど、木道が斜めになっていたりしてやや歩きづらかった。

ここら辺はニッコウキスゲなんかが良く咲いてました。

 

不思議とこちら側に来る人は誰もいなくて、一気に静かになってやや寂しかった…。

 

鳥海湖のほとりに到着。なかなかの広さを誇るカルデラ湖。白山の御池ほどではなかったけども、澄んだ水が空を映し出していました。

 

周辺は木道敷かれた散策路が用意されています。

 

花もたくさん。特にこの黄色い花が一面にたくさん咲いていたけど、名前が良く分からなかった。
(※コメント頂いた谺拓山さんからキンコウカと教えていただきました。ありがとうございました!)

 

ヒナザクラ。この子もたくさん咲いてました。

 

鳥海湖と鳥海山。隣にはチビ鳥海湖。

 

鳥海湖からは御浜小屋まで戻って鉾立に下山しても良かったけど、せっかくバス利用なので登山口と下山口は変えてみる。

帰りは吹浦口コースへ。

今回は登らないけど、写真の稜線の果てに見えている山が笙ヶ岳(しょうがたけ)。あそこに至るまでの道も稜線脇に湿地帯があったりして楽しそうなので、次来たときに歩いてみたいところ。

 

吹浦コースは象潟コースと似たような雰囲気で、途中には賽の河原のような小さい沢が流れた湿地帯がありました。

道も石段で歩きやすい。

 

お花畑はもしかしたらこちらの方が豊富だったかもしれない。チングルマは穂よりも花のほうが多くて、イワカガミなんかもたくさん咲いていました。

 

象潟ルートに比べるとまるで人がいない吹浦ルート。両方とも地図上では水場マークがあるけど、どちらもそれほど期待しない方がいいです。8月に入って枯れかけていたからかもしれないけど、飲み水に適しているようには見えなかったので、よっぽどのことがない限りは頼りにしない方が賢明。

 

最後のポイントの見晴台に到着。

 

下に見えているのが大平山荘。その手前に大平登山口駐車場があって、そこで鳥海ブルーライナーに乗る予定。バスの時刻までしばらく時間があったので、この見晴台で帳尻合わせで昼寝した。

 

見晴台から登山口まではひたすらこんな感じの狭い樹林帯。これはそこそこ登らされるし、大して面白くないのであまりお勧めできない。初めて登るのであれば、鉾立からのピストンでいいかと思います。

 

15時半に大平登山口駐車場に下山完了。帰りの鳥海ブルーライナーも予約が必要で、乗り場をこの大平口にしちゃったけど、それがちょっと失敗でした。本当に何もないので、照り付ける日差しが暑すぎた……。

鉾立に正直に降りるか、もしくは15分下ったところの大平山荘まで下りてそこからバスに乗るのが賢明。太平山荘に行けば自販機もあったみたいだし。

最初だから、まぁこれがわかっただけでもいい収穫。吹浦口コースで登ることはたぶんもうない気がする。

 

16時10分にやってきた鳥海ブルーライナーに乗車。

結局ここで乗ったのは自分一人で他の人はみんな鉾立から乗ってきました。そして、みんな揃って象潟駅で降りて行った。

 

自分が降りたのは終点の道の駅「ねむの丘」。 帰りも夜行バスなのでそれまでここで時間をつぶす。温泉もあるし、レストランもあるし、お土産屋もあるし、海岸沿いだし、、時間つぶしには打ってつけ。

 

象潟名産、天然岩カキ。物産展も併設されていて、地元産の海鮮や野菜もたくさん売られてました。

山頂のおじいちゃんだけじゃなく、鳥海ブルーライナーの運転手にも岩カキを勧められたので、650円の大きめのを頂いた。

 

その場で殻をむいていただけます。

臭みが全くなくて身がトロトロ。これは旨すぎる!食べ過ぎ注意って言われたけど、これは確かに止まらなくなるな。5,6個は食べたかったけど、値段がお高かったので踏みとどまれた(笑)

 

道の駅には温泉も入っているので、そこでサッパリする。目の前が海なので、風呂からの展望も最高でした。

 

風呂のあとは引き続き物産展で土産物を物色しつつ、夕日のタイミングを伺って海岸へ。

 

ねむの丘のシンボル、西施像。松尾芭蕉の俳句に出てくる西施というのがこの方。中国の悲劇の美女らしいです。

その物語は石碑に書かれているので、興味があれば読んでみてください。

 

象潟海岸の夕日。 日本の夕陽百選にも選ばれている景観だそうです。

この夕日を見たいのもあって夜遅くまで滞在できる夜行バスプランにしたけど正解だった。これを見ずに帰るのは勿体なさすぎる。

山の上からこの展望を眺められると考えたら、なお鳥海山を山小屋泊で登りに来る価値はあると思う。

 

今回は初めてということで日帰りにしたけど、一通り見たいものは見れました。

 

夕食は本当なら海鮮系を食べる予定だったけど、さっきカキを食べたし秋田の比内地鶏を推されたので、結局肉にしました。やっぱり登山後一番欲するのは肉か。

ねむの丘で夜行バスまでの時間をつぶすなら、レストランより売店が先に閉まるので、先にお土産品を物色しておいた方がいいです。地酒やらご当地ワインを買っておきました。

 

20時ごろにねむの丘も閉館。帰りのバスが象潟駅22時20分発。ねむの丘から象潟駅までは徒歩20分ほどなのであと2時間をどうするか……。

自分は撮った写真見直したり、ぶらぶら近くを散歩して時間つぶしたけど、ねむの丘の前に海鮮系の店とガストがあったので、そこで時間つぶすこともできます。

駅に行くまでにはローソンとセブンくらいしかなかった。

 

22時、象潟駅に戻ってきた。これだけ見ると、こんな寂しい駅に本当に高速バスが来るのか若干不安になる。

 

それでも時間になるとチラホラ人も集まってきて、時間通りにバス到着しました。

山旅の帰りに夜行バスを利用するのはこれが初めて。今回は現地でゆっくりしたかったってのもあるけど、何より鳥海山から電車で帰るとなるとコスパ悪すぎる。特急と新幹線を乗り継いでも5時間近くかかるので18時には現地を発たないといけない。費用も馬鹿にならないので、事前に帰りのドリーム鳥海号も予約しておきました。

帰りのドリーム鳥海号は行きとは違ってかなり空いてた。ザックを背負ったのも自分一人で、そもそも鳥海山の帰りに夜行バスを利用する人ってのは少ないのかもしれない。

 

こうして夜行バスに乗って朝6時過ぎに東京に戻ってきた。

1日しか休みを取ってなかったのでこの後普通に仕事に行ったけど、夜行バスで寝れる体質ってのは役に立つもんで、十分すぎるほど睡眠時間取れて疲れも全然残らなかった。……いや、むしろ普段よりも寝れたので、妙にすがすがしい朝でした(笑)

 

夜行バスに乗り慣れた方なら、往復バス利用が公共交通利用では最安値なのでぜひ試してみてください。この手を使えば休み1日で鳥海山を満喫できますので。

 

3年かかってようやく行けた鳥海山だったけど、期待通りの山でした。最初から最後まで見どころの連続で、色々な山の美味しい部分をコンパクトにまとめたような感じです。1つの山に登っているとは思えないほどの景観の移り変わりで、そこが最高に面白いところでもあったりする。

他の山では滅多に見られない一面日本海の眺望も一級品。海岸線に沈む夕日も素晴らしい絶景なのでぜひ合わせて見てください。

 

鳥海山も遠いのでそう簡単に行ける山ではないけど、コースや季節を変えてまた登りに行きたいと思います。

 

念願の鳥海山を目指す旅(完)―――

 

 

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【日程】

2015年8月5日 晴れ時々曇り

【コースタイム】

象潟駅(6:20) — バス — 鉾立(7:00) — 御浜小屋(8:15) — 七五三掛(9:00)— 山頂小屋(10:15) — 鳥海山山頂・新山(10:30~10:45) — 山頂小屋(11:00~11:15) — 七高山(11:25) — 行者岳(12:00) — 七五三掛(12:50) — 鳥海湖(13:30) — 見晴台(14:40~15:15) — 太平登山口(15:40~16:15) — バス — ねむの丘(17:10)

 

 

 

塩見岳(南アルプス) 鳥倉ルート日帰り登山

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前回の鳥海山から4日後、南アルプスの塩見岳に登ってきました。

標高3047mの塩見岳。南アルプスのちょうど中央に位置しているので、ある意味では赤石山脈の中枢を担っている存在。この山はもともと農鳥岳とセットで登るつもりでプランを練っていたけど、なんせアクセス難だし隣の農鳥岳まで縦走するにしてもそれなりに日数が必要だから、登るタイミングがなかなかつかめずにいた山。

そんな折に山仲間から有難き日帰り塩見岳のお誘いがかかったので、満を持して登りに行ってきました。

塩見岳は日帰りで登るにはコースタイムがかなり長めだけども、実際に登った感触としては平坦で緩やかな個所が多く、体力的にはそこまでしんどいということはなかったです。ただ、時間は相当かかるので早出は必須。

南アルプスの中心なだけに、山頂は絶好の展望台。南アルプス全域はもちろん、雲海の果てに聳える富士山、中央アルプス、北アルプスを一望!

近隣の山へ通じる稜線を眺めて、さらに歩きたいルートが増えた山旅となりました。

 

南アルプスの中枢、塩見岳―――

 

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久しぶりに南アルプスにやってまいりました。

今年の夏は尾瀬の田代山に始まり、東北の秋田駒ヶ岳早池峰山、北アルプスの針ノ木岳、そして北陸の白山。そのあとに前回の東北・鳥海山。いい感じで色々と回れてて、南アルプスにもそろそろ行きたくなっていた頃。

白山の登山中に一緒に登っていたあつしからお声がかかって、今回の日帰り塩見岳に挑戦することになりました。

 

塩見岳は日帰りで登るとなると標準タイムでも14時間を超えるので、通常であればテント泊or小屋泊で登るべき山。ただ、この山の場合、近隣の山を縦走しようとすると極端に距離が遠くなるのでさらに日数が必要だし、かと言って塩見岳単体で1泊2日は時間を持て余してしまう。アクセスも決して良くはないので、何ともプランニングの難しい山です。

さらに、自分の周りですでに塩見岳に登った人は全員日帰りでやってのけていたので、3泊以上の縦走をしない限りは塩見岳は日帰りが理想的だと思ってもいた。

 

休みも限られてなかなか山にばかり時間も費やせないので、半ば日帰り強行の塩見岳へ行ってきました。

 

~~ 2015年8月9日 塩見岳日帰り登山 ~~

今回は久しぶりにお仲間さんの車で行くこと。ソロはバス利用が断然安いと思っているけど、やっぱり仲間と行くならマイカーが格安ってのは否めない。塩見岳においてはそもそも公共交通のアクセスも良くはないし、、、

土曜の深夜に都内を出発して、スタート地点の鳥倉ルート登山口の越路駐車場に着いたのは深夜3時。

 

深夜3時とはいえ日曜日なので、前日の土曜に登りはじめていると思われる車がたくさん停まってました。何とか空いているスペースに駐車して早速登山の準備。今回は長丁場なので、スタートはできる限り早めたかった。

ここの駐車場にはトイレと水場があります。

 

まだ真っ暗な中、3時30分に登山開始。塩見岳を日帰りで登るのであれば、トレランしない限りはこれくらいの時刻に登っておいたほうがいいです。なんせ標準タイムで14時間超えなので、この時間にスタートしても巻かない限りは17時半下山予定。

最初は写真のような林道をひたすら歩いて行くけど、ここが結構長い。行きは真っ暗なので全然長く感じなかったけど、帰りにその長さを痛感した。。。この箇所だけ自転車を利用するハイカーも多いようです。

 

40分ほど歩いて、林道の終点「鳥倉登山口」に到着。 ご覧のようにここはバスも通っているけど、1日2本とかなり本数が少ない。1便目でも9時10分着なのでバス利用で塩見岳を登るのであれば日帰りは不可能。縦走するか山中に1泊するしかないです。

 

ここからがいよいよ登山道。4時10分にアタック開始。

今回のメンバーは男5人。塩見岳は女性受けしそうにない山だと思っていて、知り合いでも女性で塩見岳に登ったって人は聞いたことがない。

 

鳥倉登山口から三伏峠小屋まではこんな感じの標識が随所にあります。10分割されていてわかりやすいけど、こういうカウントダウン的な標識は、時によっては「まだ残りこんだけあんのか~……」とか精神的にやられる面もあるので要注意。

 

地図の等高線を見ればわかるけど、塩見岳は山頂までの距離は長いけど急登を強いられるかと言われたらそうでもなくて、割と平和な道が続きます。身体に優しく、徐々に標高を上げて行ってくる登山道。

 

4/10まで来たのが4:50頃。この時間になるとヘッデンも不要になって周りも明るくなってきます。

10分割された各区間の所要時間としてはだいたい15分が目安。

 

序盤はひたすら樹林帯の登りだったけど、この辺りになると徐々に視界も開けてきます。綺麗な雲海が敷かれている感じがわかる。

この日は昼過ぎから天気が崩れる予報だったので、そういう意味でも登りはできるだけコースタイムを巻いて進みたかった。

 

登山道はこんな感じの半崩壊した木のハシゴもあったり。

急登と呼べるようなところは少ないので、そこまで辛くはないです。

ただ、そうは言っても先は長いので、あまりゆっくりしてもいられない。。

 

鳥倉ルートの唯一の給水ポイント。細く流れている程度の水場ですが、コップも用意されていて南アルプスの天然水味わえます。

 

時折視界が開けたところから見えるのが中央アルプス。高速インター挟んで反対側なので位置的にもかなり近い。

木々の合間から見える景色は綺麗だけど、序盤の見どころと言えるのはせいぜいこれくらい。

 

だから逆に登ることに専念できる。南アルプスはやはり序盤の単調な登りが辛いところ。

こういうところはさっさと突破して、後半に貯金を作っておくに限る。

 

今年登る場合に注意しなければいけないのがこの案内。

来年の7月までは山頂直下の塩見小屋が建て替え工事中で利用できないので、余計に登りづらい状況になってます。実際、下山途中で会った登山者の中にこのことを知らずに登りに来て、引き返している人がいました。

 

南アルプスは5月の笊ヶ岳に続いて今年2度目。笊ヶ岳もそうだったけど、南アルプス(特に南部)はそう簡単には登らせてくれないな……。かなり上の方まで登らないと景色の変化もあまり期待できない。

 

三伏峠小屋まで残り200歩の標識まできた。

実際に数えてみたけど、ほぼ200歩でした。

 

6時、三伏峠小屋に到着。とりあえずここまではいいペース。

塩見岳界隈で営業している山小屋は現在はここだけなんだけど、ここから山頂まではまだ5時間近くかかる。荷物デポって行くには遠すぎる距離。

 

この三伏峠は「日本一高いと言われる峠」らしいです。”言われる”っていうのがやや気になるけど、これは知らなかった。

 

こちらがテント場。20張り近くあって、思っていたよりも盛況してました。

テント場からの展望は残念ながらなし。水場も小屋からやや離れているようです。

 

軽く休憩して先へ進む。

小屋からの展望はないんだけど、少し先へ行くと一気に展望の開けるポイントに出ます。

 

標高2600m、南アルプスではようやく森林限界を迎えるあたり。

やっと視界が開けたぜ!

 

見事な雲海。朝に比べると雲もやや上がってきたけど、雲海の果てに中央アルプスが浮かぶように見えました。

雲のジャンダルムらしきものも発見!

 

小屋から10分ほどで三伏山に到着。ここからの眺めが抜群で、360℃開けたピークになっています。

写真奥に写っているのが目指す塩見岳。まだだいぶ遠い……

 

こちらは南側の展望。赤石岳・聖岳方面。

3000m級の山は雲海が敷かれるとより一層大きく感じる。北アルプスは連山としての大きさがあるけど、南アルプスは1つ1つが単発ででかい。

手前に見えるのは小屋から水場までの道のようです。往復25分かかるらしい。

 

三伏山から先ほどの小屋が見えた。これだけ見ると雲の上に浮かんで、相当高い場所に建っているように見える。(まぁ、標高2580m地点だから高いと言えば高いが……)

小屋に泊まるなら、ここまで登って来ればさぞ綺麗な夕日が見れそう。

 

ここからようやく稜線。すぐにまた樹林帯に入ってしまうけど、ここに来るまで展望が全然なかったから、その反動でこの稜線が天国に思える。

塩見岳までは標高差で言えば残り400m程だけど、稜線伝いに左側から迂回していかなければならないので、距離としてはまだだいぶ遠い。

 

遠くに北アルプスも見えてきた。どれだけ遠くにいても、槍ヶ岳の尖がりだけははっきりわかる。

 

ここからしばらくは細かいアップダウンはあるけど、ほとんど平坦に近い稜線。長いだけで、思っていたほどは疲れてない。

 

再び樹林帯に入る。標高2600mなんて北アルプスで言えば完全な森林限界だけど、南アルプスではまだ樹が頑張っちゃう標高。一応ここも稜線です。

 

迂回して稜線が結ばれているので、なかなか塩見岳の方向に進めないもどかしさがある。三伏山以降、ずっと見えている塩見岳だけどなかなか近づかない。

 

本谷山の手前に、地図にも書いてあったマルバタケブキのお花畑がありました。

 

こちらがマルバダケブキ。たくさん咲いてた。

 

他にもタカネマツムシソウや、

 

ミネウスユキソウなども咲いてました。

 

7時20分、本谷山に到着。ここは三伏山より標高は高いけど、視界はそんなに開けてなかったです。

 

この本谷山から少し先へ行くと、ようやく塩見岳山頂までの直線路に入る。ここまでがかなり長く感じました。

 

塩見小屋までの直登。距離はそんなに長くないのと、久しぶりの登り坂なのであっさり通過。

これを登り切れば(建て替え中の)塩見小屋ももうすぐ。

 

再び森林限界へ。ここから振り返ると、迂回してきた縦走路がいかに平坦だったかがわかる。

 

こんな感じの稜線。ここが全部森林限界だったら最高の稜線ハイクになったんだろうけど、そううまくはいかないな……

 

こちらは南アルプス北部の名峰たち。仙丈ヶ岳、甲斐駒ヶ岳、北岳、間ノ岳。

1つ1つが単独峰のようにどっしり構えて、その迫力が素晴らしい。特に右の間ノ岳の大きさが際立ってた。

 

ようやく間近に捉えた塩見岳山頂。ここから見ると綺麗に尖がった形をしています。

 

8時40分、山頂直下の塩見小屋に到着。登山道にあった張り紙の通り、現在は建て替え工事中。標高3000m近い場所で建て替え工事なんて相当大変そうだけど、みなさん黙々と作業してらっしゃいました。

 

臨時で売店だけ営業しています。あと、仮設のトイレもありました。水場はもともとないので買うしかない。

 

売店のメニューはこんな感じ。

ここで少し休憩していたら、塩見小屋の人から面白い話が聞けたのでご紹介。

南アルプスの山小屋は、昔からのしきたりで行政から個室を作ることが禁止されているらしい。「北アルプスではあんなに作っているのに、うちらはダメって言われるんだよな……」という感じでぼやいていました。なので、今建て替え中の塩見小屋にも完全な個室は作れなくて、半個室のようなもので我慢しているらしい。

山小屋にも色々なしがらみがあるようですな。。。

 

8時50分、やっと山頂までの最後の登り坂。スタートしてここまですでに5時間経過。遅くても11時までには山頂に着きたかったけど、この分なら余裕で間に合いそう。

まずは山頂手前にある天狗岩を登ります。

 

小屋を過ぎてひときわ鮮明に見えるのが、北側の白根三山。日本第2位の高峰北岳を筆頭に間ノ岳農鳥岳と3000m級の山が連なる。

農鳥岳は山以上に小屋の評判についての噂をよく聞くから、そこらへんを半ば期待して来年あたりに登ってみたい(笑)

頑固爺さんがいるとかいないとか……

 

ここから先、山頂まではひたすら岩場。急登が続くけど、ここまでが緩い道だっただけに、楽しさ先行で登ることができる。

 

地図には危険マークがついているけど、滑落というよりは上から下りてくる人の落石に注意する程度で、足場もしっかりしてました。マーカーも親切についているので、迷うこともほとんどないはず。

 

南アルプスと言えば、その魅力の1つが富士山の展望にあるけれど、ここ塩見岳の場合は西側から登ることになるので山頂に行くまでほとんど富士の姿を見ることができない。(途中、チラッとは見えるけど)

それだけに、この岩場を乗り越えた先に待っている富士山にいつも以上に期待が高まる。この夏は東北や北陸、北アルプスメインで富士山を最近見てなかったから余計に。

 

岩場にも花が咲く。イワツメクサの小さい花が綺麗でした。8月中旬になると高山帯では早くも花が枯れてきて、夏の終わりさえ感じさせます。

 

チシマギキョウ

 

適度な高度感ある岩場。岩場苦手の自分でも楽しんで登れる程度のものだったので、そこまで危険ではないかと思います。

 

北側の急峻な岩場は塩見バットレス。北岳バットレスは有名だけど、ここにもあったバットレス。

バットレスって響き、なんかカッコいい。クライミングなんてしない自分には無縁の場所ではあるが、、、

 

天狗岩を登り終えたところ。こちらが間近に見る塩見岳。目の前に見えているのは西峰。塩見岳も一応双耳峰になっていて、あの奥に東峰もあります。

 

下から見上げるとなかなかの急斜面。一時期、残雪時期に塩見岳に登ろうかって話もあったんだけど、この岩場の残雪期は流石に無理だったわ。。

なめててすいません、塩見岳。

 

南アルプス南部のいいところはとにかく空いていること。アクセス難がネックだけども、山に入ってしまえばこういう一人しか通れない岩場でも渋滞することがない。

南アルプスの静けさと北アルプスの華やかさ、どちらもそれぞれに良さがあるから山ってのは面白い。中央アルプスについてはまだ単発でしか登ったことがないから、来年あたりは縦走してみたいところ。

 

いや~、この岩場は本当に楽しかったわ。 序盤のコースタイムが長いから疲れ切った状態でこの岩場に取り付くのも覚悟してたけど、全然楽なもんでした。赤石岳や笊ヶ岳に登る方がよほど辛い。

 

心配していた雲も、低い位置で留まってくれている。途中トレランの人に抜かされたりもしたけど、こうして平坦な稜線を眺めていると、確かにあの辺はダッシュして突き抜けてしまうのがいいのかもしれない。

 

上から見下ろす天狗岩。急斜面なだけに、少し登って振り返るだけでなかなかの高度感感じられる。

北アルプスの岩場に比べて安心感があるのは、たぶん緑が多いからだとこの時思った。穂高岳みたいに岩場だらけのところは、それだけで鋭利に突き刺さってくる感じがするもんな。

 

北側には相変わらずの南アルプスの名峰たち。南アルプスは山脈と言っても、個々のピークが半ば独立して立っている感じだから、山座同定がしやすい。

 

ひたすら岩場を登っていく。浮石とかのトラップもほとんどないあたりが塩見岳の優しさ。

岩登りの難易度で言ったらこれくらいが個人的にはちょうどいい。岩も滑るような感じではなかったので、下りも楽でした。

 

色あせつつあるイワベンケイ。

 

タカネシオガマ。この子はまだ絶好調に咲いてました。

 

花も楽しみつつ、岩場を乗り越えた先がようやく山頂。

 

10時ちょうど。無事に塩見岳西峰に到着。登りの所要時間は6時間半でした。2時間ほど巻けたからまあ上出来。

 

山頂でようやくはっきりと見ることのできた富士山。 湧いてくる雲をものともせず顔を出して待ってくれていました。

雲海も綺麗。

 

いつか歩こうと思っている塩見岳~農鳥岳間の稜線もバッチリ見えた。しばらくは心地よい稜線が続くけど、農鳥岳まで相当な登り返しを迫られそうに感じた。

農鳥岳までの所要時間は7時間。途中にエスケープルートもないから、ここを縦走するとなるとなかなかの覚悟がいりそう。

 

こちらは南アルプス南部の山々。昨年秋に登った赤石岳・悪沢岳が見事に見えます。 あちらに行くにも相当な登り返しでかなり時間がかかる。。。

南アルプスは塩見岳を隔てて何て縦走しづらい道なんだか……

 

南北へ伸びる稜線の過酷さを感じつつも、猛烈に歩きたくなったのがこの蝙蝠岳に至る稜線。

見た限りほぼ平坦でアップダウンの少ない快適な稜線が続いてます。

これこそが自分の夢見る稜線天国!ここは絶対にいつか歩きたいと思った。塩見岳単体を1泊2日で登るのであれば、蝙蝠岳までピストンで散歩するのが良いかもしません。日帰りだと時間的に少し厳しい…

 

西峰のすぐ隣にあった東峰。標高で言えばあちらの方が5mほど高いので行ってみる。

 

こちらが塩見岳東峰。西峰に比べると山頂は狭いけど、こちらには絶好の撮影スポットが用意されています。

 

この岩場。断崖絶壁だけど、南アルプス北部を眺めるには打ってつけのロケーション。そこに立つだけで絵になる光景。

 

南アルプス南部の眺めも素晴らしい。目の前の稜線を歩いて行きたくなるけど、これはすぐ先で行き止まり。

赤石岳方面に行こうと思ったら、先ほどの三伏峠小屋まで戻らないといけない。ここから稜線が伸びていれば塩見岳以南の縦走もしやすいんだけどね。。。

塩見岳は南アルプスの中でも一匹狼みたく孤立しているな。

 

心配していた天気もどうにか持ってくれて山頂に到着できたから言うことなし!

東峰は休憩するには狭いので、西峰まで戻ってお昼ご飯にする。

 

意外と時間に余裕があったので、ゆっくり山頂で休憩できた。

思っていたよりも平坦な道が続いたので、みんな体力的には余裕ある状態でした。

 

眺めれば眺めるほど、ここ塩見岳が南アルプスの中心だと思えてくる。個人的には北アルプスの中心が水晶岳、南アルプスの中心がここ塩見岳という印象。

南北どちらも見渡せるけど、どちらに行くにせよその遠さははっきりと認識した。いつかは縦走してみたいところ。

 

蝙蝠岳と富士山。今回の旅での一番の収穫は、この蝙蝠岳に至る稜線。この平坦さはさぞ歩いていて気持ちよさそう。テント泊装備だろうがスキップできそうなほどのフラットな稜線でした。

それを見守る富士の姿も素晴らしい!ここは本当に気に入った。蝙蝠岳もいつか登りに行きたいと思う。

 

休憩していると雲も上がってきて、いつの間にか富士山も見えなくなってた。

どうやらギリギリセーフだったようで、、、3時半という早朝というよりは深夜に登りはじめておいて正解でした。

 

予報通り午後から天候が崩れるようなので、11時少し前に下山開始。長い登りだったけど、いい景色見させてもらいました。

 

下山は一層慎重に。落石を引き起こさないことだけに専念。

 

上からは天狗岩と塩見小屋が良く見える。こうしてみると塩見小屋もなかなかすごい所に建っている。あそこに重機搬入して住み込みで建て替え工事してるんだからすごいよな。

 

 

天狗岩まで下りて来ればもう余裕。

この天狗岩、こちら側から見ると山の名前がついてもおかしくないほど立派な形をしてました。烏帽子岳にやや似ているか。

 

天狗岩から眺める塩見岳。この山自体を他から眺めたことがあまりなかったので、山の形をイメージしづらかったけど、山頂らしい尖がり具合でカッコいいシルエットでした。

そう簡単に来れる山ではないけれど、忘れたころにもう一度来てみたいとは思います。その時は蝙蝠岳とセットで。

 

塩見小屋に至る稜線。短い道だったけど、稜線フリーカーとしてはこういうところが何よりも好き。

 

塩見小屋を過ぎると、雲もだいぶ上がってきて日差しも遮られてきました。

登りと同じルートを帰るので道中は省略。

 

13時40分、三伏峠小屋まで戻ってきた。テント場にはまだ登ってきたときと同じくらいテントが残っていました。

 

登ってきたときには真っ暗だった道を歩く。序盤はこんな生い茂った道だったのかと帰りに初めて知った。

 

15時半、鳥倉登山口に無事に戻ってきた。日没までに戻ってこれるかやや心配だったけど、結果的には余裕でした。

下山途中は一時的に雨に降られたりもしたけど、登山口に着くときにはやんでくれたのでよかった。

 

あとは林道をひたすら歩く。

最初にも書いたけど、この林道がとにかく時間かかった。。。登りで歩いているはずなのに、全く別の道か!ってくらい駐車場まで遠かったです。デポってある自転車をお借りしたいくらいだったわ…

ただ行きが真っ暗だった分、林道わきの岩壁が想像以上の迫力で驚いたのと、ガードレールの下を覗けば滝もあったし、あと、写真ではうまく撮れなかったけど、イタチの親子にも会えました。

 

16時すぎ、駐車場に帰還。皆さま、お疲れ様でした!

無事に踏破できた達成感はなかなかのもんでしたよ。

 

下山後の温泉はインター近くまで行って、「信州まつかわ温泉 清流苑」というところにしました。

浴槽豊富だし、お食事処もあるのでいい入浴施設でした。

 

夕食はその清流苑で済ませました。ご当地丼の「ごぼとん丼」というのが推してあったので食べてみたけど、トロトロの肉が旨かった。

ここの食事はボリューム満点で、他のメニューもかなり美味しそうでした。他のテーブルの人が頼んでいた定番ながらの唐揚げ定食も相当おいしそうに見えた。

清流苑、お食事処としてもおすすめです!

 

こんな感じで南アルプス塩見岳の日帰り登山が終了。

長丁場の持久戦ではあったけども、平坦な道も多くて体力的には南アルプス南部の山としては比較的楽な印象でした。もちろん個人差もあるけど、僕としては赤石岳や笊ヶ岳の方が疲れました。

塩見岳に限らずですが、南アルプスは序盤の樹林帯が勝負だと思います。展望もそこまで開けないので、精神的に嫌にならないかが我慢のしどころ。

 

序盤は辛いかもしれないですが、登っているのは標高3000mを越える高山。終盤になれば、南アルプスを見渡せる絶景が出迎えてくれます。

特に山頂に至るまでの岩場では左手に南アルプス北部、右手に南アルプス南部の名峰が見渡せるので、眺めは一級品です。

 

個人的に魅了されてしまったのがこの蝙蝠岳への稜線。見るからにフラットな稜線は、重いザック放り投げて駆け回りたいくらい!

蝙蝠岳の先は破線ルートになっているので、通常ルートを歩くなら戻ってくる必要があるけれど、いつかは歩いてみたいと思った稜線でした。

こういうノーマークだった縦走路を知れただけでも、今回の登山は大いに価値ある旅でした。

 

塩見岳日帰りは相当な時間がかかるので安易には勧められないけど、山頂からは富士山、南アルプス全域を眺められる絶好の展望台になっているので、南アルプスの雰囲気にどっぷり浸かりたいならおすすめです。もちろん日数が取れるなら長期縦走で通過してしまうのもあり。

北岳、仙丈ヶ岳、甲斐駒ヶ岳に比べると格段にアクセスの悪い塩見岳ですが、その分静かなトレイルが楽しめると思います。

ぜひ機会があれば登ってみてください。

 

塩見岳日帰り登山(完)―――

 

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【日程】

2015年8月9日 晴れのち曇り

【コースタイム】

越路駐車場(3:30) — 鳥倉登山口(4:10) — 三伏峠小屋(6:00) — 塩見小屋(8:40) — 塩見岳(10:00~10:50) — 三伏峠小屋(13:40) — 鳥倉登山口(15:30) — 越路駐車場(16:10)

 

 

 

前穂高岳(北アルプス) 重太郎新道ルート日帰り登山

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北アルプスの前穂高岳(標高3090m)へ日帰りで登ってきました。

上高地から最短で登れる重太郎新道を使ったので往復10時間程度の行程でしたが、病み上がりもあって中盤以降の急登はかなり堪えました。岩の山ということで、後半はひたすらガレ場が続いて鎖場やハシゴがたくさん出てきましたが、重太郎新道自体はそこまで危険箇所もなく、思っていたよりは難易度は低いルートという印象。登山口からの直線距離が短い分、急登が続くのでそれなりに疲れますが……。

この山の魅力と言えば、目の前に聳える奥穂高岳の展望!それに尽きる。槍ヶ岳や表銀座、乗鞍岳方面、さらには八ヶ岳までも一望できますが、とにかく奥穂高岳の雄姿が迫力あって圧倒されました。

岩山でありながら、山頂はフラットでそれなりの広さがあるので、ゆっくり休憩して展望を楽しむことができます。

ルートもそこまで難しくはなく、さらに広い山頂から絶好の展望と、前穂高岳はかなりお気に入りの山となりました。日帰りで登れる手軽さもあるので、また時間があれば登りに来ようかと思います。

 

穂高連峰の前衛、前穂高岳―――

 

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10月に入って山はあっという間に紅葉シーズン。この記事を書いている時点で、実際のところはすでに紅葉登山を4回ほど済ませているのですが、なかなかブログのほうが追い付かないもんで……

まずは9月最初の前穂高岳の記録を。

 

今回の前穂高岳に登ったのは9月12日。前回の塩見岳が8月9日だから1ヶ月以上間が空いているけど、この間ずっと体調が優れずにしばらく山から離れておりました……。

なので、記事としてはコンスタントに書けているけど、今回は久しぶりの登山復帰戦。リハビリも兼ねて、どこか日帰りで登れる山、かつ翌週がシルバーウィークで縦走予定なので、ある程度はキツい登りが待っている山。

それで選んだのが、北アルプスの前穂高岳。

 

1ヶ月以上も山から離れていきなり標高3000m超え、しかも大の苦手である岩場主体の穂高岳はやや無茶な選択だったかもしれないけど、体力の劣化が身に染みてわかっていたので、これを登れないとシルバーウィークにテント泊縦走なんてできないと思ってた。久しぶりの山を楽しみつつも、ややトレーニング要素も加えて行ってきました。

 

結果としては……、まぁ情けないことに下山後にひどい筋肉痛に襲われましたよ。。。

登山後に筋肉痛なんて本当に久しぶりで、1ヶ月間が空くだけでこんな悲惨なことになるのか…、と厳しい事実を突き付けられた感じです。痛みがひどくて、しばらく階段の上り下りとかできなかったし(笑)

色々あった前穂高岳でした。

 

この次から紅葉登山へと入っていくので、2015年の夏山登山としては一応これがラスト。辛さもあったけど最後の夏の山登りを楽しんできました。

 

~~ 2015年9月12日 北アルプス・前穂高岳日帰り登山 ~~

上高地へ行くので、今回は久しぶりにさわやか信州号を利用。3日前くらいに行こうって決めたけど、上高地人気は高いのでバスはすでに満席……。

ただ、上高地や扇沢行きのバスは前日あたりになるとキャンセルで空きが出ることが多いので、粘ってたらやっぱり前日に席取れました。

 

金曜夜発ということで、新宿バスターミナルには60L以上のでかザック抱えた人がたくさん集まってます。この日の上高地行きの夜行バスは臨時便も出て計3台。

例によって速攻で寝る!自分の隣の席がキャンセル席だったので、余計に寝やすかった。

 

明け方5時すぎに上高地バスターミナルに到着。上高地は今年のGWで槍ヶ岳北穂高岳に登りに来て以来だから、約半年ぶりか。

今回は日帰り装備なので荷物も軽めのはずだったんだけど、久しぶりの登山だからか、妙に重たく感じた。途中に水場がないから2.5L持ってたけど、今考えたら多すぎだったかもしれない。

苦手な岩山ということで緊張しているのか、病み上がりで本調子じゃないからなのか、食欲なくて朝食もろくに食べれなかったな。

 

やや不安がありつつも、焼岳のモルゲンロートを眺めてスタート。僕の北アルプス登山が始まったのも、あの焼岳から。もう4年前に登ったっきりだから、そろそろ焼岳も登りたくなってきた。

 

まずは河童橋方面へと歩いて行く。9月も中旬なので明け方の上高地はなかなか寒い。

眠気が残る中黙々と歩いているけど、久しぶりの山の空気が美味しかったな~

登山を初めて1ヶ月以上間が空いたことはこれまでなかったと思うから、本当に久しぶりな感じがしました。

 

上高地の名所、河童橋。重太郎新道へ行く場合はこの橋を渡っていきます。

ほとんどの人は徳沢方面へ行くので、この橋を渡ると一気に静かになる。

 

河童橋からの穂高連峰

 

木道を歩いて岳沢登山口へ向かう。上高地バスターミナルの賑わいどこへ行ったの??っていうくらい、こっちには誰もいなかった。

 

岳沢登山口到着。上高地バスターミナルから20分ほどで登山道に入れるのがこのルートのいいところ。

前穂高岳まではここから約6時間。細かなアップダウンもほとんどなくて、山頂までひたすら登りが続きます。

 

6時に登山開始。しんと静まり返った上高地の森を進んで行く。

 

花の時期ももう終わり。今年は初夏から花メインの登山がたくさんできたから本当に充実してた。

去年に比べたら天気も相当恵まれてたし、夏山登山の出来としては言うことなし!

 

朝の瑞々しい苔

 

途中の天然クーラー、風穴。岳沢小屋までは2年前に一度歩いたことがあるので、ここら辺は懐かしい風景でした。

 

ガレ場もあるけど、岳沢小屋までは淡々と標高を上げていく通常の登山道。

視界が開けると目指す前穂高岳の山頂がチラッと見えたりもする。

 

岳沢小屋までのカウントダウン。5の地点に来たときに初めて気づいたこの標識。

山頂が3080mだから、ここからまだ1250mも登る。直線距離は近いんだけど、標高差だけ見るとまだだいぶ遠い……

 

この時点では紅葉はまだ色づき始めた葉が少しある程度でしたが、ナナカマドの赤い実が秋を感じさせてくれました。

この翌週以降、例年よりもやや早く北アルプスで紅葉が始まった。

 

久しぶりなので身体が重すぎて、全然ペースが上がらない。。。明らかに周りの人の方が荷物重そうなのに、後ろから来る人にどんどん抜かされていく。

 

とりあえず7時半に岳沢小屋に到着。上高地からここまで約2時間。思っていたほどペースは悪くないはず。周りが早すぎるんだ、きっと!

距離はすでに半分以上来ていて、山頂まで残りはたったの2.5km。

2.5kmなんだけど4時間かかるって言うんだから、この先相当な登りが待ってるってことで……。だいぶ疲れていたので、ここでしばらく休憩。

 

小屋からの眺め。焼岳・乗鞍岳の展望抜群です。

上高地がすぐ下に見えて、まだ全然標高を上げてないことを思い知らされる。こんな調子で翌週のシルバーウィーク、テント装備担いで歩けるのか不安で仕方なかった。

 

ここから重太郎新道へ。入口の注意書きには「危険いっぱい、時間もかかるよ」というようなことが書かれています。

落石多発ということなので、一応ヘルメット装着。

 

小屋の裏手のテント場。こんな感じのガレ場のところで、地面が痛そうであまりここに泊まりたいとは思えなかった。

このテント場を突っ切って進んで行くんだけど、ここで少しルートミスった…。右の脇道(おそらくバリエーションルート)に入って行ってしまい、途中で間違えに気付いて慌てて引き返す。

 

30分ほどタイムロスして、正規ルートに戻って登りなおし。集中力も切れてるからしっかりせんとな。。

ここから先は岩場やハシゴがどんどん出てきます。

重太郎新道自体は一般ルートではあるけど、ヘルメット装着率は7割近かったです。

 

ここから一気に標高を上げていく。登るにつれて穂高岳の岩壁の迫力も増していき、緊張感ありつつも面白さが出てくる。

奥に見えるのは西穂高岳かな?

 

焼岳の標高もあっという間に超える。焼岳に初めて登った時は、北アルプス自体が初めてだったから相当高い山に感じてたけど、登り慣れて他の山を知るようになると、焼岳って意外とちっこいっていうのがわかってくる。

 

鎖場も出てくるけど、登りは使う必要ほとんどなし。難所と言えるようなところはほとんどなくて、思っていたほど難しくはない道が続きます。

 

急登なので、あっという間に森林限界を越える。次のポイントは紀美子平と呼ばれる場所だけど、そこまでにもこういった開けた場所が所々にあるので、休憩ポイントにはあまり困らない。

 

森林限界を超えて目にする前穂高岳の懐。この岩の迫力がまた半端ない。

穂高岳は紛れもなく日本屈指の岩の殿堂。

 

結構登ってきたはずなのに、山頂はまだ見上げるほど高い位置にある。

城のように聳える山頂部の岩山、何か大ボスのように見下ろしてる感がカッコいいじゃないか!

 

相変わらず危険箇所と言えるようなところはないけど、この辺りからガレ岩が多くなってくるので落石発生させないようにやや神経質になって進む。

こういう場所に来ると、ヘルメットを付けているだけで安心感が違う。

 

岩だらけの登山道。常に前穂高岳から見下ろされてる感じで、威圧感がすごい……。

特に岩場苦手の自分にとっては、穂高岳界隈はやや敬遠していたエリアだから、この先どんな岩場が待っているのか結構ビビってた。

 

一般ルートでは行くことができない明神岳。あのギザギザの岩稜、クライマーにはたまらないルートなんだろうね。自分はおそらく一生行くことはないけども、もう少し岩慣れしたいとは思っている。

昔はこんなに岩場に苦手意識もなかったはずなのに、いつからか怖がりになってしまったんだ……

 

雷鳥広場というところまできた。ここまでが想像と違って楽な道だったんで、重太郎新道って思っていたほどでもないのかな、、と思い始めた頃。

山をなめてかかるのは良くないけど、重太郎新道については少し構えすぎだったかもしれない。危険ありとは言っても、別に破線ルートにもなってない一般登山道なわけだし。

 

その後も鎖場が続くけど、難しいところはほとんどなし。

前後に人はいたけど、みんなヒョイヒョイ登っていくので鎖場待ちの渋滞とかも全く発生してなかったです。

 

前穂高岳山頂にようやく近づいてきた。どっしりとした風格。

穂高岳の前衛と呼ぶにはあまりに大きくて、この山単体でも大ボス級の迫力あった。少なくとも奥穂高岳の手下なんてちっぽけな存在では全然なかった。半ばリハビリの練習用として選んでしまって、やや申し訳なくもある。

 

後を振り返ればいつでもこの景色。左に霞沢岳、右に焼岳。中央が乗鞍岳でさらにその奥に御嶽山も見えてくる。

上高地からの距離感が全く変わらないから、本当にひたすら上に登っているってことだな。

 

せっかくなので、岩慣れしてそうな人に先に行ってもらい、その人と同じように手足置いて登ってみる。

こういうのは真似して覚えていくに限る。

 

個人的には岩場の下りが滅法弱いから、そこら辺を良く見て学びたいところ。どうしてもぎこちなくなってしまうのが自分でも身にしみてわかっているから、もう少し上達させたいんだよな…

 

10時すぎ、紀美子平に到着。 ここは奥穂・前穂の分岐でもあり絶好の展望台でもあるポイント。

そこそこ広いので、たくさんの人が休憩していました。

 

目の前に見えるのがこの奥穂高岳の岩壁!この山をこれほど間近で眺めたのは初めて。

奥穂高岳と言えば北アルプスの中では標高No1の名峰。これまで何度か登ろうと計画はしたけど、いずれも悪天候で断念しつつ、岩場が苦手なのでそこまで登る意欲もなく、なかなか縁のなかった山。

この時点では時間的にも余裕があったので、前穂高岳に登ってから奥穂高岳に登るのもありかと思ってた。(結局登らなかったけど…)

 

とりあえずまずは今回の目的でもある前穂高岳へ。登り30分、ほとんどの人が荷物デポってアタックしてたので、それに倣って軽身で登る。

 

この先もひたすら岩場だけど、特に難しいところはなかったです。目印も親切なほどついているのでそれに従えば何ら問題なし。

 

何度振り返って見ても上高地からの距離感が変わらないあたりは、いかに標高だけを上げているかがわかる。実際、久しぶりの登山ということもあって、若干足がプルプルし始めた時間帯。

 

岩だらけの道。稜線好きの自分にとっては危険を伴う岩場は苦手ジャンルではあったけど、この重太郎新道を選択したのは意外と良かったのかもしれない。

こんな僕でも、終始楽しんで登れました。

 

前穂高岳山頂手前から眺める八ヶ岳。写真には映っていないけど、富士山も薄ら見えてました。

 

山頂直下だけやや順番待ちしたけど、土曜の割にはほとんど立ち止まることなく登ってこれた。

重太郎新道は上高地界隈の標準ルートの中では比較的登山者が少ないのかもしれない。

 

10時50分、前穂高岳山頂に到着。登りの所要時間は約5時間。

急登続きだったので、結構疲れました。

 

標高3090mの前穂高岳の標識。山頂は思っていた以上に広くて、色々と歩き回れる。

 

まず何よりも目を惹くのが、この奥穂高岳の展望。迫力ありすぎ!

目の前にどっしりと構えた岩の殿堂、その風格をまざまざと見せつけられます。

 

山頂を北側の絶壁まで移動してみると見えるのがこの展望。正面奥に槍ヶ岳、眼下には涸沢カールを見ることができます。対面にはGWに登った北穂高岳も。あの時は一面雪だったけど、9月になってもなお、わずかに残ってる。

涸沢と言えばやっぱり紅葉。この時は漠然としか思っていなかったけども、この2週間後、紅葉登山として涸沢に訪れることになりました。少し後になるけど、その山行についても後々書きたいと思います。

 

北アルプスのシンボル、槍ヶ岳。槍ヶ岳もいいけど、個人的に目を惹かれたのが、その右奥に見えた真っ白な山。これはおそらく野口五郎岳かな?さらに奥は薬師岳ですかね?

目を凝らすと裏銀座方面の山も色々と見えました。

 

こちらは表銀座の山たち。表銀座については去年のGWに歩いて死ぬ思いをしたのが良い思い出。

個人的には大天井岳が大好きです。

 

下を見れば横尾山荘が見えました。涸沢までのアプローチとしてはあの横尾までの平坦な沢沿い歩きが長いので、この重太郎新道はある意味ではショートカットコース。上高地バスターミナルからすぐに登りはじめらえるって言うのは良かったです。

ただ、個人的には梓川の脇を歩いて行く横尾までの道が割と好きなので、あの道もそこまで苦ではない。

 

登ってくる途中に何度も眺めた南側の展望。焼岳にとにかく登りたくなった。

霞沢岳はこの界隈の山の中では一番地味な印象で、まだそこまで惹かれてはいない。山としての魅力を最大限に感じるなら、歴史ある島々谷から徳本峠までの古道を歩くべきなんだろうけど、、、登るとしたら上高地からになるかな(^^;

 

この日は全国的に天気が良くて、東側には八ヶ岳や南アルプスも見渡せました。

この前穂高岳、北アルプスはもとよりアルプス全域、八ヶ岳エリアに至るまでの絶好の展望台になっています。日帰り登山としてもちょうどいいくらいのコースタイムで、このお手頃感がかなり気に入ってしまった。

 

槍ヶ岳を望む岳人たち。岳人オーラ出てたので勝手に撮らせてもらいました。

何となく穂高岳に登っている人たちは、みんなレベル高く見えてしまう。

 

何度見てもこの奥穂高岳の眺めは圧巻!切り立った断崖は見ている分には迫力あるけど、実際登るとなると辛いんだろうね。。

紀美子平から吊尾根を経て奥穂高岳へ登るルートを眺めたけど、上から見るとより一層岩の急斜面が続くように見える。あれ、結構疲れそう。。。

この後、奥穂高岳も登るか登らないか少し悩んだけど、腰を落ち着かせたらこの山頂から動きたくなかったので、結局このまま休んで降りることにしました。足もプルプル言い始めてたし。

今回もスルーの奥穂高岳。つくづく縁のない山だな…(笑)

 

40分くらい居座ってゆっくり展望楽しんで下山。下りはやや慎重に。滑落の危険はほとんどないけど、浮石あって落石発生させている人もいたので、それだけ要注意。

少し登頂が早かったからなのか、下山の方がすれ違い多くて立ち止まるシーンが多かったです。

 

紀美子平に戻ってきて、ここでもゆっくり昼休み。奥穂高岳へは行かないことにしたので、一気に時間に余裕が持てた。

大半の人は奥穂高岳方面へ向かって、山荘やテント場で一泊するようです。自分も本当ならそれをしたかったんだけど、この翌日が大荒れの天気予報で、久しぶりのテント泊でそれは無茶だと思ったので日帰りにしました。

たぶんテント泊装備で登ってきたら身体ボロボロだったから、翌日の悪天には救われた感じ。日帰りで良かったです。

 

何度となく眺めた奥穂高岳へ別れを告げて下山。前穂高岳の展望、本当に素晴らしかったです!

前穂高という山がどんなもんか知れただけで十分収穫あった。

 

下りは鎖にもしっかりお世話になります。岩場苦手の真骨頂は下山のぎこちなさに現れるので、あまり見られたくはないところ。

幸い昼過ぎて重太郎新道を登ってくる人はあまりいなかったので、不格好なスローペースでも人様に迷惑かけることなく降りれました。

 

葉の色づきはまだだったけども、草紅葉はもう始まってました。

夏が終わり、秋を感じさせるシーン。

 

登ってきた道をひたすら戻る。問題なく下りれはしたんだけど、足のプルプル具合がすごくて「あっ!これ翌日ひどい筋肉痛になるわ…」って下山中に確信してた。

もし1泊2日なんてしてたら、2日目は生まれたての小鹿のようになってたと思う。

 

重太郎新道からの前穂高岳の姿もカッコよくて印象的な眺めでした。城のように立ちはだかる前穂高岳、奥穂の引き立て役なんかじゃなくて、これはこれで立派な山でした。

 

岳沢小屋を過ぎてからは樹林帯。まだここら辺は緑が綺麗な風景広がってます。

日差しも暑いので、体感的には真夏の登山と変わらない陽気。登りではそんなに水飲まなかったけど、下山で大量に消費した。

 

キノコ家族発見

 

15時、岳沢登山口まで下りてきた。あとは木道を歩いて上高地へ戻ります。

 

早朝とはまた違う景色に出会えるのが面白いところ。梓川の水はとにかく透き通っていて、周りの自然を取り巻いて美しい景観を造り出してる。

ここら辺の景色は、陽が昇って光が差し込む日中が特に綺麗。

 

朝は静かだった河童橋も、下りてきてみたらいつもと変わらぬ風景。観光客がたくさん押し寄せて賑やかでした。

それと、途中の五千尺ホテルで挙式あげてました。写真でしか見たことなかったけど、上高地で初めてウェディングドレスの花嫁を見れた。

どちら様か存じ上げないけど、おめでとうございますm(__)m

 

早朝とはまた雰囲気が違う、河童橋からの穂高連峰。毎回写真に撮ってしまうけど、梓川のエメラルドグリーンと穂高連峰の白い岩稜が何度見ても綺麗です。

 

15時30分、上高地バスターミナルに到着。

16時の松本直行便を狙っていたんだけど、すでに満席だったのでいつも通り新島々経由で帰りました。

 

こうして前穂高岳の日帰り登山が終了。

何かあっという間に過ぎた1日だったので、記事もいつもよりボリューム落として書いてみました。

 

体調不良が続く中でのリハビリ目的で登った前穂高岳だったけども、山頂からの展望は想像以上の絶景で良い意味で裏切られた山でしたよ。

 

北アルプスの色々な方面を眺められたけど、やっぱり心に残ったのはこの奥穂高岳の展望!岩々しい山の姿がとにかく大迫力で、岩の殿堂の神髄を見せつけられた。

 

心配していた体力もどうにか持ってくれて、結果的には多少巻けて往復10時間のトレッキング。日帰り登山としてはちょうどいいくらいのボリュームでした。重太郎新道も思っていたよりは難所もなくて、登りやすかったです。

ただ、やはり久しぶりの登山ということもあって下山中は足がプルプル言ってきて、そんなに余裕のある内容ではなかった。

案の定、このあと数日はひどい筋肉痛に襲われて、階段の上り下りがとにかく苦労した……。やっぱり1ヶ月も間が空くとここまで劣化するんだね。。。

身に染みてわかりました。

 

翌週のシルバーウィークに不安を残しつつも、素晴らしい展望に出会えて、これはこれで十分充実した山行でした。

上高地からのアプローチの良さと適度な岩場が楽しかったので、前穂高岳はまた時間があれば登りに来ようと思います。

 

そんなわけで、次はシルバーウィークの登山編。

出だしから命拾いするという波乱のスタートとなったお話を、この次書いて行こうと思います。

 

2015年夏山登山、これにて終了

 

 

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【日程】

2015年9月12日 快晴

【コースタイム】

上高地(5:40) — 岳沢登山口(6:00) — 岳沢小屋(7:30~8:00) — 紀美子平(10:15) — 前穂高岳(10:50~11:30) — 紀美子平(12:00) — 岳沢登山口(15:00) — 上高地(15:30)

 

 

 

朝日岳~雪倉岳(北アルプス) 蓮華温泉周回ルート テント泊紅葉登山

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2015年9月のシルバーウィークは北アルプスの朝日岳~雪倉岳を1泊2日でテント泊縦走してきました。

蓮華温泉を基点に五輪尾根~朝日岳~雪倉岳~白馬大池と巡る周回ルート。両山とも後立山連峰に属しており、朝日岳は三百名山、雪倉岳は二百名山とブランド力を持ち合わせていながらも、近くの白馬岳に人気が集中しているためか、比較的静かに山歩きが楽しめる山域。実際、シルバーウィークでありながらも、登山道はそこまで人もいなくてテント場も快適でした。

今年は例年よりも紅葉時期が早く、朝日岳と雪倉岳でも9月中旬にして紅葉登山を楽しむことができました。木道と湿原、穏やかな稜線、そこに広がる紅葉風景が予想以上に綺麗で、特に圧巻だったのが雪倉岳方面から見た白馬岳・旭岳の紅葉。大好きな白馬岳の裏の顔を見れた気がしました。

高山植物豊富な山域として有名ですが、紅葉時期もおすすめしたい山です。

 

紅葉の北アルプス、朝日岳・雪倉岳―――

 

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2015年の紅葉登山はシルバーウィークから始動。

1発目は北アルプスへ行ってきました。

、、、と言っても、もともとは北アルプスへ行くつもりなんか全くなくて、予定していたのは南アルプスの聖岳・光岳縦走。昨年、紅葉時期の連休に赤石岳~荒川三山を縦走して、静かで快適な山旅が楽しめたので、その時から決めていた山行でした。

出発は9/19土曜日。9/20~9/22の2泊3日で日曜日から登る予定だったので、駐車場がすでに満車になっていないか……、心配していたのはそれくらいだった。

久しぶりのテント泊で体力にやや不安もあったけど、一応前週の前穂高岳で負った筋肉痛も完治したし、ウィダー・アミノバイタル系ゼリー飲料も豊富に取りそろえたし、準備万端で後は出発するだけ。

 

そう思ってた矢先。事件が起こる……

 

出発間際に何気なくTwitterを見ていたら、飛び込んできた山岳ニュース。

 

南アルプス林道崩壊の道路情報。紛れもなく、数時間後に自分たちが通過する予定だった林道……。

右の写真は後日飯田市のHPにアップされたもので、この時はこれほど悲惨な崩壊になっているとは思ってなかったけど、割とひどい状況って言うのは入ってきた情報で何となくわかった。

 

残念ではあったけど、それよりもまず第一に思ったのが「危なかった……」というホッとした気持ち。崩壊に巻き込まれなかったのはもちろん、知らずに現地に行って足止め食らわずに済んだし、現地入りした後に崩壊が起こっていたら帰れなくなってただろうし、、、

直前で知れたのは助かった。

※すでに登山口まで入ってしまってる人たちはどうしたんだろ?って思ったけど、下山だけ何とか通行できるようにしたみたいです

 

そんなわけで、聖岳・光岳縦走が中止となり、急いでプランを練り直す。自分と同行者がこれまで行ってないところで行きたいところ、かつある程度予備知識があって急な変更でも対応できるところ……

そこで白羽の矢が立ったのが、今回の北アルプス朝日岳・雪倉岳だったってわけです。

 

こういう事情があって、南アルプスから北アルプスに変更してのシルバーウィーク登山となりました。

 

~~ 2015年9月20~21日 北アルプス朝日岳・雪倉岳 テント泊登山 ~~

出発がドタバタしつつも、聖岳・光岳縦走に比べると難易度も落ちるし、1泊2日で回れるルートにしたので、気持ちとしてはやや気楽にはなった。荷物もやや減らせたしね。

ただ、南アルプス以上に人気のある北アルプス。さぞ、混んでいるんだろうな……と思って現地入り。

 

案の定、登山口までの林道には路駐の列。。。

これは引き返して下から登りはじめないとダメかと思ったけど、運よく駐車場わきに1ヶ所空きがあったのでそこに停めることができました。土曜日帰りの人の空きスペースかな?休みを1日ずらした日曜入りが功を奏したのかもしれない。

 

朝日岳・雪倉岳の登山口の基点となるのが、ここ蓮華温泉。北アルプスでは珍しい新潟県からのスタートになります。

駐車場は70台ほど停めらえるスペースがありますが、こんな感じでビッシリ車が入ってました。恐るべき、シルバーウィーク……。

旅行会社の売り上げや渋滞予想なんか聞いても、ゴールデンウィークより混雑するのがシルバーウィークらしい。

 

蓮華温泉ロッジ。ここは露天風呂が開放的で秘湯感あふれおり、下山後に入らせてもらったので最後の方に軽く写真載せておきます。

スタートは少し遅めの7時半。1日目の行程は8時間程度なのでこの時間のスタートでも十分間に合う。

ただ、テント場も混雑が予想されるので、なるべく早く着きたいところ。

 

そんなわけで、蓮華温泉よりスタート。五輪尾根を登って朝日岳へと向かいます。

今回の同行者は、久しぶりのこの男。一緒に登るのはゴールデンウィーク以来か。

 

スタートして少しして開ける場所が兵馬ノ平の湿原。急遽変更になったプランなので紅葉状況とか調べてなかったけど、ここの草紅葉と山の上の方の色づき具合を見て、にわかに紅葉登山になることへの期待が高まった。

登山道については、蓮華温泉からスタートする場合はしばらくは下り坂になります。それも少しとかではなく、不安になるくらい結構下ります。逆ルートで歩く場合は最後に登り返しが待ってるってことなのでご注意を。

 

とげとげのない栗発見。

 

しばらく歩いて白高地沢の橋に到着。こんな感じの立派な橋が架けられた場所で、ここまでが基本的に下り。蓮華温泉から200mは下ったはず。

この先はひたすら登りになります。

 

キャンプできるほど広い河原。石のテーブルも用意されていたので、急登前に休憩するにはちょうどいい場所。

 

登り開始。まずはカモシカ坂と呼ばれる急坂を登る。

今年の夏は残暑がなかったとはいえ、9月中旬のこの時期はまだ日中は蒸し暑い。日差しがないのがやや助かっているけど、テント泊装備での登山が2ヶ月前の白山~別山縦走以来なもんで、身体が重いよ……。

 

ここら辺は樹林帯の中をひたすら登っているので省略。晴れ予報のはずが青空も消え、やや気持ちが沈んでいた時間帯。

 

そんな気持ちは紅葉に少しだけ救われた。登っていると面白いように葉が色づき始めてくる。

中盤でこれだけの紅葉が見られるとは良い意味で想定外。山頂付近がどうなっているのか期待せずにはいられなかった。

 

花園三角点を越えたところの湿原。道は急坂も終わって展望いい五輪高原に入っていく。

登り終わってひと段落したところで、この草紅葉。ちょうど雲の中に入ってしまったのは残念すぎるけど、心地よい景色でした。

ただ、青空がほしい!

 

青ザクと呼ばれるポイントも通過。ここら辺は展望がほとんどなかったので休憩なしで進む。

ここまで来ると道もさらに緩くなって余裕が出てきます。

 

ピンクの猫じゃらし、カライトソウの群生。季節は紅葉時期に入っているけど、遅咲きの花がまだ多く咲いてました。

 

アヤメ

 

トリカブト

 

ミヤマアケボノソウ。数はそこまで多くはなかったけど、この黒い花がインパクトあって目を惹かれた。

紅葉時期でこれだけの種類の花が咲いているので、初夏の時期はもの凄い花の宝庫になっていそうな五輪高原。もともと夏に来る予定だった場所でもあるので、早くも再訪決定の予感…!

 

そんな感じで花を愛でながら進んでいると、ようやくガスが切れてきて薄ら青空が見えてきた。

ちょうど五輪の森を抜けたあたり。五輪尾根、五輪高原、五輪の森、五輪山……、ここら辺の地名は五輪ずくしだけど、オリンピックとはおそらく何の関係もないはず。オリンピックイヤーにゲン担ぎに登りに来るのはありだな( ̄▽ ̄)

 

このガスの中から飛び出る瞬間というのは、最高に気持ちが昂る!

この後に待っている風景は当然決まっていて、、、

 

何度見ても感動を約束してくれる雲海!雲の上に出るのはそれだけで気分がいい。

蓮華温泉からここまで結構省略しているけど、すでに6時間ほど登ってきてます。なかなか展望が得られなかった分、この爽快な青空が気持ちよかった。さっきまでしつこく邪魔していた雲を見下すのも痛快!

 

どんな景色も青空の下では一層映える。紅葉が先ほどまでとは比べ物にならないほど華やかに見えました。

 

穏やかな景色に木道敷かれた散策路。一転して天国のような風景!これは堪らなかった。

特にここら辺がちょうど紅葉も見ごろを迎えていて、タイミング良かった。赤、黄、緑とバランスよく彩られているがまた風情あります。

 

小さい沢も流れて、ここもまた山の上の楽園。ガスの中からこの景色に飛び込んできたので余計に感動できたんだと思う。本当にのどかな雰囲気広がってました。

草原のような緑豊かな眺めは、良い意味で北アルプスらしくない。山域としては北アルプスに属しているけど、雰囲気はどちらかというと上信越に近い印象でした。

 

広い穏やかな風景。蓮華温泉からすでに10km歩いてきているけど、疲れを忘れさせてくれる。

夏はお花畑が一面に広がっているのが、容易に想像できる高原でした。

 

ミヤマリンドウもまだ咲き残ってました。

 

秋の代表的な花の1つ、チングルマの穂。今年は初夏の時期からチングルマにはお世話になりましたm(__)m

花はとっくに終わってるけど、風になびく穂も十分に見ごたえあります。

 

雄大な湿原から山頂へ通じる木道路。1日目のハイライトシーンは間違いなくここ。

ガスが取れて徐々に朝日岳が現れるシーンは、演出されているかのような移り変わり。木道っていうのも北アルプスじゃ割と珍しいと思う。

 

振り返って見る紅葉がまた素晴らしい。朝日岳は標高2500mもないので、北アルプスの中ではかなり低いほう。ただ、低いかわりに山頂付近まで草木が豊富なので、こうして葉が色づくとひときわ綺麗。特にこの時期は色のバランスがちょうどいい。

北アルプスの中でも紅葉の名所の1つと言えるはず!

 

13時40分、吹上のコルに到着。山頂まで残り1時間の地点。

でも個人的には、山頂よりも興味を引かれる道があって……

 

ここは栂海新道との合流場所。

栂海新道(つがみしんどう)、この道は北アルプスで唯一日本海へと通じるルート。海抜0メートルまで下るのは相当大変で時間もかかるけど、最後に海にダイブできるってのは素敵じゃないか。

8月に猿倉あたりから入って、白馬岳~雪倉岳~朝日岳~栂海新道~日本海(親不知)へ抜ける大縦走は計画はしてたんだけど、長期の体調不良でとても歩けるとは思えず、結局夢見るだけに終わったプラン。

少し残念だったけど、この夏やり残したことと言えばこれくらい。来年以降の楽しみに取っておくってことで、今回は雪倉~朝日のルートをみっちり下見しておく。

 

こちらは朝日池。 道がないのでこれ以上近づくことはできないけれど、ここの周りも紅葉が綺麗でした。

 

山頂へ最後の登り。先ほどまでの木道とは一変して、火山のような出で立ち。

 

雲の上の稜線。秋らしい色づきは夏とはまた違う魅力がある。

 

雲の上で紅葉を楽しめるってのも、なかなかないと思う。

朝日岳へ登る途中の五輪山あたりの紅葉は本当に綺麗でした。

 

序盤の五輪尾根に比べたらはるかに楽な道。山頂までは展望楽しみながら、優雅な稜線ハイク楽しめます。

まさきと話していて思ったんだけど、さっきの吹上のコルから山頂へ向かう道、どことなく北海道の大雪山を思わせる感じがありました。火山系の砂地もありながら、植生もあるところが似ていたんだと思う。

 

14時15分、朝日岳山頂に到着。

標高2418m。北アルプスの中では大して高くない山なのに、7時間の長丁場。えらく長く感じた……。

アップダウンも多少はあったけど、そこまで登り返しがあったわけでもないので、おそらく距離が長かったんだろうね。(もしくは体力が衰えただけか……)

地図に書いてある通り、標高差の割には時間かかりました。

 

ダイナミックな雲の動き。

山頂の周囲が雲に囲まれて、邪魔な存在ではあったけど、これはこれで迫力ある眺めでもありました。

 

雲に囲まれながらも、首を伸ばすように顔をのぞかせてくれたのが白馬岳。

周囲の山で見えたのはこれくらいで、他は雲に隠れて見えませんでした。だからこそ、みんなしっかりと白馬の姿を眺めてたな。

 

こちらは歩いてきた稜線。緑の中に色づいた樹がとにかく綺麗で、ここは本当に紅葉の隠れた名所だと思った。

それを雲の上で見れるというのがまたいい。

 

山頂がガスに覆われることはなかったけど、周囲を取り巻く雲がどきそうになかったので朝日小屋へ向かうことに。

シルバーウィークでテント場の混み具合も心配だったしね。早めに場所を確保したかった。

 

朝日小屋への下山路。40分ほどで小屋へ着く道のりだったけど、ここも湿原のような静かな場所で紅葉も綺麗でした。

 

尾根伝いに敷かれた木道。その先に、本日泊まる朝日小屋が見えてきた。

 

15時15分、朝日小屋に到着。しつこいように感じた雲も、徐々に消えていってくれて、小屋にも日差しが照り付けてました。

風もなくて暖かいので、ベンチでみんなビール飲んでた。

 

こちらがテント場。16時近くになってもまだそこそこ空きがある感じでした。

ここのテント場はフラットで快適。シルバーウィークでさえそこまで窮屈な感じはせずに、場所も余裕で確保できた。

ただ、それでも少しキャパオーバーだったのか、テント場の水道は陽が暮れる頃には切れて出なくなってました。

 

テント張って場所を無事に確保した後は、とりあえず乾杯!ソロで登っているときは飲む気もしないビールだけど、人と一緒に登るとやはり飲みたくなる。

 

テント場から見る、朝日岳の紅葉。まだピークではなかったけども、この色づき具合が夏山の終わり、そして紅葉登山のスタートを感じさせてくれた。

 

この2日前が自分の誕生日だったので、まさき特製のステーキ、御馳走になりました!

ありがとさん!山で食う肉は格別や~。白いご飯を持ってこなかったことを激しく後悔した…

 

17時を過ぎると、陽も徐々に傾き始めて夕暮れの時刻。陽が暮れるのもだいぶ早くなったなー

雲も下にどいてくれて、綺麗な夕焼け見ることができました。

 

朝日岳のアーベントロート

紅葉も合わさって、山肌がオレンジ色に染まる。

 

ずっと見えなかった白馬岳の稜線も見事に見えました。

白馬岳大好きと言っておきながら、3年ぶりの白馬岳。今回はあの頂に踏むことはなかったけど、やっぱり見ているだけでそそられる稜線と山肌。雪倉岳は初登頂になるので、それも楽しみ。

 

こちらは日本海側。雲海の下に本当の海が広がっています。

 

17時45分、日没を迎える。この日は夜になるにつれて天気も回復。陽が暮れてからの星空も綺麗でした。

 

テント場からの星空。天の川も綺麗に見えてる。

撮影者は自分じゃなくてまさき。これを明記しておかないと後で怒られるんでね…( ̄▽ ̄;)

一眼レフじゃなくてもこれくらい綺麗に撮れるもんなんだな。この翌週はソロテント泊の予定だから、その時に星空撮影も頑張ってみる。

 

夜は風もなくてそれほど寒くもなく、特別着こんだりせずに寝ることができました。

 

迎えた翌朝。5時すぎになると空が淡く紫色に染まってきた。

今日の行程はここから雪倉岳を登って白馬大池、蓮華温泉へと下山するルート。10時間は超える道のりなので5時半に出発。

 

 

雪倉岳へは水平道を行きます。

しばらくは山の西側を歩いて行くので、陰になって太陽は見れない。テント場も同じで、朝日岳に登らないとご来光は見れません。

 

この日もやや雲の多い1日。それでも明け方は剱岳や立山を見ることができました。

 

水平道の紅葉も綺麗。奥には白馬岳。

 

地図にも書いてあるけど、水平道と行っておきながら道は細かいアップダウンの連続。全然水平なんかじゃない(笑)

やや道が狭い所もあって、そこそこ疲れます。

 

木道が出てきたら、しばらくは快適な散策路。目の前に雪倉岳と白馬岳が見えるいい道です。

 

ようやく見れた朝日!

陽の光に輝く空と池塘。ここもまたいい景色。

 

下から見上げる朝日岳。山頂付近の紅葉が綺麗でした。

朝日岳を見れたのはこの瞬間だけで、この後はすぐに雲に覆われて見えなくなってしまいました。標高が低いから、簡単に雲に飲み込まれてしまうのか…

 

朝日岳直登コースとの分岐も過ぎて雪倉岳へと向かう。

テント場からしばらく山の陰を歩いてきたので道も暗かったけど、日差しも浴びれて身体も目が覚めてくる。陽が当たればまだ半袖で歩ける気温。

 

夏はお花畑になる湿原。草紅葉がいい感じに色づいてます。

朝日岳~雪倉岳は木道が多くて歩きやすい。

 

真横に突然現れた巨大な岩、燕岩

この岩を過ぎると、いよいよ雪倉岳への本格的な登りが始まります。

 

テーブルマウンテンに見える山は雪倉岳ではなく、山頂はそのさらに奥。ここからだと見えない。

なかなかの標高差ありそうだけど、ここから稜線に出れるので展望が一気に開けるところ。

 

稜線に出ると風がなかなか強くて斜面も急になってきたけど、景色は良好。

 

この稜線なんかは、いかにも上信越のトレイルといった感じ。 単に岩が少ないからだろうけど、良い意味で北アルプスっぽさがなかった。

 

北アルプスの中でも限りなく北に位置する朝日岳・雪倉岳。北アルプス山域よりも、妙高・火打エリアの山の方が近くて良く見えました。

 

おそらく名前もついてない雪倉岳の優美なカール。

9月中旬でも残っている雪。全て融けることなく、今年の雪がもう間もなく降り始める季節。

 

迫りくる雲との追いかけっこ。雲が湧き上がるスピードが物凄く速い。

この日も雲の上の稜線ハイクとなりました。

 

 

雪倉岳の稜線も雲の通り道。さわやかミストで、突っ切るときはひんやりする。

 

風が強いので、雲が切れるのも早い。

燕岩からずっと登りが続いたけど、山頂ももうすぐ。

 

ハート型の雪倉池。近寄ることはできないけど、この池の周りも紅葉が素晴らしく綺麗でした。

朝日岳に朝日池、雪倉岳に雪倉池、白馬岳に白馬大池。ここら辺は水がすこぶる豊富なようで、山と池がセットになってるな。

 

山頂まで天気が持つか微妙なところ…。写真では見切れているけど、右側から大量の雲が押し寄せてきてました。

 

8時50分、雪倉岳山頂に到着。

だいぶ雲が押し寄せてきてたけど、取れそうな気配もあったので少しだけ粘ってみることにした。

 

雲に包まれながらも、瞬間的に晴れて白馬岳を見ることもできた。

写真を撮るタイミングが難しくて、本当に一瞬。

もう無理だろ、と思って下山しようとしたらいきなり晴れたので急いで戻ったりと、、、雪倉岳におちょくられている感じだったな(笑)

 

まだ先が長いので30分ほど粘って下山。この時間になると雪倉岳もすっかり雲に覆われてしまいました。

予報では午前中は天気良いと思ってたんだけど、崩れるのが早かったな。。。この後も天気の回復は見込めないと思ってたので、このまま終わるのもやや不完全燃焼だから、白馬岳あたりでもう1泊しようかなんて話してた。この時は…。

 

雪倉岳避難小屋は完全にガスの中。

小屋の中を覗いてみたけど、結構広くて綺麗でした。「非常時のみ利用のこと」と書かれているけど、立地条件が良いからここに泊まる人多そう。

ここにテント場があれば!なんて思ってる人も多いはず。

 

晴れていればここも素晴らしい道なんだろうけど、あいにく視界がゼロなので、チングルマの群生を見て楽しむ。

道も平坦で広々しているので、おそらく自分が大好きになれそうな道。天気が惜しすぎるので、初夏の時期にでも再訪したいところかな。

 

白馬岳に近づくにつれて、登山道の紅葉も再び綺麗に見えてきた。

 

さらに、予報に反して天気が回復してきた。

不完全燃焼だからもう1泊と考えていたけど、次の瞬間にそれが覆った。

 

突然現れた2つの山。白馬岳と旭岳の絶景ポイント。

 

特に目を奪われたのがこの旭岳(あさひだけ)。尖がった山のシルエットがとてもカッコよかった。白馬岳の脇にひっそりと立っているのであまり意識されないけど、こちら側から見ると白馬岳以上に存在感のある山。

白い山肌と紅葉の色づきも最高に綺麗でした。

 

白馬岳も紅葉が見ごろを迎えていた。北アルプスの紅葉はもう1,2週間後だと思っていたから、紅葉登山になったのは良い意味で誤算。

本当なら南アルプスに行きたかったけど、紅葉が見れたという点では北アルプスに変更して正解だったと思う。

 

白馬岳に近づくにつれて、稜線も白砂になってくる。北アルプス感がようやく出てきた感じ。

 

後には鉢ヶ岳。あの山に登る道はなく、右の斜面をトラバースするルートになっています。

 

この旅のハイライトは間違いなくこのシーン。

白馬岳の裏の顔。雪倉岳方面から歩いてこないと見れない景色がこれほど素晴らしいものだとは思わなかった。

最後に起死回生の絶景を見せてくれた白馬岳。憧れの山への想いは余計に強くなったぞ!

 

次に白馬岳に登ったら、この旭岳もしっかり見ようと思う。今回は完全にこの山が主役でした。

読みが同じ1日目の朝日岳も、残念ながらこちらの旭岳に持っていかれてしまった感じがする。

欲を言えばもう少し青空がほしかったけど、これだけでも大満足。雲の演出が神々しさを感じられたし。

 

ここにもあった池。長池と呼ばれる池で、道はないはずだけど登山道らしき道が伸びてました。

地図に書かれている池の形って、意外と実物に忠実なんだと思った。地図の通り、盾のような面白い形してました。

 

白馬岳に向かうまでの稜線は基本的に登りになるけど、人が少なくてのんびり歩けたのが良かった。久しぶりの重装備でかなりバテてたんでね……

 

何度も振り返ってしまう旭岳。最後にいいもの見せてくれてありがとうございました。

三国境の分岐から30分くらい歩けば見れる景色なので、雪倉岳に登らなくても時間があればぜひ立ち寄ってほしいところ。

 

もう1泊する予定だったけど、起死回生の絶景を見れたのでもう思い残すこともなし!

白馬岳のピークは踏んでも良かったけど、山頂はガスって登っても大した意味はないので行きませんでした。

そういうわけで、白馬大池方面へ歩を進める。

 

白馬岳の稜線に合流。3年ぶりの場所。

テント泊も始めたてで、北アルプスも焼岳、燕岳くらいしか登ったことのなかった初々しきあの頃の記憶がよみがえる。

 

【2012年7月27日~28日 夏の白馬岳テント泊登山】

(記録) http://bluesky.rash.jp/blog/hiking/shiroumadake1.html

初めての雪渓、初めての稜線、初めての雷鳥。北アルプスでのテント泊もこの時が初めてで、目にする全ての景色に感動したのを覚えてる。雪が残ったこの稜線も最高に綺麗で、3年経った今でも色あせない思い出。

この感動もあって、今でも白馬岳が北アルプスの中で一番好きな山になってる。一番好きと言っておきながら、ピーク自体はまだ1回しか踏んだことがないけどね!(笑)

 

さすが人気の白馬岳。昼を過ぎてあいにくの空模様だけど、どんどん人が登ってくる。

青空の下でいつかまたこの稜線は歩きたいねぇ…。それと可能なら3月、4月あたりの雪が積もった時期にもここは歩いてみたい。冬山をそこまで深くはするつもりはないけど、この白馬岳の稜線を歩くことはささやかな夢。

 

ガスった時に現れる天使と言えば、この子。初めて見た雷鳥がこの白馬岳だったから、今回もきっと出てきてくれるだろうと思ってたけど、登山道のど真ん中に太々しくおりました。

冬の白毛が生えてきてた。この子の姿の変わり具合からも季節の流れを感じられる。

 

白馬大池。これまで見た池とは比べ物にならないほど大きい池。

ここも3年ぶり。前に来たときは池の周りにチングルマが咲き誇っていたのを覚えている。今回は草紅葉が広がっていました。

 

14時前に白馬大池山荘に到着。途中、1泊するつもりでゆっくり歩いたから、明るいうちに下りれるかやや心配だったけど、全然余裕でした。

ここのテント場も池のほとりという最高のロケーションだから、一度は泊まってみたいところ。

 

白馬大池から蓮華温泉方面へ下山。栂池からの道がメインルートだから、こっちから登ってくる人はほとんどいなかったけど、道は登山口までしっかりと整備されてます。

 

チングルマの群生。花の楽園白馬岳は秋に来ても十分に見どころあふれる山でした。

 

この下山路は天狗の庭近辺の紅葉が綺麗でした。そこから下は単調な道だったので省略。

白馬大池からそれほど長くは感じない道でした。

 

蓮華温泉まで残りわずかというところで露天風呂発見(笑)

黄金湯」。登山道のすぐ脇にありました。

 

せっかく山の奥の温泉まで来たので、自分たちも入って帰ることに。(※日帰り入浴は16時まで。露天風呂のみなら500円)

蓮華温泉ロッジには内湯しかなくて、露天風呂はこんな感じで外に点在しているので歩いて登らないといけません。先ほど下山中に見た黄金湯もその1つ。

 

とりあえず一番上の火山噴気帯近くまで行ってみる。

 

仙気ノ湯。これぞ開放感抜群の究極の露天風呂!脱衣所や洗い場なんて一切なし。本当の秘湯。(もちろん混浴)

下ノ廊下を歩いた時に入った阿曽原温泉も野天風呂で開放感あったけど、ここはさらにその上を行ってました。

少し上の薬師湯は混んでたようなのでここにずっと入ってたけど、広さと湯温はここが一番ちょうどいいみたいです。少ししたらここも混んできたけど、いい湯でした。

女性は入るなら水着持ってきた方が良さそう。

 

こうして最後に風呂も楽しんで、今回の旅は終了。突然変更になったプランだったけど、何だかんだうまく行って良かった。

駐車場は相変わらず満車で、林道の路駐はさらに下まで続いていました。

 

帰りに立ち寄ったお食事処がコスパ最強だったのでご紹介。

白馬駅近くの「絵夢」という定食屋さん。

 

チキンカツ定食。なぜか半ラーメンがつく上に、「半」とは言えないほどの量です。

これで確か850円。ボリューム満点でこの安さ。登山後にガッツリ行きたい時におすすめしておきます。

 

 

こんな感じで北アルプス朝日岳~雪倉岳を周ってきました。

冒頭にも書いたけども、本来なら南アルプスの聖岳・光岳を縦走しているはずだったシルバーウィーク。出だしから命拾いして予定変更を迫られるというヒヤヒヤのスタートになったけども、代替案としては大成功だったのではないかなと。

全く期待してなかった紅葉もすでに見ごろを迎えていたし、朝日岳~雪倉岳にかけての稜線と木道、湿原は上信越の山の雰囲気に近いものがあって、これまでの北アルプスとは一味違う楽しさがありました。

心配していたテント場の混雑もなく、登山道も空いていて普段と変わらぬ山歩きができたのも良かった。

 

色々と印象的な風景はあったけど、今回の旅のベストシーンを選ぶとしたらやっぱり雪倉岳から白馬岳に向かう途中で見たこの景色。

この白馬岳と旭岳が造り出す世界観はなかなか言葉では伝えられないけど、 紅葉も合わさって心に残る景色でした。ガスから一転してこの景色が広がったので、余計にインパクトが大きかったのもあると思うけど、旭岳の秀麗な姿にはとにかく感動しました。

白馬岳の裏の顔を見れた気がして嬉しかったです。これだけでも今回のルートを歩いた価値は大いにありました。

 

朝日岳と雪倉岳、北アルプスの北端にある山なので、アクセス面でもなかなか行きづらい山域ではあるけれど、湿原とお花畑、木道と稜線が特徴的な山です。自分みたいに岩場が苦手なタイプはかなり好きになれると思うので、ぜひそんな方は行ってみてください。

 

2015年秋の紅葉登山第1弾。北アルプスの朝日岳~雪倉岳でした。

 

シルバーウィークはもう1ヶ所山登りしてきたので、それも追々書いて行こうと思います。

 

 

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【日程】

2015年9月20日~21日

【コースタイム】

・1日目

蓮華温泉(7:30) — 花園三角点(11:00) — 吹上のコル(13:40) — 朝日岳(14:15~14:40) — 朝日小屋泊(15:15)

・2日目

朝日小屋(5:30) — 燕岩(7:00) — 雪倉岳(8:50~9:20) — 小蓮華山(12:30) — 白馬大池(13:40) — 蓮華温泉(15:30)

 

 

 

栗駒山(東北) 秋の紅葉登山 ~~山を真っ赤に染める日本屈指の紅葉~~

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国内屈指とも言える紅葉の山、東北の栗駒山へ行ってきました。

他の山よりも紅葉時期が一足早く、9月下旬には見ごろを迎える栗駒山。今年はさらに例年よりも色づきのペースが速かったようで、9月の連休ですでに山頂部はピークを迎えていました。

そこまで大きい山ではないですが、登山ルートが豊富に用意されており、今回は公共交通利用の利点を生かして登山口と下山口を真逆に設定。中央コースから登って須川コースへ降りるという、南から北への縦断ルートにしました。

中央コースは栗駒山の中でも最も山肌が紅く染まっていた場所で、登山道から見える華やかな色づきにひたすら感動!これまでの登山では見たことがないほどの紅葉風景が広がっていました。

須川コースは地獄谷や昭和湖、湿原の草紅葉といった活火山特有の景観が広がって、栗駒山本来の姿を見ることができたルート。中央コースとはまた違う面白さがありました。

下山後の須川温泉も楽しめて、短い時間ながら変化に富んだ景色で錦秋を大いに満喫できた山旅。電車・バスを利用していくのであれば、このルートはオススメです。

 

錦秋、東北の栗駒山―――

 

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前回の朝日岳~雪倉岳の登山が終わった直後からのお話し。

例年、9月下旬から10月上旬に紅葉の見ごろを迎えると聞いていたので、もともとはシルバーウィークの翌週、9月27日あたりに行くつもりで考えていた栗駒山の紅葉登山。

年によって紅葉の時期が多少ずれるのは当たり前のことなので、事前の紅葉状況確認ということで、雪倉岳下山後の帰り道に栗駒山を調べていたところ、、、

何とすでに山頂部はピークを迎えているらしい…?!

しかも予定してた9月最終週の週末が低気圧到来で、天気がどうにも悪いとのことで、、、

 

前回の記録にも書いた通り、もともと2泊3日で南アルプスを縦走する予定だったシルバーウィーク。それが予定変更で1泊2日の北アルプスになったので、シルバーウィークに一応空き日が1日あった。

ということで、連休の最終日にやや強行で栗駒山の日帰り登山をねじ込んでやりました。

 

日帰りでの東北の旅はやや勿体ない気もしたけど、東北の山にはこれまで裏切られたことがないので、行けば満足できるだろうと思って行ってみた。

 

そしたら、やっぱり満足できた(笑)

まだ秋はこれからという時期に、一足先に錦秋に浸ることができた旅となりました。

 

そんなわけでシルバーウィーク第2弾、東北の栗駒山へ。

 

~~ 2015年9月23日 栗駒山紅葉登山 ~~

岩手県、宮城県、秋田県の3県にまたがる栗駒山。今回は電車・バスの公共交通手段を使ったので、その特権を生かして登山口と下山口を全く別のところに設定。宮城側の中央コースから登って、須川コースを使って岩手県へと下りました。

中央コースは栗駒山の中でも最短で登れるルートで、なおかつ山肌が最も紅く染まる場所。対して須川コースは、栗駒山の活火山の面影を存分に感じられる道で、昭和湖や地獄谷、ゼッタ沢など、中央コースにはない魅力が詰まっているルート。

栗駒山の2大王道ルートを一気に歩けるので、バスを利用しての登山としてはかなりオススメです。

 

栗駒山までの行き方としては、まず仙台まで夜行バスで移動。シルバーウィークも最終日だし、仙台行きのバスは本数が多いので楽に取れるだろうと思っていたら、ギリギリの残席でやや焦った。

そして、実際にバス乗り場に行ってみたらもっと焦った……。やたら若い女の子が多いこと多いこと。

何でこんなことになっているのか「???」だったけど、何気なく飛び込んできた会話を耳にしてすぐに理解した……。

 

連休中、仙台で嵐のコンサートやってるんだったっっ; ̄ロ ̄)!!

(しかも華の最終日じゃん…)

 

スノボーのツアーバスみたいにうるさくなるのかと思ったけど、幸い車内は静かなもんで、いつも通りの夜行バス快眠スキルを発揮して無事に仙台に到着。

盛岡駅へは登山で何度も行ってるけど、仙台に降り立ったのはこれが初めて。ここからくりこま高原へ行く始発列車まで時間があるので、朝ごはん食べつつ駅前をブラブラ。ここで何気なく立ち寄った券売機で帰りの新幹線チケットが取れたのは、後々考えると運が良かった。

 

電車移動して仙台から数駅隣のくりこま高原駅に到着。ここから紅葉のシーズン中だけ「栗駒山紅葉号」という臨時バスが出ています。

ただ、そのバスの時間が結構遅くて、それに乗ろうとすると登山口に着くのが10時20分になってしまいます。これだと行動時間が少なくなる。(それに、そもそもシルバーウィーク中はまだ紅葉号は運行してなかった)

なので始発列車に乗ってきたらタクシー使うしかない。バスよりは割高だけど、紅葉シーズンであれば同じこと考えているハイカーがいるはずなので、駅で相乗り募って行くのが賢いやり方。

タクシーは駅前にたくさん停まっていたので、予約とかはする必要なさそうです。

 

こうして8時に宮城県側の登山口、いわかがみ平に到着。タクシーの恩恵あって、バスに比べたら2時間以上早くスタートできる。

朝早かったからなのか、連休最終日だったからなのか、駐車場はまだ空きもあって思っていたよりは静かなもんでした。

 

駐車場から見える栗駒山山頂。いきなり真っ赤に染まった山肌を見せつけてくる。

ここまで目に見えて赤いのはかなり珍しい。というか、これまで見たことがないと思う。早くも栗駒山への期待が高まった瞬間だったな。

 

早速登山開始。中央コースは栗駒山の中でも最短ルートで、普通に歩けば1時間半で登頂できちゃいます。道も写真のような石畳が続くので、何ら難所もなし。もう1つ、東栗駒コースというのもあって気になっていたんだけど、まずは王道ルートということでこっちにしました。

時間を気にせず、紅葉愛でながら進むにはちょうどいい。

 

紅葉は登山口からすでに始まっていた。ピークはまだ山頂部だけど、下の方は緑が混じっていたりもして、それはそれでまた違う綺麗さがあります。

 

意外にも、登山道脇には花が豊富に咲いてました。紅葉目的だったのに、序盤はむしろ花のほうが見ごたえあったくらい。

 

ナナカマドの実も豊富に実ってます。

 

中盤まではこのような石畳の緩やかな登りが続きます。両脇の色づきが徐々に深まっていくのが面白いところ。

今日は登山というよりも紅葉狩り。観光みたいなものなのでじっくり歩く。

 

樹に実るどんぐり。

この子も秋の訪れをひしひしと感じさせてくれる存在。

 

石畳が終わるあたりから、栗駒山の全容が見えるようになる。

山が色づいているのも一目瞭然。

 

一面真っ赤に染まっているところもあったり、緑や黄色の斑になっているところもあったり。

カラフルな花が咲いているようにさえ見えた素晴らしい紅葉!こんな景色、関東近隣じゃそう簡単に見れるもんじゃない。

 

真っ赤な絨毯の間を縫うように登山道が敷かれている。下山は須川コースを歩いたけど、色づきの良さで言えばここら辺が一番でした。

 

実際に歩いていると、両脇は草もあったり紅葉が背丈を越えているので、そこまで綺麗には見えない。

一段上から振り返って見てこそ、絶景が広がる。

 

こんな感じで。

これは本当にすごいよ…。写真で見ても十分綺麗だけど、生で見るとその数倍の感動は味わえる絶景。雑誌で見た以上の紅葉風景が目の前に広がっていました。

 

これほどの紅葉なのに、登山道に人が少ないのが不思議だった。最短ルートなのでもっと混んでいるかと思ったけど、実際は北側の須川コースから登る人の方が多いみたいです。

 

遠い紅葉は色がつぶれてうまく撮れない……。もともとカメラ技術もなくオート機能に頼っている身なので、紅葉は難しすぎるぜ…

見た感動の10分の1も伝わらない写真だけど、本当に華やかな紅葉が広がってるんです。

 

振り返って見る紅葉があまりに素晴らしいので、全然歩みが進まない。

紅葉が綺麗な山は他にもたくさんあるけど、ここまで赤が強い紅葉ってそんなに多くはない気がする。自分がこれまでに見た紅葉は、どちらかというと黄色メインの紅葉が多かったし。

 

依然として歩きやすい登山道。 毎度来るたびに思うけど、標高1500mに満たない標高でこの展望が待っているっていうのは、東北ならではの魅力。

やっぱり東北は期待を裏切らない。すでに来た甲斐が十分にあったと思えてます。

 

隣の東栗駒山方面には湿原が広がっていて、金色の草紅葉となってました。

東栗駒山経由のコースの方が登山としての面白味はありそうなので、次来るときはあちらを歩いてみたいところ。

 

 

雑誌やガイドブックなんかでは「赤い絨毯が敷かれる栗駒山」みたいなことが書かれてたけど、その通りとしか言いようがない。

山の斜面が緩やかで全体的に標高差が少ないから、色づきのタイミングも重なって、これほど一斉に紅葉するんだろうね。

栗駒山の紅葉は部分的にではなく、一気に紅葉して一気に終わるタイプ。

 

終盤は階段の登山道。ここまで来ると紅葉ゾーンはいったん終わる。

 

登っている間に徘徊していたヘリコプター。NNNとうほくって書いてあるから取材か。

「ご覧ください!!栗駒山の紅葉、真っ赤っかです!」みたいなこと言ってのかな?

ヘリからの映像も見てみたい。

 

遥々やってきて、こういう青空のもとで紅葉を見れたのは本当に良かった。気温もこの時期にしてはかなり暖かった。

唯一残念だったのが、気温が上がった分、空気が霞んで遠くが見えなかったことか。展望はそこまで効かなかったので周囲の山はあまり見えなかったです。

 

山頂直下は一面草紅葉。風が吹くとさらさらとした笹の音が心地よかったです。

 

山頂到着。標高1627m、日本二百名山にも選ばれている栗駒山。

山頂は逆側から登ってきた人もたくさんいて賑わってたけど、それなりに広いので休憩場所には困らないです。

1時間半で着くところを2時間近くかけて歩いてきました。

 

山頂から歩いてきた道を見てみる。山頂付近が金色の草紅葉で、その下に真っ赤な紅葉が広がる景色。

赤だらけに見えた紅葉も、上から見下ろすと黄色と緑が加わって見事なバランスに感じる。

 

歩いてきた中央コースが紅葉を縫うように伸びているのが良く見える。右上の方にわずかに見えるのがスタート地点の駐車場。標高差で言ったら500m程度しか登ってきていない。

 

休憩中、五竜Tシャツ発見!(笑)

東北もだいぶ来慣れてきたもんで、以前ほど遠くには感じなくなった。何だかんだ6月から毎月登りに来てるし、今年に関しては北アルプスや南アルプスよりも東北の方が多い。

秋田駒ヶ岳鳥海山も良かったけど、栗駒山もまたそれらに劣らずの名峰でした。

 

山頂でしばらく休憩して紅葉狩り再開。

車の回収がなくて好きなところに下りられるのが公共交通利用の特権。下りは真逆の北側のルートを歩いて須川温泉へ下山。栗駒山は北と南でその顔がまるで違うのを、この後思い知ります。

ちなみに、写真に写っている稜線コース(秣岳コース)も激しく惹かれた道。栗駒山自体はそこまで高い山ではないけれど、全体を堪能するとなると1回の山行では無理なほどそそられるポイントが多い。

 

まっすぐ昭和湖へ降りるつもりだったけど、何となく産沼というのが気になったので、産沼経由のほうで下りてみる。

 

下り始めて早々に藪漕ぎに近い状態になったので失敗したかと思ったけど、少し行くと道もしっかりしてきます。

ただ、道幅がかなり狭いのですれ違い困難。

 

こちらにも赤い絨毯が敷かれていました。そして、ここらが1つの撮影スポットになっているそうで、三脚構えたカメラマンが何人かおりました。

 

その方たちを真似て横に並んで同アングルで撮ってみた。赤い栗駒山。

なるほど、南側は山頂部が草紅葉だったけど、北側は山頂まで赤く染まってるわけね。

 

こちらが産沼。沼を取り巻く草木の色が原色に近いはっきりとした色で、人の手で造られた感じの色使いがまた違った趣。どことなく日本庭園を思わせる雰囲気がありました。

池についてはそれほど大きな特徴もないので、無理に来なくてもいい場所だと思います。

 

途中、三途の川を渡る。標識がニ途の川になってるけど、三途の川。

この日は楽に渡れたけど、増水時は水かさが一気に上がって渡渉困難になることもあるらしいです。(ヤマレコ参照)

それと、この近辺はぬかるみが激しかった。

 

紅葉のトンネル。展望がなくても紅葉があれば、気分も晴れる。色づいた葉がランプのように光って、登山道も明かり2割増しといった感じ。

 

トンネルを抜けると草紅葉が広がる。ここら辺まで来れば自然観察路として観光客でも歩けるくらいに整備された道になります。

終盤もぬかるみがひどかったので、産沼経由のルートは雨上がりは避けた方が良さそう。

 

2つ目の川渡りはゼッタ沢。硫黄臭が立ち込めて、水にも温泉成分が入っているとわかるほど濁ってます。

いよいよ火山帯に入ってきた感じ。

 

昭和湖経由の分岐点。須川温泉に行く前に、この昭和湖だけはどうしても立ち寄っておきたかったので、そちらに行ってみます。

分岐から30分ほどで着く距離。

 

ここから先はススキが綺麗な道になる。紅葉も合わさって、さらに秋色が深まった世界が広がる。

 

先ほどのゼッタ沢を渡って昭和湖へ。須川温泉から昭和湖までは観光客も歩くルートになっているので普段着の人も多いです。

 

昭和湖まで敷かれた遊歩道。こちらが須川コースの本ルートなので、道も格段に整備されている。

 

再び赤く染まった栗駒山が見えてきた。

そして、それ以上に目を惹くのが手前の地獄谷。目立った噴煙は見えないけど、硫黄臭が強烈。南側の中央コースにはなかった活火山の荒々しい姿。

先ほどまでとは一転して世界観が変わります。

 

活火山の栗駒山にとっては、こちら側から見る景色が山の本当の姿なのかもしれない。

北と南でまるで違う世界が広がっているのも、栗駒山の魅力。

 

紅葉の栗駒山、その神髄を象徴するシーン。

真っ赤に染まる山頂、中腹にかけての彩り豊かな紅葉、目の前の草紅葉。まさに錦秋と呼べるに相応しい景色。

今シーズン紅葉登山2回目にして、早くも最高潮になりえる絶景に出会えました。

 

その感動の先に待っていたのが、お目当ての昭和湖。紅葉と合わせて栗駒山で絶対に見ておきたかった場所。

 

こちらが昭和湖

思っていたよりも全然大きかった!池ではなく湖というのも納得。

火山湖特有の白濁した緑色の水が、何というか不思議な感じでした。

 

湖畔は広くてベンチもたくさんあるので、休憩スポットにも最適です。

 

湖を周回することはできないけど、ここの周りにも草紅葉広がってます。荒々しさがありつつも長閑な雰囲気を醸し出す不思議な空間。

 

昭和湖からの栗駒山。山頂部の紅葉については、ここからが一番綺麗に見えました。

 

昭和湖のほとりに建つ小屋。有難いことにトイレまで用意してくれてます。

 

昭和湖と栗駒山。

栗駒山が火山たる象徴にもなっている昭和湖。湖の予想を上回る大きさにも驚いたし、山頂方面の眺めも良かったので寄り道して正解だった。ここはぜひ訪れてほしいところ。

極端なこと言えば、山頂に行かずにこの昭和湖だけでも、ここからの景色と紅葉を合わせれば栗駒山を7,8割堪能できたと言えると思う。

 

昭和湖も予定通り見れたので来た道を戻る。

登りの中央コースは石畳の道で歩くには非常に快適だったけど、登山道としての面白さはあまりなかったので、個人的には須川コースのほうが見どころも多くて気に入りました。

 

 

須川温泉の手前にもう1つ観光ポイント。名残ヶ原というこの広大な草原が広がっています。

 

名残ヶ原からの栗駒山。この位置からでも山の赤さがはっきりとわかるってすごいな。

今回は歩かなかったけど、草原の周りには観光客向けの周回コースも用意されていました。

 

須川温泉が見えた。建物や車がたくさん見えるけど、標高はまだ1000m以上の地点。山の上の温泉郷です。

あそこに行く前にもう1つ気になった場所があったので寄り道。

 

遊歩道を少し外れたところにあった旧噴火口。

すでに退役している火口には興味を持たれないのか、誰もいないひっそりと静かな場所でした。

 

一通り見たいものは見れたので、須川温泉へ下山。

 

下りたところがちょうど県境。

こちら左手が秋田県。見える建物が栗駒山荘。

 

右手が岩手県。こちらは須川高原温泉。

どちらの駐車場にも車が入りきらないくらい停まってました。須川温泉、かなり人気スポットのようで。

 

湯量豊富と言われる須川温泉。足湯も用意されていました。

 

登山者も多いとは思うけど、それ以上に観光客が多い。山の上とは思えない、賑わいっぷりでした。

 

温泉はどちらでも良かったけど、栗駒山荘のほうが建物が綺麗だったのでこちらにしました。

ここが本当に気に入った温泉で、露天風呂からの展望がとにかく絶品!須川高原が目に前に広がって大パノラマ楽しめました。栗駒山荘の露天風呂、かなり良かったですよ。

 

温泉後に食べた天ぷらそば。行動中は日焼けしそうなほど暑かったので、冷たいそばが美味かった!

 

15時、一ノ関駅行きのバスに乗って帰る。

帰りのバスはこの1本だけなので、乗り過ごしたらアウト。お気を付けください。

 

一ノ関駅。シルバーウィークの最終日の夕方、駅の中は結構混んでた。

 

当たり前だけど、終日満席だと。

今朝、何気なく帰りの座席確保しておいて良かったわ。まぁ、もし電車座れなかったとしても、鳥海山でもやったように帰りも夜行バス使ってそのまま出社する手もあったし、あんまり気にはしてなかった。

 

その日のうちに東京に帰れて、翌日から現実(仕事)へと戻って行きました。

 

結果的には予報通りにその次の土日の天気が良くなかったので、連休最終日に栗駒山をねじ込んで良かったと思ってます。

何といっても、これまで見たことのないような真っ赤に染まった山に出会えたわけだから。

 

この色の染まり様は、少し異常なほど。紅葉で有名な栗駒山ではあるけれど、そこらの紅葉とはわけが違うレベルだと思います。

今回は2つの王道コースを歩きましたが、登りで使った中央コースは、この真っ赤な紅葉の間を突っ切るように歩けます。道も緩やかで親切なほど整備されているので、誰にでも登れる。高尾山に登る方がたぶん疲れるくらい(笑)

 

対して下りで利用した北側の須川コースは、栗駒山が活火山であることを思い知らせる光景が広がっていました。中央コースとはまるで違う世界観。

地獄谷や昭和湖、ススキの草原に草紅葉と、見どころがとにかく豊富で歩いていてとても楽しかったです。登山としての面白さは須川コースの方が良かったように思えるので、もし車を使っていくなら須川コースルートをお勧めします。

公共交通を利用するのであれば、ぜひ今回通ったルートで南から北へ駆け抜けてほしいです。栗駒山の見どころポイントは大抵抑えられます。

バスの本数がもう少し増えてくれればさらに登りやすいので、今後増やしてくれることに期待!(笑)

 

本州の中では色づきが異常に早くて、他の山と紅葉時期がずれてくれる点もありがたいところ。狙い目は9月下旬あたりです。

秋の栗駒山、そこらの山とは一段レベルの違う紅葉風景が待っているので、ぜひ行ってみてください。

 

錦秋の栗駒山の旅

 

おしまい

 

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【日程】

2015年9月23日 快晴

【コースタイム】

いわかがみ平(8:00) — 中央コース — 栗駒山(9:45~10:15) — 須川コース — 産沼(11:00) — 昭和湖(12:00) — 須川温泉(13:30)

 

 

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