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涸沢の紅葉と北アルプス奥穂高岳 テント泊登山

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9月最終週に北アルプス涸沢の紅葉と奥穂高岳に登ってきました。

日本有数の紅葉名所”涸沢”。穂高連峰の岩稜と涸沢カールの白砂、そこに華やかに彩られる見事な紅葉。山に登っている者としては一度は見ておきたかった景色です。

今回は1泊2日の行程で、涸沢にテントを張って紅葉とモルゲンロートを満喫。ついでに奥穂高岳と涸沢岳にも登ることができました。

涸沢の紅葉メインで行った今回の山旅ですが、思いがけない絶景に出会えたのが奥穂高岳山頂。ガスが切れていくと同時に霧の中から姿を現すジャンダルムが、何とも幻想的な光景で心に響くものがありました。

念願の涸沢の紅葉と奥穂高岳登頂を同時に達成できて、思い出に残る2日間となりました。

 

北アルプス涸沢の紅葉―――

 

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涸沢の紅葉……

山業界的には最も有名といえる紅葉名所なんじゃなかろうか。僕も登山を始めた割と早い時期から、ここの紅葉については存じ上げておりましたよ。

雑誌でもたびたび紹介されるし、いつかはこの目で見てみたいと思ってた景色。…なんだけど、同時に紅葉時期の混雑っぷりも耳にしていたので、なかなか足を運ぶ機会がなかった秋の涸沢。

いつか見に行ければいいやと思っていて、今年の紅葉登山のリストにも特に入れてはいなかったんだけど、平日に2日休めるチャンスがあったので、この機を逃すまいと勢いで行ってきました。

 

ついでと言っては何だけど、数週間前の前穂高岳登山で逃した奥穂高岳も、ついに初登頂してきました。ようやくだよ、ようやく(笑)

一応、これで北アルプスの日本百名山は制覇。まさか奥穂高岳が最後になるとは思ってなかったけど、山頂ではラストシーンに相応しい光景に出会えて、思い出深い山旅となりました。

 

テント泊での2日間の内容なのでやや長くなるかもしれないですが、気が向いたら読んでくださいm(__)m

 

~~ 2015年9月29日~30日 涸沢の紅葉と奥穂高岳テント泊登山 ~~

前週の栗駒山に続いて、今回も急きょ決まった登山。そもそも栗駒山に登ってた時点では、まさか涸沢の紅葉に行くとも思っていなかったし。

紅葉時期の涸沢の混雑っぷりは良く知っていたので、絶対に土日では行くまいと思っていたので、火・水曜で休みが取れたのは本当に幸運でした。

 

今回もさわやか信州号を利用。月曜の夜発なので、簡単に席は確保できました。

テント泊装備ですが今回はルート上に水場が豊富なので、水は少な目。かなり軽量化できました。

 

2週間ぶりの上高地に降り立つ。

2週間で随分夜が明けるのも遅くなったもんで、この前の前穂高岳と到着時間は同じなのにまだ空は暗かった。

いつも通り登山届提出して出発。登山届にビシッと”奥・穂・高・岳”と書いた時は、これまで縁がなかったけどいよいよ登るのか~、、と妙に感慨深いものがあった。

 

早朝の閑散とした河童橋。今回はここは渡らずに直進。

ここから横尾までの道のりは長いので省略。GWの槍ヶ岳の方で書いているので良ければ見てくださいm(__)m

 

明神館からの明神岳。空が明るくなってきたのはだいたいこの辺り。朝は雲が多めだったけど、徐々に青空が広がっていきました。

わずかながら山の上の方が色づいているのが見えた。

 

7時すぎ、上高地から1時間ちょっとで徳沢に到着。

ルート上に水場が豊富で水を持たなくていいってのは楽なもんで、ここまで1時間ちょっとで来れました。心配性なので1L持ってたけど、500mlペットボトル1本持てば十分だったな。

 

横尾までも平坦な道のりなので、テクテクテクテク歩いて行く。長く単調な道でもう何度もここを通っているけど、今のところこの道はあまり苦には感じてない。何だかんだ景色がいいし、急な登りがいきなり始まるよりはこういう平坦な道から慣らしていったほうが身体にも優しい。

 

8時に横尾到着。GWに続いて今年2度目の横尾大橋を渡ります。

 

奥穂高岳と同じく、涸沢も去年まではずっと縁がなかった場所。今年のGW、登山7年目にして初めて訪れた涸沢。まさか今年2回も行くことになるとは思ってなかった。これも巡り合わせか……

 

山頂付近が色づき始めている屏風岩を横目に涸沢へと向かう。

クライマーの聖地とされている屏風岩。この時も双眼鏡構えたおっちゃん曰く、クライマーが登っていたらしいけど肉眼では確認できず。

 

今回の旅は時間的にはかなり余裕あり。そもそも奥穂高岳登頂よりも涸沢の紅葉が目的なので、キノコやら苔やらも愛でながらのんびり進む。

 

本谷橋に到着。GWでは一面雪に覆われていた沢。ここから先は積雪時とはルートも違うので、いよいよ面白くなってくるところ。

 

本谷橋以降、標高も上げていくので、紅葉も徐々に綺麗に見えてくる。

色づく葉が登山道を明るく照らしてくれます。

写真は載せてないけど、本谷橋付近は下山者とのすれ違いも多くて、結構混雑してました。そんなに急いではいないけど、テント場の場所を確保したいのもあるので、なるべく早く涸沢へは行ってしまいたいところ。

 

登山道から見える景色が早くも絶景で、この岩壁と紅葉の迫力。

前週の栗駒山とは違って黄色が目立ってました。紅葉というよりは黄葉か…

 

涸沢が近づいてくるにつれて、 山の色づきも濃くなってくる。

1本沢が流れてるだけで、風景の見栄えもだいぶ違う。後々涸沢に到着してはっきりわかったけど、紅葉風景はアクセント程度に白色が加わると一層映える。

 

当たり前だけど雪の時期とはまるで違う世界観。一面真っ白い雪に覆われた沢は、秋には一変して黄色に染まる。

雪の時期の涸沢はこんな感じ↓

2015年5月3日 北穂高岳登山より)

 

涸沢が近づいてくるにつれて黄色の中に赤が混じってくる。緑も残っていて、何ともまぁカラフルな紅葉。

奥に見える穂高の岩稜帯がまたカッコいい。

 

振り返ると遠くに蝶ヶ岳っぽいのも見えた。

 

 

紅葉と涸沢岳。

上に行けば行くほどナナカマドの赤が強くなってくる。

 

紅葉ピークということで、さすが人気の涸沢。平日でも登山道は人が多かったです。

紅葉時期のテント場の混雑っぷりは知っていたので、そこだけが心配だった…。なんたってひどいときはテントの数が1000張りを超えるとか!?1000ってどんだけよ……

 

ナナカマドの実の大群生

 

上高地から涸沢までの道は楽なもん。道が緩やかだし、涸沢までついてしまえばテントも置けるので、奥穂高岳登頂は軽身でアタックできる。テントを担いでの登山としては、今回は過去最高に楽な行程だったかもしれない。

テント泊の時はどうしてもロングトレイルになりがちだけど、時間に追われない旅というのも大事だと思った。緩いなりに心身ともに充実できる。

 

雲一つない快晴。気温も暖かくて、半袖で行動できる陽気。

この日と翌日は本当に登山日和でした。この後、次第にガスっていくんだけど、それがまた奇跡の絶景を生むことになったのは少し後のお話し。

 

10時半、涸沢ヒュッテに到着。上高地から4時間半ほどなので、思っていたよりも早く着けた。軽いって大事!( ̄▽ ̄)

そしてこの小屋の裏側で、お目当ての絶景とご対面。

 

 

【2015年涸沢の紅葉

雑誌で見たことある景色が、目の前に広がっている。こりゃ~すごい!!

ひぇ~~!(ノ゚ο゚)ノ だよ

これまで見た紅葉風景を圧倒的に凌ぐスケール感。そう、スケールが別次元!3000m峰の岩山を従えての紅葉はここでしか見れない。

これを目当てにたくさんの人が押し寄せるってのも納得の景色。流石の北アルプス様だわ……

 

そんな紅葉を目の前にできる贅沢な涸沢のテント場がこちらです。

まだ時間が早かったのもあったけど、全然空いていた。好きな場所に張り放題でした。安心したけど何だかちょっと拍子抜け。

結局、この後もそこまでテントの数は増えなくて、心配していた混雑も杞憂に終わりました。やはり平日、特に前半が狙い目だったか……

 

テント設営。涸沢のテント場は夜トイレに行ったりすると、戻ってきたときに自分のテント見つけられずに迷うって聞いていたので、しっかり位置を覚えておいた方がいいです。

特に自分のテントは定番中の定番、エアライズなので同じものが結構多い。隣に張ってあったテントがあまり見たことのない形だったので、それを目印にさせてもらいました。

 

設営中、ずっと気になっていたヘリコプター。この日はヘリの荷揚げがとにかく多くて、夕方までひっきりなしに往復してました。

この前週のシルバーウィークでは、あまりの混雑で缶ビールがあっという間に売り切れた山小屋もあるらしいから、この時期は大変なんだろうね……

ご苦労様ですm(__)m

 

改めて見る涸沢の紅葉。溜息しか出ない。色づきは栗駒山の方がすごいけど、やっぱり3000m級の山を従えてのこのスケール感は北アルプスでしか出せない。

岩場と白砂と紅葉のコントラストがとにかく絶妙。鋭利な岩山が迫力を増していて、とにかくその場にいるだけで圧倒される。

涸沢の紅葉、ちょっとなめてました。ゴメンナサイ……

 

重たい荷物は置いて、軽身で奥穂高岳へ。時間が厳しければ翌日にするつもりだったけど、まだ昼前なので登っちゃうことにしました。

まぁ、今回は紅葉がメインなので、意味的には「ついで」という感じが強かったけど、奥穂高岳はまだ登ったことがなかったから記念にね。

 

涸沢カール。9月になってもまだ雪が残る。

 

テント場からのアングルとそこまで変わって見えないけど、ザイテングラードへ向かう途中のこの位置から撮影しているカメラマンが多かったです。 みんな重たそうな三脚にバズーカみたいなカメラ構えてました。

どこかのテレビクルーも撮影しに来てたな。

 

ザイテングラートへはガレ場を越えて紅葉の中を突っ切っていく。

何度見ても色づきが素晴らしい。

 

後を振り返ると常念岳、蝶ヶ岳。

北アルプスの有名どころはだいぶ登ってはきたけど、唯一残ったのが今回の奥穂高岳。過去2,3回は登る計画を立ててたんだけど、いずれも悪天候で嫌われて登れずじまい。

もともと岩場が苦手なんでそこまで惹かれている山でもなかったけど、前穂高から奥穂高の雄姿を見てたらやっぱり一度は登っておきたくなった。

自分の周りでは奥穂高岳に登った人が多いから、よく「えっ?奥穂登ったことないの!?ぷぷっ笑」とか言われてたけど、それも今日までじゃ!

 

紅葉と奥穂高岳。

これまで縁のなかった奥穂高にいよいよ近づいて行く。

 

紅葉美しき登山道。この辺りまで来ると赤色が主体。ちゃんとオレンジ色のウェア着ているので、下から撮影しているカメラマンたちの邪魔にもならずに、しっかりと同化できてるはず!(笑)

 

紅葉を取り囲む山の中で、一番目立っていたのがこの涸沢槍。本場の槍ヶ岳よりも尖がっている見事な三角形。

キリッとしてカッコよすぎる!

 

時刻は正午を過ぎたあたり。テント場もまだ空いてます。

アタックザックで登っているから巻けるけど、涸沢から奥穂高岳までは標準タイムで往復5時間以上かかるので、決して散歩気分で登れる距離ではないです。昼過ぎてからのアタックはやや時間に追われるかもしれないのでご注意を。

 

ザイテングラートへ取り付くまでは見ごたえのある紅葉道が続く。相変わらず周囲の色づきの素晴らしさに感嘆していたけれど、この時、山の向こう側からどんどん雲が湧き上がってくるのを見て、雲行きが怪しいのを感じ取った…

 

紅葉ゾーンを越えた後は広いガレ場の登山道。目印がたくさんついているので、特に迷う心配はなし。

 

やがてガレ場も終わって、写真のような岩稜へと入っていく。

これが穂高岳山荘へ向かう岩の道、ザイテングラート。GWではここで死亡事故も起きてたので、どんなもんか気を引き締めて臨んだんだけど、、、

結果的には呆気ないもんでした。

 

ザイテン開始

 

おぉ、、、いきなりかい。。

見て見ぬふりをしてたけど、ガスが稜線を覆ってきた。。

一日中快晴予報出てたのに、これか。。奥穂高とはやっぱり縁がなかったのかと、諦めモードが漂った。

 

鎖場やハシゴが何ヶ所かあったけど、高度感も全くないし余裕で登れる。

…というか道の険しさを感じるより先に、天気が崩れたことへの不満が大きくて、ふてくされながら登ってたな(笑)

 

紅葉を見て少しでも気を紛らわす。

今回は紅葉がメインだったと自分に言い聞かす。

 

あっという間に青空が消えた。。

ザイテングラートについては見た目は岩だらけだけど、普通の道でした。もっと危険かと思ってたけど、雪のない時期であればなんてことはない。怖いと感じる箇所は1つもなかったです。

 

山がガスに包まれる寸前、確かに目にすることのできた前穂高岳。2週間前に登って、今回の奥穂・涸沢へ行く気にさせてくれたという意味で感謝しているお山。

ガス、どっか行っておくれ~。。。。

 

向かう先に希望(青空)はないので、下を振り返ってみてどんなもんか確認。帰りにこの道を降りることになるけど、この程度なら下りも問題なさそう。

 

13時半、穂高岳山荘に到着。見事なまでにガスってしまったので、小屋で少し様子を見ることに。

9月下旬、日差しが遮られるとやっぱり寒い。

 

穂高岳山荘でコーラ休憩。

平日でも小屋はにぎやか。この日はアジア系ツアー団体が泊まっているようで、何ともグローバルな言語が飛び交っていました。

 

なんか待っても埒が明かない感じだったので、とりあえずすぐ近くの涸沢岳に登って時間稼ぎすることに。

 

真っ白だけど風がないのが幸い。歩いていればまだ暖かいもんです。

 

小屋から10分ほどで涸沢岳に到着。標高3110mは意外と高くて、北アルプスでは奥穂高岳、槍ヶ岳に次ぐ標高。日本第8位の高峰でもあります。

展望見えないしどうしようかと思ってたけど、たまに日差しが差したりして少しだけ希望が持てた。

これは行けるかもしれないと思って急いで戻る。

 

小屋まで戻って、続けて奥穂高岳へ。

何となくさっきよりはガスが取れた気がする。

 

小屋からすぐの直登が核心部。たまに奥穂高岳で渋滞する写真を見たけど、ここだったのか。

鎖場やハシゴが連続します。

 

この時間帯だと登りより下山者の方が多かった。こんな感じで鎖場の所は行列できてました。先に通してもらえて助かった…

 

この後もひたすら岩場。目印がやたらたくさんついているので、その通りに進めば何ら怖いところはなし。

ザイテングラートよりはこちらの方が岩を登っている感じがして楽しかったです。

 

そして急登がひと段落したところで、なんと雲の合間から青空がっ!!

もしかしたら微笑んでくれるかもしれないと思った奥穂高岳。どうかお願いしますm(__)m

 

最初の鎖場の直登以外は楽な岩の稜線。山頂まで緩やかに道が伸びていました。

写真が多くなってきたので省くけど、上から見下ろす涸沢カールがなかなかの高度感あって爽快でしたよ。

 

14時50分、奥穂高岳山頂に到着。

到着時は周りは何も見えなかったけど、とりあえずようやくの奥穂登頂。ここに来るまでに3年もかかったか…

天気や時期にこだわってずいぶん遠回りした気もするけど、北アルプスの百名山登頂はこれで一応達成!!よく頑張ったよ、自分…

 

そして、ここから奥穂高岳のツンデレっぷりが炸裂!

神がかりの展開が待ってました。

 

 

奥穂高のすぐ隣、不気味にそびえる岩山の影。

それがみるみる姿を見せてきた。

 

 

 

おぉーーー!!!(ノ゚ο゚)ノ

 

時間にしたらほんの数秒の出来事。

霧の中から姿を現したのはジャンダルム。奥穂高を守る岩の衛兵。

この雲が取れていくシーンが何とも幻想的で、ただただ茫然と見つめてた。雲を纏う岩の影が怖くもあり最高に美しかった。

 

これを見たときは、涸沢の紅葉以上に心に響くものがありました。色々な思いがあっての奥穂高岳登頂、泣きそうだったぜ……

 

最高のタイミングでの登頂だったようで、表銀座の稜線も見えた。

 

見事なまでの雲海。槍ヶ岳方面は雲の覆われていたので見れなかったけど、この景色を見れただけでも十分満足。

最後の最後に出来すぎといえるくらいの絶景が用意されてました。

 

たぶん、このジャンダルムの姿は忘れることがないと思う。

涸沢の紅葉と合わせて記憶に残る風景。

岩場苦手の自分には今のところ無縁なジャンダルムだけど、克服できたらいつかは登ってみたいと思えた。

 

下山する頃には山頂の真上はすっかり青空。涸沢まで下りなきゃいけなかったので、30分くらいしかいられなかったけど、いいもん見れました。

北アルプス山行の1つの区切りとして、最後に幸運を手繰り寄せたか。ずっと天気に泣かされていた奥穂高だったけど、結局はツンデレちゃんだったわけですな( ̄▽ ̄)

 

山頂手前に刺さっていたこのピッケルがまたカッコよかった。

眺めているのは岐阜方面。誰もいなかったのでここら辺で少し休憩して今日一日を振り返ってたけど、何だかんだ奥穂高岳は巡り合わせが良かったんだと思った。

2週間前の前穂高岳の時も、多少無理すれば奥穂も合わせて登れたわけだし、過去にも天気を気にしなければいくらでも登るチャンスはあった。北アルプスの中で奥穂を最後に残す人なんて早々いないだろうし……

そういう機会を逃したからこその今日があると思えば十分報わる。今日という日に登れて本当に良かったです。

 

小屋の近くまで戻ってくると涸沢岳の雲もスッキリ取れてました。

 

この小屋までの直登が降りるのに多少緊張した。高度感以上に、小屋から出てきている人に見られてる感がすごくて、無様な降り方さらすのが恥ずかしかったぜ……

 

無事に涸沢岳と奥穂高岳を登頂して十分満足。

ザイテングラートを通って涸沢へ戻ります。16時を過ぎているので、ザイテンも人の気配がほとんどなかった。

 

帰りにはしっかりとその姿を見せてくれた前穂高岳。今回のこの絶景に出会えて、穂高の山々が少しだけ好きになれました。

前、奥、北と登ったので、残りは西穂高岳か。2年前の冬に独標までしか登ってないので、機会があれば山頂まで登りに行きたいと思います。

 

穂高の迫力ある岩壁。最後まで北アルプスの偉大さが感じられる道でした。

 

ヘッドライトを使うこともなく、18時前に涸沢に戻ってこれた。

1日目に奥穂高まで登れたので、2日目は下山だけ。そう考えると気が楽で、珍しく夜更かししてみた。

 

涸沢夜のテント村。テントも思っていたほど増えてなくて、静かなもんでした。

夜は雲も取れてすっかり晴れた。

 

「よ~し、最後に星空頑張って撮っちゃうぞ~!」なんて意気込んでたけど、月明かりがすごかった…orz

確かこの前日がニュースにもなっていたスーパームーンが見れた日で、今宵も月が絶好調に輝いてました。

本当に明るくて、真夜中でもヘッデン使わずにトイレまで行けるレベル。

 

月の自己主張が印象的な夜でした。

 

 

続けて2日目の朝―――

 

涸沢と言えばもう1つ見ておきたかった景色。

 

モルゲンロート】

明け方、朝日を浴びて山が真っ赤に染まる現象。GWに来たときには曇ってて見れなかったけど、今回は朝から快晴でバッチリ見れました。

 

陽が昇るにつれて、赤色だった山肌が金色に染まっていく。 穂高の岩山が煌々と輝いてました。

 

紅葉時期のモルゲンロートはだいたい5時45分頃が見ごろ。その時間帯が一番真っ赤でした。

6時を過ぎるとこれだけ明るくなりますが、 赤色から金色に染まっていくシーンも見ごたえあって良かったです。

 

カメラマン多数、テレビクルーも取材に来ていました。インタビューされてる人もいたけど、残念ながら自分にはお声がかからなかったぜ……

 

この日は下山だけなので、久しぶりに朝ごはんゆっくり食べました。時間に余裕があるってのは素敵だな~と思った。大抵テント泊の時は暗いうちから行動開始してるのが普通だから。

朝8時、テント場にも完全に明かりが届いた頃に出発。

 

帰りはパノラマコースを利用してみました。

ここを通るのも初めて。道が狭いから初心者は避けてください、みたいな注意書きがありました。

 

実際歩いてみて、その警告の意味が良く分かった。なるほど、確かに狭い。。。

場所によってはなかなかきわどいところを歩かされます。

 

それでもパノラマと言っている通り、展望は言うことなし!涸沢を一望できます。

実は前夜がかなりの強風で、テント煽られまくって夜中に何度か起きるほどでした。紅葉が散ってないか少し心配だったけど、見栄え的には前日とそこまで大差はなかったです。

 

来るときに歩いてきた横尾からの登山道も綺麗に色づいている。上から見ると本当に一面染まっているのが良く分かる。

 

稜線に出るまでは狭い道。ザイテングラートよりこっちの方が危険に感じました。

 

屏風ノ耳。あそこは涸沢全景を眺めれられる屈指の展望台。

せっかくなので立ち寄ってみます。

 

パノラマコースの稜線に出ると反対側に富士山と南アルプスが見えました。風がやや強いけど、この日もいい天気。

 

紅葉と槍ヶ岳。

屏風ノ耳の手前に来て、今回初めて槍ヶ岳を目にすることができました。

 

途中はすっ飛ばして、屏風ノ耳の頂上に到着。こんな感じで穂高岳の絶好の展望台になっています。

目の前に迫力ある岩壁が広がり、眼下には涸沢のテント場も小さく見えてる。

 

槍ヶ岳方面もバッチリ見えます。こちらも紅葉が綺麗。右奥に見える真っ白い山は野口五郎岳かな?

あまり写真は載せないけど、屏風ノ耳からの展望は素晴らしいものがあるので、ぜひ立ち寄ってみてください。

 

あとはひたすら下り道。屏風ノ耳以降は普通の登山道で、歩きやすい道でした。

 

パノラマコースも紅葉の名所と言えるほど綺麗でした。何より人が少なかったのが良い。

静かな紅葉狩りを楽しめました。

 

新村橋まで下りてきた。この橋を渡ればもとのルートに合流。

あとは上高地まで平坦な道をひたすら歩きます。

 

定番の徳沢ソフトクリームでエネルギーチャージ!

 

山の上は紅葉だったけど、下りて来ればまだそこは緑一色。夏と変わらない景色でした。

 

今回、初めて小梨平のお風呂に寄ってみた。露天風呂もないしそこまで広くもないけど、平日の昼間ということで貸切だったのでゆっくり入れました。

週末は避けた方がいいかもしれないけど、閑散期であればおすすめです。

 

14時、上高地バスターミナルに到着。平日でも帰りのバスはやっぱり混んでいるもんで、新島々までのバスは1本待つことになりました。

 

上高地カレーを食べて時間をつぶす。これが意外にも美味しかった。

 

上高地からバスに乗って新島々へ。そこからはいつも通り電車を乗り継いで東京へ帰りました。

 

9月最後の山旅となった涸沢の紅葉と奥穂高岳・涸沢岳テント泊登山。テント泊でありながらも、荷物はデポって歩き回れたので、大して疲れることもなく、紅葉狩りを存分に楽しめました。

涸沢の紅葉については、正直なところ少しなめてた部分があった。「有名だけど実際のところはそうでもないでしょ…」みたいな感じで。特にこの前の週に栗駒山に行ってしまったので、そう簡単な紅葉では驚かないつもりでいたけど、、、

いやいや、涸沢の紅葉。想像以上に素晴らしかった!

 

圧倒的なスケールと迫力に満ちた紅葉風景。3000m峰の穂高岳を従えた涸沢ならではの魅力であると思いました。自分も言われたことだけど、「涸沢の紅葉は一度は見ておいた方がいい」と確かに感じたので、ぜひ見に行ってみてください。

 

それと忘れてはならないのは奥穂高岳で出会えたジャンダルムの雄姿。

個人的にはこの風景が今回のハイライトと言ってもいいシーンでした。北アルプス百名山達成の1つの区切りとして、最後に起死回生の絶景に出会えました。

 

色々語りたいことは尽きないけど、長くなったのでこれでおしまい。

次から10月の登山に入っていくけど、まだまだ紅葉登山は続くので、また気が向いたら読みに来てください。

 

2015年涸沢の紅葉―――

 

おしまい

 

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【日程】

2015年9月29日~30日

【コースタイム】

・1日目

上高地(5:45) — 横尾(8:00) — 涸沢(10:30~11:30) — 涸沢岳(14:00) — 奥穂高岳(14:50~15:20) — 涸沢(17:30)

・2日目

涸沢(8:00) — 屏風ノ耳(9:20) — 新村橋(11:30) — 上高地(14:00)

 

 


高尾山 紅葉登山 ~~夕日と富士山の絶景~~

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先週末、お昼過ぎから晴れてきたので、急な思い付きで高尾山に登ってきました。コースは毎度おなじみの稲荷山ルート。

登山中はろくに写真も撮らなかったけど、山頂からの夕日と富士山の景色が思いがけないほど綺麗だったので、記念に写真を載せておきます。

紅葉も山頂付近は見ごろを迎えていて、もうしばらくは紅葉が楽しめそうでした。

気温も高尾山程度の低山を登るにはちょうどいいと思うので、11月の登山としてはおすすめ。入らなかったけど、つい先日オープンした高尾山口駅前の温泉「極楽湯」も絶賛営業中でした。

 

高尾山からの富士と夕日の絶景―――

 

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毎回記事のアップが遅くて、1ヶ月以上前の登山記録が続いていたので、たまにはリアルタイムな記事を。

先週の日曜日、久しぶりに東京は午後から晴れてくれて気温も11月とは思えない暖かさだったので、急な思い付きで高尾山に登ってきました。

雨上がりの淡い空、登山道の紅葉、山頂からの富士山と夕日、東京の夜景、、、短い時間の割に見どころが多かった高尾山。特に紅葉はまだ全然終わっていなくて、山頂付近が見ごろを迎えていました。見た感じではまだ色づいていないところもあったので、11月中は紅葉狩りが楽しめそうです。

もし時間があれば行ってみてください。夕焼けを目当てに登る場合は17時を過ぎると登山道は真っ暗だったので、ヘッドライトは必須です。

 

~~ 2015年11月15日 紅葉の高尾山ハイキング ~~

高尾山には自宅から1時間かからずに行けるのでたまに散歩に行ったりしてるけど、登りで使うのはいつも稲荷山コース

スタートが15時近くだったので、登山道はかなり空いてました。

 

登山道の中間地点にある展望台からの眺め。東京の街並みが良く見えます。目を凝らすと新宿高層ビル群はもちろん、スカイツリーも見えまっせ。 雨上がり直後だったので空気も澄んで遠くまで良く見えました。

ただ、この日は11月とは思えないほど気温が高くて登っている間はかなり汗かいた。。。500ml一本の水は少し心細かったです。

 

登山道中はほとんど写真も撮らずに45分ほどで山頂に到着。到着時はまだこれくらい陽が高くて、逆光の眩しい中で薄らと富士山が見えてました。

久しぶりに見た富士の姿。例年ならとっくに冠雪しているはずだけど、今年は異様なほど雪が降ってないようで、見た感じは真っ黒でした。

 

紅葉状況は全く調べてなかったけど、山頂がいい感じで色づいていました。

 

まだこれから色づくような気配もあったので、11月下旬までは紅葉狩りが楽しめるかと思います。

 

富士山見てさっさと帰るつもりだったけど、陽が西に傾き始めて空が良い感じに染まってきたので、日没まで居座ることに。

ここからの景色の展開が素晴らしかった。

 

高尾山山頂からの見事な夕日と富士山のシルエット。

東京にいても、これだけ見事な富士の姿を見ることができる。

 

紅葉も一層紅く染まって綺麗でした。

 

夕日と合わせて空の淡い色がとても綺麗でした。

雨上がりの空は優しい感じというか、見ていて何となくホッとする。

 

 

 

数分のうちにあっという間に日没を迎える。

日の入りは16時25分頃でした。

 

日が暮れてからの夕焼けも綺麗だったけど、差し迫るような雲の広がりが少し恐ろしくも感じた光景。

生まれてから今日まで高尾山には10回以上は登っているけど、出会えた景色としては今回が圧倒的に印象深いものでした。絶景と言っていいレベル。

雨上がりということもあって、雲の演出が絶妙でした。

 

下山する頃には空も真っ暗。東京の夜景が綺麗に見えました。

17時すぎには登山道も真っ暗になるので、ライトは持って行ったほうがいいです。

 

雨上がりで狙い目かと思ったけど、やっぱり週末はいつ行っても混んでる高尾山。この日も山頂は相当混雑してたけど、何だかんだ昼過ぎに家を出ても登れてしまうっていう手軽さがいいです。

さすが東京都民に慣れ親しまれた山。

 

写真数枚しか撮らなかったけど、高尾山で思いがけない絶景に出会えた登山でした。

 

ついでに……

高尾山と言えば、忘れてはならないのが2年前の大雪直後に登った雪の山行。山頂でラッセルすることになるとは思わなかったけど、かなり楽しめたので、冬もおすすめです。

良ければ合わせて読んでみてください↓↓

2014年2月16日 雪山と化した高尾山

 

次はまた前回の涸沢からの続きを書く予定~

 

おしまい

 

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【日程】

2015年11月15日 晴れ

【コースタイム】

高尾山口(14:45) — 稲荷山コース — 山頂(15:40~17:00) — 1号路 — 高尾山口(17:30)

 

那須岳へ紅葉登山 沼原湿原~白笹山~南月山~姥ヶ原

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10月最初の登山は栃木県の那須岳へ。

那須岳も紅葉の山と言われており、中でも姥ヶ平の紅葉とひょうたん池から見る逆さ茶臼岳が有名。今回はその場所へ行くために、西側の沼原池を基点に白笹山と南月山を周回するコースにしました。

那須岳の紅葉はこれが初めてでしたが、山肌を真っ赤に染める紅葉と火山の荒々しい姿が圧倒的な迫力!白笹山・南月山から茶臼岳に至る稜線は天気がやや残念でしたが、それでも開放感抜群の気持ちの良い登山道。高低差少ない道ながらも変化に富んだ楽しいコースでした。

秋の那須岳、ここもまた紅葉の名峰の1つです。

 

ひょうたん池の紅葉と逆さ茶臼岳―――

 

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10月4日、北アルプス涸沢の紅葉・奥穂高登山から5日後のお話し。

今回は栃木県の那須岳へ行ってきました。

那須岳は過去に3回登ってますが、秋にはこれまで行ったことがなく、紅葉の姿を見るのは今回が初。また那須岳と言えば、茶臼岳、朝日岳、三本槍岳が有名ですが、今回はそのいずれでもなく、南端に位置する白笹山南月山。スタート地点も普段利用するロープウェイとは反対側の沼原湿原になります。

沼原池~白笹山~南月山~姥ヶ平~沼原湿原という1回も歩いたことのないコースだったので、紅葉と合わせてそれもまた楽しみでした。

 

見所が多くて展望もいいので何度登っても楽しめる那須岳。ロープウェイもあるので誰にでも登ることができます。

今回は紅葉がピークを迎えていたので、いつも以上に観光客と登山客でにぎわっていました。

 

~~ 2015年10月4日 紅葉の那須岳 ~~

3年連続4回目の那須岳。今回は初めてロープウェイ登山口ではなく沼原湿原から。

(ロープウェイ側から茶臼岳や朝日岳を登るのであれば、去年の記事が参考になるかもしれないので良ければどうぞ)

 

駐車場に着いたのは早朝6時すぎ。ここの駐車場はかなり広かったです。

普段どれくらい混むのかはわからないけれど、早朝でもかなりの台数停まってました。小さいけど湿原もあるので、登山者以外も結構来るみたい。

 

6時半にスタート。10月に入ると早朝もだいぶ寒くなってきましたな。

今回は久しぶりにお仲間さんたちとの登山。前を歩くのは今年の夏に南アルプスの山小屋で働いていたけーすけ。自分の大好きな山域である秀麗富嶽十二景で初めて話が通じた貴重な存在(笑)

近場の低山も分け隔てなく登っているあたり、好みの山が結構似ていると思っている。

 

白笹山までは2km。標高差も500m弱しかないので、高尾山に登れたらこのルートは十分歩けると思います。

それくらい今日は緩いコース。でも、見どころは多い。

 

登りはじめて割とすぐに紅葉が始まりました。今年は秋に入ってからも順調に行きたいところに行けていて、紅葉登山もこれで4回目。これまでは北アルプスと東北だったけど、10月に入ってようやく関東の山も紅葉が始まった。

 

上から見る沼原池。コンクリートに囲まれているところから見てわかる通り、発電のために造られた人工池。あの池の隣に沼原湿原があるので帰りに寄る予定。

でも、それはいまはどうでもよくて、、、写真見て察してください。天気が絶望的に悪い(-_-;)

 

標高1700~1800mを歩くことになるので雲の上に出ることは叶わず、ちょうど雲の中へダイブする形になる。

登るにつれて周囲が真っ白になるので、紅葉を楽しむことに専念する。

姥ヶ平の紅葉しか調べていなかったけど、白笹山へ至る登山道もなかなか色づいていて綺麗でした。

 

1時間ほどで白笹山に到着。標高1719m。

白笹山は麓から見ると綺麗なおにぎり型をしているけれど、実際にピークに立ってみると山頂という感じはあまりしなかった。登山道途中の樹林帯に囲まれた場所でした。

 

ここまでの登山道は登り一辺倒で面白くはなかったけど、ここから先が本コースではいよいよ面白くなってくるところ。写真みたいにササとハイマツの稜線が続いて行きます。

天気が残念すぎるが……

 

白笹山から40分ほどで南月山に到着。 標高は白笹山より少し高い1775m。

 

ここは晴れていれば展望最高だと思います。

ただ、ご覧ください。見事なまでにガスってます(笑)

少し言い訳をすると、今回の登山はもともと那須岳の予定ではなくて、新潟の八海山に登る計画だったのさ。それが直前になって天気予報がどんどん悪くなっちゃって、何とか晴れ間が期待できそうな北関東を選んだってわけですよ。予報通りなら昼過ぎまでは晴れなはずだったんだが……

まぁ雨に降られなかっただけでも良かったし、この後の挽回を考えたら結果的にはここにして正解だったんだなと思う。

 

瞬間的ではあったけど、時折青空も見れたし。先行きとしては希望の持てる展開でした。

 

南月山からの稜線。真っ白いガスはとりあえず忘れて、晴れ渡った青空だと思ってください(笑)

展望抜群の道だというのは容易に想像がつく。道も平坦で広々しているし、この写真だけ見たら北アルプスと言ってもおそらくバレない。それほど、高山色が強い稜線でした。

 

進むにつれてガスも少しずつ取れて見通しも良くなってくる。

写真で1つ伝わらないのは、この時風が物凄い強かったってこと。。。雲を吹き飛ばす意味ではこの強風は頼もしかったけど、それ以上に寒かった……。

 

そんな中で見えた希望の光が、薄らと見えた那須の紅葉。雲の演出でぼんやりと見えるあたりが、なんとなく夢見心地な世界観。

前回の奥穂高山頂での起死回生の好天があったので、今回もそれに期待せずにはいられなかった。

 

稜線の中間地点、日の出平というところに到着。

那須岳の日の出と聞いて忘れられないのが、昨年の8月に登ったご来光のシーン。

 

(2014年8月31日 茶臼岳~朝日岳~三本槍岳登山

雲海と上空の雲、2層の雲に挟まれた形でのご来光は、空を赤と黒に染めて何とも不気味な光景。ご来光を見て初めて「怖い」と思った瞬間。今でもよく覚えているワンシーンです。

 

残念なガスに包まれつつも、麓の方は晴れているようで色づきがはっきり見えました。

あたり一帯真っ赤に染まっているのが一目瞭然。

 

一瞬の晴れ間を逃さずシャッターを切る!

 

姥ヶ平も見えてきた。紅葉の中に剥げているところが姥ヶ平。

周囲を真っ赤な紅葉が取り囲んでいます。

 

9時半、牛ヶ首に到着。ここに来るのも考えてみたら初めて。ロープウェイ登山口から登ってくると茶臼岳から下りてこないといけないので、いつもスルーしてた場所。

 

この牛ヶ首からの紅葉風景が圧巻!東西どちらを見下ろしても見事な紅葉。

部分的には栗駒山に引けを取らないほどの赤一色。すごい眺めです。

 

茶臼岳の山肌は草紅葉。こちらもオレンジ色に綺麗に染まっています。

ロープウェイ方面から続々とこちらに来る人たち。登山服でビシッと決めている人もいれば普段着で登ってくる人もいたりと様々です。

 

何となく晴れそうな気配があったので、ここでしばらく粘っていたけど、祈りが届いたのか徐々に青空も見えてきてくれた。

 

ガスの中から姿を現す茶臼岳。

これは紛れもなく、前回の奥穂高岳と同じ展開!!神々しい姿でした。

すぐ正面に見える茶臼岳でも、ここから行くとなると迂回して反対側から登らないと行けないから、やや時間がかかる。なので、今回は茶臼岳はスルーします。

 

南月山方面の稜線もどんどん晴れてきてくれました。

火山の茶臼岳とは全く違う雰囲気の穏やかな稜線。歩いた時間としては短かったけど、稜線好きにはたまらない道でしたよ。

 

上から見ても人がたくさんいる姥ヶ平。そこに行くまでの登山道も賑わってます。

陽も差すようになってきて、紅葉もだいぶ映えてきた。有名なだけあって、見事なまでの色づき。

 

 

姥ヶ平へ。稜線から下ったこの辺りでようやく風が収まってくれた。

那須岳は基本的にいつも強風が吹いてるイメージなので、紅葉時期は防寒対策万全にして行ったほうがいいです。

 

 

 

姥ヶ平の赤い絨毯。登山道は紅葉のトンネル。

 

登山道途中から振り返ると、茶臼岳の雲も取れて完全に姿を現してくれました。

噴煙が立ち込めているのも良く見える。

 

 

姥ヶ平に到着。ここだけ砂地で絶好の休憩場所になっています。

風もないのでここでお昼休憩。

 

姥ヶ平からの茶臼岳と紅葉。ここからのアングルが絶妙で、三脚構えたカメラマンもたくさんいました。

茶臼岳を眺めるには絶好の展望スポット。火山と紅葉って相性抜群ですね。

 

今回は久しぶりにホットサンドクッカー。

ホットサンド食べたいのもありつつ、本心は夏の縦走で中途半端に余ったガスを使い切りたかったから。ガスは中途半端に残っているものが多すぎて困るぜ……

 

 

色々焼いてみた。(肝心のホットサンドの写真は食べるのに夢中で撮り忘れてた…)

 

姥ヶ平からの茶臼岳と紅葉の眺めは素晴らしいものがあるので、ぜひ秋に訪れたら立ち寄ってみてください。

火山もそうだけど、バックに岩山があると紅葉を一層引き立ててくれる。

 

帰りに姥ヶ平の近くのひょうたん池に寄ってみる。

ひょうたん池までは木道敷かれています。(狭いのですれ違い注意)

 

ワンコも登りに来ておった。

 

こちらがひょうたん池

紅葉と火山の景観もさることながら、水面に映る逆さ茶臼岳がまた絶妙!

これぞ純和風な紅葉風景といった感じ。那須岳の紅葉としては一番魅力を感じた場所なので、ここもぜひ立ち寄ってほしいところ。

 

姥ヶ平とひょうたん池、那須岳の紅葉を満喫するには絶好の場所でした。

 

帰りはそのまま沼原方面へ。過去の登山も合わせて那須岳はだいぶ歩き回ったけど、まだ行きたいところはいくつかある。

標識に書いていある三斗小屋も泊まってみたいし、裏那須方面の稜線も歩いてみたいところ。

 

朝とは違って、帰るころには麓はすっかり晴れて木漏れ日が気持ちよかったです。

 

沼原湿原まで下りてきた。木道の散策路があったので、周回してみます。

 

 

 

湿原は一面草紅葉。錦秋と言うに相応しい風景が広がっていました。

夏は色々な花が咲く湿原。今の時期はススキの穂がなびいて、なんとも長閑な雰囲気。

 

左の綺麗なおにぎり型の山が最初に登った白笹山。山頂は展望もなかったのであまり印象に残らなかったけど、下から見ると見事な三角形。白笹山から茶臼岳にかけての稜線は晴れた日にまた訪れたい。

 

 

登っている最中にも見えた沼原池。発電用の人工池なので、近づくことはできなかったです。

 

13時半過ぎに駐車場に戻る。休憩込みで7時間ほどのハイクでした。

日帰り登山としてはちょうどいいコースタイム。適度に山登りを楽しみつつ紅葉も満喫できるし、うまい具合にぐるっと周回できるので、このルートも那須岳登山の中ではおすすめの1つです。子どもも登っていたので、誰でも登れるかと思います。

 

紅葉目的で行ってきたのでそれほど山登りの要素はなかったけど、これもまた楽しい山旅でした。

帰りの温泉は「板室健康のゆグリーングリーン」 というところに寄りました。日帰り入浴500円で露天風呂もあったのでなかなか良かったです。参考までに……

 

那須岳はこれでもう4回登っているけど、やっぱり何度登っても楽しめる。手軽な割に贅沢な展望が用意されているので、登山初心者を連れていくにも良い山だと思ってます。(山の楽しさをここなら感じてくれるはず!笑)

 

北アルプスと東北に次いでやってきた今年4回目の紅葉登山。涸沢の紅葉と比べてしまうと華やかさは劣るけど、紅く染まった山肌は関東屈指の色づきだと思うし、火山をバックにした紅葉風景は他ではなかなか見ることのできない迫力ある景観でした。

 

秋の那須岳も魅力あふれる風景が広がっていたので、さらにこの山が好きになりました。次は初夏の時期に裏那須の稜線を歩けたらと思っています。

 

ひょうたん池からの那須岳の紅葉

 

おしまい

 

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【日程】

2015年10月4日 曇りのち晴れ

【コースタイム】

沼原湿原(6:30) — 白笹山(7:40) — 南月山(8:20) — 牛ヶ首(9:30) — 姥ヶ平(10:30~12:00)— 沼原湿原(13:40)

 

 

大田黒公園 静寂な日本庭園と紅葉ライトアップ

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東京都杉並区荻窪の大田黒公園へ行ってきました。

閑静な住宅街の中にひっそりと広がる大田黒公園。地元の人以外だとあまり聞いたことがない公園かもしれないですが、実は紅葉の隠れた名所となっていて、毎年11月下旬から12月上旬にかけてライトアップも実施されます。(入場無料)

園内は見事な日本庭園となっており、知名度がそこまで高くない分、週末でも空いているので静かな紅葉散策が楽しめる穴場スポット。

山で見る紅葉とはまた違う、日本庭園と紅葉が醸し出す和の雰囲気が何とも言えない居心地の良い空間。子どもの頃から慣れ親しんだ、大好きな場所の1つです。

 

荻窪の日本庭園、大田黒公園の紅葉ライトアップ―――

 

 

街の紅葉も見たくて、子どもの頃に良く訪れた大田黒公園まで散歩してきました。

紅葉のライトアップを見たのは今回が初めてでしたが、なかなか綺麗だったので写真載せておきます。今週末までライトアップされているので良ければ行ってみてください。

今年は紅葉が遅くて、今週末がちょうど見ごろかと思います。

 

大田黒公園の紅葉ライトアップは毎年11月下旬から12月上旬の10日ほど。だいたい17時ごろからライトアップが開始されます。

この期間だけ開園時間も伸びて、平日は20時、土日は21時まで。

 

昼間の公園をまずは散策。入口から続くイチョウ並木がいきなり綺麗でした。

 

園内はそこまで広くはないけど、日本庭園の造りとなっていて何とも落ち着いた雰囲気。閑静な住宅街の中にあるのでとても静かで、都会の喧騒を忘れさせてくれます。

今年は例年よりも色づきが遅いので、11月29日で7割ほど紅葉。まだまだこれから色づいて行く感じでした。

 

それでも十分見応えあり。

空いているのでのんびり落ち着いて散策できるのが何よりもいいところ。

 

園内の全景を撮るのを忘れたけど、池や芝生も広がっていて、絵に描いたような日本庭園が広がっています。

小学生の頃から来ているけど、園内の様子は今も昔も全く変わってない。

それがうれしい。これからも変わらないでほしい。

 

日没を迎えて再び訪れてみた。ライトアップされるとまた雰囲気がガラッと変わる。

入口はこんな感じの門構え。入口からすでに風情あります。

 

 

イチョウ並木もライトアップされます。ライトアップは17時開始でした。

 

大田黒公園のライトアップされた紅葉。

ライトアップは初めて見たけど、想像以上に綺麗でした。

 

 

これぞ日本の紅葉と言える、独特の和の雰囲気です。

昼間よりも紅葉が映えて見える。

 

池に映る紅葉がまた何とも綺麗でした

このシーンだけを見れば、六義園にも決して引けを取らない美しい景観。

 

これでも紅葉はまだピーク前。最盛期はもっと赤みが増すようです。

住宅街にポツンとある公園とは思えない贅沢な風景。入場無料というのが太っ腹!

 

園内には茶室もあって、この日はコンサートイベントも開かれてました。

小さい資料館もあるので、良ければ立ち寄ってみてください。

 

以上、ざっくりとですが、大田黒公園の紅葉の写真でした。

もともとは都内でも有名な六義園に行くつもりだったのですが、紅葉がまだということだったので慣れ親しんだ大田黒公園に来てみたけど、かなり良かったです。

有名どころに比べたら規模も華やかさも劣るかもしれないけど、とても静かな公園で東京にいることを忘れさせてくれる空間が広がっています。入場無料なので、荻窪の近くまで来たら立ち寄ってみてください。

荻窪駅から徒歩10分ほどで、2015年のライトアップは12月6日まで。

最終日まで紅葉の見ごろは続きそうです。

 

 

 

谷川連峰主脈 日帰り縦走登山 (西黒尾根~谷川岳~万太郎山~仙ノ倉山~平標山)

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10月の3連休に谷川連峰主脈を日帰りで縦走してきました。今回も電車とバスを利用しての公共交通利用。

谷川岳から平標山にかけての10kmを超える稜線が続く谷川主脈縦走路。どちらをスタートにしてもほとんど時間は変わらないですが、今回は土合山の家に前泊したので、土合駅~谷川岳~万太郎山~仙ノ倉山~平標山の順で歩いてきました。

終始展望の良い稜線が続き、紅葉も山の中腹あたりが見ごろで景色としては申し分ないルート。…でしたが、何度も繰り返されるアップダウンには本当に心が折れそうになった。。。日帰りのコースとしてはそこそこの難易度にはなると思います。

体力的にはきつい登山となりましたが、一度は歩いてみたかったコース。無事に歩き通せてホッとしつつ、今回も天気に恵まれて素晴らしい景色に出会えたので、充実感に満たされた旅でした。

 

秋の谷川主脈縦走への挑戦―――

 

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谷川岳から平標山にかけてひたすら展望の良い稜線が続く谷川主脈縦走コース。谷川馬蹄形と合わせて、谷川岳を巡る日帰り登山としては健脚向け縦走ルート。

大変なのは十分知ってはいたけど、谷川主脈の稜線は冬の時期も含めて何度も眺めていたので、一度は歩いてみたかったコース。

もともと10月の3連休は去年計画していて行けなかった東北の朝日連峰へ行く予定だったのですが、悪天候で今年も断念。3連休の最終日に何とか晴れてくれそうな谷川エリアが決まり、主脈縦走に挑戦することになりました。

 

12時間を超える縦走登山となった今回の旅。今年の秋の紅葉登山の中では一番ハードな1日となりました。

 

~~ 2015年10月12日 谷川主脈縦走登山 ~~

今回も電車・バスを利用しての公共交通の山旅。

日帰りといっても主脈縦走は朝発では到底間に合わないので、前日のうちに谷川岳の麓まで移動します。

3連休の2日目の午後、都内から鈍行を乗り継いで群馬県の土合駅へ。10月の3連休は最初の2日間がお天気残念でしたね。。。予定していた朝日連峰も来年へまた持ち越しとなりました。

 

18時ごろに土合駅に到着。

この駅は知っている人も多いかもしれないけど、「日本一のモグラ駅」と言われている地下深くにホームがある駅。

 

こちらが地上まで通じる階段。終わりが見えないっ!!!平衡感覚が狂ってトリックアートのような不思議な感覚に陥る。

階段は全部で462段、高低差にして約80mほど。普通に歩いたら10分くらいかかります。

 

途中にはまさかのベンチまで用意されている。見た限りエレベーターもなさそうだったので、この駅に降り立ったら誰もがこの階段を登らないといけない。

もし仮に通勤でこの駅を使うことになったら、毎朝良い運動にはなりそう(笑)。以前通勤で使っていた大江戸線もなかなかの深さだけど、ここには及ばないだろう。

 

462段を登り切ったところから下を振り返って見る。やはりホームが見えない……。よくこんな駅を造ったもんですね。

ちなみにこのモグラ駅は下りホームだけで、上り列車は普通に地上に停まります。

 

階段を登って改札へ。正面にある衝立は、列車がホームを通過するときの突風緩衝用みたい。

土合駅だけでもなかなか面白かった。

 

今夜は土合山の家で前泊。土合駅の裏手にある宿で、谷川岳登山には重宝する有難い存在。

 

山の家と名がついているけど、普通の民宿です。3人で泊まるには十分すぎるほどの広さの和室。素泊まりなら1泊3500円とリーズナブル。ここの夕食はカニ鍋が出るらしいので、次泊まりに来るときは食事つきにしようかな。

 

そんなわけで、谷川主脈縦走は土合山の家からスタート。

迎えた翌朝……

 

早朝(深夜?)3時すぎに起きて、4時前に宿を出発。当然ながら真っ暗ですが、主脈縦走は標準タイムで行くと14時間以上かかるのでこれくらいの出発は当たり前。

逆の平標山側からスタートする場合もほぼ同じ時間かかります。

 

この時間はまだ谷川ロープウェイは動いていないので、こちらの休憩舎で登山届を提出。土合駅にもいたけどここでも寝袋敷いてビバークしている方がおりました。

下山予定時刻は16時。10月になると17時を過ぎると暗くなるので、多少は巻いて行きたい。

 

暗闇の中、西黒尾根登山口に到着。ここから登山道に入ります。

 

4時20分に登山開始。

西黒尾根と言えば”日本三大急登”の1つ。過去谷川岳には4回登っていながら、全部ロープウェイ利用だったので、西黒尾根に登るのは今回が初めてなのです(^^;

前を歩くのはあつしとたくみ。公共交通利用を駆使して山に登るタイプの飯豊山メンバーです。予定していた朝日連峰も、もちろん公共交通で行くつもりだった。

 

陽が昇るまでまだ時間があるので、序盤は真っ暗な中を黙々と進みます。見上げると星空が綺麗でした。

 

5時を過ぎて空が白み始める。毎度のことながらこの明け方と夕暮れ時は、分単位で空の色が変わっていくから、思わず見入ってしまう。

 

明るくなって初めて周りが紅葉しているのを知った。10月の中旬になると谷川岳も山頂の紅葉は終わって、中腹へと下りていく頃。ちょうど西黒尾根中盤が綺麗に色づいていました。

 

1時間ちょっと登れば、樹林帯を抜けて展望の良い道に出ます。岩場も徐々に多くなってくる。

 

ご来光より先に見えたのが、谷川岳のモルゲンロート

西黒尾根を登っていると、ちょうど背後からご来光となるので、こんな感じで正面に真っ赤に染まる谷川岳を見ることができます。

 

上から見下ろす一ノ倉沢の紅葉がまた見事でした。

前回の那須岳と並んで、谷川岳もまた関東では人気の紅葉名所の1つ。週末はロープウェイが長蛇の列となるそうですのでお気を付けください。

 

6時ちょうどにご来光。雲1つない綺麗な空でした。

 

朝日の光を浴びる山々。これから待つ過酷な縦走路を前に、穏やかなひと時。

 

谷川岳山全体が紅く染まる。燃えるような紅葉がここにもあった。

左奥に見える建物が天神平ロープウェイ駅。紅葉シーズンは劇的に混雑するそうなので、あのロープウェイが動き始める前には山頂に着いておきたい。

 

中盤になっていよいよ鎖場も出てきました。

ただ、岩も足場がしっかりしているのでそれほど鎖の必要性もなし。適度に楽しめる岩場。

 

早朝の静かな岩の稜線を行く。時間もまだ早いので、登っている人もほとんどいなかった。

 

6時20分、ラクダの背に到着。周囲が開けた展望台になっています。

 

一ノ倉沢の岩壁。北アルプスにも引けを取らない荒々しい岩峰を間近で感じられます。

谷川岳は日本でも群を抜いて遭難が多いことから「魔の山」なんて呼ばれていたりもするけど、その大部分はあの一ノ倉沢の岩壁ルートによるもの。普通に天神尾根や西黒尾根を登っていれば、遭難や滑落なんてまず起きないと思う。

 

西黒尾根は日本三大急登の1つということで、どんなもんかと期待してたけど、普通の尾根道でした。特別急坂が続くということもなく、距離もそんなに長くない。後半は岩場・鎖場も出てくるけど、足場や目印はっきりしているのでなんてことはないです。

体力的にもそこまでは求められず、同じく日本三大急登のブナ立て尾根(北アルプス)に比べたら格段に楽でした。

 

岩場下手くそを自認する僕でも楽しめるレベルなので、ふだん山登りをしている人ならおそらく誰でも登れるんじゃなかろうか。

 

登るにつれて背後に見えてくるのが白毛門・朝日岳方面の谷川馬蹄形縦走路。 今回も馬蹄形にするか主脈にするか少し悩んだけど、標準タイムだと馬蹄形の方がプラス2時間ほどかかるので、まずは主脈に挑戦となりました。

個人的にも馬蹄形より主脈の方が惹かれていたしね。

 

時刻は6時半を回ったところ。ずっと谷川岳山頂は見えてるけど、なかなか近づかないもどかしさがありました。

 

西黒尾根を登り切って天神尾根ルートと合流。写真に写っている標識は印象的な形をしているのでよく覚えている。

 

ここで今回のメインとなる主脈縦走路が見えた。目の前の稜線をずっと真っ直ぐ突き進んで行きます。

 

その前にとりあえず谷川岳山頂へ。特に寄らなくても良かったけど、誰もいない谷川岳山頂は貴重だったのでピーク踏んでおきました。

 

7時半に谷川岳山頂のトマノ耳に到着。谷川岳はこれで5回目の登頂。夏2回、冬2回、そして今回初めて秋の紅葉時期に来訪。西黒尾根を使ってきたのも初めて。

 

トマノ耳山頂から眺めるオキノ耳。同アングルから撮った秋と冬の写真。冬は天候良ければ巨大な雪庇を見ることもできます。

 

今回はオキノ耳には寄らずに、谷川主脈へ。まずは手前の肩の小屋で態勢を整える。

 

谷川岳山頂直下の肩の小屋。 谷川主脈の注意点としては、途中にまともな水場が1つもないので、水は十分に持って行ったほうがいいです。この時期は涼しいので比較的歩きやすいけど、夏場は標高2000mに満たない稜線なのでかなり蒸し暑い。日差しも遮る場所がないので、熱中症には要注意。

肩の小屋にも水場はないけど、ジュースは売ってます。

 

ここで朝食休憩。主脈を眺めていると、初めて冬の谷川に登ったシーンが蘇る。

2013年1月12日 冬の谷川岳

まだそんなに雪山にも登ったことがなかった頃なので、この雪景色を目の当たりにしたときには本当に感動した。雪山ってこんなに美しいんだと深く魅了されて、この年の冬から徐々に雪山にも登るようになっていった。

 

そんな思い出もある谷川連峰主脈へ、いざ突入!

万太郎山まで6.5km。その間に細かいピークがいくつもあって、アップダウンが何度も続きます。

 

紅葉する谷川連峰主脈。金色に染まる稜線は、冬とはまた違う美しさあり。

 

出だしはゆったり。快適な稜線ハイクを存分に楽しめる道です。

稜線フリークとしては、すでに唸る展開。

 

紅葉は山の中腹あたりがピークを迎えていて、稜線から見下ろす風景がまた抜群でした。

この山の紅葉も見事な色づき見せてくれます。

 

最初の名もなきピーク。尖がっていてカッコいいシルエットでした。

上州武尊山の剣ヶ峰を彷彿させる姿。

 

主脈の稜線はたまにこんな岩場も出てきます。まだこの時は楽しめる余裕がある。

 

岩場を越えて少し行った先が最初のピーク、オジカ沢ノ頭

この先も「~ノ頭」がたくさん出てくるけど、これが徐々に厄介な存在になってくる……。

 

見事な湾曲を見せる川棚ノ頭への稜線。最初こちらを歩いて行くのかと思ったけど、この稜線はどうやら一般ルートが開拓されていないようです。歩けたらこちらも気持ちよさそう。

 

行くのはこっち。まだまだ続く主脈の稜線。上から眺める分にはそこまでアップダウンもなさそうだけど、実際に歩いてみるとそうでもない…

 

ここから先は谷川岳からも離れていくので、早くも見納め。

サヨナラ谷川岳~(・ω・)ノシ

 

オジカ沢ノ頭のすぐ近くにあった避難小屋。主脈上にはいくつか避難小屋があるけど、こんなカプセルタイプになっています。中を覗いたけど、そんなに広くはないし、中もカプセル状にカーブしているので居心地はそんなに良くなさそう。

泊まるのには適さず、あくまで緊急避難用の建物。

 

1つピークを踏むごとに、急な下りが待っている。稜線を歩くときには当たり前のことだけど、ここ主脈に関してはこの登り返しがとにかく多いので、後からじわじわ効いてきます。。

 

こんな平坦なところは、もう天国!人も全然いないし、風もほとんどない。

10月にしては暖かい日だったので、半袖でのんびり歩けました。

 

最高の稜線ハイク。

わがまま言わせてもらうなら、こんな道が永遠と続いてほしいところ。

 

2つ目の頭、小障子ノ頭に到着。

 

写真では良く映っていないけど、左手前方のはるか奥に浅間山が見えてました。

 

また登り返し。そろそろ谷川岳はロープウェイが動き出して賑わってくる頃だけど、こちらは本当に静か。

見た目としては同じような稜線風景が続くけど、ずっと開放的な道なので体力が備わっていればかなり楽しんで歩ける道だと思います。自分は、ここ最近長時間トレッキングをしていなかったせいか、早くもここら辺からバテ始める……

 

鞍部にあった大障子避難小屋。先ほどのカプセル小屋よりは広くて泊まるならこちらの方が良さそう。

主脈に限らず谷川全域はテント泊が禁止になっているので、主脈や馬蹄形を歩くなら一気に日帰りで行くか、避難小屋をあてにして歩くしかない。主脈縦走に関しては、他の方の記録を見てもほとんど日帰りでやってのけているので、ここら辺の避難小屋が使われることはほとんどないのかもしれないですね。

 

途中、ヘリが巡回してた。遭難でもあったんだろうか。

天気はこれ以上ないくらいの登山日和だけど、午後から崩れてくる予報なので、自分たちもあまり悠長にはしていられない。

 

写真で見るとなんてことなさそうな坂道だけど、これが徐々に堪えてくるんです。。。

主脈は初夏の花の時期に挑戦することも考えていたけど、秋にして本当に正解でした。直射日光を遮る術がないので、夏は暑さとの戦いになること間違いなし。

 

登り坂のあとにこんな平坦な道を用意してくれてるから憎めない主脈稜線。アメとムチをうまく使い分けてくるぜ……

 

稜線の中盤に入ってくると、山深さがどんどん深まっていく。

下を流れる赤谷川。基本的に主脈の南側は登山道がないので、手つかずの自然が残っている。

エスケープルートも万太郎山から北側へ降りるルートしかない。途中怪我でもしたら、さっきのヘリにお世話になるしかないです。

 

9時50分、大障子ノ頭を通過。

 

ようやく目の前に見えた万太郎山。

でもその前に登り返し…

 

頭を越えた後の急な下り坂。何とも勿体ないくらい標高を落とします。

谷川主脈は標高1600m~2000mあたりを行ったり来たり。

 

下り坂を終わっての、ホッとする平坦な道。だいたいパターン化してきた。

そのあとに待つ急坂を登り切れば、万太郎山山頂。

 

10時20分、万太郎山に到着。土合山の家を出発してすでに7時間ほど経過。

 

これまで歩いてきた縦走路。谷川岳~仙ノ倉山のほぼ中間地点になります。

 

次に目指す仙ノ倉山も見えた。

見ての通り、この先はこれまで以上にきついアップダウンが待っている…。左手前の落ちくぼんだところが、この稜線では一番標高が低くなる毛渡乗越(1568m)。そこから谷川連峰の中で最高峰となる仙ノ倉山を目指すことになる。

 

時間的には良いペース。体力もまぁ大丈夫だろうってことで先へ進みます。万太郎山から土樽駅へ降りる道が谷川主脈では唯一のエスケープルート。 この先へ進むと、もう最後の平標山まで登って降りるしかない。

頑張ります!

 

万太郎山を少し過ぎたところに、草紅葉が素晴らしく綺麗な場所がありました。景色だけ見れば何とも長閑な雰囲気。

 

縦走途中の一コマ

 

仙ノ倉山は3年前の夏に一度登っているけど、あの時は平標山から穏やかな稜線を伝ってきたので、谷川連峰最高峰と言われてもいまいちピンと来なかった。

万太郎山から見ると、その山の大きさが良く分かります。谷川連峰唯一の2000m超えは伊達じゃない。

でかいっす……

 

仙ノ倉山に近づくと、麓の紅葉が一層真っ赤に染まってました。今回はあまり写真は載せないけど、平標山~仙ノ倉山の紅葉も素晴らしく綺麗だったので、谷川岳と合わせて紅葉の山としておすすめです。特に平標山はものすごいポテンシャルを秘めてそうでした。

 

また転がっていた避難小屋カプセル、越路避難小屋。 地図には定員7人って書いてあるけど、7人は無理な気がする広さでした。

 

予報通り昼になると雲が出始めた。何とか仙ノ倉山まで天気を間に合わせたいけど、ここら辺まで来るともう全然ペースが上がらない。。。

 

バテバテで下を向いて歩いていたら、はるか麓に滝つぼを発見。こちらは何という滝でしょうか?

見た限り登山道もなさそうな、秘境感漂う場所。紅葉も綺麗で不思議と魅了される雰囲気がありました。

 

新潟方面からどんどん曇ってきた。。最鞍部の毛渡乗越から登り返すこの坂がまたキツイ。。右に見える山も仙ノ倉山ではなく、手前のエビス大黒ノ頭。

ここに来て最後の頭が立ちはだかる。本当にこの頭のオンパレードは厄介。。。

 

12時15分、何とかエビス大黒ノ頭に到着。何度相手にしたかわからないけど、「~ノ頭」シリーズはこれで完結。

後は仙ノ倉山と平標山だけ。

 

写真だと全然伝わらないけど、こんな急坂を何回も登ることになるので、結構疲れます。

主脈縦走ってやっぱり大変だわ、、、

 

それでもようやくここまで来た。仙ノ倉山から平標山までは天国の稜線が待っているので、仙ノ倉山まで登ってしまえばもう終わったようなもん。

……だけど、ラストの登り坂がまた直登で簡単には登らせてくれない。

 

12時すぎてシャリバテになったので、もう限界。山頂の30分手前のエビス大黒避難小屋でお昼休憩。

今回の主脈縦走ではここで唯一腰を下ろして休みました。先が長いとどうしても気が先走ってゆっくり休む余裕はなかったけど、ここに来てようやく終わりが見えてきた。

 

20分ほど休んで最後の登り。太陽が隠れてしまったので、気温も一気に低くなりました。

雲も仙ノ倉山の向こうからどんどん湧いてくる…。

 

そして……

 

 

ついにガスったー!\(^o^)/

無情にも山頂手前でガスに覆われました。。。今回はギリギリアウトだったか…。

 

そんなわけで、展望ゼロの仙ノ倉山(2026m)に到着。今回の縦走路で唯一標高2000mを超えるピークです。時刻は13時20分。

晴れなかったのは残念だけど、ほっとした気持ちも大きかった。。ここから先は一度歩いたこともあるし、大したアップダウンもないから主脈縦走としてはほぼ終わったようなもんです。

 

肩の小屋から10000mの道のり。肩の小屋を出発したのが8時ちょうどだから、5時間20分の稜線ハイクでした。

思っていたよりは時間経ってないけど、それ以上に長く感じた谷川主脈。大変でしたよ……

 

ここから先、平標山までは木道も整備された穏やかな稜線。3年前に初めて訪れたときは本当に感動して、絶対にまた来たいと思っていた場所。

そんな気持ちもあって谷川主脈を歩きたかったってのもある。

あつしとたくみは初めて来る場所だったから晴れの景色を見せてあげたかったんだが、、、これは残念すぎる。。

 

頑張って主脈を歩いてきたのに、最後の最後でこんなことって……。

誰もいないので、ふてくされて木道に座り込む。「平標~仙ノ倉山の稜線は天国だから、最高だから!」と事前にハードル上げてた手前、二人には申し訳ない(^^;

 

と思ったら、何か天気が回復してきた!?

これはまさかの奥穂高パターンか??何回目かのミラクルが起きるかもしれない。

 

晴れるかもしれないという期待が持てて、気持ちも明るくなって先へ進む。

というか、実際に太陽の光が差して登山道が明るくなってきた。

 

この平標山にかけての道は本当に広くて穏やか。夏は高山植物のお花畑が広がり、秋は草紅葉綺麗な場所です。

晴れそうで晴れない……、そんな悩ましい状況がこの後もしばらく続いたけど、稜線天国というのは変わらない。自然と足取りも軽くなる。

 

そして祈りが通じたのか、平標山に差し掛かったところで今回も起死回生の展開を引き寄せたっ!

 

 

おぉーーーー!!!!

 

薄らと稜線が見えてきたかと思ったら、瞬く間にガスが取れた。

数秒の出来事。奥穂高岳那須岳に続いて同じ展開が待ってました。天気が回復する瞬間ってのは、当然ながら本当に嬉しい。

特に今回に限っては午後から天気が崩れる予報だったから、もう駄目だと思ってた。

 

何とか青空が見えた中での平標山山頂に到着。今回の谷川連峰主脈の終着点。

 

勝利のファンファーレは鳴らなかったけど、雲の合間からこぼれる日差しが祝福の光に見えた。

山の神様、ありがとうございましたm(__)m

 

改めて見る仙ノ倉山~平標山の稜線。ここだけはこれまで歩いてきたアップダウン激しい道とはまるで違う、何とも穏やかで平和な稜線です。3年前に初めて目にして、何度も往復したいと思えたほど気に入った場所なんです。

時間も14時を過ぎていたからなのか、稜線上には誰も人がいなくて、最後まで静けさを保ってました。

 

こうして眺めていると、もしかしたら自分の稜線好きの原点はここだったのかもしれないと思えた。

初めて平標山の山頂に立った時に目にした、これまでには見たことのないだだっ広い稜線。こんな場所が山の上にあるのかっ!!という衝撃は今でも印象に残っている。これほど広くて穏やかな稜線が続くのは、他には飯豊山くらいしか思いつかない。

年々稜線が好きになり、岩場が嫌いになっていくのはどうしたもんかとも思うけど、やっぱり稜線は好きですよ。そのきっかけとなる場所に帰ってこれた感じがしました。

 

束の間の晴れ間も再びガスに覆われた。思い残すこともないので、平標山から下山します。

 

だいぶ長くなってしまったのであまり多くは書かないけども、平標山の紅葉がまた素晴らしく綺麗でした。山の上の方もまだ紅葉が残っていたし、中腹から麓にかけて広範囲に色づいているのを見たときは、一時疲れを忘れさせてくれた。

次は紅葉目的に平標山~仙ノ倉山だけをゆっくり登りに来たいと思う。

 

16時すぎ、平標登山口に下山。ここから先は前回の平標山登山と同じく、登山口バス停からバスに乗って越後湯沢駅へ帰ります。

 

帰りの温泉は駅から徒歩15分くらいの所にある駒子の湯へ。露天風呂はないけど、500円と安いし、21時まで営業しています。(越後湯沢駅構内のぽんしゅ館に入ろうと思ったら17時半で営業終了してたので、こっちにしました)

 

駅近くの商店街で営業していた釜飯屋で晩御飯。新潟はやっぱりお米が美味い!

付け合わせの牛スジ大根も美味しかったです。

 

こうして無事に谷川主脈縦走をやり終えて、越後湯沢駅から電車に乗って東京へと帰りました。

 

東北朝日連峰の代替案として決行することになった、今回の谷川連峰主脈日帰り縦走。3連休なのに1日しか山登りできなかったのはやや残念だったけども、内容としては日帰り登山とは思えない充実っぷりでした。

 

初めて歩いた谷川主脈縦走路。序盤の西黒尾根も初めてだったんだけど、その西黒尾根なんてあっという間に終わってしまったという感覚で、とにかく主脈の歩き応えが印象的な旅でした。

最初は余裕ある感じだったけど、アップダウンのたびに力がなくなっていく自分が情けなくもあったな(笑)

 

全体を通してキツイ登山だったけども、紅葉も綺麗だったし、天気にも恵まれた。奥穂高岳の時と同じく最後山頂手前でガスったけど、そこからの展開も素晴らしいものでした。

 

何度も言うけど、自分はやっぱりこの平標山~仙ノ倉山にかけての稜線が谷川連峰の中では一番好き。主脈を全て歩いてもその気持ちは変わらなかったです。

 

谷川主脈縦走はルートとしては14時間オーバーなのでやや健脚者向きかもしれないけど、ひたすら展望の良い道が続くし、群馬から新潟に横一直線に抜ける爽快感もたまらないので、良ければチャレンジしてみてください。

主脈は縦走せずとも、平標山~仙ノ倉山なら6,7時間で回れるのでそちらもオススメ。こちらも電車・バスの公共交通利用だけで登ることができます。

 

秋の谷川連峰主脈縦走への挑戦(完)

 

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【日程】

2015年10月12日 晴れ時々曇り

【コースタイム】

土合山の家(3:50) — 西黒尾根登山口(4:20) — 谷川岳トマノ耳(7:30) — 大障子避難小屋(9:30) — 万太郎山(10:20) — エビス大黒避難小屋(12:40~13:00) — 仙ノ倉山(13:20) — 平標山(14:20) — 平標山登山口バス停(16:30)

 

 

 

尾白川渓谷~日向山 紅葉登山 エメラルドグリーンと白砂の絶景 

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白砂の絶景で有名な南アルプスの日向山へ登ってきました。

標高1660mとそこまで高い山ではないですが、山頂はアルプスの高山帯を思わせる花崗岩と白砂の世界が広がっており、甲斐駒ヶ岳や八ヶ岳の絶好の展望台にもなっています。

最短ルートである矢立石から登れば1時間程度で山頂に着くので、初心者や家族連れでも親しみやすい山ですが、今回はややロングルートになる尾白川渓谷コースを歩きました。

体力がある人にはこちらがおすすめ。何といっても尾白川渓谷が美しすぎます!エメラルドグリーンの清流がとても綺麗で、滝も見ながら楽しく歩けます。紅葉もちょうど見頃を迎えていました。

日向山からの絶景と合わせて、尾白川渓谷の秘境感ある清流もおすすめです。

 

エメラルドグリーンの尾白川渓谷と白砂の日向山―――

 

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だいぶ記事を書くのが遅くなってしまったけど、10月中旬に登った日向山の記録です。

ブログは書いていないけど、今回歩いた尾白川渓谷~日向山のコースは実は今年の4月にも歩いていて、その時は桜とセットでの山旅プランでした。内容は充実していたんだけど、天気があまり良くなくて展望もいまいちだったので、このたび紅葉を狙って再訪。

1年の間に同じ山に2回登るというのはあまりしたことがないけど、今回は見事なまでの快晴で、尾白川渓谷の清流と紅葉、日向山の白砂の世界を満喫することができました。

 

尾白川渓谷から日向山へのルートは往復8時間近くになるので、矢立石コースに比べるとやや健脚向け。アップダウンや急登もあるので、なかなか疲れるけども、エメラルドグリーンの渓谷歩きや間近で見れる迫力ある滝など、日帰り登山としては見どころ豊富です。

日向山に歩き応えを求めるのであれば、このコースは本当におすすめ。ぜひ行ってみてください!

 

~~ 2015年10月25日 尾白川渓谷と日向山 ~~

10月下旬にもなると、山の上のほうでは紅葉も終わって見頃は標高の低い所へと移っていきます。

そうなってくると狙い目になるのが、山のふもとを流れる渓谷。都内近郊の渓谷として有名な西沢渓谷と迷ったけど、今年4月に不完全燃焼で終わった尾白川渓谷へと再び行ってきました。

 

朝8時半に尾白渓谷駐車場に到着。尾白川渓谷コースは長いと言っても往復8時間弱なので、この時間からのスタートでも十分間に合います。

4月に来たときは車数台しか停まってなかったけど、今回は結構停まってました。

 

登山届は右奥の黄色いボックスに提出できます。登山届がしっかり用意されているのは、ここがあの有名な甲斐駒ヶ岳黒戸尾根のスタート地点でもあるから。入口の標識も日向山の文字はなく、甲斐駒ヶ岳になっています。

ここから日向山に登る人のほうがもしかしたら少ないのかもしれない。

 

低山用の25Lザックで登山開始。前回が谷川主脈縦走だったので、今回はかなり気楽です。

 

スタートしてすぐに行きつく駒ヶ岳神社。黒戸尾根に挑戦する人はここで安全祈願でもするんでしょうね。

自分はまだ黒戸尾根には登ったことはないけど、やっぱり長丁場になるみたいね……。挑戦してみたい気持ちもあるけど、ストイックな登山はそこまで求めてもいないので、登る日が来るかはわからない。

 

尾白川渓谷があるのは山梨県北杜市白州。白州といえばウイスキーが有名ですな。”南アルプスの天然水”の工場があるのもここ白州。水が綺麗な証拠。

 

このつり橋が登山道の入口。橋の下には尾白川が流れているけど、早くもその水の綺麗さを見ることができます。

 

橋の上からでもわかる水の透明度。奥に行くとまだまだこんなもんじゃない清らかな川が待っています。

 

登山道に入ってすぐに黒戸尾根との分岐点。標識の通りに尾白川渓谷道へ進むけど、左へ行く日は来るのだろうか……

 

尾白川コースはこんな感じの鉄柵で整備されています。道幅は狭いけど、危険個所は大してないのでご安心を。

 

序盤は川に沿って歩くので標高も全然上がらず、無駄にアップダウンが多いです。

それでも横目にきれいな川が流れているので、気分は悪くない。登山道も静かなもんです。

 

まず最初の見所スポットが千ヶ淵。ここで早くも尾白川渓谷の真骨頂を見せつけられる。

 

見事なまでのエメラルドグリーン!光と影の加減がまた絶妙で、森の中のオアシスのような幻想的な空間でした。

写真で見ても綺麗だけど、この空間が醸し出す独特の雰囲気がたまらないので、ここはぜひ実際に訪れて体感してほしいところ。晴れていないとどす黒く見えるだけなので、絶対に晴れの日を狙ってください!(4月に来たときはこんなに綺麗に見えなかった…)

 

階段を上ったり下りたり。序盤はずっとこんなような道が続きます。

 

渓谷沿いはまだ緑が多かったけど、上を見上げると紅葉も混じってカラフルな葉がなんとも綺麗でした。

今年は目が肥えるほど、紅葉を見ている気がする。

 

緑豊かな登山道なので、新緑の時期もおすすめだと思います。次に来ることがあれば5月ごろに歩いてみたい。

 

こんな感じで川に近寄れる場所も。入浴剤のバブを入れたような緑色(笑)

小さい滝もたくさんあって、この渓谷歩きだけでも十分楽しめるレベル。

 

落ち葉が金粉みたい

 

 

この後も設置された鎖場や橋を頼りにひたすら歩いていく。4月に歩いた時もそうだったけど、週末なのに登山者もほとんどいない尾白川渓谷。それなのに整備はしっかり行き届いている感じで、ただただ感謝。

これはぜひとも布教活動をしなければと思った( ̄▽ ̄)

 

三ノ滝に到着。絶好の休憩場所にもなっているので、ここで休んでいる人がちらほらいました。

 

こちらが三ノ滝。滝自体はそこまで大きくないけど、巨岩が点在して独特の迫力があります。

右の岩が何となく人の顔に見える気がする…

 

川の流れに沿って少しずつ標高を上げていく登山道。

 

山が徐々に色づいていくのが面白い。真っ赤に染まるような紅葉ではないけども、緑と黄色と赤のバランスがちょうどいい割合で、これはこれで十分綺麗でした。

 

足元にも秋が転がっている。栗やどんぐり、落ち葉もふかふかで晩秋の気配も漂う。

 

旭滝に到着。標識を読んでもらうとわかるけど、なんとも神秘的な滝だそうで。

朝早く登るとコバルト色の滝と虹の絶景が見れるみたいですよ!

 

個人的には滝よりも感動したのが、この景色。

滝の手前に広がるこの白い岩壁とエメラルドグリーンの清流が絶景でした。今回の登山のハイライトとさえ言える場面。

滝までは左側の淵を辿っていけば見ることができます。やや滑りやすいので要注意。

 

川の底まで見える透明度。南アルプスの天然水が作られるのも納得する綺麗さ。

すごいよ、尾白川渓谷!

 

こちらが旭滝。驚くほどの大きさではないのであしからず(^^;

 

なんとも秘境感ある場所でした。滝よりも手前のこの岩に囲まれた空間が絶妙。

ルートを少し外れて降りてこないと来れない場所だけど、ぜひここは立ち寄ってほしい。

 

まだまだ続く渓谷歩き。途中、道幅が狭いところもあるので、すれ違う場合は要注意。

標識を見る限りだと落石の危険もあるみたい。

 

お次にあったのが百合ヶ渕。それぞれのスポットに標識があって説明文が記されているので読んでみてください。

百合ヶ渕については、岩壁の合間から清流が見下ろせる場所でした。

 

時にはもろい橋も。傍目に崩壊した橋の残骸があったりもするので、こういう通行規制は素直に守る。

 

 

10時20分、神蛇滝に到着。ここは団体さんと思われる人たちが休憩していてかなり賑わってました。

単に自分たちのスタートが遅かっただけで、尾白川渓谷はやっぱり人気なのかな。

 

こちらが神蛇滝。紅葉と合わさってとても綺麗な滝でしたが、惜しいのが遠目にしか見れないところ。

 

神蛇滝を眺める。距離的にはこんな感じ。

 

良く見ると、滝の上の陽が差すところが何となく神々しい雰囲気でした。できることなら近づきたかった。

 

神蛇滝展望台にあった石碑。

「僕たちはこの日を決して忘れやしない 僕たちに山があると同じように」

亡き友を想う山仲間の深い思いが伝わってきます。

 

お次は不動滝へ。この不動滝が尾白川渓谷の中では一番の大きさを誇る滝になります。

 

 

綺麗に色づく日向山山麓。日向山自体は山頂の白砂が有名であって、そこまで紅葉の山というわけではないけども、それでも立派な南アルプスの一角。南アルプスらしい黄色メインの紅葉です。

 

不動滝手前の立派なつり橋。左奥にチラッと見えているのが不動滝。滝を俯瞰するならこのつり橋が絶好の場所です。

 

不動滝へ近づくには避けられないこの岩場。1本ロープが垂れ下がっていて、ここを登る必要があります。

距離は大したことないけどほぼ垂直。下りがやや怖いかもしれないのでお気をつけて。手袋必須!

 

岩場を乗り越えて現れる不動滝。尾白川渓谷の中では一番の大きさを誇る滝です。

 

見てくださいよ。こんな感じで滝を撮れるようにもなったんだぜ!

シャッタースピードを意のままに操れるようになった瞬間( ̄▽ ̄)

 

不動滝を過ぎると渓谷歩きも終わり。ここから日向山まで急登が続きます。

 

急登の最中、苔大好きあやのが見つけたタヌキノチャブクロ。ホコリタケというキノコの一種みたい。

つつくと煙のように胞子を出して面白かった。

 

急な階段。標高を一気に上げていきます。

ようやく山頂へ向かっている感じがしてきた。

 

どんどん色づいていく紅葉。色とりどりのもみじが本当に綺麗でした。

 

登山らしくなってきた。ここまでもアップダウンが多くて結構歩き応えあったけど、ここから先もなかなかの登りが続きます。

お手軽な矢立石コースとは違って、しっかり山登りさせられます。

 

紅葉が予想以上に綺麗。今年はシルバーウィークの北アルプス朝日岳をスタートに、栗駒山涸沢那須岳谷川主脈と紅葉を楽しんできたけど、過去振り返ってみても紅葉登山としては一番充実した年だったかもしれない。

色づきに関していえば日向山はこれまでの山には劣るけど、エメラルドグリーンの渓谷という一味違う魅力を備えている点では、これもまた素晴らしい山旅。

山の上の紅葉が終わった晩秋時期には、渓流歩きも一つの選択肢としてありだと思います。

 

急登をある程度登り終えると林道に出ます。落ち葉が敷き詰まって林道という感じはしないけど、かつて車も通っていたであろう道です。

 

その面影がこの崩落したガードレール。4月に登った時にも見たけど、その時と変わらぬ状態で残っていました。

 

12時過ぎ、錦滝の休憩所に到着。この裏手に滝があります。

 

岩肌を滑るように流れる錦滝。見応えとしては不動滝に劣るけど、落差はなかなかのもん。

冬場はアイスクライミングのゲレンデになるようです。

 

錦滝から先が今回のルートの中では地番の急登。所々にロープや鎖も設置されています。

 

急な階段。この後もしばらく樹林帯が続きますが、奇跡的ともいえる景色の変容は突然訪れます。

 

!!!!!

いきなり目の前に広がる白砂の世界。先ほどまでの樹林帯から一変!雪山を彷彿させるほどの真っ白な世界にいきなり引きずり込まれます。

 

北アルプス燕岳さえ思わせる花崗岩と白砂の世界観。なんで標高2000mにも満たない山でこんな景色が広がるのかわからないけど、とにかく目の前の景色が一気に変わります。

展望も開けて、それまで見れなかった山々も見渡せる。

 

まずは富士山。南アルプスの山に登ったからには富士の展望は外せない。

10月下旬ながらも数日前に雪が降ったようで、ほんの少しだけ冠雪してました。

 

次に目を引いたのが鳳凰三山。象徴的な地蔵岳の尖がったオベリスクがここからでもよく見えます。

 

ビーチの砂浜のような道を登っていく。先ほどまでのエメラルドグリーンの清流とは打って変わって、白とブルーの世界。それがまた面白い!

 

何度見てもここが標高2000mに満たない山とは思えない。。。

手軽に登れてこれほど贅沢な展望が得られる山は早々ないと思う。

 

最も間近に見えるのが甲斐駒ヶ岳。序盤の分岐でもあった黒戸尾根も目の前に見えます。

こちら側からだと逆光にもなっているせいか、甲斐駒ヶ岳の白さはいまいちわからない。

 

反対側の摩利支天から望むと、こんなかっこいい甲斐駒ヶ岳の姿を見ることができます。

南アルプスは北アルプスに比べるとやや地味というか、玄人向けな印象があるけど、1つ1つの山の迫力はすごいものがある。

 

日向山ビーチから甲斐駒ヶ岳を望む。

白砂エリアに入れば周囲展望が開けるので、休憩場所には困らない。

 

山頂までの白い稜線。雁ヶ原と呼ばれる白いザレ場。これこそが日向山のシンボル。

 

13時、日向山山頂に到着。序盤の渓谷歩きで遊びすぎたのもあって、登りだけで4時間半も費やしてしまいました。

山頂は矢立石コースから登ってきた人もいてかなりのにぎわい。雲1つない登山日和で、小さい子どもも元気に登っておった。

 

何座目か数えてないけど、山梨百名山をまた1つ制覇。

 

真っ白な白砂と深いブルーの空、その果てに見えたのが八ヶ岳

思えばここ2年近く登っていない八ヶ岳。雪山として登りやすい山域でもあるので、雪が積もったらまた行ってみようかと思ってます。

 

西側に広がる白砂のザレ場。蟻地獄のように広がる砂の急斜面。

不思議な山だ…

 

これぞマウンテンビーチ! 山にいながら波打ち際の雰囲気味わえる白砂の日向山。

八ヶ岳の展望も見事なもんで、他の山とは一味違う世界観。浜辺っぽい山頂ということで、海好きを連れてくるにもいいかもしれないな。

 

なんでここだけ白砂が広がっているんだろうか……。

疑問だけど謎のままのほうが夢広がるので、特に調べないです。とにかく高山帯に匹敵する景色が広がっているので、まだ登ってない方はぜひ登ってみてください。

 

帰りは矢立石コースで下山。こちらから下っても、スタート地点の尾白渓谷駐車場に戻れます。

 

こちらは急登もなく、歩きやすい道が続いていました。これなら小さいお子さんも登山初心者も安心して歩ける。

 

 

紅葉もきれいで落ち葉もフカフカ。尾白川渓谷からの急登とはまるで違う、快適な登山道でした。

 

1時間ほどで矢立石駐車場に到着。こんな感じで路駐するように停めるようです。

ここからスタートすれば1時間ほどで山頂に着くので手軽に登れるけど、ここまでの林道はなかなかの悪路らしい。そんなに台数停めらえる駐車場でもなさそうだったので、矢立石コース登るのであれば早めに来るのがよさそう。

 

尾白川駐車場まではここからさらに40分ほど下る必要があります。

この登山道が意外に迷いやすかったりもするので少し注意。一度林道に出るのが正解なので、もし迷ったら左手に見える林道へ脱出しましょう。(実際、少し迷った…)

 

16時前に尾白川駐車場に到着。時間にしたら7時間ほどの登山でしたが、なんとも中身が濃い山旅でした。

 

下山後の温泉は登山口からほど近い「尾白の湯」へ。 露天風呂からは八ヶ岳も見えて、快適な温泉。

 

尾白の湯から八ヶ岳を眺めて今回の旅もおしまい。

朝から晩まですっきりと晴れてくれて、天気に関しても文句なしの1日でした。

 

 

今年2度目の尾白川渓谷。エメラルドグリーンの清らかな水がとにかく綺麗で、独特の秘境感ある雰囲気がたまらなかったです。

滝と紅葉も見ごたえあって、尾白川渓谷単体でも十分楽しめるコースだと思います。日向山の真っ白な世界とはまた違う魅力があるので、尾白川渓谷と日向山、セットで登れば面白さも数倍跳ね上がる。

しっかりと歩きたい人には本当におすすめのルートなので、強くお勧めしておきます!

 

尾白川渓谷とマウンテンビーチ日向山の登山記録でした。

 

最後に……

9月シルバーウィークから続いた紅葉登山編も、この日向山が最後になります。今年は例年以上に紅葉を愛でれた気がするので十分満足!

毎度読んでくれてる方もいらっしゃったようで、ありがとうございましたm(__)m

 

山記録はまだいくつか残っているので、年内にもう1つくらい記事書けたらいいなと思ってます。

良ければまた読みに来てください。

 

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【日程】

2015年10月25日 快晴

【コースタイム】

尾白川駐車場(8:40) — 神蛇滝(10:20) — 不動滝(11:15) — 錦滝(12:10) — 日向山(13:00~14:00) — 矢立石駐車場(15:00) — 尾白川駐車場(15:40)

 

 

【2015年総集編】 雪山~夏山~紅葉 1年間の登山記録まとめ

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2015年も残すところあとわずかということで、今年1年間の登山記録を簡単にまとめておきます。

雪山に始まり、初夏の高山植物、夏のテント泊に秋の紅葉登山と、今年も色々な景色に出会えた1年でした。年々山に行く回数は減っているものの、今年も40日ほど山に入っていたので、その中から印象的なものをピックアップしておきます。

特にこれからの雪山シーズンでおすすめしたい山も載せておくので、良ければ登ってみてください。

細々と書いている当ブログを読みに来てくださった方、今年1年ありがとうございました。来年もどうぞよろしくお願いいたします。

 

2015年登山記録総集編―――

 

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色々と登った2015年。年々山に登る日数は減ってきているけれど、それでも40日ほど登れたので満足の年でした。何より今年は天気が当たり年だった気がする。

雨に降られて中止になった山行も数回あったけども、念願の白山と鳥海山を筆頭に、ようやく行くことができた山もあったので、内容としては2014年を超えるものだったかもしれない。

 

こうやって過去を振り返るときにこそ、ブログ書いててよかったと思える瞬間でもあるので、自分の過去の記事を読み返しつつ、いくつか印象に残った登山を挙げておきます。

特にこれから雪山シーズン。雪山に関しては強くお勧めしたい山を載せておくので、良ければ年明けの雪山リストにでも加えてやってください。

 

そういうわけで、2015年最後の記事。

 

~~ 2015年 登山総集編 ~~

1月3日 金峰山

http://bluesky.rash.jp/blog/hiking/kinpusan2.html

2015年のスタートは奥秩父の盟主、金峰山。登ったタイミングが最高に良くて、降雪直後だったのでまさかの樹氷が広がっていました。山頂までの稜線は北アルプスの西穂高岳さえ思わせる迫力ある岩稜で、金峰山の真骨頂を見た感じです。

それほど危険個所もないので、ぜひ雪の時期にも登ってほしい山。夏場とはまるで違う世界が広がっています。

 

金峰山のシンボル、五丈岩も雪をかぶるとまた迫力が増す。新年早々、初富士も見れて最高のスタートになった登山でした。

 

1月11日 上州武尊山

http://bluesky.rash.jp/blog/hiking/hotakayama2.html

金峰山の翌週の登山となったのが、この上州武尊山。これまで登ってきた雪山の中では圧倒的No1で人に薦めたい山です。

とにかく山頂までの樹氷群が素晴らしすぎます。ここも金峰山と同様に降雪直後、しかも金峰山以上に登る寸前まで雪が降っていたので、樹氷が育つに育ってまさかのスノーモンスターまで見ることができました。

降雪後はラッセル地獄となりますが、それでも行く価値は大いにあると思います。

 

雪をかぶるとその存在感が更に際立つのが、この剣ヶ峰。雪をかぶった立派な角は、夏場とはまるで違う神々しさがあります。

もともとは1泊2日で八ヶ岳を縦走する予定だったのですが、悪天により変更した上州武尊山。悪天のおかげで思いがけない大当たりを引いた雪山登山でした。

 

2月1日 宝永山

http://bluesky.rash.jp/blog/hiking/houeisan.html

2月に入ってまず最初に登ったのがこの富士山側火山の宝永山。早朝に見た富士山のモルゲンロートが印象的なシーンでした。これから先に待っている暴風地獄が待っているとも知らずに……

 

富士山の番人として立ちはだかる標高2693mの宝永山。距離的にはかなり近そうに感じたけど、それが大間違いで、登るのに5時間要した過酷な山行。暴風とラッセルで雪山の厳しさを思い知らされた登山でした。2015年の登山の中では身体に最もダメージを負った旅。良くも悪くもずっと忘れない登山だと思います。

 

2月21日 蔵王山

http://bluesky.rash.jp/blog/hiking/zao.html

冬のシーズンに毎年1回は見ようと思っているのが、樹氷・スノーモンスター。2014年に続いて今年も樹氷のメッカ、東北の蔵王山へ行ってきました。昨年はガスの真っ白な中に不気味に立ち並ぶ樹氷しか見れなかったけど、今回は見事な快晴で、青空のもとでモンスターとご対面できました。

 

山頂の鳥居さえも派手に凍結してモンスターと化す、日常とはかけ離れた世界観。この日は本当に天気が良くて、歩いていれば汗ばむほどの陽気。風もない穏やかな中で樹氷狩りを楽しめた1日でした。

できることなら来年も見たいスノーモンスター。蔵王山はもちろん、福島の西吾妻山もおすすめです。

 

3月8日 伯耆大山

http://bluesky.rash.jp/blog/hiking/daisen.html

2015年の雪山登山で強烈なインパクトを残したのが、この3月最初に登った伯耆大山。樹氷、雪壁、ブロッケン、雲海、稜線、日本海……、とにかく絶景の連続で日本の山に登っているとは思えない圧倒的なスケール!東京から遥々鳥取まで足を運んで登った価値は十二分にありました。

雲海に浮かぶ伯耆大山の凛々しい姿がたまらなく美しかった。

 

山頂についてからの絶景はもちろん、登っていてまず圧倒されるのがこの北壁。北壁を正面に捉えて登るルートもあるので、次はぜひそちらを攻めてみたいところ。

鳥取県なのでそう簡単に人に薦めることはできないけど、登山口まで路線バスも通っていたりと、公共交通のアクセスはなかなか良い山。麓の町から見る富士山のような圧倒的な佇まいも見ものです。

 

3月31日 三毳山

http://bluesky.rash.jp/blog/hiking/mikamoyama.html

雪山からはいったん離れて、たまには低山も。3月下旬に見頃を迎えるカタクリを見に、栃木県の三毳山へ行ってきました。標高229mの超低山だけども、見どころは豊富。カタクリの群生は関東屈指とも言える規模で、桜や水芭蕉など、いろいろな花を愛でることができた旅でした。高速バス1本で行くことができるアクセス方法を見つけたので、良ければブログを参考にして行ってみてください。

 

補足としてこちらは幸手権現堂の桜まつり。菜の花と桜並木の絶景を見れる、埼玉県内の有名なお花見スポットです。三毳山を公共交通手段で行く場合、ちょうど帰りに通ることになる場所だったので立ち寄ってみました。三毳山のカタクリと時期がギリギリ重なるタイミングを狙って、こちらもぜひ合わせて立ち寄ってみてください。

 

4月18日 爺ヶ岳(北アルプス)

http://bluesky.rash.jp/blog/hiking/jigatake.html

残雪期の4月に突入して、まず登ってきたのが北アルプスの爺ヶ岳。山頂について目の前にそびえる鹿島槍ヶ岳はもちろん、剱岳や立山連峰、さらには槍ヶ岳まで見えたりと、まだ真っ白な雪化粧をまとった北アルプスの名峰たちにひたすら感動させられた山旅でした。

 

残雪期に登る場合は一般ルートの柏原新道は通れないので、残雪期専用の南尾根ルートを登ることになります。そこまで迷うポイントもなかったけども、一応バリエーションなので行く場合は慎重に。自分よりも全然雪山に登ってる男たちと登りに行ったので安心してたけど、でかい熊の足跡を見た時にはややビビった……。4月ともなれば熊も目覚めてお腹を空かせてる頃なので、そちらも要注意(^^;

 

5月2日~4日 槍ヶ岳・北穂高岳(北アルプス)

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今年もやってきたゴールデンウィーク!昨年の決死の表銀座縦走に続いて、舞台は再び北アルプス。今回は北アルプスのシンボル、槍ヶ岳へ登ってきました。

今年はGWまでの雪解けが早くて、難易度で言ったら昨年の表銀座よりも楽だったけども、そこは3000mを超える世界。山頂からはまだ雪が豊富に残るアルプスの山脈を一望することができました。

 

槍ヶ岳山頂から見た裏銀座の景色。

実質、槍ヶ岳は日帰りで登る勢いで上高地から一気に山頂を目指したけども、行動時間13時間の長丁場が体力的にもかなりきつかった……。テント装備という重さもあってペースがあまり上がらなかったけども、絶景にも助けられてまた1つレベルアップできた山旅だったと思います。

 

槍ヶ岳に続いて2日目は標高3106mの北穂高岳へ。自他ともに認める岩場大嫌いということで、穂高連峰の頂上に立つのもこれが初となりました。(ちなみに涸沢に行ったのもこの時が初)。まさか積雪時に初登頂することになるとは思わなかったけども、涸沢からの登りが笑っちゃうほどの急斜面で、穂高の怖さを見せつけれた……

槍ヶ岳も北穂高岳もとりあえず無事に登頂できたので満足。余談だけど、この2日後が大事な山仲間の結婚式で、一緒に登ったまさきとあつしが2次会の司会、自分が乾杯の挨拶という大役を仰せつかったので、3人揃って何としてもケガしてはならなかったこの旅。無事に終えてホッとしつつ、幸せなGWを過ごせましたとさ。

 

5月10日 白砂山~八間山

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GWの登山を終えて、2015年の雪山登山もおしまい。ここからはいよいよ花の時期へと突入していきます。

まずはGWの翌週に登った白砂山。上信越特有の緑豊かな稜線が特徴で、稜線好きにはたまらない景色が広がっていました。雪山から解放された安心感もあって、のんびりと歩けた白砂山の稜線ハイク。前から狙っていた山だったけど、想像通りに素晴らしい稜線が続いていました。

 

白砂山の稜線と合わせて忘れてはならないのが、麓に広がる野反湖。オーシャンブルーの湖がひときわ綺麗で、周辺ののどかな風景と合わせると日本じゃないような雄大な世界観が広がっていました。

個人的にはこの山も強くお勧めしたい場所です。湖周辺にキャンプ場もあるので、1泊してのんびり楽しむのも大いにあり。

 

6月13日 田代山・帝釈山(尾瀬)

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2015年、花を巡る登山として壮大な幕開けとなったのがこの旅。尾瀬の田代山・帝釈山。帝釈山ではちょうどオサバ草祭りが開催され、田代山の湿原では見事なまでのワタスゲの群生が広がっていました。

本場の尾瀬をも超えるほどのワタスゲの群生。これは本当に一見の価値ありです。1本の真っすぐと敷かれた木道、その脇に広がる白いワタスゲはまさに地上の楽園。ぜひとも味わってほしい絶景です。

 

ホワホワしたワタスゲ天国と無数の高山植物、さらには広大な湿原の果てに見える会津の雪山と、とにかく雄大な自然が広がる贅沢な山です。尾瀬といえば百名山の至仏山や燧ヶ岳が有名だけれども、ここも負けず劣らずの絶景に出会える山です。

 

7月10日 秋田駒ヶ岳

梅雨の合間の晴れを狙って登ってきたのが東北の秋田駒ヶ岳早池峰山。どちらも花の名峰だったけども、特におすすめしたいのが秋田駒ヶ岳。火山の面影を残しつつも、穏やかな池の周りにはお花畑が広がり、散策用の木道も整備されていて、誰にでも楽しめる山となっています。

 

秋田駒ヶ岳の有名スポットがムーミン谷。そこに咲くチングルマの花と穂の共演がまた絶妙でした。東北は7月半ばにして早くも花の最盛期が終わりを迎えようとしており、花の時期の短さを痛感した旅でもありました。

 

個人的に強くお勧めしたいのがこの乳頭山までの縦走路。飯豊山を彷彿させる広大な稜線は、稜線フリーカーにはたまらない道だと思います。あまり歩く人はいないようですが、ぜひ秋田駒ヶ岳と合わせて歩いてほしいところ。お花畑や湿原など、見どころも豊富です。

 

7月25日~26日 白山~別山

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念願の名峰へ。その第1弾となったのが、梅雨明け早々に登った白山。何年も前から行きたいと思いつつ、悪天に阻まれて行けなかった山。今年は梅雨明け後の晴天を狙ってようやく行くことができました。

初夏のシーズンに登れたので高山植物はもちろん、山頂の御池にはまだ雪が残っており、雪解け水の深いブルーがまた神々しい雰囲気を醸し出していました。無数の花と御池巡りを存分に楽しめた白山。

 

さらに感動したのが別山までの縦走路。公共交通手段で行ったので、車の回収を気にせず石川から福井へと縦断するコースはなんとも爽快でした。途中に広がるお花畑はもちろん、別山から見る白山の雄姿がとにかくカッコよくて、公共交通利用の人はぜひ別山、さらにはその奥の三ノ峰まで歩いてみてください。

開放的な稜線が続く反面、直射日光が強烈で途中に水場もなく、暑さにやられそうになった登山でもありました。。。

 

8月5日 鳥海山

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念願の名峰、第2弾が東北の鳥海山。この山も毎年のように悪天に阻まれて行くことができなかったけども、今年ようやくチャンス到来。平日の休みを利用して、行き帰り夜行バスという0泊2日プランのやや強行で登ってきました。

鳥海山はとにかく遠いのが難点ですが、高速バスを使えばバスを1回乗り継ぐだけで登山口まで行くことができます。

 

綺麗な円形の鳥海湖。このあたりから急速に天気も回復して、鳥海山の絶景を拝むことができました。花の名峰というだけあって登山道には高山植物が咲き誇り、山頂からは間近に見える日本海と、展望は言うことなしでした。高速バス発着の象潟駅の近くに道の駅があって、そこに温泉やお食事処、お土産やも完備されているので、バス利用でも十分に旅を満喫することができます。

 

8月9日 塩見岳(南アルプス)

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南アルプスの塩見岳へ日帰り登山。行程は長かったけども、急登続きというわけではなかったのでそこまでの辛さはなかった登山でした。南アルプスのちょうど中心に位置しているので南北の名峰たちを望める絶好の展望台となっていました。

 

雲海の果てに浮かぶ富士山はもちろん、この蝙蝠岳へと続く稜線がなんとも雄大で、次はぜひここを歩いてみたいと思った。

本当ならこの翌月に聖岳・光岳に登る予定だったんだけど、予期せぬ事態に遭遇して中止に。南アルプス縦走は来年にお預けとなりました。

 

9月20日~21日 朝日岳~雪倉岳(北アルプス)

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2015年紅葉登山の第1弾となったのが、北アルプス朝日岳~雪倉岳。聖岳・光岳の代替案として急きょ決まった行程で、紅葉しているとも思わずに登りに行ったので、結果的に紅葉登山になったという、うれしい誤算の旅でした。

 

シルバーウィークの北アルプスにも関わらず、比較的空いていたのは白馬岳に人気が集中しているからだろうか……。テント場や登山道もそこまで混まずに快適に歩けました。

朝日岳と雪倉岳は北アルプスでは珍しい木道敷かれた穏やかな道が続いています。湿原もたくさんあって、初夏の時期は高山植物の宝庫となっていそう。上信越の山に似た雰囲気がありました。

 

旅の締めくくりとなったのがこのシーン。この直前までガスっていて残念な雰囲気で終わるかと思いきや、起死回生の天候回復で目の当たりにした白馬岳の雄姿。紅葉と合わせて、旭岳のシルエットがとてもカッコよく、かなりの衝撃を受けた光景でした。白馬岳のさらなる魅力に迫れた気がする貴重な体験。雪倉岳側から見る白馬岳もおすすめです。

 

9月23日 栗駒山

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朝日岳~雪倉岳から2日後、どうしても今年の紅葉時期に行きたかった東北の栗駒山へ。登山行程は短いですが、見どころはとにかく豊富。錦秋にふさわしい景色が広がっていました。

 

栗駒山の紅葉といえば、この真っ赤に染まる山肌。一面が赤く染まる光景は圧巻の一言!関東ではまず見ることのできない色づきを見せてくれました。電車・バスを利用して行ったので、宮城県側から入って岩手県側へ抜けるルートを選択。日帰りだったけども栗駒山の見所はある程度抑えられた旅だったと思う。

 

栗駒山の昭和湖。地獄谷と合わせて北側は火山の面影を色濃く残す風景が広がってました。栗駒山は南北でその姿がまるで違うので、できれば両方歩いてみてください。

 

9月29日~30日 涸沢・奥穂高岳(北アルプス)

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怒涛の紅葉ラッシュとなった9月の山行。極めつけは北アルプスの涸沢。紅葉の王道とも言える秋の涸沢に初めて行きましたが、そのスケール感には度肝を抜かれた…!

3000m級の山々を従えてカラフルな色づきを見せつける涸沢の紅葉。人気が出る理由もよくわかりました。ちょうど紅葉ピーク時に行くことができ、しかも平日だったのでテント場も驚くほど空いていて快適な登山でした。

 

涸沢槍と紅葉。GWの積雪時に来た涸沢とは別世界で、見るものすべてが新鮮でした。

 

この旅も最後に起死回生の展開が待っていた。初登頂となった奥穂高岳。その山頂に着いた途端に視界が開けて、雲も中から姿を現すジャンダルムが幻想的な光景でした。涸沢の紅葉と合わせてハイライトといえるシーン。素晴らしかった!

 

10月4日 那須岳

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10月の紅葉登山、まずは那須岳へ。那須岳はこれで4回目でしたが、紅葉時期に行くのは初めてで、しかもコースも南月山から姥ヶ平の周回という全く歩いたことのないルートだったので、新鮮な気持ちで歩けました。

那須岳の紅葉もまた有名で、特に綺麗だったのがひょうたん池からの紅葉と茶臼岳。火山と紅葉という迫力ある絵を見ることができます。

 

姥ヶ平の紅葉も見事なもんでした。部分的には東北の栗駒山に匹敵するほどの真っ赤な色づき。ロープウェイもあるので、誰でも訪れることができます。

那須岳は何度登っても楽しめる山ですね。

 

10月12日 谷川連峰主脈

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登山行程14時間を超える長旅となったのが、この谷川主脈縦走。序盤の西黒尾根を忘れるくらい、谷川岳から平標山まで続く稜線が長かった……。アップダウンも多くてかなりきつかったけども、展望は一級品で気持ち的には終始楽しさを持って歩けたルートでした。

 

この旅でも最後の最後でどんでん返しが待っていて、稜線の終点平標山に着いたと同時に晴れ渡って、そこで一望できたこの雄大な稜線。仙ノ倉岳にかけてのこの穏やかな稜線は2回目だったけど、谷川主脈の中では一番好きな場所。自分が稜線好きになった原点はここだったのかもしれないと、懐かしい気持ちにも浸れた旅でした。

 

10月25日 尾白川渓谷・日向山

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そして今年最後の紅葉登山となったのが、先週アップした尾白川渓谷~日向山。日向山以上にエメラルドグリーンに輝く尾白川が印象的な旅でした。秘境感もあって独特の静けさがある尾白川渓谷は本当におすすめです。紅葉もきれい。

 

今年2度目となった日向山。今回は見事な快晴で、山頂からは甲斐駒ヶ岳や八ヶ岳を一望することができました。白砂の絶景も満喫できて紅葉登山の締めくくりとしては十分の内容だったと思います。

 

 

日向山以降も2回ほど山登りに行ったので、それは機会があればまた書きたいと思います。

とりあえず、1月から10月までの山行をいくつかピックアップして振り返ってみました。

最近は全然登山に行けていなかったけど、山納めとしてこれから今シーズン最初の雪山に登りに行ってくる予定。久しぶりなので怪我せず、ほどほどに楽しんできたいと思います。

 

毎回読んでくださってる方もいらっしゃるようでありがとうございました。また、いつもコメントくださってる方、本当にありがとうございます!

来年もたぶんブログは続くと思うので良ければまた見に来てください。

 

では、良いお年を!

 

 

 

冬の木曽駒ヶ岳(中央アルプス) 雪山登山 ~~壮大な千畳敷カールと宝剣岳~~

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2015年最後の登山は標高2956mの中央アルプス・木曽駒ヶ岳へ。

通年営業しているロープウェイを利用して日帰りで登ってきました。登山行程はそれほど長くはないですが、12月の年末ともなれば、そこは3000m級の雪の世界。たっぷり積もった雪と猛烈な突風に身体を飛ばされそうになりながらの厳しい山行となりました。

今シーズン初の雪山というのもあって不安も少しありましたが、久しぶりの雪景色にひたすら感動!圧倒的スケールの千畳敷カール、雪の稜線に南アルプスと富士山の展望。そして特に圧巻だったのが、雪をまとった宝剣岳の雄姿。夏場とはけた違いの迫力がありました。

雪山はやっぱり素敵です。最後も青空で締めくくれて、2015年の総括に相応しい山旅となりました。

 

2015年の山納め、冬の木曽駒ヶ岳へ―――

 

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明けましておめでとうございます。

2016年、めでたい新年の幕開けですが、まずは2015年最後の登山記録を。登ってきたのは中央アルプスの盟主、木曽駒ヶ岳

長らく続いた紅葉登山も終わって、季節は一気に雪山へ。

 

木曽駒ヶ岳はゴールデンウィークにも登っているので、今年2回目。(GWの残雪登山の記録はこちら

もともとGWの木曽駒ヶ岳が厳冬期の登山への下見的な意味合いがあったから、今回がむしろ本番。満を持して挑んできました。

ロープウェイ使えて行程も短いし、最初の足慣らしにはちょうどいいかと思ってたけど、、、やはり雪山はそう簡単ではなかったです。なめてたわけじゃないけど、雪山の厳しさをしっかりと味わった1日となりました。

 

これで2015年山納め。ただ、最後とは言っても今シーズン初の雪山登山。まともな登山も久しぶり。自分の中では気持ちも新たに、冬山へのスタートと言える山行でした。

今年は前年よりも山に登れる回数は減りそうだけど、やっぱり山は好きです。久しぶりの雪景色に触れて素直にそう思えました。

 

2016年もブログは粛々と更新していくつもりなので、今年もどうぞよろしくお願いしますm(__)m

 

~~ 2015年12月29日 木曽駒ヶ岳 雪山登山 ~~

クリスマスも終わって、年の瀬が迫る12月28日深夜。一人の男のお誘いを受けて、中央アルプスの木曽駒ヶ岳へ。

振り返ってみれば、昨年の山納めもこの男とでした。

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そうです、まさきです。

2年連続一緒に山納めしているうえに、2015年は初登りの金峰山もまさきとだったな。一緒に登るのは割と久しぶりだけど、何だかんだスタートとラストをご一緒することになるのは、、、これも何かの縁か。

 

正直なところ、体調不良もあって急に雪山というのも不安があったけど、木曽駒ヶ岳なら行けるだろうと思って今年もラストをご一緒させてもらいました。

 

深夜に都内を出発して、3時過ぎに菅ノ台バスセンター駐車場に到着。木曽駒ヶ岳ロープウェイまではマイカー規制がかかっているので、ここでバスに乗り換え。バスの始発まで仮眠します。

久しぶりの登山なので、実はかつてないほど緊張してて、あんまり眠れなかった……。

 

冬季のバス始発は8時15分。陽もすっかり登って明るくなった頃にようやく動き出せます。ここからバスに乗って、さらにロープウェイに乗り換えないといけないので登山開始は最速でも10時近くになります。もう少し早く登りたいと思う反面、木曽駒ヶ岳だけなら10時スタートでも十分間に合うので、なんとも言えない……

この日は登山者が多かったからなのか、8時頃に臨時バスを出してくれました。

 

そんなわけで、予定よりも15分くらい早く、8時半過ぎにしらび平に到着。この時点で標高1662m。明け方まで雪が降ったようで路面には雪が薄っすらと積もってました。

 

ロープウェイも通常なら始発が9時5分なのに、臨時で8時40分頃に1発目を動かしてくれました。ありがたや~!

毎度目にするモンベルのウェアを着たロープウェイガールさん。年末なのにお仕事お疲れ様ですm(__)m

 

こうして予定より早く9時前に千畳敷に到着。標高はすでに2640m。森林限界も難なく超えて、あっという間に銀世界に突入。

文明の利器は偉大です。

写真の茶色い建物は通年営業のホテル千畳敷

 

いきなり飛び込んでくるのは千畳敷カール。木曽駒ヶ岳の代名詞にして日本を代表する壮大な岩壁!

写真では青空が広がっているけど、これはいいタイミングで撮れただけで、まだこの時はガスったり晴れたりの状態。ホテル前の展望台からも南アルプスなんて全く見えませんでした。準備しつつ、好天を願って少し様子見。

2015年は天気に関しては大当たりが続いたので、最後もきっちり青空で締めたかった。どうかお願いします!

 

下を見ると早速登山開始している人もいました。明け方まで雪が降っていたみたいだけど、下を見るとばっちりトレースついてた。

ホテルに泊まってた人が早朝に登ってトレースつけておいてくれたんでしょうね。これなら割と簡単に登れちゃいそう。

 

駒ヶ岳神社で安全祈願して出発。いつになく緊張しているけど、どうか無事に登って降りてこれますように……

そして、どうか周りのしつこい雲が取れますように……

 

こうして9時30分、今シーズン最初の雪山登山開始。久しぶりの雪山登山靴にアイゼン、ピッケル。不安だけども懐かしい感覚。

先を行く赤い2人はまさき。3人で登るのは、今年2月の宝永山以来か。あの時と同様の暴風に見舞われるとはこの時は思ってもみなかった……。

スタート時は無風で、寒さはそれほどでもなかったです。

 

目の前に広がる千畳敷カールの雪壁。ロープウェイで一気に壮大な雪の世界へ来ることができる木曽駒ヶ岳。雪山の初戦にはこれくらいがちょうどいい。

本当なら木曽駒ヶ岳は昨シーズン中に登る予定だったんだけど、去年はロープウェイの故障で千畳敷まで来ることができずに持ち越しとなった山行。そのせいか、ヤマレコとかTwitter見ても、今シーズン木曽駒ヶ岳に入っている人は多い気がします。

 

思った以上に新雪フカフカで、足が埋まる埋まる。

人がたくさんいるのを見て、スノーシューは下に置いてきたけど、トレースなかったら間違いなく必要な積雪量。

モフモフ~~♪

 

久しぶりの雪景色に徐々に気持ちが高ぶってくる!今年は例年になく雪が少なくてスキー場もピンチみたいだけど、3000m級の世界には雪がたっぷり積もってました。

 

徐々に近づいてくる千畳敷カールの雪壁。GWに一度歩いているのでどれほどの斜面かはわかってはいたけど、あの時とは雪の量、付き方がまるで違う。

本当ならノートレースでバフバフ道を開拓していくのが木曽駒雪山登山の醍醐味なんだろうけど、予想以上の埋まり具合なので、先行隊がいてくれるのは有難かった。

 

いつかは自分でラッセルして登りたいと思いつつ、今回は誰がつけてくれたかもわからないトレースを有難く頂戴します。

 

道を外すとズボッと踏み抜く。序盤ですでに太もも近くまで埋まります。これ、最初にラッセルした人は相当大変だったんじゃなかろうか……。

序盤はストックのほうが歩きやすいんだろうけど、途中で持ち変えるのも面倒だったので最初からピッケル携帯して登りました。

 

登っている間は終始、横に見える雪の岩壁に見惚れてた。

ただでさえ夏の岩場が苦手なので、積雪時に岩山なんて登れる気がしないけど、見てる分には美しい。

 

山を前にしたら人間なんてどんだけちっぽけなものかがよくわかる。特に雪がつくと、山も一層険しく見えるから、その場にいると山の威圧感は半端ない。

木曽駒ヶ岳はこれで3回目だけど、かつてないくらい千畳敷カールに迫力がありました。

 

徐々にきつくなってくる斜面。写真ではずっと青空が広がっているように見えるけど、青空が映った写真を使っているだけで、まだガスったり晴れたりの繰り返し。

というか、この段階ではガスに覆われる時間のほうが増えてきて、幸先不安だった。雪の急斜面よりも天気のほうが心配っていうね……

 

上から見下ろすをこんな具合。なかなかの斜面でしょ~( ̄▽ ̄)

トレースついてなかったらスノーシュー履いて登ってたと思うけど、スノーシューだとこの斜面はかなりきつい気もする。千畳敷カールの踏破はコンディション次第でかなり難しくなりそう。

 

千畳敷カールの岩の門。ここを通過するあたりが傾斜が一番きつい。

ここらへんで雪崩とか滑落ってそんなに聞いたことはないけど、列を成して登っているときは、ステップの拍子に小さい雪のブロックが落ちてきたりもするのでやや注意。

 

先ほどまで見上げていた岩壁も、同じくらいの高さになってきた。

 

雪の斜面を一部トラバース。短いけど、雪が結構崩れやすかったので慎重に行く。

 

ラストは岩と雪のミックス。夏道の階段が一部露出していたりもして、歩きづらかったです。ここら辺は降りるときにピッケルが不可欠。

 

10時10分、とりあえず無事に千畳敷カールを登り切って、乗越浄土に到着。

たったの40分だったけど、体感的には結構長く感じました。

 

そして、ご覧ください!完全にガスりました(笑)

見事なまでに真っ白な世界。2015年最後の最後でこれかよ……

 

稜線に出た途端にものすごい風が吹き付けてきたので、山小屋の陰で防寒対策。

ここから先、さらに風が強くなる。

冬季は山小屋は完全に閉まっている上に、幸か不幸かスタートから森林限界を超えているので樹林帯もなく、小屋の陰くらいしか風よけとなる場所がない。

 

ガスっているけど、これはこれで幻想的なシーン。太陽の光がぼんやりと見えるあたり、意外とすぐに晴れそうなパターンでもあったので、実際はそこまで悲観もしてなかった。(天気予報、日中は晴れマークだったし)

 

木曽駒ヶ岳は手軽に登れるイメージがあるけど、稜線に上がってからは道が広いのでホワイトアウトすると結構怖い。この日は人も多かったので道迷いの心配はなかったけど、ガスに包まれると方向感覚がなくなるって言うので気を付けてください。

雪の中でガスに包まれると、なんか急に体感温度も下がって心細くもなるしね。

 

強風によってできた巨大なエビのしっぽ。

樹氷とか霧氷とか、冬は天気が崩れても楽しめるものがあるってのが良いところ。

 

動き出して間もなく、待望の青空が見えるようになってきた。厄介な強風も、このときばかりは雲をどんどん流してくれてるから頼もしい存在。

 

霧が晴れていく中で、太陽に照らされて姿を現した宝剣岳。この瞬間は、あの奥穂高岳に立った時に姿を現したジャンダルムに匹敵する名シーンだったと思う。

この日の宝剣岳は千畳敷カールをも超える神々しい姿を見せてくれました。後で写真バンバン載せてやります!

 

前方のガスも取れてきた。目の前に見えるのは木曽駒ヶ岳手前の中岳

迂回ルートはこの時期通れないので、中岳を越えていくしかないです。

 

中岳に近づくにつれて風がさらに強くなってきた。強風を越えて暴風並みの風速。

 

晴れてきても、強風で雪煙が舞って、まるで吹雪みたいな天候。。。想像以上に過酷な山行となった木曽駒ヶ岳。写真だと強風が伝わりづらいのがもどかしいけど、本当に暴風でした。

今シーズン最初の雪山として比較的手軽な山を選んでみたけど、全然違った。寒すぎるし、真っすぐ歩けないっ!

 

(そして、このときすでにパーティー内で限界を迎えつつあるものがいた……)

 

どうにか中岳山頂に到着。この山頂の風がまたひどくて、吹っ飛ばされそうにもなった。岩陰に隠れてお茶でも飲もうかと思ったら、カチンコチンに凍ってたぜ……

 

強風吹き荒れているけど、展望は素晴らしい!スタートからしつこかったガスもようやく抜けてくれて、遠くの山脈も徐々に見えてきました。

今年の後半に何度もあったけど、ガスってから晴れる展開っていうのは、テンションが最高に上がるタイミング!気持ちの面でも元気が出てくる。

 

正面に見えた木曽駒ヶ岳山頂。中岳山頂の風があまりに強くて、留まっているほうが危なかったのでさっさとピークを目指します。

下に見える頂上山荘まで下って登り返す。

 

風を遮ってくれるものがないので常に強風が吹きつけるけど、見事な青空が広がってきました。

 

木曽駒ヶ岳と中岳の鞍部に建つ駒ヶ岳頂上山荘。木曽駒界隈で唯一のキャンプ場も雪ですっかり埋もれてました。

ここも風の通り道なのでまっすぐ歩くのがしんどい。

 

猛烈な風と巻き上がる雪煙。このワンシーンだけ見たら木曽駒にいるとはとても思えない、極地さながらの厳しい環境。

 

凍てつく風、久しぶりの雪山登山。

そして、ここにきてついに「もう、無理!!」と限界を迎えたものがおりました……。

 

山頂手前でバッテリーが機能せずに、自分の相棒のカメラが死亡……(チーン)

 

言われてみれば自分の身体だけじゃなくてカメラも久しぶりの雪山だったか。。。寒さに慣れていなかったようで、悪いことをした(笑)

昨シーズンの雪山ではこんなことなかったけど、あまりに風が強くてキンキンに冷えたんでしょうね。無念のリタイアとなりました。

 

そんなわけで、ここからはまさきの写真を拝借。偶然にも同じカメラを使っているのに、まさきのバッテリーだけ無事なのは……おそらく雪山慣れさせてなかったからに違いない!カメラを冷蔵庫にでも入れて寒さ慣れさせておきます。

 

暴風に悩まされたりもしたけど、とりあえず11時15分、無事に木曽駒ヶ岳山頂に到着。

 

山頂神社の社は雪で半分以上埋まってました。これでも例年に比べたら格段に雪は少ないんでしょうね。標識もほとんどが出てました。

山頂へ着いたと同時に感じられる空の青さ。宇宙さえ感じさせる深いブルーが広がってました。

 

木曽駒ヶ岳山頂に着いて、いつも気になるのがこの馬の背の稜線。 雪がいい具合に乗っかってました。

歩いてみたいとも思うけど、この先へ行ってしまうとどこに行きつくかわからないので、歩く日が来るかどうかはわからない。

木曽駒に最初に登った時に、この稜線上に猿が悠々と居座っているのを見たので、そんなに歩かれてる道ではないんでしょうかね。

 

ここに来てようやくはっきりと見えたのが南アルプス。木曽駒ヶ岳からの展望と言えば、まずはこの南アルプスですな。

3000m級の山が連なる山はもはや壁。その壁の向こうから富士山も見えました。

 

やや残念だったのは御嶽山が雲に隠れて見えなかったことか。しばらく山頂にはいたけど、御嶽山の雲は取れませんでした。

 

晴れていればこんな間近に御嶽山を望めます↓

2015年4月26日 残雪の木曽駒ヶ岳より)

 

山頂の神社。ひとまず無事に登頂できて感謝です。

風は相変わらず強くて、かなり寒い……。風を遮る場所がないのが苦しいところ。

 

それでも展望が素晴らしかったので、30分くらい居座ってやりましたよ。

とりあえず登頂記念に1枚。3人ともウェアの色が赤という人がいるけど、とんでもない。自分のはオレンジですよ(キリッ!)

 

まさき、岳、ありがとさん!前回3人で登った宝永山も暴風だったけど、今回もなかなかの風でしたな。

思った以上に登り応えあったけど、簡単に登れたらそれこそあっという間に終わってたから、この過酷さはちょうど良かったのかもしれない。

 

登り初めに心配していた天気も、すっかり晴れ渡って見事な雪景色!久しぶりの雪山はやっぱり感動させられます。

この起死回生の天気回復は、2015年を象徴する展開だったと思う。本当に天気には恵まれた年でした。

2016年もこんな登山が続くことを願うばかり。

 

記念に1枚。自分のカメラは冬眠中なので、まさき先生に撮ってもらいました。

空木岳方面へと延びるこの中央アルプスの稜線がまた素晴らしい!こういう景色が見れるから雪山はやめられない。

 

ちなみに……

 

カメラの設定ミスで偶然取れたNGな1枚。どうやって撮ったんだろ、これ……?

まさきのカメラも瀕死寸前だったんでしょうかね( ̄▽ ̄)

 

暴風の中でも景色が素晴らしかったので30分ほど居座って下山。とにかく寒かったけど、見えた景色は見事な絶景でした。

 

帰りはすっきりとした青空が広がっていたので、同じ道でもまた違った絶景を見ることができました。

ただ、風は強い……。木曽駒ヶ岳はロープウェイで手軽に来れる反面、最初から森林限界を超えているので、途中に逃げ場所がないのが怖いところか。

 

カメラのほうはバッテリー暖めて、数秒復帰するという繰り返し。。去年はこんなことなかったけど、何か対策考えないとダメだなこりゃ。。。

しばらくはまさきからカメラ借りてパシャパシャ撮ってました。

 

中岳を過ぎてから息をのんだこの景色!!宝剣岳が最高にカッコよすぎる!

ゴールデンウィークに来たときはここまで感動した覚えはないから、雪の力なんでしょうね。これもいわゆるゲレンデマジックってやつだな(`・ω・´)

 

この迫力!宝剣岳がいつも以上に大きく見える。

近づいていくにつれてその迫力が増していきました。

 

中岳から見る富士山と南アルプス。こちらも見ごたえあり。朝とは打って変わって鮮明に見えました。

このアングルからの眺めで思い出したのが、ゴールデンウィークに出くわした映画の撮影隊。

 

手前の伊那前岳の稜線で、岡田准一主演の映画「エヴェレスト 神々の山嶺」の撮影がちょうど行われていた日でした。 緑のシートが何なのかはわからなかった……。あと、肝心の岡田准一はいなかったと思う。

 

これぞ雪の宝剣岳!宝剣岳がこれほどカッコよく見えたのは今回が初めて。本当に迫力あるので、ぜひ見てほしい。

木曽駒ヶ岳自体は中岳から見ると丸い丘というイメージなので、余計にこの宝剣岳の鋭利な姿が際立つ。北アルプスの槍ヶ岳に匹敵する尖がり具合じゃなかろうか。

ただただカッコよかったです。

 

宝剣岳には登れそうになかったし風も強かったので、このまま帰ることにしました。一通り見たい景色は見れたし、まだ下から見上げる千畳敷カールの絶景が待っているんでね。

 

千畳敷カールは下りがやや怖い。上のほうは岩場と雪のミックスだし、この時間でも登りに来る人がいたので、ゆっくり下りました。

 

朝とは違って澄んだ青空に映える岩壁。陽も高くなって影の付き方1つで景色も違って見える。

 

滑走したら気持ちよさそうな雪の斜面。モフモフなので、雪をバフバフ踏んづけながら下山。

GWのときは、ある程度下ったところからシリセードで一気に下りれたけど、この時期は雪の量が多すぎるので無理でした。

 

振り返ってみる千畳敷カール。これが見たかった!上のほうでは暴風で雪煙が舞っているけど、千畳敷カールまで降りてしまえばほぼ無風。ここら辺まで来ると、汗かくくらい暖かかったです。

カメラもここにきて復活してくれました。

 

 

明け方は見れなかった南アルプスの山たち。そして、その奥で頑張って顔を出す富士山。

ここから見ると、本当に壁にしか見えない3000m級の山々。甲斐駒ヶ岳、仙丈ヶ岳、北岳、間ノ岳、塩見岳、赤石岳、さらに南には聖岳まで全部見渡せました。

 

ここにきてようやくお昼休憩。稜線上は風が強すぎて、ご飯を食べる隙もありませんでしたが、ここまで来れば無風なので休憩には最適。

 

休憩には絶好のロケーション!無風って素晴らしい。

雪の千畳敷カールはずっと見たかった景色。ゴールデンウィークにも雪は残っていたけど、雪の量はまるで違うので、ひときわ綺麗に見えました。

 

雪山には濃いブルーの空がよく合う。アルプスの壮観な世界観に浸れて、締めの登山としては言うことなしの内容でした。

降りてくる人、みんなはしゃいでたな(笑)

 

 

こうして13時40分、ホテル千畳敷に帰還。冬季はロープウェイが1時間に1本、毎時55分発だったのでちょうど良いタイミングでした。

 

何度も眺めてしまう雪の千畳敷カール。これが見たいがために来たようなものもあるので、無事に見れて本当によかった。

2015年の見納めがこの景色というもの、1年間の山の充実っぷりを象徴している気もする。出発にお願いした好天祈願が実って、今回も青空で終わることができました。

 

1時間に1本しかないので、ロープウェイはこんな感じで満車状態。木曽駒ガールさん、年末までお仕事ありがとうございました。

ロープウェイに降りてからのバスはちゃんと接続していてくれるので、駐車場には15時前に戻ってこれました。

 

降りてきてからの南アルプスがまた格別。冬に南アルプスに入れる力はまだないけど、仙丈ヶ岳あたりは雪の時期にいつか登ってみたいと思ってる。

今年は去年に比べたら年末から正月にかけての天気は良かったんじゃないかな。北アルプスでもそれなりに晴れたみたいだし、南アルプス・八ヶ岳に限ってはほぼ全日快晴だったはず。

天気に関しては恵まれた正月休みだったと思います。

 

下山後の温泉はこぶしの湯。もう3,4回くらい来たことがある温泉です。ロープウェイの券を買うときにここの温泉の割引券をもらえるので、それを利用するのがお得。

 

帰りは駒ヶ根名物ソースカツ丼を食べようと思ったら、年末なので営業している店が全然なく、、、。仕方なく最寄りの小黒川PAでソースカツ丼食べました。これがなかなかのクオリティーで旨かったし、シャキシャキの玉ねぎ食べ放題に箸が止まらなかった。

小黒川PA、あまり寄られない場所かもしれないけど推しておきます!

 

こうして、年末ということで特に渋滞することもなく東京へと帰りましたとさ。

 

~~~~~~~~~~~~~~~~

 

こんな感じの2015年締め登山。年明けにこの記事を書いているので、新年1発目という感じがしてしまうけど、今シーズンの雪山としてはこれが始まりなので、ある意味ではスタートともいうべき登山でした。

久しぶりの登山だっただけに緊張したけど、難易度としてはちょうど良かったかなと思ってます。

 

最初は天気にやや不安もあったけど、なんだかんだ今回もすっきりと晴れてくれて、山頂では素晴らしい雪景色を見せてくれました。空も冬らしく濃いブルーで、太陽とそれに照らされた雪山がまぶしく輝いてた。

夏とはまた違う景色を見せてくれるから、雪山登山もやめられない。空木岳へと続く中央アルプスの稜線もきれいでした。

 

暴風で予想よりも過酷な山行にはなったけども(カメラ壊れたし…)、過酷な雪の世界で見た宝剣岳がこの旅一番の収穫でした。この雄姿は素晴らしすぎるよ!「俺が中央アルプスのシンボル!」って主張しているくらい、堂々とした風格。

冬の宝剣岳のカッコよさをまざまざと見せつけられました。

 

あとは千畳敷カールか。昨年はロープウェイの運休もあって、雪山登山の積み残しになってしまっていた木曽駒ヶ岳。この山に登りたかったのも雪の千畳敷を見たいという思いが強かったからで、ようやく念願叶いました。

この絶景はロープウェイを降りた瞬間に飛び込んでくる風景なので、誰にでも見ることができるものです。山頂まで登らずとも十分に満足できると思うので、冬の千畳敷カール、その世界観に浸るだけでもおすすめしておきます。

 

2015年があまりに充実した内容だったので、それに比べると2016年は見劣りするとは思うけど、今後も山に登ったらブログは更新すると思うので、気楽に読みに来ていただけたら幸いです。

 

そんなわけで、今年もどうぞよろしくお願いしますm(__)m

 

冬の木曽駒ヶ岳山頂より―――

 

おしまい

 

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【日程】

2015年12月29日 曇りのち晴れ

【コースタイム】

千畳敷(9:15) — 乗越浄土(10:10) — 中岳(10:45) — 木曽駒ヶ岳(11:10~11:45) — 千畳敷(13:40)

 

 

 


守屋山 雪山ハイキング 八ヶ岳にほど近い南アルプス最北端の展望の山 

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南アルプス最北端に位置する標高1651mの守屋山(もりやさん)へ登ってきました。

諏訪湖の近くにそびえるこの山は、北アルプス、南アルプス、中央アルプス、八ヶ岳といった有名山域を一望できる、絶好の展望スポット。登山時間もそこまでかからず、危険個所もないので、1年中登ることができます。冬は初心者を連れての雪山ハイキングにも最適で、隠れた穴場だと思います。

まだ雪がたっぷり残る3月。天気も安定して春の兆しも感じる陽気の中、のんびりと登ってきました。開けた山頂からの贅沢すぎる展望が印象的で、もっと有名になってもおかしくない山だと思う。

ここもまたお勧めしたい初級向け雪山の1つです。

 

絶好の展望台、雪の守屋山―――

 

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昨年の山行記録ですが、1つおすすめの山を見つけたのでご紹介しておきます。

八ヶ岳近くにそびえる標高1651mの守屋山

 

あまり有名な山ではないかもしれないですが、”花の百名山”、”展望の山百選”に選ばれている山で、さらには”南アルプスの最北端”という肩書を持つこともあります。

南アルプスの最北端というと、入笠山だと思っていたんだけど、この山を指す場合もあるらしく、実は隠れたブランド力を秘めている守屋山。

 

地図上で見ると、こんな場所にあります↓

入笠山よりもさらに北。もう南アルプスというよりは、限りなく八ヶ岳エリアに近い位置にあります。山と高原地図だとこの山のルートは載っていないのだけど、こうして地図上には明記されているので、その存在だけ少し気になっていたお山。

調べてみたら、山頂からの展望はかなり良いというなかなかの評判。

 

南アルプス、八ヶ岳、北アルプスがこの山の周囲を取り囲むようにそびえているので、展望は確かに期待できそう。

 

そんなわけで、昨年の3月中旬に登ってきました。

結果的に言えば、のんびり雪山ハイキングにはうってつけの山。展望はもう言うことなしだし、雪もたっぷりあってかなり遊べました。雪山初心者を連れていくにも十分適している山だと思います。

 

~~ 2015年3月15日 冬の守屋山 雪山登山 ~~

地図を眺めていて自分の全く知らない山を探り当てるのは、名峰に登るのとはまた違った喜びがある。守屋山を見つけた時もそんな感じでした。雑誌に載るような有名店じゃないけど、地元の人しか知らないような安くて旨い定食屋ってたまにあるでしょ。あんな感じ。

 

この山に登るには都内からでも朝発で十分間に合う。現地に近づくにつれて八ヶ岳が空に浮かぶように大きく見えてきた。この付近に登りに来るときは夜発が多いから、行きの高速道路から山を眺めるっていうのは少し新鮮。

今年は暖冬で雪が驚異的に少ない八ヶ岳。今年もこれくらい真っ白くなってほしいものです……

 

朝9時30分、杖突峠(つえつきとうげ)の無料駐車場に到着。ここが守屋山の登山口。意外と車が停まってたし、大型バスも停まってたのには少し驚いた。

マイナーな山を見つけてちゃったぜ!とか思ってたけど、意外と有名だったのなら恥ずかしすぎる(笑)

 

登山口の目印となるのが、この発電所の巨大ソーラーパネル。これがあるってことは、ここら辺の晴天率が高いってことですよ(たぶん)。

この日も都内を出発したときは曇ってたんだけど、長野県に入ったら青空広がってました。順調に発電できているようで何より。

 

巨大ソーラーパネルの脇に登山口があります。標識はしっかりと書かれているので、登山口についてしまえば後は迷うことはないかと思います。

守屋山の登山ルートは大きく2つあって、杖突峠コース立石コース。立石コースは奇岩が点在する岩巡りコースになっています。今回は杖突峠コースから登って立石コースで降りる周回ルートにしました。下山口が少し違いますが、国道を数分歩けば戻ってこれるので十分周回できます。

 

9時半過ぎに登山開始。この杖突峠がすでに標高1247mあります。山頂が1651mなので、400mほどの高低差。雪山ハイキングにはこれくらいがちょうどいい。普通に歩けば2時間かからずに山頂に到着できます。

 

登山脇にあったコテージのような円形の建物。

 

登りで歩くのは座禅草コース。杖突峠からスタートするこのコースが守屋山では最も一般的なルートだと思います。

 

 

登山道の木道にもたっぷり雪が積もってる。

この木道脇に、春になるとコースの名前にもなっている座禅草(ザゼンソウ)が咲くそうです。時期はだいたい4月から5月。この座禅草のおかげで、守屋山は「花の百名山」にも選ばれている山。隠れたブランド力あります。

 

守屋山登山道入り口。横にはキャンプ場もありました。

大きな標識に山火事注意の赤い幟もあって、なかなか華やかに出迎えてくれます。

 

花の百名山ということで、ザゼンソウ以外にもたくさんの植物がみられるそうで。今回は雪山ハイキングとして勧めるけど、春先ものんびり歩くには面白そう。

 

アーチをくぐって登山道へ。ここから登りになりますが、最初はやや急斜面。

 

降雪直後ならラッセルの良い練習にもなりそうな斜面。余程の大雪でもなければ軽アイゼンだけで十分だと思います。

 

急登が続くわけではなく、こんな感じの気持ちのいい尾根道もあります。

かなり歩きやすい。

 

登ったり平坦な尾根を歩いたり。今は雪道が埋まっているけど、雪がない時期だと1ヶ所だけ鎖場もあるようです。

 

この守屋山に登ったのは2015年3月15日。時系列で言うと、この1週間前に鳥取まで遠征してあの伯耆大山へ登った頃。大山でこの年の雪山はだいたい満足したので、これくらいの雪山ハイキングがちょうどよかったです。

 

 

何度かの登りを終えると山頂まで延びる主尾根に出る。

 

この尾根を辿っていけば早くもピークに到着します。登り始めて1時間ちょっと。

ゆっくり歩いても2時間あれば到着できる距離です。

 

10時45分、守屋山山頂に到着。守屋山は双耳峰になっていて、西峰と東峰があります。こちらは東峰

山頂はそれほど広くはないけど、ご覧のように360度のパノラマ展望。眺めは近隣の名峰に劣らぬ一級品。

 

まず、ひときわ真っ白に見えるのが北アルプス。守屋山自体は南アルプスに区分されていながらも最北端に位置しているので、北アルプスも限りなく近い。肉眼でも槍ヶ岳の角を容易に捉えることができました。

 

左奥に見えるのは乗鞍岳。この2週間後にあの山へ登りに行くことになりました。

 

こちらは登ってきた尾根道。奥に見えているのは八ヶ岳の山々。蓼科山から赤岳まで横一列に並んでます。

距離としてはこの八ヶ岳が一番近いので、守屋山は何となく八ヶ岳にグループ分けしたくなる。

 

山肌の白さで目を引いたのは霧ヶ峰かな。この2か月前に美ヶ原のスノーシューハイクをしたけど、なかなか広大な雪原で面白かったので、冬の霧ヶ峰もぜひ歩いてみたいところ。

 

こちらは南アルプス三銃士。左から甲斐駒ヶ岳、北岳、仙丈ヶ岳。南アルプスの中でも比較的簡単にアプローチできるあたり、人気トップ3はおそらくこのお三方なんだろうなと勝手に思ってる。

このうち、雪の時期に登ってみたいと思っているのは仙丈ヶ岳。いつか無事に登って山レポ書ける日が来ればと思ってます。

 

北、南と続くからにはもちろん中央アルプスもバッチリ!

右の真っ白な山が、前回のレポで語った木曽駒ヶ岳。木曽駒ヶ岳は去年の冬はロープウェイの(倒木による)事故があって、冬のシーズン中はずっと運休。この守屋山を登っている時には「今年はロープウェイ動かなくて登れなかったぜ……」って悔しがってたけど、2015年最後に登れるとは思ってもみなかった。巡り合わせってのはわからんもんですな。

 

期待はしていたけど、この山頂からの展望が見事すぎたのでパノラマ写真載せておきます。まさにアルプス&八ヶ岳の展望デッキでした。

 

八ヶ岳方面

 

北アルプス

 

ひとしきり展望を楽しんで、次に向かうのは本当のピーク、西峰。右奥の真っ白な丘がその山頂で、東峰より20m高い標高になります。

 

そう思って、西峰に歩みを進めようと思ったら……

 

 

おっ!?

なんともかわいいワンコ登場!雪山がよく似合う柴犬じゃないか~

右から登ってくる方が飼い主。先にせっせと登って、ご主人が登ってくるのを律儀に待っていました。

 

柴犬はホント吠えないし穏やかですね。くるんとしたしっぽがかわいい (^q^)

寒そうな素振りも見せずに雪山ハイク楽しんでました。息も全く乱さず疲れを感じさせない健脚っぷりも見事!

 

柴犬のぷりっケツと北アルプス。

雪と柴犬のモフモフコラボは最強です!

 

暖かい陽気は春の訪れも感じさせる。この後にもまだ乗鞍岳の雪山登山には登ったけど、標高の低い山ではもう冬が終わりを迎えようとしてました。

 

守屋神社奥宮の祠。この山は山岳信仰の結びつきも強く、麓の諏訪大社と関りも深いので、調べてみると面白いかも。

 

柴犬のご登場もあって東峰で結構時間つぶしたけど、いよいよ西峰へ。守屋山の最高地点はあちらになります。

 

西峰までは気持ちのいい雪の稜線。ピンクテープも親切なほどについています。

 

途中にあったのがカモシカ岩。雪で埋まっているので岩がどこかはわからないけど、この場所によくカモシカが現れるようです。

 

西峰山頂手前に建っていたのが、このラビットハウス。 右のウサギのイラストが愛くるしい。

建物は小さいしトイレとかもないけど、数人休憩できるスペースになってます。この日は先客がいたので、特に入ることもなく山頂へ。

 

11時20分、守屋山山頂・西峰に到着。こんもりした丘の頂です。

標識に書いてあるけど、「日本展望の山 100山」と謳うほどの展望に優れた山。実際にこの山から、好条件であれば日本百名山が30以上も見れるそうです。

 

展望は東峰とそこまで変わらないけど、相変わらずの絶景。眼下には諏訪湖も見えます。

ここからの夜景も綺麗そう。

 

西峰から先ほどいた東峰。森林限界を超える高さではないけど、どちらのピークも360度の展望が見れるあたりは、さすが展望の山という感じ。

 

西峰で標識撮っていたら、いつの間にか柴犬くんも登頂を果たしてました。

しれっと黄昏ポーズを決めるあたりが憎めない(笑)

 

団体さんが続々と登ってきたので、西峰ピークでは軽く展望を見て、ラビットハウスの手前でお昼休憩としました。

一見すると展望のいい西峰に見えますが、これは雪の力があってこそで、無雪期は西峰よりも東峰のほうが展望が良いそうです。こんもり積もった雪を消し去ってみると、確かに西峰は周りの樹木に視界を奪われていそう。

こういうところも冬山ならではの特典。

 

下山は立石コースへ。まずはいったん東峰まで戻ります。

街から近いのもあって、地元の人にとっては里山感覚で登れるみたい。もう何十回と登っている方もおりました。こういう山が近場にほしいです…

 

東峰からの中央アルプス。中央アルプスも驚くほど近かった。

 

 

周囲の展望に別れを告げて再び樹林帯へ。しばらく歩くと分岐があるので、今度は登ってきた道とは違うルートへ行きます。

帰りにも結構人とすれ違って、思っていたよりも登山客が多かったです。

 

東峰の手前に分岐があるので、そこを立石コースへ。トレースバッチリついていたのでわかりやすかったです。

 

 

分岐のすぐ先が真っすぐに延びた急坂。クネクネと蛇行して降りていく。

スキー場の斜面のようにここだけ雪の滑走路が敷かれてた。

 

胸突き八丁という名前がついているこの急坂。登るのは結構しんどそうで、途中にはこんな励ましのお言葉も。

 

坂を下りたところが一休平という休憩ポイント。少し行った先に前嶽というピークがあるけど、特に立ち寄る必要はないかと思います。

 

数分の距離だったので行ってみたけど、こんな感じの展望ない場所でした。

 

一休平から先へ。ここから先が立石コースの見所ゾーンになります。

 

まずあったのは浅間の滝。たいした大きさではないけど、岩肌に流れる水が凍って軽い氷瀑になっていました。

 

次のポイントは石畳岩。目の前が開けた展望デッキになっています。

 

なかなかいい眺め。南アルプス方面の展望が見渡せます。

 

ここから先はお岩巡り。まずは鬼ヶ城。巨岩の脇を通っていきます。

 

夫婦岩

 

平成のビーナス!突然の横文字、どうした(笑)

平成というのは良くわからないけど、樹木が上に向かって手を広げているように見えたあたりにビーナス感はありました。

 

立石。コースの名前にもなっている岩で、祈りをささげるものらしい。

 

確か小さい石を投げて、見事岩の上に着地させてから祈るんだった。

岩の間は崖になっているので、あまり近づきすぎないように注意。

 

途中、いくつか省略したけど、岩巡りコースはこんな感じのラインナップになってます。平成のビーナスだけが、やはり少し異質だな。

 

 

こうしてあっという間に登山口に降りてきました。

国道に出たら左に歩いて行って、最初の駐車場まで戻ります。徒歩15分くらい。

 

最初に見た巨大ソーラーパネルが見えてきたら今日の山登りもおしまい。朝遅くに登り始めて昼過ぎに下山という、のんびりモードの雪山ハイキングでした。

 

帰りの中央道からも見れた八ヶ岳。今年は1月になってもまだ全然雪が積もってないけど、たくさん降って冬の八ヶ岳もまた登ってみたいものです。

 

そんな思いも抱きつつ、サクッとご紹介してみた昨年冬の守屋山。

がっつり雪山登山には物足りないけど、雪山初心者を連れて行ったり、のんびり軽アイゼンで雪と戯れるには最適な山だと思います。八ヶ岳やアルプスに登るつもりだったけど、寝坊して登れなくなった……とか、天気が午前中しか持ちそうにない……とか。そんな時の代替案にもいいかも。

 

展望はとにかく一級品!立地が良すぎます。南・中央・北アルプス、八ヶ岳から離れすぎず近すぎず、360℃名峰たちに囲まれていました。展望の良さと雪山でも手軽に登れるあたりは、入笠山に近いものがあると思います。

 

この守屋山、地図にもルートが記載されない陰に隠れた山だけども、良い山だったのでぜひ名前は覚えて帰ってね(笑)

花の百名山にも選定されているので、雪のない時期でも楽しめそうです。

 

以上、展望と可愛い柴犬が印象的な守屋山でした。

 

少し短いけど、今回はこれでおしまい。

 

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【日程】

2015年3月15日 快晴

【コースタイム】

杖突峠駐車場(9:30) — 守屋山・東峰(10:40~11:00) — 守屋山・西峰(11:20~12:00) — 立石コース分岐(12:30) — 立石(13:20) — 杖突峠駐車場(14:00)

 

 

冬の谷川岳 電車・バスで行く日帰り雪山登山

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今年も冬の谷川岳へ登ってきました。今回は電車・バスの公共交通利用。

厳冬期の谷川岳登山はこれで3回目。夏・秋も含めたら6回目。もうだいぶ馴染みのある山になってきました。

1月と言えばまだ真冬ということで防寒対策必須ですが、そんなものいらないくらい暖かい陽気で、予想外の暑さを感じての山登り。体感的にはもう春でしたよ。前日までの降雪のおかげでかなりのラッセルも強いられて、汗だらだらになりながら山頂を目指しました。

毎度惚れ惚れする谷川連峰の雪壁、秋に歩いた主脈稜線、上信越の雪景色と、見たい景色を全て堪能できて文句なしの内容。ここは今後も登りに来ると思う。改めて谷川岳を好きになれた1日でした。

 

3回目の冬の谷川岳へ―――

 

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過去に登った山に登るのは最近では珍しいことではなくなってきているけど、ここ谷川岳に関しては他よりも群を抜いて多い。

今回で6回目。この山に対して特別な執着心を持ってるつもりはないんだけど、色々と縁があってほぼ毎年訪れてる谷川さん。

同じ山に登ると2回目以降はブログを書かなくなったりもしてるけど、谷川岳はその都度ブログをしっかり書いているあたり、何だかんだ好きなんだなと客観的に思っている自分がいたりもする。

 

谷川岳が嫌いになれない理由の1つが、やっぱり天気との相性。谷川岳自体は晴天率が低いって言われているけど、これまで奇跡的に天気に裏切られたことはなくて、毎回絶景を保証してくれる素敵な存在なんです。

 

今回は色々と思うところもあって谷川岳を選んだけど、滅多にない平日登山ということもあってなかなかの雪との格闘劇でした。

 

だいぶ遅くなってしまったけど、これが2016年初登山。

 

~~ 2016年1月26日 谷川岳日帰り雪山登山 ~~

正月から体調不良やら何やらあって、なかなか山に登るタイミングがなかったけど、ようやく2016年の登山始動!1月最終週にチャンスが巡ってきたので、平日に休みをもらって谷川岳へと繰り出してきました。

平日の谷川岳は今回が初めて。平日の雪山はどれほどのものなのか、期待と不安が半々。

 

今回は電車とバスを使って谷川岳へと向かいます。前日に平地でも雪が降ったので、朝の電車の車窓からは綺麗な雪景色が見れました。久しぶりの雪はまぶしいぜ。

 

上毛高原駅からバスに乗って谷川岳ロープウェイ駅へ。冬でもバスが運行してくれるのは大変ありがたい。天神平スキー場の存在は大きいです。

このバスは書いてある通り水上駅を経由するので、水上駅から乗車するのもあり。少しは登山客いるかなと思ったけど、誰もいなくて自分一人を載せて出発しちゃいました。

 

こうやってバスに乗って谷川岳を目指すのはなんとも懐かしい感覚。人生で初めてソロ登山をしたのもここ谷川岳で、こうしてバスに乗ってやってきました。もう5年も前の話

谷川岳ベースプラザに着いたのは9時少し前。起きたら前の席にヘルメットかぶったおばあちゃんがいたのにはビビった……。登山者じゃなさそうだったけど、何だったんだろ。。。結局ここで降りたのは僕とおばあちゃんだけでした。

 

毎度投函する登山届ボックス。もう慣れたもんだけど、最初に来たときは不安が大きかったな~。

谷川岳は遭難者数No1というギネス記録を持つ「魔の山」。その肩書だけを強く意識してビビってたし、登山届出すこと自体が大ごとにさえ思ってた時期だったからね。

今も青っちいけど、あの頃は山のことなんてまだ全然知らなかった。

 

往復のチケットを買ってロープウェイに乗って一気に天神平へ。このロープウェイ乗り場に行く谷川の四季っていうカラフルロードが毎回印象に残る。

 

ロープウェイは8時半から運行。風が強いと運休になることもあるので、谷川岳に登るなら天気だけじゃなくて風も見ておいたほうがいいです。前日も強風で終日運休になってました。

 

文明の力は絶大ですな。雪山登山でありながら9時過ぎのスタートでも間に合ってしまうんだから。

この日は風もなく穏やかな陽気。天気も昼過ぎまでは持つということだったので、まぁ今回も天気に関しては大丈夫そう。

 

あっという間に標高1320mの天神平スキー場に到着。

ここのスキー場はコース数が少ないので、土日も比較的空いているイメージだけど、平日なだけあってさらにガラガラでした。

 

ゲレンデから早くも目指す山頂が見えた。青空のもとに浮かぶ真っ白い城、あそこを目指す!

すでにロープウェイが動き始めて1時間近く経っていたので、 同じタイミングで登り始める人はいませんでした。トレース泥棒する気満々の後発隊です( ̄▽ ̄)

 

スキー場から見えた朝日岳・白毛門。白毛門は今年の行きたい雪山リストにも入っている山。あちらからの谷川岳もぜひ見てみたい。

 

コース脇のこちらが登山口。9時30分に登山スタート。

ちなみにロープウェイの最終便は16時30分。16時発のバスに乗って帰りたいので、15時半までには戻ってきたいところ。

 

トレースあると信じてスノーシューもワカンも置いてきた愚か者が登り始めました。

平日だけど谷川岳は人気だし大丈夫だろうと思ってたけど、谷川岳に登るならどちらかはあったほうがいいです。過去2回登った経験から、アイゼンだけで登れると高を括ってたけど、それは土日の話だった……。

一応トレースついてたけど、これは先行隊数名がつけたもので、新雪フカフカなので、足が埋まる埋まる。

 

雪の埋まり具合に関しては過去最高のモフモフ具合。平日&新雪&ソロのトリプルパンチは危険だと開始5分で悟りました。

 

実際のところ、ラッセルで一番大変なのはスキー場から稜線まで上がるこのスタート地点の急坂だと思う。

先行き心配なほど疲れるけど、後ろを振り返ってみるこの開放的な風景には救われる。

 

奥に見えるのは上州武尊山。昨年の雪山登山で強烈なインパクトを残したのがあの山。剣ヶ峰のシルエットがとにかくカッコよくて、今のところ人に薦めたい雪山No1です。あちらも雪がたっぷり降ったようで、スノーモンスターもいい感じで育ってそうでした。

チャンスがあれば今年も登りに行きたいです。

 

フカフカの雪をかき分けて登っていく。ズボズボ埋まるし、この日は1月とは思えないほどの暖かさで、いきなり汗だくになりました。体感的にはゴールデンウィークと同じ。風もなくて異様なほど暑かった。

稜線に出る手前で、ようやく今日初の登山者が見えました。

 

坂を何とか登りきったところで目の前にドンと見える谷川岳。見事な美白です。

 

だいぶ見慣れてきた感じはするけど、やっぱり迫力ある冬の谷川岳。

登山を初めて毎年のように登りに来ているこの山。何となく「また来たのかい…」って言われてる気もした。

 

先ほど前を歩いてくれていたご夫婦を抜かしたので、トレースが更に細くなって腰ラッセルが続く。今年は雪が少ないといっても、これだけ雪に埋まるんだから、雪山は大変ですよ……。

ちなみに、雪が少ないっていうのは風景からもはっきりわかるレベルで、前回歩いた時にはそもそもこれほど樹に囲まれることがなかった。

 

例年の谷川岳だとこんな感じ↓

2014年2月11日の谷川岳登山。ほぼ同じ場所からの写真だけど、樹がもっと低くて視界が開けてる。山は雲に覆われてるけど……、改めて見るとこの写真すごいな。雲のベールが山を覆っておるぞ。

 

でもまぁ、林間コースはそれはそれで楽しい。平日というだけあって、前後に人もいなくて静かな登山道。風も無風で、この時期としては恐ろしいほどの好条件だったと思います。

 

稜線に出ると積雪量もマシになってきたので割と快適に歩けるようになりました。

このトレースを付けた方に感謝したい。ロープウェイ始発から1時間後のスタートだったので(故意ではない)、1時間先にこのトレースの主がいるはず。

このままだとトレース泥棒で終わっちまうぜ……

 

早く前に進みたいけど、景色にうっとりしてどうしても止まってしまう。

右に伸びているのは昨年10月に谷川主脈縦走で登った西黒尾根。「日本三大急登」の1つに数えられる西黒尾根、谷川岳5回目にして初めて登ったけど、そのあとの主脈のアップダウンがとにかくきつくて正直なところあまり印象には残っていない。

こっそりと積雪時期に登ってみたいと思っているルートです。

 

後方で目を引いたのが至仏山。右の尖がったのが笠ヶ岳かな。三角形の雪山は存在感際立つ。

登るにつれて至仏山の後方に燧ヶ岳も見えるようになってきます。

左奥に見える小さい三角形の山はなんだろか……

 

天神尾根ルートの全貌が見えた。写真ではわからないけど、ここから見た限りだと前方に6,7人ほど点在して見えました。先頭はとても追い付けそうにないほど前にいた。

すいません、トレース有難くいただきますm(__)m

 

ここらで見えてくるのがこの谷川の雪壁。ここは何度見ても迫力ある。とても2000mに満たない山とは思えない壮大なスケールの景観。

谷川岳に登りに来た理由の1つが、この景色を見たかったからというのがある。谷川岳本峰よりも好きな景色です。

初めて登りに来たときはここら辺の土地勘が全くなくて、目の前に見える山が万太郎山とか思ってたけど、全然違うね(笑)

これは俎嵓山稜の雪壁だったのか。

 

谷川岳天神尾根ルートの唯一の核心部と言える場所がここ。何気ない斜面だけど、ここはトレースの付き方次第でやや歩きづらくもなる要注意ポイント。

最初に登りに来たときは雪の付き方が悪かったからなのか、結構神経使った部分です。

 

こんな感じで↑ (2013年1月12日の記録より)

 

しばらくは快適な天神尾根ルート。稜線に出てからも風がほとんどなくて、春のような陽気。前回の木曽駒ヶ岳であまりの寒さにカメラのバッテリーが死んだので、今回は反省として予備のバッテリーを布にくるんできたけど、そんなの不要でした。

帽子やネックウォーマーはもちろん、手袋もいらず、素手をさらして登っています。

 

歩き始めて1時間30分ほどで熊穴沢避難小屋に到着。雪で埋まっているけど、茶色いのが避難小屋の屋根です。

この小屋の埋まり具合が、谷川岳の積雪量の1つの目安になっていて、前回登りに来たときは左の柱がほんの少しだけ出ている程度でした。もうひと降りすれば屋根まで全部埋まりそう。(たぶんこの時期をアップしてる頃には埋まってるはず)

ここに避難するには、入口まで自分の力で掘り出すしかない。避難するにも一苦労ですよ……

 

(この小屋が埋まってます↓)

 

 

ここらで少し休憩。見てくださいよ、この景色!これぞ怖さと美しさを兼ね備えた、迫力ある雪山の景観。

約1ヶ月ぶりの登山復帰だったけども、こうして眺めているとやっぱり雪山はやめられないと思った。朝起きるのが億劫でもあったけど、来てよかった。

 

昨年末の木曽駒ヶ岳以来の登山となるので、本当に久しぶり。この谷川岳がようやく2016年の初登りとなったけど、やっぱり病み上がりで体力低下は痛感せざるを得ない……。

全然ペースが上がらず、思った以上に時間がかかる。先を歩く人たちも追いついたわけじゃなくて、追い抜いてもらった方々です。みんな早えぇ、、、

 

先を行く方がつけてくれたこのトレースが本当に救われた。ビクトリーロードさながらに輝いて見えた。

まぁ今回はソロということもあるし無茶はできないので、無理そうなら戻るスタンスで登ってます。

谷川岳を選んだのも雪の時期に過去2回来ているっていうのが1つある。この山に関してはもうピークを踏むことにそこまで執着はないので、良い意味で気楽に登れて気楽にやめれる。

 

西のほうに見えたのが浅間山。噴煙のようなもの上がっているのも見えました。

暖かいわりに空気はクリアなのでかなり遠くまで見渡せる。写真だとうまく撮れなかったけど、富士山も見えました。

 

モフモフ具合がまた増してくる。山頂まで近いようでなかなか到達できない。

積雪量は過去3回の中でも最低だけど、過去1番時間かかってるんじゃないかこれ……。体力低下しているだけだと思うけど、平日と新雪を言い訳に頑張って登ってます。

 

何度も写真に撮ってしまうのがこの俎嵓の雪壁。惚れ惚れする。

カッコいい……

 

宇宙を感じさせる深いブルーの空。

冬の谷川岳を最初に登ったのは3年前の2013年1月12日。そのときも天候が良くてスノーシューだけで山頂まで登れたけど、今回もそれに匹敵するほどの好条件。最初に良い思いをしてしまったので、どうしてもそれとの比較になってしまうけど、今回も負けてませんぜ。

 

山頂までの登りに差し掛かる。部分的に急なところがあるけれど、ここら辺まで来るとズボッと埋まるようなことはなくなって徐々に地面も固くなるのでアイゼンが効いてくる。

 

青と白の世界。たまらない!

 

ようやく山頂直下の肩の広場が見えてきた。なんとも美味しそうな雪の滑らかな斜面。

 

ここはバックカントリーの滑走斜面として有名だけど、まだ誰も滑った跡がないとは珍しい。

前方を見ると何人かボード抱えて登っている人がいるので、最初の一本は争奪戦ですな。

 

天然のゲレンデを横目に登っていく。気温が本当に高くて、雪が解けて雪崩にならない心配になるレベル。

アイゼン以外の冬山装備は全部お荷物でした。

 

山頂までの目印となるのが、この沼田山岳会が立ててくれた赤旗。まだ谷川岳では天気にやられたことはないので助かっているけど、ガスった時には役立ちそうです。

 

秋に歩いた谷川主脈がいよいよ見えてきた。俎嵓の雪壁と合わせて、今回の登山で見ておきたかった景色。

山頂に行く前にまずはあの稜線を眺めよう。

 

肩の広場の中盤に置かれた巨岩、天神ザンゲ岩。ここまで来ればあと少し。

スノーシューよりもアイゼンのほうが歩きやすくなるほど雪も締まってきてます。

 

スピードが上がるぜ~!

この場所で風が全くないというのも珍しい。強風だと木曽駒の時みたいに地吹雪になるので嫌らしい場所だったんだけど、余裕の笑みを浮かべながら難なく通過できました。

 

ということで、最後は一気に登って肩の小屋に到着。

 

中に人は誰もいないけど、冬は避難小屋として開放されているので、休むこともできます。

 

肩の小屋から谷川主脈稜線を望む。

秋に日帰りで歩いた長き縦走路(その時の記録はこちら)。雪の主脈を見たのはこれが初めてってわけじゃないけど、一度歩いてから見るとまた違った気持ちが湧き上がる。

あの辛かった道のりも振り返ってみればいい思い出。ほんの3ヶ月前のことなのに、もう遠い昔のように感じます。

 

苗場山も見えた。さすが新潟。群馬側とはまるで違う白い景色。

雪国に来た感じがする。

 

谷川主脈へと誘う標識もご覧のようにスノーモンスターと化していました。

 

山小屋もトイレも裏から見たらモンスター。

冬はこういう副産物が見れるからまた面白い。

 

体力的に大丈夫そうだったので、山頂まで行っちゃいます。肩の小屋からトマノ耳までは5分ほど。

 

毎度印象に残る山頂直下のこの標識も凍り付いていました。

 

12時40分、谷川岳山頂トマノ耳に到着。序盤のラッセルがきつかったけど、後半は割と楽なもんでした。

 

山頂から改めてみる谷川主脈。万太郎山から仙ノ倉山、さらには平標山まで全部見えた。

今日は関東近隣の山はどこも天気良さそう。

 

特徴的な形の苗場山。さらにその奥には薄っすらと北アルプスまで見えた。

 

こちらは谷川岳のもう1つの山頂、オキノ耳。

 

毎度印象的なのがこの大雪庇。今回もやや小さめだけどすくすくと育ってました。

雪庇脇から滑走した跡がかなり気になったけど、話聞いてみたら結構有名な滑走ポイントだそうで。。ほぼ垂直にしか見えないんだが……

 

せっかくなのでオキノ耳まで行ってみる。ここから先はたまに思わぬ落とし穴があったりもするから少しだけ注意。

 

巨大な雪庇、その脇を近づきすぎず離れすぎず進んでいく。

身を乗り出してみたくなる衝動に駆られても我慢。

 

10分ほどでオキノ耳に到着。標高は1977m。トマノ耳が1963mなのでこちらのほうが若干高い。標識は半分以上埋まってました。

 

オキノ耳よりさらに先が一ノ倉岳、茂倉岳へと続く馬蹄形縦走路。ここから先はまだ歩いたことがない未知の領域。

さすがにこの先はトレースがなかったです。

奥にはもう日本海が広がっている。

 

こちらは巻機山方面。圧倒的白さ!

人が立ち入れないほど、たっぷり雪が積もってます。

 

オキノ耳は狭いので、さっさと戻る。

この日会った登山客は10人くらいだったかな。途中抜いたり抜かされたりしたけど、最終的にはみんなほぼ同じタイミングで登頂してた。

 

戻るときに気づいた、トマノ耳の迫力。すごいじゃないか、これ。泡立ったようなモコモコ具合。トマノ耳自体がスノーモンスターになってました。

トマノ耳のカッコよさはこれまで気づかなかった。はっきりとピークがわかる尖がった山はやっぱり凛々しくてカッコいいですね。木曽駒で見た宝剣岳に通じるものがある。

 

山頂で軽く写真撮って肩の小屋でお昼休憩にする。

 

暖かいので小屋の中に入る必要もなく、外でのんびりお昼休憩。ボーっと主脈を眺めてました。

こんなに外でのんびりできるってなかなかないと思う。時計の温度計がまさかの10℃を指していたけど、あながち間違いじゃなかったのかも。小屋についた雪がどんどん解けて崩壊起こしてました。

 

万太郎山~仙ノ倉山~平標山まで。大変な思いをして歩いた道を眺めるってのは、特別な感慨深さがある。

しばらくは来ないだろうし、しっかり見納めしておきます。

無事に見れて本当によかった。

 

13時40分頃に下山開始。登りでは3時間ほどかかったけど、ここの下山は毎回あっという間。予定の15時半には十分間に合う。

 

朝とは日の当たり具合がまた変わって、景色も少し違って見える。

雪壁も陰影が際立って帰りのほうがより綺麗に見えました。

 

帰りには肩の広場にもシュプール描かれてました。ちょうど滑り降りてる人もいて、なんとも気持ちよさそうだった。

 

天神尾根、下山は驚くほど速い。ズボズボ埋まるのも、心に余裕がある帰りなら楽しめる。

谷川岳は運良くまだその天候の怖さを知らずに助かっているけど、どうかその怖さを味わうことなく山人生を終えたい。

 

さよなら谷川先生。今回も穏やかに出迎えてくれてありがとうございました。

雪山登山の足慣らしとしてはちょうどいいので、きっとまた来ます。

 

このエリアだと次に登ってみたいのはやっぱりあちらのお山。朝日岳までは到底無理だけど、白毛門は何とかして登ってみたいです。

 

15時すぎ、ロープウェイ駅に到着。まだリフト停まるまで1時間以上あるのに、スキー場は寂しいほど人が減ってました。

 

ロープウェイに乗って本日の山登り終了。下山届も出す必要があるので忘れずに。

 

帰りの準備やら着替えやらしてたらちょうどいい具合に16時を迎えたので、予定通りのバスに乗って帰りました。

 

バスの車窓から見えた谷川岳。結局日没まで快晴が続いた1日でした。

 

~~~~~~~~~~

 

例年に比べたらだいぶ遅くなってしまったけど、これが2016年初登山。久しぶりの山登りで充実感は半端なかったけど、帰ってきたら案の定ぐったりしたので、谷川岳くらいでちょうど良かったと思ってます。

天候も奇跡的なほどの好条件だったし、スノーシューを素直に持っていけばもう少し楽に登れたと思うと、その点だけは反省。。平日は人が少なくて静かな分、難易度も上がるんだっていうのを身にしみて感じました。

 

それでもやっぱりこの谷川連峰の雪の姿は何度見ても美しい。これを見るだけでも、谷川岳に来る価値は大いにあると思ってる。

このシーンだけで切り出せば、北アルプスにさえ引けを取らないはず!

 

それと今回は谷川主脈か。秋に一度歩いたのもあって、これまでとはまた違った新鮮な気持ちで眺めることができました。この縦走は本当に疲れたし、もう歩くつもりもないけど、一度は歩いておいて良かったと今は心から思えます。

主脈の終点の平標山は積雪時期にも登ってみたい1座。逆側からの主脈もいつか眺めたいです。

 

あと、もう1つ。周辺の景色を眺めていて思ったのが、やっぱり今年も雪の上州武尊山には登りに行きたい。

上州武尊山については、本当におすすめしたい雪山です。谷川岳以上に薦めたい。

川場スキー場のリフトを使って登れるし、谷川岳くらい人気の雪山になってもいい気がするんだけど、なんでだろうか……。剣ヶ峰の雄姿と稜線の樹氷群・スノーモンスターは谷川岳にはない魅力。

ラッセル大変でも、たっぷり積もった雪景色を優先させて降雪直後が狙い目です。

 

少し話しそれたけど、谷川岳は自分がやったみたいに冬でも電車・バスを利用して朝発で登れるし、スキー場があるので不要な荷物はロッカーに置いていくこともできます。

公共交通利用の雪山としても推しておきますので、ぜひ!

 

2016年1発目、雪の谷川岳でした。

 

おしまい

 

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【日程】

2016年1月26日 快晴

【コースタイム】

天神平スキー場(9:30) — 熊穴沢避難小屋(10:50) — 谷川岳トマノ耳(12:40)— 谷川岳オキノ耳(12:55) — 肩の小屋(13:15~13:40) — 天神平スキー場(15:00)

 

 

冬の安達太良山 日帰り雪山登山(夜行スキーバス利用)

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福島の安達太良山へ登ってきました。

東北の日本百名山の中では比較的冬でも登りやすいと思っている安達太良山。冬季はこれで2回目となりますが、前回は終始ガスってしまったので、「ほんとの空」を拝むことができず……、今回はその時見れなかった景色を求めての旅になります。

麓に「あだたら高原スキー場」があるので、冬場は夜行スキーバスツアーが利用でき、都内からも簡単に格安でアクセス可能。この日一番手のスタートになったので、予想以上のラッセルに悪戦苦闘しましたが、東北独特の雄大な山の景観、火山の荒々しい迫力ある雰囲気に存分に浸ることのできた1日でした。

色々と反省点多かったけど、今シーズンも雪の時期に東北に行くことができて良かったです。

 

2度目の挑戦、冬の安達太良山―――

 

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公共交通利用の登山の場合、冬になると路線バスが運休になって登山口までのアクセスが困難にあることが大半だけども、一部の山ではスキーバスツアーという手が出てきて、逆にアクセスが容易になるケースもいくつかある。

安達太良山もその1つ。

通常なら郡山駅や二本松駅から路線バスを乗り継いてこないといけないけども、スキーバスを使えば都内から直通で登山口まで行けます。(スキーバスの利用については悲しい事故もあったし、賛否色々あるけども……)

 

安達太良山については、過去2回登っていて、夏と冬にそれぞれ1回ずつ。どちらもすっきりとは晴れてくれなくて、今のところ不完全燃焼に終わっている安達太良山。どうも相性があまり良くないようで……

 

冬に一度登っているので、ある程度勝手もわかっているということで、単身で乗り込んできてやりました!

想像以上にタフな山行となった1日の記録です。

 

~~ 2016年2月11日 安達太良山 雪山登山 ~~

建国記念日の祝日である2月11日。日本列島が高気圧にすっぽりと覆われて、アルプス全域、八ヶ岳、上信越など、全国的に晴天に恵まれた1日。天候に関しては贅沢なくらい選択肢が豊富だったんだけども、どうにもまだ体調が万全まで程遠い状態なので、一度登ったことのある安達太良山に落ち着きました。

 

先にも言ったように、安達太良山は夜行スキーバスツアーが利用可能。「あだたら高原スキー場」行きのバスになります。

登山をする上ではありがたい存在のスキー場ですが、ゲレンデとしてはそれほど広くなく、滑り目的でわざわざ夜行発で選ばれるようなスキー場ではないようで、前日でも余裕でチケット取ることができました。

案の定、車内はガラガラで、バス会社の運営が心配になるレベルの空席っぷり。往復バス、リフト券、レンタル代、温泉代割引込みで8000円というのは安すぎる。

 

一番前の席に座ってたので、どうしても無視できなかった運転席のこの色とりどりのてるてる坊主。運転手も晴天を祈ってくれてるようで、3度目にして快晴の安達太良山に巡り合える気が早くもした(^^)

 

スキーバスツアーは学生が多いので、夏の登山ツアーバスに比べると車内がガヤガヤしてうるさいイメージだけど、なんせ乗客が少ないので、寂しくなるほどの静けさでした……

 

あだたら高原スキー場に到着したのは早朝5時。この写真は行動開始時に撮ったもので、到着時は真っ暗でした。このレストハウスを利用させてもらえるので、ここで出発の準備整えられます。

しかし早朝5時着っていうのは、登山する自分にはうれしいけど、本来のスキー客にとってはリフト開始まで3時間半もここで待たなきゃいけないとなると、、、辛いだろうな。いっそのこと登山バスとして運行しちゃったほうが、乗客増えるんじゃないかと思ったりもした。

 

今回目指すところは一般的な安達太良山の山頂とされている乳首。そう、あの有名な安達太良のちくびね( ̄▽ ̄)

そこまでなら冬場でも往復6~7時間ってところなので、それほど早めにスタートする必要もない。明るくなるまで出発を待ちました。

 

6時30、ヘッドライトも必要ないくらい明るくなってからスキー場を出発。結局、ツアーバスで来た中で登山目的だったのは自分一人だけでした。

全体的には晴れてるんだけど、山のほうだけ雲がかかっていて、出発間際までは小雪もチラついていた状態。2年前の二の舞だけはしたくないので、どうにか少しでも雲が取れてほしい……

 

スキー場の脇を歩いていく。当然リフトも動いておらず、圧雪車が必死にゲレンデ整備に勤しんでました。

今回のツアーにはリフト券もレンタル券もセットで付いていたので、下山後に時間があれば軽く滑ろうかとも思っていた。

 

登山届ポストはこのパトロール室の脇にありますが、県警がネットからでも登山届を受け付けているので、事前にそちらに出したほうが手間省けます。

 

標識に従って登山道へと入っていく。駐車場に何台か車停まってたから先行している人がいるかと思ったけど、この日のトレースはまだついてませんでした。

 

薄っすらとスキー跡だけがついている。まさかの1番手かいっ!?

 

御守りのつもりで持ってきたワカンはいきなり使うことになるとは…。基本的にスノーシュー大好きっ子なので、ワカンはあまり装着シーンがない。今回は公共交通利用で荷物軽くしたかったので、ワカンにしたけど……

このときはまだあんなラッセル地獄が待っているとは夢にも思ってなかった。

 

森の中に入ったところで後方から優しい朝陽の光。

 

夜明けの静かな森。

これから向かうところは樹木も一切なくなる火山の頂。それを思うと、この平和な景色がなんとも心地良い。

明け方の凛とした空気も身に染みる。

 

最初の数十分は道なりに遊歩道を歩いていきます。安達太良山は冬でも登りやすくて人気なので、流石に誰かいるだろうと思ってたけど、本当に誰もいない……。

 

自分の足音だけが鳴り響く、静かな登山が続く。前日に滑ったと思われるスキー跡が途中まで続いてましたが、これも少し行くと消えてなくなります。

 

ある程度歩くと旧道馬車道の分岐に差し掛かる。これはどちらへ行っても行きつく場所は同じで、馬車道は林道で旧道がそのショートカットコースみたいなもん。

 

この時期は選択肢としては1択。馬車道は見事なまでに雪に埋まっているので、旧道を登っていきます。

 

ここら辺は風も吹かないので、トレースも残ってくれている。

この分なら先頭歩いていても余裕だろうと思ったけど、この後徐々に焦りを覚えていく……

 

馬車道と旧道はこんな感じでたまに交錯します。基本的にトレースについているほうに進んでいけばいい。

どちらもトレースがないときは……、どうすんだろ(笑)

ピンクテープが馬車道のほうに目立ってついているからそっち行っちゃいそう。

 

快調に登れたのも最初の1時間くらい。予想以上に呆気なく終わっちゃうじゃないかっていう余裕まで出てきた矢先、トレースがあっという間に消えてなくなる……。

 

気が付いたらラッセル始まってた。

あれ!???

ピンクテープもあるし、道は合ってるはずなんだけど、突然トレースが消えちまった。。 雪が深くて思った以上にきつい。

 

たまにスキー跡が復活しても、あまり当てにならない。ズボズボ埋まる……。

意気揚々とトップバッターで登り始めたのがアダとなる。あだたらだけに・・・、なんつってな!

、、、なんてしょーもないことで紛らわしながら進む。

 

はて……?ホントどうしましょ。。。谷川岳より全然きついぞ、これ。。

軽い休憩と体裁を取りつつ、内心では後続が早く来てくれと思った。

こういう登り応え十分な登山は、万全の体調の時にこそやりたい。今日は雪景色を楽しみに来ただけなんです…

 

しばらく休憩しても後ろから声すら聞こえてこないので、先へ進む。樹林帯もいったん超えて、勢至平の雪原に出るといよいよ本格的なラッセルになってきた。

 

ワカンが役に立っているのかいないのか、正直なところ良くわからないけど、間違いなくスノーシューがほしかったところでした。雪が埋まるところと埋まらないところの落差が激しいから余計に疲れる。

前回の安達太良山は終始トレースついててラッセルなんてなかったから今回も楽観視してたけど、全然甘かった。

 

それでもこの勢至平まで登れば、安達太良山の雄大な景観が現れてくる。

相変わらず山の雲がしつこいけど、徐々に山が姿を見せ始めました。

 

左奥に見えるのが、目指す頂き「乳首山」。 今回歩いたルートの中では、この勢至平からのアングルが一番乳首っぽく見えましたよ。

形を見ると確かにその通りに見えるけど、命名者はどういった面持ちでこの名を付けたんだろうか……

 

勢至平は広いので少し迷いやすい。……というか若干道迷った。

気づいたらピンクテープが周りになくなってて、思っていたよりも乳首に向かって歩きすぎていたので、右手に向かって進路修正。

 

一人でズボズボ埋まりながら、大回りに進んでいく。うひぃ、、、きつい。。。くろがね小屋に着く前に体力尽きそう。

ここら辺は軽く道を間違えているので、若干無駄なラッセル(^^;

自業自得以外の何物でもないから、まぁ仕方ない。

……と思ったけど

 

あっ!?っと思った瞬間に反省した。

これ、後続ももしかしたら間違って自分のトレースについてきちゃってるんじゃなかろうか…。。

急いで正規ルートに戻る。

 

で、戻ってみたけど、相変わらずトレースないじゃないかっ……!

 

空しいラッセルが続く。祝日&快晴なのになんで他に登山客いないんだろうってこの時は思ってたけど、単純にスタートが早すぎただけのようでした。

 

峰の辻とくろがね小屋の分岐点と思われる場所に来た。この埋まっているのがその標識でしょ、きっと。

どちらもトレースなかったけど、小屋を経由して登るつもりだったので、くろがね小屋方面へ。

 

この分岐からくろがね小屋までの部分が、本ルートでは核心部かな。前回歩いてみて、一番厄介に感じたところ。

 

狭い樹の間を縫っていくように進んで行くんだけど、この斜め感が非常に歩きづらい。

吹き溜まりで先ほどまでよりも一層埋まるから、小屋までが異様に長く感じたところでした。

 

休みながら進んで行く。横目には鉄山の大岩壁が見れて、迫力としては申し分ない。

本当なら景色にゆったり浸りながら登りたかったんだけど、小屋まではその余裕がなさそう。

 

この手のトラバースも結構怖い。侮れない道が続く。

 

ここら変でやや調子が狂う。引き返すのも億劫だし進むしかないけど、やや気持ち悪い。

本調子の時にこういうのはやりたかったな~。。。時間だけは余裕があるのでゆっくり休みながら進むけど、天気が悪ければ間違いなく撤退してたところ。

 

それでも、何度目かわからない小休止を取っていたところで、ついに救いの神が前方より現れる!

 

後ろからじゃなくて前から、今回一人目の登山客とすれ違い。おそらく小屋に泊まっていた方でしょうね。

「あと20分くらいですよ」と教えていただき、気力がよみがえる。

 

当たり前だけど、トレースができてる!いや~、本当に助かりました。

小屋まで残り20分は、この方がつけてくれた足跡を有難く頂戴します。代わりに自分のトレースも使っちゃってくださいm(__)m

 

そして、ようやく見えたくろがね小屋。果てしなく遠く感じたけど、もうすぐ……

 

トレースの消えた方が恐ろしい。数分前につけてくれた足跡がもう消えかかってる。

安達太良山は風が強いのが有名で、この日も朝の時点では結構風が吹いてました。小屋手前のこの場所が一番風を強く感じた場所で、トレースを消しにかかってました。

 

9時10分、どうにかくろがね小屋に到着。通年営業の山小屋で、ここの温泉は有名。いつかは泊りに来たいと思っている山小屋です。今回も2日間休みが取れれば小屋泊にしたんだが、あいにく翌日仕事だったので日帰り。

 

祝日のはずなのに誰もいない。。。ここに来れば誰かしらいると思ってたけど、怖いくらいの静けさでした。

ラッセルで心底疲れたのでここでしばらく休憩にしました。

 

そしたら、、、

 

次々と後続隊が到着してきた。(なにぃーー!!)

もう少しスタート遅らせればこれほどきつい思いせずに済んだのに。。。早くスタートしたことが仇となり想像以上にタフな行程になったけど、まぁこれもいい経験ってことで、他の登山客がちゃんといてくれて安心しました。

後から来た人から「ラッセルしてくれた方ですか?ありがとうございます!」って言われたのが救いだったけど、「途中、道若干間違えちゃいました」って言ったら「あぁ、やっぱり。少し大回りしているなと思いました」と。。。

おぉ、、、やっぱり自分が間違ったルートに誘ってしまっていた!!すんませんm(__)m

 

ここから先はそこまで埋まることもないと思うので、ワカン外してアイゼンだけで登る。

小屋で休んでいる間に何人か先に登ってくれたしね。

 

空はこれまでの安達太良山行では見たことのない澄んだブルー!

ただ、相変わらず山頂方面の雲がしつこくて取れない。この日は午後になるにつれて天気良くなる予報だったので、、、

 

ここから牛歩戦術開始。超スローペースで山頂を目指す。

後続の人にどんどん追い抜いてもらったけど、「こんなに後ろにいたのか……」というくらいたくさん抜いていった。。普段通りのにぎやかな安達太良山になってきました。

 

小屋から先は樹林帯も一切なくなって、火山特有の広大な景観が飛び込んでくる。

雲の流れが速くてダイナミックな演出になってた。風は弱まってきてくれたので、牛歩でも寒さ感じずに快適に歩けました。

 

この雄大さは東北ならでは。山が連なるアルプスとはまた違うスケールの大きさが感じられます。

東北はある程度のスパンを置いて登りに来たくなる魅力がある。

 

後ろを振り返れば二本松市街も見えました。

 

徐々に青空の面積が増えてきた。日差しが強烈で、日焼け止めを塗っていなかったことをこの時点で思い出した。

(下山したら案の定、顔面日焼け、唇かっさかさになってました…)

 

山頂手前の峰の辻に到着。牛歩戦術で小屋からここまで1時間以上かけて登ってきてるけど、普通に登れば40分程度で到着できる距離です。

ここからの眺めがまた素晴らしい!

 

峰の辻から山頂方面の眺め。

 

目指す乳首が姿を現す。

乳首目指して突き進むハイカーたち。

 

いざ、自分も乳首アタック!

この緩やかな斜面が最高に贅沢な場所。安達太良山の雄大さを存分に感じられる部分です。

 

太陽が雲に隠れたり顔を出したりの繰り返し。暗くなるとそれはそれで幻想的な雰囲気になる。

 

 

雲を纏う神々しい乳首。

 

ずっと横目に見えていたあの尖った山が気になった。安達太良山の懐に入ると、周囲を岩の雪山に囲まれて壮大な世界観になる。

火山ならではの迫力があります。

 

乳首が近づいてきた。

早く乳首に行きたい気もするけど、その手前にまた1つの絶景が待っています。

 

小さいながらも無数に立ち並ぶスノーモンスター。通常の樹氷ではなく、これは大小様々な岩が凍り付いたもの。火山ならではの雪景色。

岩のモンスターという新ジャンルに巡り合えました。

 

山頂手前で完全に晴れてくれた!良かった。。2年前の不完全燃焼はこれで解消できそう。

青空と雪の景色は本当に美しい。

 

ちなみに2年前の安達太良山登山はこんな感じの天気がずっと続いてました。晴れるか晴れないかの瀬戸際を攻め合っているような天気だったけど、結局山頂では晴れてくれなかったあの日。

 

2年後にこうして晴れの日にやって来れたんだから、文句なし!

というか、2年前に一度登ってなければたぶん今日の選択肢に安達太良山は入ってなかった。万全の状態でないときに、見知らぬ雪山に挑めるほどの勇気は今はない。

 

11時40分、安達太良山山頂に到着。

序盤のラッセルは必要だったのか、、、っていうくらい人がいたけど、とりあえず無事に登れたので満足。他の人より充実感に満ちている自信はある。

 

登ってきた方面。よく見るとまだまだたくさん登ってくる。

やっぱり冬の安達太良山は人気なんですな。

 

せっかくなので、乳首のトップまで登ってみる。

この部分だけがやや急斜面で、本ルートでは一番アイゼンが活躍する場所だと思います。

 

こちらがトップ・オブ・チクビ

標高1700m地点の乳首は天に向かって突き出ていました。

 

真横から見ると、巨大なエビのしっぽが育ってた。

 

頂上から山頂の広場を見渡す。風もこの時間になるとかなり弱まってきたので、みんなゆっくり休憩してました。

 

そしてこちらが沼ノ平。安達太良山の火口部です。いまだに有毒ガスが出ているそうで、立ち入ることのできない場所。

ここはいつも雲がかかってその全貌を見ることはできなかったけど、今回ようやく見ることができました。この火口に関しては雪のない時期にも見たいので、秋の紅葉の時にでもまた来ようかな。

 

若干まだ雲が残っているけど、登ってきた方面も遠くまで見渡せる。山の上とは思えない広大な台地が広がっています。

こういう広々とした山の景観こそ、東北独特のものだと思う。アルプスは標高が高くて、東北は横に広い、そんなイメージ。

 

今回登ってみて、非常に興味をそそられたのが隣にそびえる和尚山。ここから見てもわかるほどきれいな樹氷が立ち並んでいました。

いつもスルーしてた山だったけど、この稜線歩きはなかなか面白そうじゃないか~!

安達太良山の最高峰、箕輪山もぜひ登ってみたいところだし、安達太良山はまだまだ巡り甲斐がありそう。和尚山、覚えておきます。

 

眼下に立ち並ぶ樹氷ツリーも綺麗でした。

方向によって見える景色がまるで違うのが面白い。

 

裏からの乳首もしっかり見て下山。

神々しい安達太良山の頂でした。

 

風も穏やかで山頂で長居することもできたけど、やっぱり序盤のラッセルで相当身体が疲れてたようで。。。

食欲もあまり出ず、さっさと降りることにしました。

 

お昼を過ぎてもどんどん小屋のほうから人が登ってくる。安達太良山に登るならスタートは8時くらいでちょうどいいのかもしれない。

 

帰りはくろがね小屋へは戻らずに薬師岳方面へ。この先にも見たい景色があるんでね。

 

こちらからもたくさん人が登ってくる。すれ違う人の足元みてたけど、半数以上はスノーシューで登ってました。

安達太良山は最後の乳首の岩場以外はスノーシューで十分だと思います。

 

こちらは荒涼とした雪景色が広がっていた。樹氷とはまた違う荒れ果てたような姿。

 

スノーモンスターも何体かいました。不完全な形も不思議なオブジェで面白い。

 

ゴジラ!?

 

まっすぐ伸びるビクトリーロード。こちらのルートも降りるにつれてズボズボ埋まるので、トップバッターは相当大変だったと思う。

どこのどなたかはわからないけど、お疲れさまでしたm(__)m

 

途中にあった素敵なメッセージ。

こちらもどこのどなたかわからないけど、おめでとうございますm(__)m

 

午後になって気温もかなり上昇。

降りているときは蒸し暑いくらいで、汗かきながらの下山となりました。

 

そしてたどり着いたのが、薬師岳。 安達太良山の絶好の展望台になっています。

 

相変わらず山の向こう側の雲がしつこいけど、安達太良山の全容は見渡せました。

 

そして晴天下で訪れたかったのがこの有名な場所。

「この上の空がほんとの空です」

今回はばっちり澄んだ青空が広がってた。3度目にして、ようやく「ほんとの空」を見ることができました。

この言葉は安達太良山に登った人なら誰もが覚えて帰るもの。こういう記憶に残るキャッチフレーズを用意しておくのは、二本松市の安達太良山PRのうまさだと思う。

 

薬師岳からゲレンデまでは割とすぐ。ゲレンデに出たら後はコースに沿って降りていけばいいです。

降りたら速攻で温泉に入るつもりだったけど、横を気持ちよさそうに滑っているのを見ていたら、やっぱり滑りたくなった……

 

そんなわけで、何本か滑ることにしました。今回のスキーバスツアーにリフト券と無料レンタルがついていたので、せっかくなので使っておく。

これが今シーズン初すべり。登山に熱を入れ始めてからスノボーする機会はめっきり減ったけど、久しぶりに滑ると爽快で気持ちよかったです。

それでも、1時間も滑ったらもう飽きたので、すぐにレンタル品を返却して温泉へ行きました。午後にレンタルを申し込んで、1時間足らずで返した客を係員は不審に思ったに違いない……

 

温泉はスキー場に併設されている奥岳の湯へ。これもツアーに割引券がついていたのでちょうど良かった。(通常600円が400円)

ここは最近できた温泉のようで、建物も真新しかったです。スキー場の温泉は激混みのイメージがあったけど、この温泉は割と空いてました。16時に温泉から出るときも、そんなに混んでなかった。

 

帰りのバスは17時過ぎだったので、それまで装備品の片づけしたりして時間つぶしました。

帰りのバスも当然ながら空いていて、1人で2シートずつ割り当てられる快適ツアーでしたとさ。

 

スタート早々にラッセル地獄にはまった時にはどうしようかと思っていたけど、無事に降りてスノーボードも楽しめたから、まぁ万々歳な内容でした。

余裕あるように書いているけど、やっぱり全て終わった後はかなり疲れて、帰りのバスの中では死んだように眠ってました。前回の谷川岳もそうだったけど、緊張が途切れると疲れって一気に出るね。。。本来の調子に戻すまではもうしばらく時間かかりそうです。

 

3度目の安達太良山。雪山としては2回目だった今回。前回よりも間違いなくタフな山行だったけども、時間がたっぷりあったので心に余裕を持てたのは大きい。5時着で17時帰りのスキーバスは明らかに登山客向けの仕様。便利なので、安達太良山雪山登山の時にはぜひ使ってみてください。

 

くろがね小屋を過ぎてからは絶景の連続!山頂目指してのぼりつめるこのシーンなんかは東北の山の象徴とも言える景観だと思う。雄大な安達太良山の景色に触れられて、この時は序盤のしんどい思いもすっかり忘れて山登りを楽しめました。

途中であきらめなくて本当に良かった。

 

小さいながらもスノーモンスターや樹氷も見れたし、3度目にしてようやく「ほんとの空」を見れたのは嬉しい。山頂部にずっとしつこい雲が残っていたあたりは、まだ完全に晴れの安達太良山を手中に収めたとは言えないので、また登りに来ることがあると思う。

安達太良山であれば年中登れるし、雪山登山としても東北の中では比較的登りやすい方だと思うので、雪山登山の候補としてもお勧めしておきます。

 

こんな感じで今年2回目の日帰り雪山登山が終了。今年は暖冬で早くも冬が終わりに差し掛かっている感じもするけど、またタイミングがあれば山に繰り出したいと思います。

 

2016年冬、東北雪山の旅

 

おしまい

 

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【日程】

2016年2月11日 晴れ時々曇り

【コースタイム】

あだたら高原スキー場(6:30) — 勢至平分岐(8:30) — くろがね小屋(9:10) — 峰の辻(11:00) — 安達太良山(11:40~12:15) — 薬師岳(13:00) — あだたら高原スキー場(13:50)

 

 

十二ヶ岳 日帰り登山 ~~鎖場・吊り橋、富士山と湖の大展望~~

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晩秋の12月初旬、富士山の展望で有名な十二ヶ岳に登ってきました。

十二ヶ岳とはその名の通り、12個のピークが存在する山の総称で、短い距離ながら細かなアップダウンが続く標高1683mの富士の外輪山です。富士山にほど近いので、富士の展望はもちろん、眼下には河口湖や西湖などを眺める絶好のロケーション!

さらに毛無山から十二ヶ岳に向けての稜線は、岩場や鎖場、ロープ、そしてつり橋など、変化に富んだコースでアトラクション感覚で楽しめるルートになっています。

誰でも登ることができて、そこそこのスリルが味わえる隠れた名峰だと思います。富士山近隣には登りやすい山がたくさんあるけれど、この十二ヶ岳もまたおすすめしたい1座。

この山にもし登ることがあれば、ぜひ十二ヶ岳の少し先まで足を運んでみてください。南アルプスの大展望を味わえる場所もありますので。

 

富士山と湖と鎖場と吊り橋、十二ヶ岳―――

 

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石割山、竜ヶ岳、愛鷹山、金時山……

日本百名山に選ばれることはなくても、富士山近隣には展望に恵まれた山がたくさんあって、都内からでも日帰り登山が可能な人気の山域になっています。これらの山は富士山の外輪山なんて呼ばれていたりもするけど、今回の十二ヶ岳もその1つ。

知名度で言えば石割山や竜ヶ岳に比べると低いかもしれないけど、この山は他の外輪山とは少し異色な存在。……というのも、この山は富士山近くの山では珍しく、岩場や鎖場、さらには吊り橋なんてものが待ち受けるバリエーションに満ちた縦走路になっています。

適度なスリルが味わえる点では近隣の山にはない魅力。特別な危険があるわけでもないので誰にでも登ることができて、登山口までは電車・バスを利用してもアクセスできるお手軽さがあります。下山口に綺麗な温泉施設があるのもうれしいところ。

富士山の展望はもちろん、眼下に広がる河口湖や西湖、さらには南アルプスの雪景色など、展望に関しては一級品の山なので、公共交通利用の日帰り登山としても強くお勧めしておきます。

 

~~ 2015年12月5日 十二ヶ岳 日帰り登山~~

この記事を書いているのが2016年の2月。記事を公開するタイミングはいつになるかわからないけど、少し前の記録になります。

山では雪も降り始めた12月初旬。前から行きたいと思っていた富士山近くの十二ヶ岳に繰り出してきました。

 

約1ヶ月ぶりの登山でもあったこの日。

早朝に都内を出発して、中央本線・富士急行線を乗り継いで河口湖駅へ。富士急行線は他の路線よりも割高なので、最安値で行くなら都内から出ている高速バスがおすすめです。ただ、高速バスは渋滞に巻き込まれたら予定が狂う心配があったので、行きだけは電車を利用しました。(帰りは高速バス利用)

 

JR河口湖駅は初めて降り立ったけど、駅のホームからすでにこの富士の絶景!

さすが高い運賃取るだけあって、駅のポテンシャルは半端ないな。登山客も多いけど、それ以上に観光客が多い。

 

9時前に河口湖駅に到着。駅舎は驚くほど立派で、外国人観光客向けに英語のアナウンスがあったりと、非常にグローバル色の強い駅でした。「Mt.Fuji!!! Fuji!!!!」と何度聞いたかわからない。

片言の日本語で「フジサン、ノボルンデスカ?」って聞かれたけど、いやいや……(^^;

雪山登山装備なんて一切入ってない、ハイキング用25Lザックです(笑)

 

駅前のロータリーも充実。写真に登山客の列が映っているけど、これは三ッ峠山へ向かうバスです。今回の十二ヶ岳登山口へ向かうバスは、こちらではないのでご注意ください。

富士周辺は観光スポットなだけあって、バスの交通網がかなり充実してます。観光客向けのバスでも登山口近くまで連れて行ってくれるバスがたくさんあるので、河口湖駅に降り立ってしまえば結構色々な山に登れます。

 

今回乗るのはこれね。1番乗り場の周遊バス。登山客の大半は三ッ峠山へ流れていったので、お間違いないよう。

 

河口湖周遊バスも停まるので、それにも乗らないように。今回は毛無山登山口から登るけど、そこに行くのは西湖周遊バスになります。

驚くほど海外からの観光客が多くて、駅前は英語やらなんやらが飛び交っています。バスの受付、案内、運転手も英語ペラペラ。さすがは日本の誇り、マウント・フジですな!

 

9時10分の始発のバスに乗って登山口を目指す。十二ヶ岳に登る場合は毛無山も一緒に登ることになるけど、十二ヶ岳登山口、毛無山登山口と、どちらにもバス停があります。どちらから登ってもいいけど、十二ヶ岳を1から12の順で登りたいなら毛無山登山口からのスタートになります。

河口湖の奥にそびえる尖がった山、あれがおそらく十二ヶ岳。

 

バスに30分ほど揺られて毛無山登山口に到着。ここで降りたのは4人くらいだったかな。そもそも西湖周遊バスに乗るのは観光客メインなので、登山客自体が少なかったです。

 

文化洞トンネルの脇に毛無山登山口があります。標識があるので迷うことはないはず。

 

ここから登山道。毛無山山頂までは普通のペースで歩けば1時間半ってところ。

 

季節は12月初旬。山に入ると紅葉も終わって、落ち葉が敷き詰められた登山道が続きます。

日陰は寒いけど、日が当たるところは暖かい。

 

それでも夜間は氷点下になるので霜が降りはじめる。

山は花にしろ紅葉にしろ、始まりから終わりがあっという間で、雪の時期だけが異様に長い。季節の変わり目でいつもそう思う。

この時もそう思ってたけど、今シーズンに関していえば雪が恋しくなるほど降らなかったなぁ。。。

 

標高はそんなに上げてないのに、景色の変わり方が早かった。

樹林帯も早々に終わって、枯れ木が立ち並ぶ明るい場所に出る。

 

紅葉が終わって葉が落ちると、空が近く感じる。

標高もそれほど高くなく、陽が登山道まで届くので、歩いている間はかなり暑い。12月でも半袖で登れる陽気でした。

 

あっという間に毛無山終盤。ラストはススキに囲まれた登山道を登っていきます。

ここまで来れば、贅沢な大展望が背後に待っている。

 

こんな感じで、目の前にドーン!と富士山。富士山の周りに高い山がないので、裾まで一望できます。

 

たなびくススキの穂がまた晩秋を感じさせる心地よい雰囲気でした。

里山らしい、どことなく懐かしい感覚。

 

眼下に見えるのは河口湖。バスの車内からも見えていた富士五湖の1つ。快晴の週末なだけあって、遊覧船がたくさん出てました。

このアングルだとわかりづらいけど、はるか奥に山中湖も見えます。

 

登り始めて1時間半ほどで毛無山山頂に到着。今回のメインは十二ヶ岳なのでこの毛無山は前座的な立ち位置だったけど、展望に関して言えば十二ヶ岳を凌ぐほどの一級品です。

 

正面にドンと構える富士山の雄姿。ちょうど真北からの展望になります。この富士山の反対側、つまり南側には2年前の正月に登った愛鷹山があります。南側から見ると、富士山がまるで違った姿を現すので興味あれば見てみてください。(愛鷹山の記録

眼下に見える湖は、左側が河口湖で右側が西湖

 

富士山アップ。この前日あたりに降雪があったので富士山もようやく冠雪したけど、結局この冬は暖冬だったので、これ以降もしばらくは積雪量が増えなかった模様。

12月のスキー場はどこも本当に悲惨だったようですね、、、

 

富士山眺めてまったりしてたら人がどんどん登ってきたので、軽く休憩して先へ進むことに。今回の行程は全部で5時間程度なので、時間にはかなり余裕があるけど、この先は尾根に入って道も狭くなってくるので渋滞は避けたいところ。

毛無山はそこまで長居しなかったけど、富士山側の展望が開けているのでこの山だけでも十分に楽しめると思います。2時間もあれば登れるし。

ちなみに、富士山近隣にはもう1つ「毛無山」という山があって、むしろ有名なのはそっち。富士山の西側に日本二百名山にも選ばれている毛無山があります。くれぐれもお間違いないよう。そちらの毛無山は登ったことがないけど、ここほど簡単には登れない山って聞いてる。

 

ここから先がいよいよ尾根道なって十二ヶ岳ゾーンに入ってくる。

十二ヶ岳、その名の通り12個のピークが次々に登場します。

 

一ヶ岳

 

二ヶ岳

 

三ヶ岳。こんな感じで。

1つ1つのピークの距離はすごい短くて5分もあれば到着できます。

 

たまに展望が開けると、横目には相変わらずの富士山のどデカい姿が。眼下の湖も河口湖が遠のいて、徐々に西湖が近づいてきます。

 

四ヶ岳

ピークといえるほどはっきりとした山頂という感じではないので、標識を見逃さないように。

 

早くも十二ヶ岳本峰が見えてきた。

 

四ヶ岳以降は、徐々に尾根道にも岩場が出てきて面白さが増してきます。こんな感じでロープが設置されているところもいくつかあり。

 

五ヶ岳

勘のいい人なら、このまま進めば何が待ち受けているかわかるはず(笑)

 

六ヶ岳

 

七ヶ岳

(えぇぇっーー!?)

 

ここまで来れば、何が言いたいかはわかるはず( ̄▽ ̄)

 

八ヶ岳ね。順繰りに名前が付けられているところを見ると、読み方は「はちがたけ」なのかな?

富士山の近くにもあった八ヶ岳。

別に本場の八ヶ岳が見えるわけじゃないけど、名前負けしないようにと、ここから先は道も若干険しくなってきます。

 

断続的に細かな岩場のアップダウンが続く尾根道。

 

九ヶ岳

 

岩場の陰をトラバース。こういう場所もあるから、低山とはいえ真冬の積雪時は登らない方がよさそう。

 

壊れかけの十ヶ岳

この看板だけ見逃しそうになりました。

 

急な岩場については親切なほどにロープが設置されているので、誰でも登れるようになっています。

こういう場所は渋滞しやすいけど、反対側から来る人が誰もいないのでノンストップで歩けました。十二ヶ岳→毛無山の順で登る人はそんなにいないみたい。

 

十一ヶ岳

残すところあと1つ。そしてこの先に、十二ヶ岳の代名詞とも言える場所があります。

 

急な岩場。十二ヶ岳まで行くにはいったん下って登り返さないといけない。 大した高低差ではないけど、岩場に関してはこの部分が一番高度感あった気がします。先が見えないけど、下に立っている青い服の人のさらに下にもロープが設置された岩場が続いています。

 

こんな感じで順繰りに降りる。

そして、この岩がを下りた先に待っているのが、十二ヶ岳で一番有名な場所。

 

このつり橋。「ひとりずつ渡れ」という忠告もセットで有名。

 

このつり橋、結構揺れます(笑)

岩の谷間にかなり無理やり作られたようなつり橋で、なかなかのスリル味わえます。急な岩場からのこのつり橋っていう流れが、ナイスなアトラクション!麓の富士急ハイランドに通じるものがある。

 

吊り橋を乗り越えたら、すぐ岩場にとりつく。今度は鎖場の登りが待っています。

登りに関してはどこの岩場も足場がしっかりしているので、ロープや鎖は飾りのようなもん。アスレチック感覚で登れます。

十二ヶ岳、登山初心者を連れてきても十分楽しんでもらえる遊び場だと思う。

 

この岩場からの眺めがまた気持ち良い。特に高い山が見えるわけじゃないけど、富士山近隣のお手頃な山がひしめいています。

ここら辺は日帰りハイキングにうってつけの山がたくさんある。

 

ここもその1つ。三ッ峠山は山頂に中継局があるから、遠くからでもわかりやすい。富士山近隣の山の中でも特に人気の三ッ峠山。秀麗富嶽十二景清八山本社ヶ丸とセットで縦走もできるので、少し長めのトレイルを楽しみたいならおすすめしときます。

:

秀麗富嶽十二景って、久しぶりに言った気がする(笑)

 

周りには同じような高さの山がいっぱい。この近辺に標高2000mを超える山はなく、みんな富士山の引き立て役に徹している感じがする。

だからこそ、街中から見ると富士山が余計に大きく感じる。

 

十二ヶ岳で一番ビビったのがこれ↑

なんでかムカデに見えて、慌てて手を引っ込めたら岩場から落ちそうになったぜ。。

 

岩を乗り越えた先が十二ヶ岳縦走路の終点。

 

ラストの十二ヶ岳、無事に到着。一ヶ岳から1時間程度なので、実際のところはそんなに距離はないです。

ただ、細かなアップダウンが多くて、岩場やロープ、鎖場やつり橋など、色々とアトラクション用意してくれるので結構長く楽しめました。

 

十二ヶ岳からの展望。相変わらず富士山の展望が素晴らしい!

毛無山から西に移動してきたので、眼下には西湖が広がってます。

 

素晴らしい富士の姿!行きの富士急行線内に、デカいザックに厳冬期装備のグループがいたので、たぶん今頃富士山に登ってるんでしょうね。

積雪時の富士は昨年の宝永山で痛い目見てるから侮れない。

 

(2015年2月1日 富士山側火山の宝永山雪山登山より)

 

十二ヶ岳から先もまだ稜線は続く。さらに先に見えるのは鬼ヶ岳。今回はここで終わりにしたけど、時間があればあちらまで縦走してみるのもありです。

ただ、ここで終わりにするにしても、少しでいいから先まで行ってみてほしい!登山をするものとしてはたまらない、1つの絶景スポットがあるので。

 

こちらの展望。南アルプスの山たち!

これまで全く見えなかった南アルプスが、十二ヶ岳の先に行くと突然見えるようになります。

どうかお見逃しなく!

 

特に北岳、間ノ岳、農鳥岳の白根三山が大きく見えます。

日本の標高No1の富士山、No2の北岳、No3の間ノ岳のトップ3を一同に目の当たりにできるなんてなかなかのもんでしょ。十二ヶ岳のポテンシャルの高さを感じました。

 

今回はリハビリというのもあったので、これで十分満足。ここでおしまいにしておきます。

十二ヶ岳の山頂はそれほど広くはないので、休憩するなら少し戻ったところの分岐の広場がいいかもしれません。

 

ここね。たくさんのグループが休憩してました。

標識にあるように桑留尾へ下山します。 2.6kmなんで休憩入れなければ1時間程度で下山できる距離。

 

ロープが敷かれてやや急な坂道。

昼過ぎになってもたくさん登りに来てましたが、毛無山の登りに比べると距離が短い分傾斜がきついので、登っている人は結構辛そうでした。

 

最後に富士山と河口湖と西湖の眺めを堪能。低山ながらも展望良いポイントが髄所にあるので、終始楽しく歩けます。

富士の展望、それがあるだけで山の楽しさってのはアップする。

 

秋の終わりを感じた登山でもありました。山は雪のシーズンが長いので、こうやって暖かい中ハイキング気分で登れるのはしばらくない。

そう思うと少し寂しい気もした。

 

1時間で下山完了。14時前に降りてこれました。

 

麓にはまだ紅葉が残ってた。2015年の登山で見た紅葉としては、結局これが最後でした。

 

下山したところにちょうど温泉があります。「いずみの湯」。

ここ、なんか見覚えあるなと思ってよくよく思い返してみたら、3年前の秋に足和田山ハイキングで訪れた温泉だった。

あの時はちょうど紅葉シーズンだったので温泉も混んでたけど、初冬はやっぱり人減りますね。週末なのに露天風呂一人で占領できました。

 

下から見上げる十二ヶ岳。ご覧のように12個もピークがあるようには思えない稜線ですが、あの道中には低山にしては十分楽しめるアトラクションが用意されているので、ぜひ歩いてみてください。

 

温泉のすぐ裏が西湖。

帰りがけに見た夕日が綺麗でした。

 

帰りも西湖周遊バスに乗って河口湖駅へ。毛無山と十二ヶ岳、どちらの登山口にもバス停があるので簡単に縦走ルートを組むことができます。下山口の温泉もあって、「どうぞ電車とバスでお越しください!」と言わんばかりのおもてなし。

公共交通利用向けの山だと思います。

 

河口湖駅。相変わらず外国観光客が多くてグローバルな駅でした。ここの周辺で仕事するなら間違いなく英語力は求められるな(笑)

 

帰りは電車で帰っても良かったけど、高速バスのほうが安いのでバスで帰ることにしました。

河口湖駅~新宿駅の高速バスは途中に富士急ハイランドがあるので、かなり本数も多く出てます。ハイシーズンでなければ週末でも当日予約できると思うので、安さを求めるなら高速バスで帰った方がお得です。

 

 

…と、こんな感じで十二ヶ岳日帰り登山にふらっと行ってきました。全行程が6時間に満たないので、物足りないと感じる人もいるかもしれないけれど、自分にとってはこれが久しぶりの登山だったので、行程内容としてはちょうどいいくらいでした。

つり橋、鎖場やロープ、岩場など色々と変化に富んだスリルある稜線歩きが、十二ヶ岳の最大の魅力!アトラクション感覚で歩き回れて、危険個所と言えるところはそんなにないので、誰にでも楽しめる山だと思います。

 

富士山に近いだけあって、富士の展望は言うことなし!

富士山近隣の山の中では少し異色の、スリルある山登りを楽しめた毛無山~十二ヶ岳でした。

電車・バスを利用しても行けるので、良ければぜひ行ってみてください。

 

おしまい

 

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【日程】

2015年12月5日 快晴

【コースタイム】

JR河口湖駅(8:45) — 毛無山登山口(9:40) — 毛無山(10:50~11:15) — 一ヶ岳(11:16) — 八ヶ岳(11:40) — 十二ヶ岳(12:20~12:40) — 十二ヶ岳登山口(13:40)

 

 

冬の白毛門 日帰り雪山登山 ~~眼前の谷川岳の雄姿と大雪庇~~

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谷川岳の正面にそびえる、標高1720mの白毛門へ登ってきました。

山頂までの距離は3km程度ですが、その道中はひたすら急登が続き、冬場となればラッセルも強いられるなかなか手強い山です。今年は暖冬ということもあって、3月初旬で雪もだいぶ融けてました。ラッセルが続くようなことはなかったですが、所々に雪崩の跡もあって、落とし穴も多数……。緊張が続いた登山となりました。

序盤の急登は我慢ですが、1時間も登れば目の前に谷川岳の雄姿を望むことができる絶好の展望の山でもあります。特に冬場は真っ白く輝く谷川岳が本当に綺麗で、圧倒的な迫力を感じずにはいられなかった……

谷川岳の壮大なスケールを味わえた山旅でした。

 

白毛門から望む眼前の岩峰・谷川岳―――

 

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暖冬によって早くも冬山シーズンが終わりを迎えつつある今日この頃。

これまでのところ、今シーズンの雪山登山として登ったのは、12月の木曽駒ヶ岳、1月の谷川岳、2月の安達太良山の計3つ。月1ペースという、去年の同時期に比べるとその回数は格段に減ったけども、いずれも天気に恵まれて良い景色を拝められた山行でした。

 

そして3月。

4座目の雪山登山として登ることになったのが今回の白毛門

 

木曽駒ヶ岳、谷川岳、安達太良山は過去にも登った実績があったので無難に終われたけども、白毛門に至っては初めて登る山。他の3つに比べると冬季の登山者数も少ないし、急登が続く道のり。コンディション次第では登頂できるかわからなかったけど、快晴無風の予報が出たので行ってきました。

 

登頂できたかどうかはさして重要ではなく、木曽駒や安達太良にも引けを取らない壮大なスケールの雪景色に浸れた今回の山旅。一時、登りに来たことを後悔した瞬間もあったけど、終わってみれば充実感と疲労感に満たされた1日でした。

 

ブログを書き始めて以来、初めて体験する小っ恥ずかしい事案も発生して、色々と印象に残る旅でしたとさ(笑)

 

~~ 2016年3月5日 白毛門雪山登山 ~~

今回も電車・バスを利用しての雪山登山。

最初に言っておくと、もともとの予定としては白毛門に登る予定はなくて、他の山でお仲間さんたちと計画を練ってました。それが天気との兼ね合いで中止となり、代替案として白羽の矢が立ったのが白毛門。

白毛門自体は、登りたい雪山リストに入ってたしね。

ただ、谷川岳以上に時間がかかる白毛門。仲間の都合も悪くなって前夜に急きょソロになってしまったのもあって、朝発の電車・バス利用では、時間的にかなりギリギリの勝負になる(とこの時は思っていた)。

それでも、山へのモチベーションは過去にないくらい高ぶっていたので、迷うことなく出発。

 

白毛門までは1月の谷川岳で使った水上駅経由のバスを利用します。前回と大きく違うのは、今回は週末というだけあって登山者が多い多い……。バス1台満杯になって、谷川岳へと走り出しました。

 

降りるバス停は谷川ロープウェイの1つ手前の土合橋。ここが白毛門登山口のバス停になります。

 

熱気でガラスが曇るぎゅうぎゅう詰めの車内。乗っていた方々に降りてもらって何とか降車できました。白毛門アタックにこのバス使うなら、前のほうに陣取っていた方がいいです。この日も自分のほかに1人しか降りず、他は全員谷川岳へ登る方たちでした。

まぁ、白毛門なんてこんなもんか……

 

バス停の向かいのこの青い建物の横が白毛門登山の入口になります。

積雪の状況では中盤までも行けないんじゃないかって思ってたけど、その心配は早々に杞憂に終わる。通常なら、この入口からたっぷり雪が積もっていてラッセル開始となるはずなんだけど、全然雪なかった……

これならいけそうな気がする。

 

朝9時過ぎにスタートという、この日の白毛門登山組としてはたぶん最後発。 思っていたよりも人が入っているようで、トレースかなりついてました。(すぐ前に歩いてる人いるし)

この広いところは駐車場でしょうかね。ここはまだ除雪されてないので、マイカー組は土合駅駐車場に停めることになります。

 

下から見上げる武能岳。谷川岳自体にはもう何度も登っているけど、こちらの東側の山に登るのは初めて。

今回のお目当ては”眼前の雪の谷川岳”、これ1本なので、早くその雄姿を拝めたいと思った。山頂は余裕があればというスタンスで臨む。

 

登山口に登山届ボックスもあり。例年ならこのボックスも埋まるほどの積雪量らしいけど、全然少なかった。

 

はっきりと積雪量の少なさがわかるのが、この入口の橋。普通はこの橋にも雪が積もってるはずなんだけど、全然でした。

そもそも、3月初旬はまだ川自体が雪で埋まっているような季節。本当に今年は暖冬でしたね。

 

トレースついているので、ワカンを使う必要もなく、道に迷う心配もない。

心の隅ではあっさり登頂できちゃいそうな予感がしてた。

 

少し行った先から登りが開始。これ以降、山頂まではひたすら登り坂が続くと思っていて良いです。

前を歩く2人組の方は早々に抜かしてもらったけど、この方々から後程、衝撃的な言葉を頂く(笑)

 

登山道はすぐに尾根に出ます。この尾根に出てからが長い。

写真見て分かったと思うけど、序盤は雪の融雪がかなり進んで土も見えてる状態です。

 

こんな感じで全くない箇所も。

これが3月初旬の白毛門の写真です!と言っても、例年なら信じてもらえないコンディションなんだろうな~

正直なところ、この辺りでは白毛門に来たのが見事に失敗だと思った。ここまで雪がないとは思わなかった。

 

おまけに気温もこの時期としてはかなり高い。バス停から半袖でスタートしたけど、結局この日は最初から最後までウェア切ることなく半袖で過ごせちゃいました。そのせいで、腕の日焼けが半端なかった…

 

体感的には4月、5月の残雪登山。汗が噴き出て暑さとの戦いが続く。こういう時に無風という好条件は逆に応えるけど、登り一辺倒なので標高を上げるスピードはかなり速いです。1時間に400mほどは稼げてるんじゃないかな。

 

無心になって登る中、ふと振り返ってみると、いつの間にか谷川岳が目の前に見えていた。

登り始めてまだ1時間も経っていないのに、いきなり壮大な眺め!こちら側から谷川岳を眺めたことがないから、思わず立ち止まって見入ってしまった…

ある意味、これで今回の登山の目的は達成(笑)

 

まぁ、行けるところまでは行くけども。

暑さに加えて雪のコンディションが悪すぎて、登るモチベーションとしてはそれほど高くはなかったけど、この後の展開を考えたら、途中でやめなくて良かった。

 

狭い尾根を進んで行く。所々で傾斜が緩む箇所も出てくるけど、雪がベチャついて重たく、このあたりから踏み抜きを連発するので、体力が無駄に削られていく。

 

1時間程度でここまで登ってきた。谷川ロープウェイの建物も見える。

これだけの登山日和なんだから、今頃天神尾根コースは大盛況なんでしょうね。

 

向かって右側が開けているこの尾根。登っている感じは昨年4月に登った北アルプス爺ヶ岳の南尾根にそっくり。雰囲気とか景色とか雪のコンディションとか。

気分は完全に春山。3月初旬とはとてもじゃないけど思えない。

 

右奥の真っ白い山が白毛門山頂かな。青空のもとで真っ白く輝いてます。

手前の松ノ木沢ノ頭までとりあえず頑張る。

 

ところによってかなり急斜面。ズボズボ埋まるので、ここら辺はかなり疲れたな。。。まだアイゼン履いてないけど、アイゼン履いてもお団子になるような雪質でした。

こんだけトレースついている割には、序盤の2人組以外とはすれ違わない、静かな登山が続いてます。

 

エグい斜面に格闘しつつ、後ろを見ればこの谷川岳に癒される。

やっぱり雪の谷川岳、カッコいいわ。

 

天神平スキー場と同じくらいの高さまで登ってきた。この標高までロープウェイで連れて行ってもらえるんだから、谷川岳はお手軽だよな~。

奥にぼんやりと見える黒い影は浅間山かっ!?

 

松ノ木沢ノ頭まで延びるビクトリーロード。

このあたりまで登ってしまえば、自分よりも高い樹がなくなって開放感が増してきます。

 

事前に急登と聞いていたけど、確かになかなかの傾斜ですな。振り返ってみると高度感すごい。

終わってからの感想としては、白毛門は登りよりも下りのほうが厄介な感じでした。

 

11時過ぎ、松ノ木沢ノ頭に到着。 ここまで2時間ってところ。

ラッセルも大してなかったので、無雪期とほぼ同じくらいのコースタイムで来れました。

 

そして、ここに来てようやく白毛門の本丸が姿を見せる。谷川岳に負けないくらい、こちらもすごい迫力・・・!

この場所が少し高台になっているので、この先のルートを確認できるけど、数ヶ所えげつなところを発見。

 

特にここか。ありえないくらいの急斜面。。。

先行隊の人が今まさに取り付いているところでした。あれは結構やばそうだ…

 

とりあえず見なかったことにして、しばらく休憩( ̄▽ ̄)

この松ノ木沢ノ頭は休憩するには絶好の場所。白毛門はもちろん、少し戻れば谷川岳も眼前に見える展望台になってます。

時間も思ったより余裕あるので、しばらく居座りました。風がないのでジッとしていても暖かい。

 

10分ほど休憩して再出発。ここから先はアイゼン装着。道も色々と危険なところが出てきて、これまでのように簡単には行かなくなる。

緊張感も一気に高まるポイント。安心して休憩できるところもこの先は少ないです。

 

全体的にそうだったけど、白毛門の尾根は片側が雪庇になって見た目よりも歩ける範囲が狭いです。

ご通行には十分ご注意くださいな。

 

問題のエリアが近づいてきた。

先ほどの急斜面にばかり目が行ってたけど、実際に歩いてみると一番危険だったのは、その手前の小さな雪壁でした。

 

ここ。今お一人登りきったこの部分が、短い割に壁のような立ちはだかって行く手を遮ってた。

なんか、雪崩れたような跡もあるし……!

 

問題の雪壁を登っているところ。足元がグズグズなのでアイゼン効かず、すぐに崩れて全然前に進まなかった。

天気悪かったら間違いなく心折れて引き返してたところだったな。結構怖かったです。

 

横を見ると雪崩れたような跡が髄所にある。

こぇ、、、白毛門こえぇよ。。。

 

何とか核心部を登り切った。まだ先に急斜面が残っているけど、あそこはまた別の危険が潜んでる。

 

山頂直下に見えた大きな岩。右の巨岩が、白毛門で有名なジジ岩・ババ岩ですかね。見えているのはおそらくババ岩。ジジ岩は雪に埋もれてるのかな?

 

この日、何度目かの急斜面。風がなくて穏やかな陽気なのが本当に救い。

道は険しくても平和な雰囲気が漂うので、落ち着いて登れる。

 

背後には武能岳から延びる馬蹄形稜線も見えてきた。惚れ惚れするような見事な白さでした。

 

ルート中でおそらく一番の急登に入ってきた。坂の傾斜自体はそれほど苦にならないんだけど、雪崩れないか、雪のブロックが落ちてこないか、、、それが本当に怖い。

 

横を見るとなんかゴロゴロ落ちてるし…!

例年だと3月下旬ごろから谷川エリアの雪崩危険シーズンって言うけど、暖冬の今年は融雪も早いようで。

 

クラックがいくつもあるので、落ちないように慎重に。

緊張の登山が続く。

 

壁のように立ちはだかる白毛門の急斜面。

足も膝下までは常時埋まる感じのユルユルグズグズだったけど、ようやく終わりが見えてきた。

 

何とか登りきったところ。このあたりに来ると、すでに登り終えた方とすれ違う機会も多くなってきた。登山日和ということで、10人くらいは先行してたようですね。

雪崩誘発しそうな部分は、こうしてみなさん待っていてくれる。登ってきたからこそわかる危険ってのはやっぱりあるな~と思った。

 

ここでようやく北側の展望も見えた。白毛門の先にある山、左が笠ヶ岳、右が朝日岳

谷川岳から見たら白毛門から大分近くに見えたけど、実際登ろうとするとそこそこ大変そうだね。笠ヶ岳の手前とかも結構な角度ですよ。。

 

何度も見てしまう谷川岳。とてつもなく美しく、とてつもなくカッコいい!このワンシーンを見れただけでも白毛門に登りに来た甲斐はあったってもん。

 

山頂まではもう残りわずか。やせ尾根を詰めていけば終わりなんだけど……

みなさん、お分かりいただけただろうか…

 

この雪庇とも似つかない、巨大な雪の塊はいったい…!?

 

急坂を登り終えても、油断ならない。落とし穴がいたるところに潜んでる。

踏み抜くと普通に腰まで埋まっちゃいます。↑のこの人は悠々と写真撮ってるけど、この数秒後に見事に穴にハマってましたよ┐(´д`)┌

 

山頂手前に巨大な雪庇ができていた。こちらから見るとそんなに大きく見えないけど、上から見るとかなりデカい雪庇に育ってました。

 

そして最後には鎖場もあり。通常ならこの鎖も雪で埋まってるのでしょうかね?

この日は鎖も全部出ていて、岩もほとんど露出していました。コンディションによってはここもかなり危険になるのかもしれません。

 

岩場のところから振り返って先ほどの雪庇を見てみる。ここから見るといかに巨大かがわかる。すごいよ、これは!

谷川岳で見たものよりも全然大きかったです。

 

そして……

 

それ以上に谷川岳の迫力が凄まじい!この場所からの谷川岳が本日のハイライト。

直前ですれ違った方にモデルになってもらいましたが、人と対比させるとそのデカさが一層際立つ。壁のように聳え立っていました。

 

本当に迫力がありすぎて怖いくらいの景色!眼前にそびえる雪の岩峰。標高2000mの山とはとても思えない谷川岳の雄姿でした。

行く先が急斜面で見えないので、切り立った展望台のようになっています。

 

危険と爽快感の隣り合わせ。落ちたら一巻の終わりだけど、怖さよりも展望の美しさが勝って、充実感に満たされた時間でした。

序盤の雪のない道を見た時にはどうしようかと思ってたけど、まさかこんな展開になろうとは……。これほどの雪の世界が待っているとは正直期待してなかった。

 

この大雪庇も見逃せない絶景の1つでした。

人が歩くたびにカメラを構えてしまう。

 

最後の最後まで雪庇の脇を歩いていく。

山頂まで安心させてくれない冬の白毛門。

 

うーん、素晴らしい!何度も見入ってしまうな、この景色。被写体がいるほうがその迫力が伝わるね。

谷川岳からここまで圧倒的なスケール感を見せつけられるとは……。もともとこの景色が見たいから登りに来たっていうのはあるけど、眼前の谷川岳は、その想像をはるかに超える壮大さがありました。

 

こうして12時過ぎ、無事に白毛門山頂に到着。先客は1名だけ。

登りは3時間でした。雪道で直登できるぶん、無雪期よりも若干早く登れたかもしれません。

 

改めて山頂からの谷川岳。何度眺めても素晴らしい!

 

こちらは笠ヶ岳朝日岳。ここから先は谷川岳の有名な馬蹄形縦走路入ってくる。

主脈を歩き通せたので次は馬蹄形日帰りをやってみたいけど、どうなんだろ。行けるのかな…?

主脈よりは時間がかかるので、それなりの覚悟は必要そう。

 

馬蹄形縦走を現実的に考えるようになったのは、あの武能岳から続く平坦な稜線。あそこはぜひ歩きたい!

というか、あの部分だけでいいから歩きたい(笑)

色々と夢膨らませてくれる白毛門の展望でした。

 

他の展望はと言うと、残念ながら霞がかかっていてそこまで遠くは見渡せませんでした。春ならではの、晴れていても展望があまり見えないよ現象。

山頂でじっとしていても半袖で十分な暖かさなんだから、まぁ仕方ないか。3月初旬にして、もうすっかり春山でしたよ。

 

居心地最高の山頂。時間も余裕があるので、ゆっくり休憩しました。

到着時はほぼ同じタイミングで登ったこの男性の方がいましたが、少ししたら降りてしまったので貸し切り状態に。この男性の方も電車で来られたそうで、公共交通利用でも冬の白毛門は選択肢としてありなんだなと思った。

 

山頂でゆっくりわんたんでも食べる時間があればいいね、という意味合いで持ってきたワンタン。無事に食す!

 

しばしお昼休憩~~

そういえばヤマレコを見ていたら、この日に馬蹄形縦走を日帰りでした方がいらっしゃったようで。。。すごい強者ですね。

雪の時期に馬蹄形日帰りなんて自分には到底無理だけど、次に来るなら夜明け前から出発して朝日岳までは行ってみたい。そして、その時は多少はラッセル頑張りたい。今回は雪山登山というにはあまりにも雪が少なかった。

 

誰も来ない山頂。雪庇脇で昼寝でもしたくなるような暖かさと静けさでした。

朝のバスの混雑っぷりから想像はつくけど、谷川岳は結構にぎわってるんでしょうね。谷川岳よりも簡単には登れないけど、白毛門も雪山登山としては十分面白さがあると思います。何よりも静かなのがいい!

 

40分くらい長居して、下山することに。

午後から曇る予報だったけど、お昼を過ぎても全然晴れ渡って日差しが強烈でした。

 

そして、降り始めた矢先に登山客とすれ違う。スタート早々に抜かしてもらった二人組の方々です。

何気なくすれ違うつもりだったけど、この方から衝撃の一言を頂戴する・・・!

 

「あの、もしかしてブログ書いてる方ですか?今日という日を忘れずに、という……」

 

えぇーーーっ・・!?なんでわかったんっすか?!

ブログを書いて6年くらいになるけど、登山中に声をかけられたのは初めて。オレンジのウェアも着てないし、特徴的な仲間も連れてきてないし……、なんでわかったのか気になって聞いてみたら、ザックとゲイターの色で「もしや」と思ったらしい。

ネットの力ってすげぇ、、、。そんな情報だけでわかってしまうのか。まさかブログのことで声をかけられる日が来るとは思わなかった。嬉しいやら、恥ずかしいやら…(笑)

 

今後ともブログのほうをどうぞよろしくお願いします!

と営業トークをかまして華麗に立ち去る。

 

(この後すぐに、落とし穴にはまって見えないところで醜態さらしたのは内緒^^)

 

いや~、こんなこともあるんだな。たまにヤマレコの有名人と会った、とか、Facebookの登山グループの人と会った、とか。そういうのは聞いたことがあるけど、ブログで気づかれるってのは絶対にないと思ってた。基本的に写真は撮っても後ろ姿しか載せないし、気づかれたとしても自分が被写体として良く載せる仲間のほうだと思ってたからねぇ……。

下山途中の小っ恥ずかしい一幕でした。

 

話し戻して下山シーン。下山も下山で結構危険個所は多い。先ほど落とし穴にはまったように、なんか登ってきた時よりも穴が増えてる気がするし、最後の鎖場も岩が凍結していてやや厄介でした。

松ノ木沢ノ頭に戻るまでは緊張が続く。

 

歩いてきた尾根をそのまま戻ります。樹林帯に入るまでも気が抜けないけど、一番の急斜面に関した場所はクラックさえ気を付ければそれほどでもありませんでした。

 

むしろ、こういう狭いトラバース個所とか目立たないところが怖かったりする。

 

振り返ってみると先ほどのお二方も降り始めてました。登りはストックだけでも行けるけど、帰りはピッケル駆使しないとしんどいかもしれません。

降りている最中には誰ともすれ違わなかったので、この日は自分はほぼ最後尾を歩いていたようですな。前回の安達太良山では先頭でラッセル頑張ったから、こういうことがあってもいいでしょ。

 

ここら辺まで来れば安心。駆け抜けたくなる滑走路のような長い尾根。

 

帰りは省略するけど、樹林帯に入ってからが地獄でした。土と雪のミックスで本当に歩きづらかった。アイゼン邪魔だったから途中で外したけど、急な斜面なので雪があると滑るし、場所によってはズボッと埋まるし、、、下りの樹林帯が精神的には一番疲れました。

次は絶対にもっと雪がある時期に来よう。

 

15時過ぎに下山完了。もうこれくらいの時期になると水1.5Lでもギリギリ。最初から最後まで暑くて、かなり水分消耗した1日でした。

 

帰りの手段は特に決めてなかったけど、16時のバスに間に合ったのでそれで帰ることにしました。時間次第では土合駅から電車で帰ることも可能だけど、本数がかなり少ないので事前に調べておいた方がいいです。

 

登山口のバス停で待っているには時間がありすぎたので、谷川岳ロープウェイまで歩いてきちゃいました。徒歩15分ほど。

ここならトイレも自販機も更衣室もあるし適当に時間つぶせます。

 

帰りもバスは混雑してたけど、寝てたのであまり記憶なし。その日のうちに東京へと帰りましたとさ。

 

 

こうして白毛門登山の1日が終了。ブログにしてみて登山時間が6時間程度だったのかって自分で驚いた。もっと長く歩いてた気がする。気が張ってて、それほど余裕がなかったからでしょうかね。

なかなか大変でしたけども、充実した登山でした。久しぶりの山登りだったので、翌日はもちろん筋肉痛になったよ・・・

 

今回の登山についてはお目当てだった谷川岳の秀麗な雪景色、これに尽きると思う。(空気かすんでて他の山はほとんど見えなかったしね)

白毛門は谷川岳の絶好の展望台、まさにその通りでした。眼前にずっしりと構えた谷川岳はこれまで感じたことのない迫力があって、こんなにも大きい山だったのかと圧倒されっぱなしでした。

この景色はぜひまた見に来たいと思う。次はもっとたっぷり雪が積もった時期に、もっと真っ白になった谷川岳を目にしたい。

 

白毛門については、短い距離ながらもかなり神経を使った登山だったなぁと思います。谷川岳に登るのとはまた違う緊張感があって、怖さも感じつつ、達成感もあって、充実した山登りを楽しめました。大きな雪庇も見れたし、雪の造形もそれなりに楽しめた。

序盤の急登もそれほど苦には感じなかったので、この山はいずれまた来ると思う。それが馬蹄形縦走の時になるか、再び雪の時期になるかはわからないけど、谷川岳にはない静けさもあるので、かなり気に入りました。

 

個人的な感想としては谷川岳よりは雪山の難易度としては上だと思うので、雪の谷川岳を登った次の候補にでも登ってみてください。

谷川岳の本当の迫力が感じられると思います。

 

白毛門から望む谷川岳―――

 

おしまい

 

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【日程】

2016年3月5日 快晴

【コースタイム】

土合橋バス停(9:00) — 松ノ木沢ノ頭(11:10) — 白毛門(12:15~13:00) — 土合橋バス停(15:00)

 

冬の権現岳 日帰り雪山登山 ~~八ヶ岳と南アルプスの大展望~~

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八ヶ岳南部の岩峰、権現岳(標高2715m)へ登ってきました。

冬の権現岳の日帰り一般ルートは天女山ゲートからのピストン。山頂まで高低差1400m弱あり、三ッ頭までは長い急登が続くタフなコースですが、稜線に出てからの展望は一級品。序盤から南アルプスや富士山を眺められるルートで、三ッ頭からは中央アルプス、御嶽山、北アルプスまで見渡せる絶景が待っています。

中でも特筆すべきは南八ヶ岳の大展望!赤岳~中岳~阿弥陀岳から権現岳を含めた南八ヶ岳の名峰が横に並ぶ大パノラマ。これはこのルートでしか味わえない絶景だと思う。

雪のコンディションが悪くて、山頂直下の岩場トラバースの核心部が思った以上の難所となりましたが、八ヶ岳の魅力を存分に堪能できるルートでした。

 

冬の八ヶ岳・権現岳山頂を目指して―――

 

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遡って振り返ってみる前年の山行記録。

これまでのところ、2015年は自分の登山歴の中では最も充実したと思える年で、南・中央・北アルプスはもちろん、憧れだった白山や鳥海山、冬の上州武尊山や金峰山、近場の山まで行きたいところは一通り行けた1年でした。おそらく今後の人生でも、年間を通してこの年を超えるほどの登山はできないんじゃないかって思えるくらい。

そんな充実した2015年の登山の中でもやっぱり心残りはいくつかあって、その1つが八ヶ岳エリアを一度も登れなかったこと。

 

都内からアクセスもしやすくて、山小屋も通年で営業しているので、雪山としても登りやすい八ヶ岳。

今のところ冬の八ヶ岳は、北横岳~縞枯山赤岳~横岳~硫黄岳天狗岳、を登っているので、それ以外のところで今シーズンの冬に一度は八ヶ岳に登りたいと思っていた。それがいつかは決めてなかったけど、お仲間さんから久しぶりにお誘いを受けて、3月の3連休に登る機会が巡ってきました。

 

南八ヶ岳の岩峰・権現岳

 

ここは自分の中では懐かしさを感じる山。決して雪山登山としての難易度は低くはなかったけど、八ヶ岳の魅力に存分に浸れた1日でした。

 

~~ 冬の権現岳(八ヶ岳) 日帰り雪山登山 ~~

冬季の権現岳の一般ルートとなるのは、天女山ゲート入口からスタートして三ッ頭を経て山頂を目指すコース。日帰りが可能とはいえ、雪がない時期でも登り5時間以上を有するので、深夜発は必須になります。

 

登山口となる天女山ゲート前に着いたのは深夜4時すぎ。冬季はこのゲートが閉鎖されているので、ゲート前の駐車場に停めてここからアタックすることになります。7,8台停められるほどのスペースしかないゲート前駐車場。運よくラストの1台に滑り込めましたが、3連休なだけあって路駐も発生してました。

 

軽く仮眠して5時40分に行動開始。封鎖されたゲートをくぐって登山口へと向かいます。

今年は暖冬ということで、3月ですでに雪は消え失せてました。黄色い車両は除雪車なんだけど、それも活躍する場なし。。。ゲート封鎖している意味があまりない感じでした。

 

標高1375mからスタート。夏場なら天女山駐車場まで行けるので、もう少し上から登山開始できます。この標高からスタートとなるのは冬季だけ。

 

明け方の静かな森。天女山まで余分に登ることになるけど、道は緩やかで身体を目覚めさせるにはちょうどいい登山道でした。

朝を迎える空のグラデーションがなんとも綺麗。

 

15分ほど歩けば天女山に到着できます。山頂は広場みたいに開けた場所になってました。

 

天女山という乙女チックな名前とは裏腹に、こんなごつくて立派な石碑が建てられてた。

 

天女山山頂からのご来光。山から見る朝日は久しぶり。

これから始まる過酷な登山を前に穏やかなひと時。冬の権現岳は山頂直下に有名な核心部があるんだけど、体力に絶対の自信があるわけじゃないので、そもそもその核心部までたどり着けるかが不安だったな、、

 

天女山駐車場。冬季以外ならゲートが解放されているので、ここに車を停めてスタートできます。

冬は余分に登る必要があるってことだけど、ゲートからここまでの登りは大したことないので、それほど損した気分ではなかった。

 

絶景ポイントは早くも訪れる。

駐車場から少し登ったところに天の河原という開けた場所があって、そこが絶好の展望台になっています。

 

天の河原。絶景を前にして、まず標高1620mというのに驚いた(笑)

すでにゲート前から250mほど登ってることになるけど、それを感じさせない緩やかな道のりでした。

 

そしてこちらが天の河原からの展望。

 

目を引くのが南アルプスの雄姿!北岳、甲斐駒ヶ岳、仙丈ヶ岳の南アルプスゴールデントリオがお出迎えしてくれます。

 

かたや奥秩父方面は朝靄と朝陽が作り上げる幻想的な山景色。個人的には南アルプス以上に心に響いた景観でした。

奥秩父って何となく渋いイメージがあるから、こういう水墨画的な景色がぴったりな気がする。

 

天の河原から先へ。緩やかな道はも少しだけ続きます。

 

壊れかけのベンチがポツンと置かれた荒涼感漂う登山道。

奥に見える山が目指す三ッ頭で、そこを目指すまでの急登がこれから始まる。

 

スタートして1時間ほど歩いたところで急登開始。

雪も出てきて、早々にアイゼン(チェーンスパイク)履きました。

 

噂では聞いていたけど、この登りがかなりキツイ……。

樹林帯をひたすら直登していきます。雪は少量だしトレースもついているから迷うことはないけど、傾斜がとにかくきつい。ここら辺は下りも滑りそうで厄介でした。

しばらくはこのような斜面を延々と登ることになります。

 

ある程度登ったところで有名な「ここが一番きつい」看板。途中かなり端折ってるけど、この看板にたどり着くまでも相当疲れます。。。

この看板が見えてからも、まだ30分くらいは登りが続くので油断しないように。もう少しで前三ッ頭が”見える”だけ。着くとは言ってない……

 

見上げるような傾斜。ここら辺はもう心を無にして登るしかない。

最近の山登りでは稀に見る急登でしたよ。。前回の白毛門より体感的にはきつかった。

 

尾根に出てようやく見えた前三ッ頭の山頂。まだまだ登りは控えているけど、ここまで来ればひと段落という感じ。

展望も再び開けてくれます。

 

正面には再び南アルプス。

冬の仙丈ヶ岳に登りたいです。

 

はるか後方には富士山も見えてました。

空気が霞んでいるので薄っすらとしか見えなかったけど、山の上で富士山を見たのは久しぶり。この後は雲に隠れて見えなくなってしまいました。

 

なかなかの開放的な尾根道。

霧なのか雲なのか何なのか、だいぶ霞んでるけど麓の街も見えるので、かなり登ってきた実感がわきます。

 

前三ッ頭まではもう少し。長い急登だけど、空気が冷たいので暑さもそこまで感じず、割と快適に登れてます。

 

9時少し前に前三ッ頭に到着。標高はすでに2364m。思えば、今年初めての2000m超のピークでした。

すでに半分以上登ってきたと考えると、だいぶ気が楽になる。

 

ここからの眺めも素晴らしい!

南アルプスはもちろん、その後方に新たな山が見えます。

 

真っ白く輝く中央アルプス。

あまりの白さに最初見たとき北アルプスと勘違いした。結構雪積もってるな~

 

ここもなかなかの展望台でしたよ。

急登を頑張って登ってきたご褒美としては十分満足できる景色!

 

まだ休まず行けそうだったので、続けて三ッ頭へ。

この三ッ頭へと向かう砂利の稜線が、広々としていて個人的にはかなり好きな場所でした。どこかの山と雰囲気似ている気がしたんだけど、思い出せない(^^;

 

巨岩も点在する登山道。少しずつ岩峰の権現岳に近づいてきた感じがする。

 

三ッ頭までもひと登りあるけど、距離はそれほど長くないです。

何よりもこの先で待っている三ッ頭からの展望が、このコースのハイライトと言える絶景なので期待してよし!

 

樹林帯を超えて再び稜線に出ると、いよいよ八ヶ岳の山々が見えてくるようになります。

 

最初に見えたのは編笠山。こんもりした綺麗な三角形!今年は雪が少ないので断念したけど、雪山として登ってみたい山の1つです。

右奥に見えるのは西岳かな。西岳は八ヶ岳の中では唯一ピークを踏んだことがないので、できることならあちらも周回してみたい。

今回の権現岳もそうだけど、編笠山に登ったのは4年前の夏。初めてテントを背負って登った山なので、そのキツさが印象に残っている山旅でした。こうして眺めているだけで懐かしい気持ちになるな~~。

 

9時45分、三ッ頭に到着。

ここが今回の山旅では一番衝撃を受けた瞬間でした。

 

ドン!といきなり登場した南八ヶ岳の三兄弟、赤岳・中岳・阿弥陀岳

か、、、カッコよすぎる!!!

 

目指す権現岳もバッチリ見える。

槍のように尖がったシルエットもまた勇ましくてカッコいい…

 

すでに編笠山よりも高い位置なので、見下ろす感じになる。背後には雲海の果てに御嶽山も見えました。

 

遠くには薄っすらと北アルプスも。

 

背後には南アルプスやら中央アルプスもいるので、アルプス総なめの景観だけど、ここでの1番はやっぱりこれでしょ↓

 

南八ヶ岳オールスター勢ぞろい!

この景色は本当に素晴らしい!権現岳を含めた南八ヶ岳を横一列に眺められるのは、もしかしたらここしかないんじゃないかな。

なかなか見れないアングルに八ヶ岳の迫力を存分に感じられました。

 

そこへ向かっていくように延びる稜線が、またたまらなく爽快。

 

眼前の赤岳。

これほど迫力ある赤岳の姿を見れる場所はそんなにないと思う。

 

これだけの絶景を目の当たりにしながら歩ける稜線。最高の贅沢!序盤の急登の辛さとか一気に吹き飛ぶ絶景でした。

三ッ頭は南八ヶ岳屈指の展望台であるのは間違いない。

 

三ッ頭の山頂はこんな感じ。横に緩やかに稜線が続いているので休憩する場所には困らない。

 

気持ちが高揚する中、いよいよ権現岳へ!

いったん登り返すことになるけど、この登り返しは見た目ほど辛くはないです。山頂までもなかなかの急登が続くけど、ここまで登ってきたことを考えたら、もう大して気にならない(笑)

 

ただ、ここから先は道がやや険しくなる。

狭いトラバース箇所なんかは少し注意が必要。

 

雪庇脇を通り過ぎる。

 

改めて正面からとらえる権現岳。デカい……

編笠山から縦走してきたときには、これほどの迫力を感じた記憶はないから、権現岳を眺める上でも三ッ頭はベストなアングルなんだと思う。

 

山頂までトレースはばっちり。

ただこの先、山頂手前で権現岳唯一の核心部が待っている。

 

それがこちら。先行する登山者二人がいる岩場のトラバース地点。

望遠で捉えられる距離まできたけど……

 

どうも足止め食らっている模様。。

ここまでコースタイムも巻いて順調に登れてきたけど、やや雲行きが怪しくなった。事前に仲間ともこの核心部の状況次第ではピークまで行けないかもね、と話していた場所。

一見すると問題なく通れそうに見えたけど、何が問題なのかは行ってみてわかった。

 

とりあえず行けるところまで進む。山頂手前でピッケルに持ち変えました。

 

結局、自分たちが核心部にたどり着く時にも先行隊は進めてなかった。

 

直下に来てみて状況がよくわかった。雪の量が少なすぎてトラバースルートが組めない。

雪壁を直登して岩に取り付けば何とか上へは行けるけど、とてもじゃないけど下りが危険すぎる。下りのルート確保が困難で立ち往生している状態でした。

 

何とかならないか、色々と模索。縦走でここを下る必要がない人は登っていったけど、自分たちはピストンなのでここを下りなきゃならない。

 

岩を越えて行こうとするけど、やっぱり下山が無理そうで。。。

 

トラバース1つ手前の斜面を登ってみるけど、やっぱり無理。…というか、ここを登れたとしても正規ルートに合流できるのかわかってない自分たち(^^;

他の方たちが色々とルート工作してくれているので、自分たちも何か手伝わなきゃ!って思って、とりあえず上まで行って降りてこれそうな場所がないか探してました。

結果、どこにも代替ルートはなく、雪のコンディションが悪すぎて、ステップを切ってもすぐに崩れてしまうようなグズグズの状態だったってのを、自分たちの成果としてここにご報告しておきます( ̄▽ ̄)

 

続々と後続者が到着。あきらめて撤退する人も出てきました。

 

結局40分ほど苦戦して、何とか登って降りてこれそうなルートを無理やり開拓!……してもらいました(笑)

見た目以上にここの突破には時間がかかったな……

 

ルート開拓したとはいえ、通常時とは違うやや無理やりなコース。それでも何とかこの傾斜と距離ならギリギリ降りてこれそうだったので、先人が作ってくれた足場を崩さないように何とか登った。上から見下ろすとほぼ垂直……。ステップが崩れないうちにさっさと登頂して降りてしまおう。

 

岩場に取り付くルートでも登れなくはない。ただやっぱり下りが危険。ベテランの登山者曰く「3月でこの雪の少なさはありえない」とのことで……。

通常ならもう少し楽に登れるところだけど、今回はコンディション悪くてかなり危険な核心部でした。

 

何とか核心部を超えたら、もう山頂は目の前。

なんだか精神的に疲れたぜ……

 

12時ちょうど、権現岳山頂に何とか到着。

三ッ頭まではコースタイムをやや巻いて登れていたけど、核心部でその貯金を使ってしまったので、結局予定通りの時刻に登頂となりました。

 

権現岳山頂からの眺め。モタモタしてしまったので、いつの間にか雲が出てきてしまったぜ……

それでも奥には硫黄岳の丸い山容も見えたし、赤岳はキレットまで一望できました。

 

こちらはギボシ方面。この先はさらにルートの危険度も増すので、なかなか冬は立ち入れない場所。

 

それでもよく見たら、すごいところを歩いている人がいた(゚д゚)!

どうやってあそこまで行ったのか全然わからない。すごい人もいるもんだ……

 

権現岳山頂は岩場なのでゆっくり休めるような感じではないので、休憩するなら降りるか、もしくはすぐ近くに権現小屋(冬季休業中)があるので、そこで。

 

自分たちは核心部をさっさと降りて落ち着きたかったので、すぐに下山することにしました。

山頂にいたのは5分ほど。

 

ステップがしっかりしていたので、思っていたよりは簡単に下りれた。

ここの核心部の攻略はその日のコンディションによってルートも難易度も大きく変わると思います。撤退している人もいたので、ここはかなり注意が必要。

大変だったけど、色々と勉強になることもあった核心部でした。

 

どうにか安心できるところまで降りてこれた。最後の最後であんなものが待ち構えているとは思ってなくて、頭からは序盤の急坂の疲れがすっ飛んでた気がする(笑)

居心地の良い三ッ頭まで戻って休憩にする。

 

三ッ頭で少し遅めのお昼休憩。日差しが暖かく風もないので、稜線で休憩するにはもってこいの陽気でした。

 

ここまで来るのにも疲れたし、最後の核心部はなかなかの難所だったし……

雪の権現岳、なかなか侮れない相手でしたよ。岩山っていうのは、当たり前だけど一筋縄では登れない怖さがある。

 

最後に南八ヶ岳の面々を拝んで下山。八ヶ岳の魅力を最大限に感じることができた、本当に素晴らしい場所でした!

長い急登を登ってこないと来れない場所なので、そう何度も来ようとは思えないけど、一度は登っておいて良かったと心から思える。

 

下山を開始したのは13時半。登りに5時間以上かかってしまったけど、下山は早いもんです。尾根道が続く前三ッ頭あたりまではサクサク下りれる。

 

最後に見た八ヶ岳のインパクトが強すぎたけど、中盤のこの広い稜線もいい雰囲気でしたよ。

街が見渡せるので、高度感と開放感に包まれた場所になってました。

 

苦労したのはやっぱり樹林帯の急坂。日陰なので凍り付いて滑りやすい箇所もあったし、雪がとけて泥だらけの場所もあったし、、、登りも下りも厄介な場所でした。

 

急登を過ぎてしまえば、あとは平坦な平和な道が続く。

雪の世界から一変、里山に帰ってきたかのような平和な風景が広がってた。

 

15時40分、天女山ゲートまで無事に下山。下山は2時間程度だったので、いかに登り一辺倒なコースだったかがわかりました。

天女山から権現岳のコースは、積雪時でなくてもタフな山行になると思います。途中に水場もないので、むしろ夏場のほうが辛いのかもしれない。

どっぷり疲れた1日でした。

 

下山後の温泉は「甲斐大泉温泉パノラマの湯」。登山口からも近く、甲斐大泉駅前にあるので電車利用でも訪れることができる温泉です。

この温泉のHPを見てもらうとわかるけど、「他にはない圧倒的な広さの露天風呂」という自分でハードル上げまくりの自信に満ちたキャッチコピーが載せられています。

この宣伝文句を見てから行ってしまったのでやや期待しすぎたか……。圧倒的な広さは正直そこまで感じなかったけど、それなりにのびのびと入れた温泉でした。

 

帰りがけ、麓の街から見えた夕暮れ時の八ヶ岳。尖がった権現岳のシルエットが最後までカッコよかったです。

いつも通りの渋滞に巻き込まれながらも、その日のうちに東京へと帰りました。

 

もともと今回の登山はあまりハードな内容をするつもりはなくて、無難に瑞牆山あたりを提案したんだけど、お仲間さんからの推薦もあって権現岳へ挑戦することになりました。

体力面がまだやっぱり心配だったけど、意外と足引っ張ることなく登れてたので、そこは安心した。

 

そして何よりの収穫は八ヶ岳の想像を絶する景観!これに尽きる。

このアングルからの八ヶ岳の迫力は凄まじいものがある。

たぶん写真で見ても大して伝わらないと思うけど、目の前にそびえる雪の岩峰は本当にカッコよかったです。

 

三ッ頭から見る、眼前の赤岳。

白毛門から見る谷川岳に通じる迫力がありました。

 

序盤の長い急登に加えて、最後に核心部が待ち構えているので、簡単に登れる山というわけではないけど、一度は登っておいて良かったと思えた今回の山旅。

もしかしたら今シーズンの雪山はこれでラストになるかもしれないけど、最後の締めにしてもいいくらいの充実した1日でした。

 

冬の八ヶ岳・権現岳への挑戦

 

おしまい

 

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【日程】

2016年3月20日 快晴

【コースタイム】

天女山ゲート前駐車場(5:40) — 天の河原(6:30) — 前三ッ頭(9:00) — 三ッ頭(9:45) — 権現岳(12:00) — 三ッ頭(13:00~13:30) — 天女山ゲート前駐車場(15:40)

 

 

 

山高神代桜 日本三大桜の1つ山梨県北杜市の桜名所 

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桜の季節ということで、4月上旬のこの時期におすすめなお花見山旅プランのご紹介。

山梨県北杜市の実相寺にある山高神代桜。樹齢2000年とも言われている巨大な老木に咲く神代桜は、日本三大桜の1つに数えられ、国の天然記念物にも指定されている山梨県内でも有名な桜の名所です。

境内には桜の他にも水仙のお花畑が広がり、晴れていれば南アルプスも見える山好きにはたまらないロケーション。同市内には、手軽に登れて白砂の絶景が味わえる日向山があるので、登山後に立ち寄れば、春の山登りとお花見をセットで楽しむことができます。

去年慣行したこのプラン、おすすめです。

 

日本三大桜の1つ、山高神代桜―――

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昨年のお話になりますが、ちょうど1年前の今頃の時期に山梨県北杜市の桜名所「山高神代桜」を見に行ってきました。

山梨県北杜市の実相寺にその神代桜はあり、国の天然記念物にも指定されている由緒ある桜です。樹齢2000年の神代桜はなかなかの迫力があって、それ単体でももちろん楽しめますが、せっかく南アルプス付近まで足を運ぶので、ここはやっぱり登山と合わせて行くのがおすすめ。

ちょうどいい具合に近くに日向山があります。

昨年の4月4日、山高神代桜の満開を狙って自分も日向山登山&お花見に行ってきたのですが、肝心の登山のほうは曇り空で展望もいまいち。。。秋の紅葉時に再訪した時の記録を載せておくのでこちらを参考にしてみてください。

 


尾白川渓谷~日向山 紅葉登山 エメラルドグリーンと白砂の絶景

 

日向山は矢立石コースで登れば1時間半ほどで山頂まで登れるので、都内からでも朝発で十分間に合います。朝の9時ごろから登って、お昼過ぎに下山。帰り際に山高神代桜に立ち寄れば、春爛漫の充実したプランが組めます。

登山口駐車場から山高神代桜までは車で15分ほど。

 

北杜市内の実相寺へ。境内には桜のほかにも水仙のお花畑も広がってました。

 

この日は残念ながら曇っていたので山は見えなかったけど、晴れていれば奥に南アルプスの雪景色が見えるはず。晴れの日を狙って行ってみてください。

曇っていてもピンクと黄色のコントラストが素晴らしく綺麗でした。

 

水仙と桜のセットを撮るなら、こんな感じで塀の外側から撮るのがベスト(笑)

 

そしてこちらがお目当ての神代桜。樹齢2000年とも言われている太古の巨木です。

枝もぶっとくて、柱で支えないと維持できないんでしょうね。

 

桜もさることながら、巨大な幹にとにかく圧倒される。もはや岩にさえ見える巨大な老木からは、自然の力強さ、生命力というのをまざまざと感じさせてくれました。

 

他にも枝垂れ桜なんかもあったり。

日本三大桜&国の天然記念物というブランド力もあるので、観光客もかなり多かったです。

 

 

お寺の外には出店もありました。

 

食べずにはいられなかったのが、こちらの八ヶ岳スモーク

 

チキン、ベーコン、ソーセージなどを目の前で豪快に燻してくれます。香ばしい香りが立ち込めているので、登山後のお腹空いたタイミングで来れば間違いなく手を出したくなるはず。

旨かったです!

 

山高神代桜。ちょうど今が満開を迎えており、今週末までは見頃が続くそうなので良ければ行ってみてください。

このブログを見てくれているのは山のぼらーばかりだと思うので、日向山ハイキングとのセットプランをぜひおすすめしておきます。実相寺自体はそれほど広くないので、帰りがけに立ち寄る程度がちょうどいいと思います。

 

おまけで、最近街中で撮った写真もいくつか。

 

善福寺川の桜並木

 

 

スペイン坂の桜イルミネーション

 

街中の桜もいいもんですね。

最近はあまり山に行けてないので、こういう感じで書いてなかった昔の記録もちょくちょく載せて行こうかと思います。

 

あと最後に……

気づいてくれた方もいるかもしれませんが、このブログのデザインを久しぶりに変えてみました。Facebook, Twitter, Instagramのフォローボタンも置いたので良ければフォローお願いしますm(__)m

 

 

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【日程】

2015年4月4日

 

 

 

 

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蕨山(奥武蔵) アカヤシオとミツバツツジ咲き誇る春の日帰り登山

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アカヤシオを求めて埼玉県の蕨山(わらびやま)へ登ってきました。

棒ノ折山の近くにある山で、飯能駅からバスで登山口まで行くことが可能。登山口に温泉もあるし、バスの本数も多いので公共交通アクセスが容易な山です。今回は一般的なルートである、名郷バス停から登ってさわらびの湯へ下山するコースを歩きました。

標高1033mあるので、意外としっかり登ることにはなりますが、稜線に出てからのアカヤシオの彩は素晴らしく綺麗!ミツバツツジも最盛期を迎えており、ピンクと紫の共演が見事でした。

岩場付近に咲くイワウチワもまだ残っていて、春のお花見ハイキングを楽しめた1日となりました。

 

アカヤシオ咲き乱れる春の蕨山―――

 

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都内から電車アクセスが可能な登山エリアとして、奥多摩、丹沢、箱根、高尾・大月(秀麗富嶽十二景)などが挙げられるけども、春の花を求めて登るのであれば今回登った奥武蔵・秩父エリアは1つおすすめしたいところ。

この界隈はツツジや桜で有名な山が割と多く、都内からのアクセスも悪くない。

特に4月の山登りは、雪山登山もいったん終わりを告げて、新緑もまだ始まらない微妙な時期。この4月に花の盛りを迎える奥武蔵あたりは1つの狙い目だと思います。

今回は兼ねてよりアカヤシオの時期に登りたいと思っていた、蕨山(わらびやま)へ登ってきました。そこまで有名ではないけども、棒ノ折山のすぐ近くにあって、歩行距離を延ばせば奥多摩の川苔山まで縦走も可能なルート選択が豊富な山です。

あまり長時間は歩きたくなかったので、名郷バス停~蕨山~藤棚山~さわらびの湯という一般的な周遊ルートでのんびり歩いてきました。

 

~~ 2016年4月16日 アカヤシオの蕨山 ~~

蕨山へ登るには、飯能駅から名郷行きのバスに乗ります。棒ノ折山はもちろん、武川岳や大持・小持山に登る場合もこのバスになるので、週末はある程度の覚悟が必要。

バスの本数は2,30分に1本出ているけど、電車が到着するたびに長い列ができます。名郷までは1時間かかるので、できれば座りたかったけど、ギリギリ乗るので精一杯でした……。

8時発のバスだったので、もしかしたら一番混んでるのに乗ってしまったのかもしれない。

 

名郷までの1時間立ちっぱなしが正直一番キツかった……

この時期は街中でもたくさん花が咲いていて、バスの車内からも色々と花を楽しめたのが救いだったけど、帰りのバスは何としても座りたいので、やや巻きで登ることを決意。

 

名郷バス停はこんな感じで、ベンチやトイレがあるので、ゆっくり身支度可能。10台ほど停められる駐車場もあったけど、9時の時点で満車となっていました。

 

登山口にはまだ桜が残っていた。4月中旬にもなると芝桜がシーズンを迎えるので、羊山公園なんかもおすすめ。西武線車内でもかなりプロモーションしてました。

 

この蕨入橋が登山道の入口。山頂までの距離は4.5kmと書いてありました。標高差は650m。低山ハイキングとしてはまぁまぁ登る。

 

しばらくは林道を歩いてきます。横に沢が流れてて涼しげな雰囲気が気持ちよかった。

毎年そうだけど、雪山登山が続いた後で久しぶりに近場の低山に帰ってくると、何ともいえない懐かしい感覚になる。高峰に比べたら派手さは微塵もないけど、こういう山登りも好きなので、今後も合間を縫って差し込んでいきたい。

 

 

瑞々しい緑も垣間見れる。新緑までもう少しと言ったところ。

 

20分ほどで林道が終わって登山道に入る。稜線に出るまでがやや急登です。

 

たまにこんなベンチが置かれていたりもする。お目当てのアカヤシオは稜線に出ないと見れないので、ここは頑張りどころ。

倒木の多さが目についたけど、登山道自体は明瞭で歩きやすかったです。

 

蕨山の序盤は苔が印象的でした。久しぶりに雪のない山は精神的にも気楽で、色々と自然に目を向けられる余裕がある。

 

小一時間頑張って登って、稜線に出る。ここまで登ってしまえば、一区切りついたようなもん。ここから先は花も展望も見えてきて、面白くなってくる。

 

葉が生い茂る前なので、登山道も明るい。展望が開けるポイントもたくさんあります。

 

花の盛りを迎えているのは、遠目から見てもよくわかる。

桜かツツジか、点在して咲く春の花が山肌を彩ってました。

 

アカヤシオより先に目に入ったのがミツバツツジ。ツツジの中でも比較的早い時期に咲く花で、透き通った紫色がなんとも綺麗でした。蕾を見ると、名前の通りに葉が三つあるのがよくわかる。

 

白いアセビもたくさん咲いてた。

 

登山道も面白くなってくる。岩場も出てきて、簡単な岩登りも楽しめます。

地図上に書いてある「急坂注意」というのは、たぶんこの手の岩場のアップダウンのことだと思うけど、危険な感じは全然しなかったです。

 

 

そして見えてきたのが、お目当てのアカヤシオ

アカと名がついているけど見た目はピンク。ミツバツツジと比べると、何となく子どもっぽい可愛らしい印象がある花。

 

序盤は稜線を覆うように咲いているというよりは、少し離れたところに点在して咲いている感じです。ミツバツツジも混ざって紫とピンクの共演が綺麗でした。

 

登るにつれてだんだんと増えてくるアカヤシオ。登山道のすぐ近くでも見れるようになってくる。

 

 

ミツバツツジは山の中腹が見頃、上の方に行くとまだ蕾も多かったです。アカヤシオはまだこれからの所もあれば、すでに散り始めているところもあったり、まばらでした。

しばらくは見頃が続くと思います。

 

岩場注意の看板。こういった岩場にも綺麗な花が隠れてる。

 

岩陰にひっそりと咲くイワウチワ。この花もアカヤシオと時期が被るので一緒に楽しめます。

 

 

明るい尾根道は続く。花が目当てではあったけども、この尾根も個人的には気に入った部分で、無駄なアップダウンも大してなく、のんびり歩けました。

 

たまに用意されているベンチ。こういうさりげない心遣いは秀麗富嶽十二景が見習うべきところ(笑)

秀麗はこういう気の利いたものは少ないからな~、、、

 

稜線はほぼアカヤシオとミツバツツジのオンパレードでした。場所によっては蕾も多いので、まだまだ楽しめそう。

 

山頂まで延びる緩やかな道。近隣の棒ノ折山が人気なので、こちらは空いているかと思ったけど、結構人がいました。山頂に着くまで、前後に人が途絶えることはなかったです。

 

展望台手前の分岐点。ここを右に有間山方面へ進むと、川苔山まで抜けられます。少しロングトレイルを楽しみたいならそちらに行くのもあり。

川苔山は単体でしか登ったことがないから、ぜひこのルートは歩いてみたいところ。

 

そしてこの分岐点が、実は蕨山の最高地点。かしこまったように小さな看板がありました。

標高1033mは低山ハイキングとしてはなかなか高い。序盤の急登もあるので、それなりにしっかりと山登りできます。

 

看板に書いてある通りに少し先へ進んだところに展望台があります。

 

10時半、蕨山展望台に到着。登りは休憩は取らなかったので1時間半ほどでした。

そこまで広くはないけど、北側の展望が開けていて、ベンチも置かれています。

 

展望台からの眺め。方角的に伊豆ヶ岳や武甲山方面の山が見えてるはずですが、どれがどの山なのかはいまいちわからなかった。

秀麗富嶽はもとより、奥多摩や丹沢もたいていは富士山が見えるので、展望に関しては奥武蔵の山はやや劣る気がする。地味な印象が拭えないのもそのあたりかもしれない。

そういうのもあって、ここら辺の山はやっぱり花とセットで登っておきたい。

 

この展望台に蕨山の標識もあります。最高地点をしり目に、一般的にはここが山頂とされているようで……

標高の下二桁がごにょごにょしているのは、正しい最高地点ではないという後ろめたさがあるからかな( ̄▽ ̄)

 

山頂にもアカヤシオは咲いてます。蕾もまだ残っていたけど、8分咲きくらいで数日後には満開を迎えるという感じでした。

 

どんどん人が登ってきたので、軽く休憩してさわらびの湯方面へ下山開始。

この分だと昼過ぎには降りれそう。

 

今回のルートで一番快適に歩けたのが、ここから先の金比羅尾根。さわらびの湯まで距離6km以上あるけども、道が緩やかでかなり歩きやすい。

 

こちら側もツツジラッシュが続く。ミツバツツジについては、登ってきた方よりこちら側のほうがたくさん咲いていて綺麗でした。

 

ある程度人を追い越すと、一気に静かになって前後に人もいなくなりました。

やっぱり山は静かな方がいい。

 

藤棚山に到着。標識がなかったら間違いなくスルーしてしまうような、山頂という感じがしない場所でした。

 

まだまだ続く尾根道。傾斜としては陣馬山~高尾山くらいの平坦さなので、トレランの人は疼くに違いない道。

最後のほうでどこから現れたのか、自転車に乗った人に追い抜かれました。

 

尽きることのないツツジロード

 

アカヤシオについてはすでに枯れ落ちている樹も目立っていて、全体が揃って最盛期を迎えるということはなさそうでした。

暖冬という気温の変動で、花も開花のタイミングに困っているんでしょうかね…。

 

こちらの白い花はなんでしょうか?陽の光に照らされて白く輝いて綺麗でした。

(※コメント頂いた方からモミジイチゴの花だと教えていただきました。あきやまさんありがとうございます!)

 

この尾根道は展望も悪くない。名峰が眺められるわけではないけども、低山のポテンシャルとしてはなかなか高いものを持ってます。樹林帯に囲まれて黙々と歩くようなシーンは少なくて、退屈を感じることはなかったです。

一人カッコよく岩場に立っておられた方がいたので、モデルにさせてもらいました。

 

大ヨケの頭

 

突然現れた遊歩道のように整備された道。ミツバツツジについてはこのあたりが群生となっていて一番たくさん咲いてた箇所でした。

 

今回の山旅は本当にツツジしか見ていない気がする(笑)

アカヤシオはもちろん、ミツバツツジも同時に堪能できたのは予想外の収穫。

 

都内近郊でこれほどたくさんアカヤシオが咲いている山もそう多くはないはず。

蕨山はもっとアカヤシオ押しでプロモーションした方がいいと思う。

 

いったん林道を渡って再び登山道へ。この先に小ヨケの頭もあるはずだったのですが、見つけられませんでした。

 

終盤に差し掛かると、麓の名栗湖が見えてきます。一部しか見えなかったけど、なかなか大きい湖。

手前に咲いているのはわかりづらいけど桜。ツツジの写真しか載せなかったけど、遠目にはちらほら桜も咲いてました。

 

下山路で目についた名栗湖ネイチャートレイルのこの標識。番号が振ってあって、自然に関する小ネタが載せられてます。何だかんだ1つ1つ丁寧に読んでしまった(笑)

 

こちらが金比羅神社の社跡。本殿はもう少し下に行ったところにあります。

山の中にある神社はそれだけで厳かな雰囲気がする。

 

 

もうこれで今日の山旅も終わりかと思ったけど、神社を過ぎたあたりから思いがけず、足元に花がたくさん咲き始めました。特にこのタチツボスミレは群生となって咲いてて綺麗でした。

 

フモトスミレ

 

ヤマブキ

 

これからの花を楽しんでいる間に、突然自転車に追い越された……

 

なんだか言葉には表せないけど、この下山路は本当に気持ちよく歩けた。久しぶりに雪山じゃないというものあって、下手な緊張感もなかったし、心底リラックスできた気がする。

 

12時40分、墓地脇に下山。道路を渡った目の前がさわらびの湯です。

全体を通して4時間に満たない短いハイキングでしたが、こういうのもたまにはやりたい。休憩をほとんどしなかったので、普通に歩けばもう少し時間はかかるけども、それでも5時間程度で、誰にでも歩けるコースです。

もう少し長く歩きたいなら川苔山までの縦走も可能。もしくは大回りして棒ノ折山まで周遊するとか。ルート選択も豊富な山です。

 

さわらびの湯でも桜がまだ咲いてました。桜で始り桜で終わった山旅。春爛漫の充実したお花見登山でした。

 

12時45分のバスがちょうど来たので、それに乗って帰りました。この時間帯のバスはさすがに乗客も少なかったので、無事に座って帰ることができました。

ちなみにさわらびの湯は、過去2回ほど入ったことがあるけど、週末はかなり混雑します。本当にハイカーでごった返すので、入浴するのであればできる限り早めに降りてきた方がいいです。

 

まだアカヤシオもミツバツツジも見頃が始まった感じだったので、あと1週間ほどは問題なく楽しめると思います。今週末の天気もあまり良くなさそうですが、多少天気が悪くても、展望と違って花はそこに咲いていてくれるので、それなりに楽しめると思います。

良ければ見に行ってみてください。

 

アカヤシオを求めて、春の山旅

 

おしまい

 

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【日程】

2016年4月16日 晴れ

【コースタイム】

飯能駅(8:00) — 名郷バス停(9:00) — 蕨山(10:30) — 大ヨケの頭(11:30) — さわらびの湯(12:45) — 飯能駅(13:45)

 

 

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大杉渓谷~大台ヶ原 秘境の峡谷トレッキングと海の大展望登山

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GWに近畿の秘境と言われている大杉渓谷と日本百名山の大台ヶ原を歩いてきました。

北アルプスの黒部峡谷と並んで日本三大渓谷の1つに数えられている大杉谷。国の天然記念物にも指定されており、美しいエメラルドグリーンの清流と無数の滝、大迫力の峡谷を目の当たりにしながら歩ける日本屈指の秘境トレッキングコース。

大台ヶ原まで登山道が続いているので、渓谷歩きと登山が同時に楽しめる贅沢ルートです。

ゴールデンウィーク中はちょうど新緑の時期と重なるので、瑞々しい苔と合わせて緑豊かな峡谷がまた一段と綺麗でした。行程が長いので日帰りでは困難なコースですが、山の奥深く、日常とはかけ離れた秘境感漂う神秘的な空間がそこにはあります。

 

秘境・大杉谷と大台ヶ原トレッキング―――

 

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4年前に歩いた北アルプスの黒部峡谷。現実とはかけ離れた秘境感漂う大渓谷に心底感動した思い出深い山旅。

こんな場所をもっと歩いてみたいと思い、色々と調べていく中で見つけたのが今回の近畿の秘境・大杉渓谷

もともと黒部峡谷と同様に秋の紅葉シーズンにずっと狙っていたのですが、東京からだと黒部峡谷以上にアクセス難なのでなかなか実現できなかった旅でした。

大杉谷は日本百名山の1つでもある大台ヶ原の麓にあるので、大台ヶ原登山と合わせて歩くのがお得ですが、大杉谷から大台ヶ原へ抜けるとなると公共交通利用は必須となるので、色々と事前にやりくりが必要。

特に今回は欲張って大峰山の縦走も盛り込んだので事前準備がやや大変でしたが、あまり歩いたことのない西日本の山を存分に堪能できたので、大満足の旅となりました。

 

大杉谷~大台ヶ原~大峰山と紀伊半島を横断する2泊3日のトレッキング。

まずは前半の大杉谷~大台ヶ原の記録になります。

 

~~ 2016年4月29日 大杉渓谷トレッキング ~~

大杉渓谷までは、まず登山口まで行きつくのが大変。三重県という都内からの遠さもあるし、事前に登山バスの予約も必要になります。

マイカーならいくらでも融通は利くけど、今回みたいに大台ヶ原へ抜けるとなると三重県から奈良県へと横断するので車の回収も困難。公共交通利用のほうがまだ現実的かもしれません。

 

大杉谷までの登山バスが出るのは三瀬谷というJR東海紀勢本線の駅。都内からこの駅に行く最安の方法は、おそらく松阪駅まで夜行バスで行ってそこから紀勢本線で三瀬谷駅までアクセスする手段だと思うけど、これだとかなり待ち時間が発生するのであまり現実的じゃない。

三瀬谷駅から出る登山バスは都内から新幹線を乗りつけば始発で間に合うので、朝発で行くのが身体にも優しいです。料金的にも新幹線&特急は割引が効くので、実は夜行バス利用とそれほど大差なかったりする。

そんなわけで早朝に都内を出発して、名古屋駅から特急南紀1号に乗車。

 

初めて乗ったJR東海の特急列車。この南紀1号に乗らないと三瀬谷駅からの登山バスには間に合わないので、乗り換えにはご注意ください。

特急南紀からの車窓風景。徐々に田園が広がっていく様子が旅の実感を奮い立たせてくれて心地よかった。初めて乗る電車は見るものすべてが新鮮でワクワク感がたまらない!

 

9時47分、JR三瀬谷駅に到着。東京から始発でたどり着けるのがこの時間になります。そして、この時間に合わせて登山バスが出てくれるのが有難いところ。

 

JR三瀬谷駅の風景。周りにお店も特になさそうなローカル感漂う田舎の駅。登山をしていなければまず降りることのない駅だけど、こういう場所に降り立つことも電車の旅の楽しさの1つ。

 

こちらが大杉渓谷まで連れて行ってくれる登山マイクロバス。このバスは3日前までに予約が必要になります(完全予約制)。直前まで天気を見定めることができないのがややネックだけどこればかりは仕方ない。

通常、このバスは10時半出発ですが、GWなどの繁忙期は9時50分に第1便を出してくれるのでそれに乗車できました。この日は登山客も多くて計2台のマイクロバス。受付で名前を言って、どちらのバスに乗るか指示されます。予約制なので全員座れる分の台数は確保してくれるみたい。

 

最初の感動はマイクロバスから訪れる。車窓からの眺めがとにかく素晴らしく、森の中を縫って流れる宮川の清流に心底癒される。バスに乗ったら向かって左側の座席に座るのがお勧めです!

この川の源が、まさにこれから目指す大杉谷であり大台ヶ原。早々にこんな絶景を見せられて期待せずにはいられない。

 

大杉谷までは1時間半ほどかかるので、途中の大杉谷自然の家でトイレ休憩があります。登山届もここで提出。

携帯の電波が入るのはここまで。これから先は大台ヶ原山頂に行くまで電波は入らないので、日常とはしばしお別れ。自分は大台ヶ原からさらに大峰山へと入るので、ここから先しばらくは山と向き合う生活になる。3日連続で山に入るのはいつぶりだろうか……

 

11時20分、昼前にようやく登山口に到着。ゴールデンウィークというだけあって、大杉渓谷入口の駐車場は満車でした。

 

宮川第三発電所の脇を通って登山道へと入っていきます。

登山を始めるにはだいぶ遅い時間帯だけども、今日泊まる山小屋(桃の木山の家)までは4時間ほどでたどり着けるので、これくらいのスタートでちょうどいい。

 

大杉渓谷トレッキング、いよいよスタート!

本日は桃ノ木小屋までの6.2kmを歩きます。日出ヶ岳まで登る2日目のほうが距離、高低差ともに長いので1日目はあくまで足慣らし。

 

山小屋まで高低差はそこまでないけど、スタート早々からこの峡谷歩き。いきなり黒部峡谷の水平歩道を彷彿させる道が現れます。

 

エメラルドグリーンの清流見ながらのハイキング。この川の水量については前日までの雨や上流のダムからの放水によってかなり違うそうです。

この日も前日が雨でしたが、降水量が少なかったからなのか、川は比較的穏やかでした。

 

鎖場が備え付けられた登山道。山小屋までのルートは比較的整備されていて危険個所も少ないので安心してトレッキングができます。

それでも台風や豪雨によっては道が閉ざされることもあるので、コンディションについては直前まで目を光らせておく必要がある。

 

ゴールデンウィークはちょうど新緑の季節。前日の雨もあって苔も瑞々しく、新緑もひときわ綺麗でした。

大杉も立ち並ぶ登山道。杉と苔というと屋久島を思い浮かべるけども、新緑のこの時期はそれに近しい雰囲気が出てました。

 

最初の吊り橋、大日嵓吊橋。渓谷沿いを歩くだけあって、この先いくつもこういった吊り橋を渡ることになります。

 

エメラルドグリーンの清流がとにかく美しい。これこそ峡谷トレッキングの醍醐味。

 

2つ目の吊り橋、熊谷吊橋。大杉谷にはいくつもの吊り橋があるけども、1つ1つの造りがとてもしっかりしています。

 

渓谷沿いの狭い水平歩道が続く。高度感もあって適度なスリルある登山道。

飽きることのない道。

 

森の陰から見る清流がまた綺麗。黒部峡谷と違って流れも穏やかなので、リラックスして歩くことができます。

 

歩き始めて1時間ほどで到着した広い河原。休憩スポットになってました。

 

真夏なら間違いなく飛び込みたくなるエメラルドグリーンの泉。

歩いている最中はもちろん気づかなかったけど、この日は寒気が流れ込んで山の上では雪がちらついていたようです。

 

さらに進んで日浦杉吊橋に到着。橋からの眺めもまた一級品。

新緑に覆われた渓谷がとにかく綺麗。もともとは秋の紅葉シーズンを狙っていたけども、新緑時期も素晴らしい景色を見せてくれる大杉谷。

 

清流、苔、森、と瑞々しい緑を見せてくれる景観がとても気持ちいいです。大杉谷序盤にしてすでに秘境感味わえてます。

 

奥に進むにつれて増えてくる滝。大杉渓谷トレッキングの魅力の1つが、大小様々な滝でもある。

 

ツツジもちらほら咲いてました。

 

 

千尋滝休憩所。ここから1つ目の大きな滝が見れます。

 

こちらが千尋滝。見上げるほどの高さにある滝で、なかなかの落差がありました。

 

さらに奥へ進むと、切り立った岩壁の合間に出る。個人的にはここが一番気に入った場所でした。

 

猪ヶ淵(シシ淵)。峡谷の奥深くに広がる、静かで神聖な雰囲気漂うなんとも不思議な空間。

 

静かで透き通った清流。

 

一番の絶景はこの景色。泉のような水面のはるか奥に1つの大きな滝が流れる神秘的な光景。

 

滝の名前はニコニコ滝(笑)

名前の可愛さに肩透かし食らうけど、透き通った水と陽の光がまた絶妙で、幻想的な世界観を演出してました。

あの滝については、登山道を進んで行くともう少し近くで見れます。

 

岩壁に囲まれたこの場所は、実際に立ってみてぜひその雰囲気を味わってほしい。これぞ「秘境」と呼ぶにふさわしい、奥深い渓谷の雰囲気を存分に感じられます。

 

光の陰影が絶妙。

現実とはかけ離れた世界観の猪ヶ淵、素晴らしい場所でした!

 

 

登山道のすぐ脇にも滝が流れる。

ここら辺は岩場も濡れてやや危険なので、鎖をしっかり握って慎重に進みます。水の滴る中を進んだりとアトラクション要素は満載。

 

先ほどの猪ヶ淵を上から。こういう岩壁をのぞき込める場所もたくさんありますが、手すりのような親切なものは何もないので、注意が必要。

毎年滑落事故も起きてるみたいです。

 

先ほどのニコニコ滝。近くで見ると改めてその大きさがわかる。

大杉谷の中で、なぜかこの滝だけかわいい名前が付けられてます。命名者はどんな思いで名付けたんだろうか…?

 

平等嵓吊橋。大岩壁を目の前に立派な橋が架けられてます。たくさんある吊り橋の中でも、この平等嵓吊橋からの眺めが一番良かったです。

峡谷トレッキングをしている感じがすごい出てる。

 

あまり写真は載せなかったけど、登山道は苔も見どころの1つ。苔好きにもたまらないトレッキングコースだと思います。

 

15時過ぎ、本日の宿の桃の木山の家に到着。峡谷の合間に建てられた独特の雰囲気ある山小屋です。

大杉渓谷から大台ヶ原へ抜けるなら、ほとんどの人はここで1泊することになります。

 

寝室はこんな感じ。事前に予約すれば個室もあるみたいです。

ゴールデンウィークなので結構混んでましたが、布団1枚で寝れたので十分。

 

夕食はカツカレー。カレーはおかわりし放題。

この山小屋にはお風呂もついてます。ただ、定員3名なのでかなり行列できてました。自分は入らなかったけど、空いてる時なら良いかもしれません。

 

約4時間のトレッキングで1日目は終わり。ここから大台ヶ原(日出ヶ岳)まではまだ5時間ほどかかる上に、高低差が1000m以上あるので、2日目はそれなりの登山になります。

そんなわけで、この日は早めに就寝。

 

2日目へ。

 

~~ 2016年4月30日 大杉谷から大台ヶ原へ ~~

2日目は朝5時起床。

大台ヶ原からのバスは、週末だと14時30分と15時30分の2本があって、これに間に合わせる必要があります。

ただ登るだけなら少し遅めでも問題ないけど、大台ヶ原山頂を周回して大蛇嵓まで行きたかったので早めに準備。朝ごはんは抜きにしてお弁当だけもらって6時前に出発しました。

 

引き続き渓谷を奥に進んで行く。

山小屋から先は道も険しくなってきます。高度感も出てきて、黒部峡谷の水平歩道にかなり近い雰囲気。

 

出発してすぐに見えてくるのが七ッ釜滝。日本の滝百選にも選ばれている大杉谷の中でも有名な滝です。

大台ヶ原まで登らずに大杉谷を日帰りで歩く人は、この滝を見て折り返すことが多いようです。

 

なかなか道が狭い。逆ルートで歩く人はほとんどいなかったので問題なかったけど、すれ違い困難な場所もいくつかあります。

 

この先も滝ラッシュ。光滝隠滝与八郎滝など色々と出てきます。

写真は与八郎滝。雨が多く水量豊富な山域なだけあって、1つ1つが立派な大きさ。

 

渓谷歩きの終点のダムに到着。だいぶ省略したけど、山小屋から先は割と登りが増えてきて、ここまで来るのにも2時間近くかかります。

 

いくつもあった吊り橋もこの堂倉滝吊橋で最後。これを超えると、いよいよ渓谷歩きは終わりとなって単調な樹林帯の登りが始まります。

 

吊り橋から見えたのが堂倉滝。こちらも最後の滝。なかなかの水量誇ってました。

 

堂倉滝から先はひたすら登り。高低差1000m以上あるので、かなりがっつり登らされます。

 

1時間ほど急登に我慢していったん林道に出る。

 

堂倉避難小屋。確認はしてないけど先ほどの林道を進んで行くと、粟谷小屋という山小屋もあるようです。

 

その後もシャクナゲ坂の急登を登って標高を上げていく。シャクナゲ平を過ぎてミネコシという場所まで来ると、ようやく風景が変わってくる。

大台ヶ原と言えば、この枯木のイメージが強い。

 

10時過ぎ、大台ヶ原・日出ヶ岳山頂に到着。サラッと書いているけど、なかなかタフな登りでした。

山頂には展望台が用意されています。

 

こちらは三角点。山頂を示すものはこれくらいで、特に標識などはありませんでした。

 

展望デッキから登ってきた方面の眺め。

 

登っている間は気づかなかったけど、海がすぐ近く!

紀伊半島南端の熊野灘。薄っすらと志摩半島まで見えました。案内板に書いてあったけど、天気が良くて空気が澄んでいると富士山が見えることもあるらしい。

 

大台ヶ原山頂一帯。ここら辺の台地すべて含めて大台ヶ原という山で、観光客向けに周回コースも整備されています。

 

こちら西側の展望。アルプスのように連なったこの山脈が大峰山。この翌日に縦走することになったけど、見た目に反してアップダウンが多く、結構しんどかった。。。

 

山小屋でもらった弁当食べてしばし休憩。登り5時間で見積もってたところを4時間ほどで登れたので時間には余裕ありました。

 

大台ヶ原で有名な大蛇嵓まで見て回れそうだったので、そちらに行くことに。

ここから先は木道が整備されているので歩きやすい。登山というよりは観光。

 

周回コースにはこんな説明書きがいくつもあります。大台ヶ原という山を知るうえで色々重要なことが書かれているので、かなり有難い。

海が近いが故に日本屈指の豪雨地帯で、降水量は屋久島に並ぶとか。渓谷で見た無数の滝や苔を見れば、それもうなずける。

 

快適な木道散策。この日は雲1つない快晴で、海の眺望が本当に素晴らしかったです!

 

大台ヶ原のイメージがこの枯木立ち並ぶ風景。これはシカの採食による影響らしく、「昔はこんな緑生い茂る森でした」という写真もありました。

樹林がないことで展望に恵まれているというのもあるだけに、なかなか難しいところ。所々に鹿よけの柵も設置されていて、森林再生を目指しているようです。

 

草原の中に敷かれた1本の木道。大杉谷からの登りに比べたら、なんとものんびりとした道が続く。

休憩スペースも途中にたくさんありました。

 

途中にあった神武天皇像。眼下に広がる熊野灘の海岸を望んでました。

 

そしてこちらが大台ヶ原の有名観光スポット、大蛇嵓。断崖絶壁の展望台です。

先端までは緩やかな傾斜になっているので岩が雨で濡れていたりすると結構危険かも。

 

大蛇嵓の先端。目の前が切れ落ちているのでものすごい高度感!

すぐ目の前にある尖がった岩山が不動返し嵓

 

見渡す限り山、山、山……。渓谷を歩いていたので気づかなかったけど、ずいぶんと山の奥深くにまで来ていたようです。

 

ちょうど誰もいなくなったので、記念に1枚撮ってもらいました。

目の前に広がる大峰山脈、早くあっちも歩いてみたい。

 

帰りがけ、巨大な岩場に張り付くクライマー発見。大台ヶ原・蒸篭嵓のブッシュマンというクライミングルートらしい。

切れ落ちた岩壁。見ているこっちが怖かった……

 

一通り大台ヶ原を回って駐車場へ。大台ヶ原だけを登るなら、普通はここからスタート。30分ほどで山頂まで登れてしまいます。

ゴールデンウィークということで、駐車場は当然満車。下の方まで路駐が続いてました。

 

ビジターセンターに立ち寄ってみて知った衝撃の事実!この時期としては異例の霧氷がついたそうです。

ちょうど自分が大杉谷の山小屋に泊まっているとき、山の上は氷点下だったのか……。

 

帰りのバスまで少し時間があったけど、売店もあったので適当に時間つぶせました。携帯の電波もdocomoは問題なく入りました。

前日の霧氷が嘘なくらい暑くて、登山後のサイダーが身に染みた。

 

帰りの大和上市駅行きのバス。14時30分発のに乗ったけど、なかなかの行列ができてました。行きの三瀬谷駅で一緒だった人たちはだいたい同じ行程を取ることになるので、見知った人も何人かいました。

14時30分は2台出してくれて、全員座れてました。大和上市駅まで行くとなると乗車時間2時間近くになるので、立ちっぱなしはきつそう。。

 

自分は駅まで行かずに途中の和佐又山登山口バス停で下車。ここからうまい具合に大峰山へ入ることができます。帰りのバスが次の山の登山口に直結しているのは公共交通利用をフルに活用している感じがあって気分がいい(笑)

同じこと考えている人が少しはいるかと思ったけど、ここで降りたのは自分一人だけでした。やや心細い……。

 

登山口バス停から本日泊まる和佐又山ヒュッテまでしばらく歩きます。

林道をそのまま登っていく。

 

途中、沢ルートへ入る標識があるのでそちらへ。

この大台ヶ原から和佐又山登山口で途中下車して大峰山へ登るのは、調べてもあまりやっている人がいないので、意外と盲点なのかもしれない。無駄な移動距離も少なくてぜひ帰ったら人に薦めようと思ってたんだけど、、、

実はこの和佐又山ヒュッテまでの登りが地味につらかった……。地図で見るとそれほど距離はなさそうに見えたんだけど、実際はバス停から4km弱、高低差も300mほどあるのでひと山越える感じで登らされます。

すでにこの日の登山は終わったつもりでいたので、本当にここは疲れて嫌になったぜ。。

 

1時間ほど歩いて和佐又山ヒュッテに到着。結構飛ばしたので、実際はもう少しかかるかもしれません。

思った以上に車の台数があったけど、これらのほとんどはキャンプ場利用のお客さん。

 

小屋の目の前に気持ちよさそうな芝生のキャンプ場がありました。あとバンガローもいくつかあって、なかなか賑わってた。

良く見るとキャンプ場脇にはまだ桜も咲いてました。

テント持って来ればここに張ることもできます。

 

自分は重い荷物背負ってこのルートを歩き通せる自信がなかったので、今回は山小屋に頼る。

山小屋は空いていて、50人ほど泊まれる大部屋に10人ほどの宿泊客。どこでも好きなところに寝れました。

 

和佐又山ヒュッテまでの道のりには疲弊したけど、ここにも風呂があったのですっきりできました。

そして何よりも夕食が旨すぎた!!!山小屋の夕食とは思えない豪華さ。取れたての山菜が特に美味しかったです。

ここの夕食は日によってだいぶ違うみたいなので、何が出るかはお楽しみ。

 

こうして2日目も無事に終了。3日目はここから大峰山縦走になるわけですが、行程としては3日目が一番きついので、この日も早めに就寝しました。

 

ひとまず前半の大杉谷~大台ヶ原を巡ってみた感想としては、やっぱり大杉渓谷が素晴らしい場所でした。

 

近畿の秘境と言われて、十分納得できる神秘的な雰囲気漂う渓谷。新緑も苔もエメラルドグリーンの清流も、見るものすべてが綺麗で現実とはかけ離れた空間に浸ることができました。

アクセス難だけど、泊りで行く価値は大いにある場所だと思います。

 

大台ヶ原については大杉谷の静けさからは一転して観光地という感じでした。森林消失によるものだけど、展望に優れていて海の眺めは爽快!

特に大蛇嵓からの眺めは、有名スポットなだけあってスリルある断崖絶壁が迫力ありました。大台ヶ原の山深さも感じ取れる場所なので、ぜひ時間があれば回ってみてください。

 

こんな感じで、大杉渓谷・大台ヶ原編終了。

 

大峰山縦走編へと続く―――

 

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【日程】

2016年4月29日~30日 快晴

【コースタイム】

・1日目

JR三瀬谷駅(9:50) — 大杉谷登山口(11:20) — 千尋滝(13:15) — 猪ヶ淵(13:50) — 桃の木山の家(15:10)

・2日目

桃の木山の家(5:50) — 堂倉滝(7:40) — 堂倉避難小屋(8:30) — 大台ヶ原・日出ヶ岳(10:15) — 大蛇嵓(12:00) — 大台ヶ原駐車場(13:15) — バス発(14:30) — 和佐又山登山口(15:20) — 和佐又山ヒュッテ(16:20)

 

 

 

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大峰山日帰り縦走登山(大普賢岳~行者還岳~弥山~八経ヶ岳)

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大台ヶ原に続いて、お隣の日本百名山・大峰山へ登ってきました。

大峰山というのは山脈一帯の総称で、その最高峰は標高1915mの八経ヶ岳。近畿地方の最高峰でもあります。今回は日帰りとしては少し長めのルートですが、和佐又山ヒュッテから大普賢岳、七曜岳、行者還岳、弥山を経て八経ヶ岳を目指しました。

この大峰山の縦走ルートは「大峯奥駈道」と呼ばれ、かつて修験道が勤しんで歩いた修行の道。世界遺産にもなっているあの有名な熊野古道の一部でもあり、その中でも最も険しいルートと言われている道です。

そんな歴史ある道を少しでも肌で感じられたらと、今回は日帰りとしては長めの縦走路を歩いてきましたが、、、いやいや、とにかく大変でした……

 

歴史の道、熊野古道・大峯奥駈道を歩く―――

 

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前回の大杉渓谷・大台ヶ原からの続きになります。

大杉渓谷から大台ヶ原と2日間をかけて山歩きを楽しんだ後、そのまま大峰山登山口の1つである和佐又山ヒュッテへ移動。

大台ヶ原からアクセスする場合は、大和上市駅行のバスに乗って途中の和佐又山登山口で下車。これだとバスでの移動を最小限に抑えて、大台ヶ原から大峰山へ入ることができます。

 

ただバス停から思った以上に遠かった和佐又山ヒュッテ。意外と登ることになるのでご注意ください。

車がたくさん停まってますが、ほとんどはキャンプ場利用の方でした。山小屋に泊まってたのは10人ほどで、のびのびと過ごせたのは良かった。お風呂もありました。

 

夕食が素晴らしく美味しかったので、もう1回載せておきます。山小屋でこのレベルの食事が堪能できるとは思わなかった。ここに泊まったら夕食はかなり期待してよいと思います。

 

何だかんだ結構長い間歩いた2日目。天気が良かったので星空でも撮ろうかと思っていたけど、疲れていたので夕食食べたらすぐに寝てしまいました。

こうして2日目が終了。

 

そして3日目、いよいよ大峰山脈へ足を踏み入れます。

 

~~ 2016年5月1日 大峰山縦走登山 ~~

和佐又山ヒュッテからの日帰り登山であれば、通常は大普賢岳の周回コースになると思います。今回は欲張って八経ヶ岳まで歩くつもりだったので、コースタイムは軽く12時間超え。

早朝出発は必須ということ、例によって朝食は抜いてお弁当だけ用意してもらいました。

 

このルートを歩く際の注意点としては、下山口である行者還トンネル西口に事前にタクシーを手配しておく必要があります。一度山に入ってしまうと、これ以降電波の入るところがないので、タクシーを呼びたくても呼べません。

自分は一応事前に電話で「14時に迎えに来てください」と伝えていたのですが、正直なところコースタイムが長いので下山時刻が正確にわからず、弥山山頂あたりで時間変更すればいいや、なんて軽く考えてました。弥山も八経ヶ岳も行者還トンネル西口も圏外なのを知らずに……

これが後々、自分の首を絞めることになる、、、

 

空がやや白み始めてきた朝4時30分にスタート。すでにこの時点で約束の14時まで10時間を切っている……。コースタイム12時間を超えるので、普通に歩いていたら到底間に合わないんだけど、時間変更する気満々なので変に余裕たっぷりでした(笑)

まだ外は暗かったのでヘッドライトつけて、大普賢岳登山口より登り始めます。この標識に従って登っていったらすぐに道路に出てしまったので「あれ?」ってなりましたが、そのまま道路沿いに歩いていけば登山道に入れます。

 

和佐又山を横目に分岐点に到着。ここまで来ればあとは標識が随所に建てられているので、迷うことはないです。

これから先の長い登山が始まる。目指す八経ヶ岳まではまだだいぶ遠いので、標識で八経ヶ岳の文字を確認できるようになるのはしばらく先へ進んでから。

 

登山道途中からご来光を迎える。

木々の合間から見える朝日ってのも雰囲気あっていいな~!

 

大峰山脈と言えば、歴史ある修行の山。前日の大杉渓谷~大台ヶ原とはまた違う雰囲気が漂ってます。

岩場も早々に現れてきて、修行の場という感じが出てくる。

 

指弾ノ窟。この先、こういった自然の岩の穴が連続します。

 

前日までの疲れがあるのか、大普賢岳までの登りが結構つらい。序盤から階段もたくさん出てくる。

岩場が多いので、こういう階段や鎖場やハシゴが随所に設置されて標高をどんどん上げていきます。修行の道というだけあって、穏やかさがない登山道。

 

朝日窟

 

笙ノ窟。他に鷹ノ窟なんてのもありましたが写真は省略。

古びた祠を目の当たりにするたびに、歴史の道というのを体感させられる。

 

ゴロゴロとした岩の合間を登っていく。修行の道と聞いてイメージする登山道そのまんま。華やかさはないけど、山深い静かな中で山と向き合える、居心地の良い雰囲気。

こういう山も決して嫌いではない。

 

日本岳の分岐点到着。ここから先、展望も徐々に良くなっていきます。

 

前日までとは打って変わって静かな登山道。ここまではまだ誰にも会わず、人の気配をまるで感じない道でした。

 

岩に張り付けられたハシゴ。最初に言ってしまうと、大峰山=修行の山、というのを一番感じられたのは、この和佐又山から大普賢岳までの道でした。

危険というわけではなくて、変に整備されすぎてもいない、ハシゴやロープで登れるところを無理やり開拓して登っている感じが、山での修行って昔はこんな感じだったのかな、とか思いながら登れた。

 

石ノ鼻に到着。ここの巨岩が絶好の展望台になってます。

 

石ノ鼻から見る朝の山景色。特に大きな山が見えるわけでもないけど、街の1つも見えない、見渡す限り山に囲まれた風景。

 

最初に目指す大普賢岳山頂もようやく見えてきた。

 

この先もハシゴや階段の連続。普通なら迂回して登山道を作りそうなところも、無理やりハシゴを置いて直登するので、標高の上がるスピードは速い。

 

岩に沿うように取り付けられた空中歩道。下は崖です。

 

登り始めて2時間ほどで稜線に出る。ここが大峯奥駈道との合流地点。

いわゆる熊野古道の1ルート。ここから先はその歴史ある道を歩いていきます。

 

稜線に出てしまえば、大普賢岳はすぐそこ。

 

6時30分、本日1つ目のピークである大普賢岳に到着。

山頂には先客がおひとり。この方が今日初めて会った登山者でした。

 

山頂の標識。標高1780mとされていますが、標識には正確に1779.9mと書いてあります。

また、小さくてわかりづらいですが、大峯奥駈道・第六十三行所という文字も。第六十三というのはこの大峯奥駈道にある75の靡(修行する場所)に振られた番号で、第一が本宮大社。今回は本宮大社方面に南へ向かうので、番号を遡っていくことになります。

目指す八経ヶ岳は第五十一行所。その間にいくつもの行所が待っています。

 

大普賢岳山頂から目指す八経ヶ岳が見えた。大峰山脈の最高峰なだけあって、遠くからでも良くわかります。

ここから先、ずっと稜線歩きが続きますが、あそこまではまだまだ遠い。。

 

こちらは北側の山上ヶ岳方面の展望。大峰山というのはこの山脈一帯を指しますが、単体で大峰山という場合は八経ヶ岳ではなく山上ヶ岳を指すそうです。

ちなみに山上ヶ岳は現在でも女人禁制が維持されているそうなので、登る際は少し注意が必要。

 

まだまだ先も長いので、早々に山頂を後にします。大普賢岳については紅葉も綺麗とのことなので、秋に登るのもいいかもしれません。

 

ここから先は待ちに待った稜線ハイク。

……とのんびり行きたいところだけど、修行の道はそうは甘くない。

 

ハシゴや鎖場は続く。次の七曜岳まではアップダウンもあって、なかなか休ませてくれない道が続きます。

快適に歩けるようになるのは七曜岳から先の稜線。そこまではしばし我慢。

 

いったん下りきったところが稚子泊・第六十行所。飛ばした62番は、実は登ってくる途中にあった笙ノ窟。単純に稜線だけを歩いているだけでは全部の行所は踏めないようで、稜線からそれて寄り道しないとコンプリートはできないみたい。

修行なだけあって厳しいっすな(笑)

61番の弥勒岳は稜線上にありますが、標識は見つけられませんでした。

 

途中の開けた場所から振り返ってみる。

綺麗な尖がった山が左に3つ見えますが、左から大普賢岳小普賢岳日本岳。右下に見えるこんもりした山が和佐又山

一般的に山の名前には「○○山」と「○○岳」があるけど、自分の中で「岳」のほうが「山」に比べて険しく尖がったイメージ。

それをわかりやすく形にしてくれた感じでした。

 

ここから再び登り返す。鎖場やハシゴなんかはここら辺まで来れば、もう見慣れたものになってきます。

 

空中回廊。片側が崖になっているので、すれ違いが発生すると結構怖いかもしれない。

それにしても、こういう木道が敷かれる前はいったいどうやって登っていたんでしょうかね…?

 

大普賢岳から1時間ほどで七曜岳に到着。大普賢岳よりも標高を200m近く落としてますが、登り返しがあるのでなかなか疲れました。体感的には300m下って100m登る感じ。

この七曜岳は岩のピークで大普賢岳以上に狭いので、例によって休憩なしで先へ進む。ここにもお一人先客がいました。

 

大峯奥駈道をゆく。

写真では当然伝えられないけども、歴史ある道というのは歩いているだけで、一昔前の世界に浸ることができる。

古びて読めない標識や祠を目の当たりにすると、当時と変わらぬ姿がそこにはあるし、「昔の人はこんな道を歩いていたのか~」とか色々と考えたりもする。

一昔前なんて今みたいな充実した登山用品なんてないし登山道も親切に整備されているわけでもないから、それこそ山に入ることが修行そのものだったんでしょうね。

 

アルプスのような華やかさなんて微塵もないけど、こういう気分に浸りたくてこの大峯奥駈道を歩いてみたかったというのがある。単に大峰山の最高峰の八経ヶ岳だけを目指すならもっと楽なルートはあるけど、あえてこのルートを選んでみたのはそういう思いから。

 

実際はぜぇぜぇ言いながら登っているけど、充実感は持って歩けてるから気分は悪くない。

陽もだいぶ高くなってきたので、登山道にも少しずつ人の気配がしてきます。すれ違う人は、おそらくこの先の行者還避難小屋に泊まっていた方たちだと思うけど、後々振り返ってみて気づいたのが、すれ違った人、全員ソロで登ってたな~と。

修行の道というだけあって、それぞれが何か思いがあって一人山と向き合って歩いてたんでしょうかね。荷物もかなり大きなザック背負っている人ばかりでした。

 

七曜岳から先は割と道が緩やかになってきたけども、エンストを起こしたかのように全然足が動かなくなったので、途中で休憩。和佐又山ヒュッテで頂いた弁当を食べる。

良くないと頭ではわかっているんだけど、自分はどうしても朝ごはんが食べれない体質で、この日も何も食べずにスタート。貧血なのかフラフラしたので、多少無理やりでも何か食っておかないとダメですな。。。

ご飯食べて少し休んでたらすぐに体調良くなって、ここから先はかなり快調に歩けました。

 

弁当休憩を終えてすぐに目にしたのがみなきケルン。これは単なる目印ではなく慰霊碑となっており、右の案内文にその詳細が記されています。興味ある方は読んでみてください。

大阪工業大学のワンダーフォーゲル部の学生が悪天候によって弥山に行く途中で亡くなったということが書かれています。昭和40年のこと。

 

行者還岳を過ぎたあたりで、この登山道で唯一の水場・行者零水がありました。

どれほどの水場かあまり期待してなかったけど、十分すぎるほどの水が出てました。暑くて水分の消費量が多かったので、この水場には本当に助けられた。

 

8時40分、行者還避難小屋に到着。大峯奥駈道には避難小屋がいくつもあって、端から端まで縦走する場合はその避難小屋の利用が必須となりますが、その中でもこの行者還避難小屋は広くてきれいなので泊まる人が多いみたいです。

 

避難小屋内には水道もありました。(※水が出るかは確認してないです)

 

避難小屋室内。毛布もありました。2階でも寝れるようなので、それなりの人数は泊まれそう。

トイレもあるので環境はかなり整っていて、無人の山小屋という感じでした。

 

まだまだ続く稜線ハイク。枯木が目立つので、日差しが差し込んで登山道はかなり明るい。

展望もいいので歩いていてかなり気持ち良い。序盤の修行の道とは雰囲気をがらりと変えて、長閑な登山道が続きます。

 

だいぶ余裕が出てきたので、ここら辺は心身共に快適に歩けました。

写真で見るとただの登山道にしか見えないけど、実際に歩いてみると展望も良くてフラットな箇所が多いので稜線フリークとしては唸らされるものがある。

 

途中にあったのがバイケイソウの群生地。

なかなかの規模で、花を咲かせるとかなり綺麗なお花畑になりそう。ただ、花が咲く時期にこの大峯奥駈道の縦走は暑さとの戦いになること間違いなしなので、あまりやりたいとも思わない。

標高は決して高くはないので、歩くなら春の新緑時期か秋の紅葉時期がいいかと思います。

 

登山道から常に見えているのが、前日に登った大台ヶ原。台地というに相応しい平べったい山容をしています。

 

変り映えしない写真が続きますが、なかなか楽しい稜線ハイクが続く。

大普賢岳~七曜岳までが一つの核心部で、それ以降は鎖場もハシゴもなくて、修行というよりはハイキングに近い山歩きが楽しめます。

 

八経ヶ岳も稜線からたまに見えるけど、近いようで意外と遠い。。

ペースは決して悪くはないけど、このままだと下山後に手配していた14時のタクシーに間に合わないので、山頂に着いたあたりで電話しようと思っていた。この時は……(電波が入らないとは知らずに)

 

スキップでもしたくなるような草原の稜線。地味と言えば地味だけど、森林限界を迎えないところでこれだけ展望の良い稜線が長く続くっていうのもあまりないと思う。

大普賢岳~弥山までの縦走路については写真でその面白さを伝えるのは難しいので、ぜひ歩いてみてほしいです。歩いた人にしかわからない面白さってのがわかってもらえると思う。

 

9時30分、一ノ多和に到着。ここも修行場の1つで、57番が割り振られています。

 

草原の稜線は続く。七曜岳からさらに標高を下げて1500m付近をずっと歩いています。

最高峰の八経ヶ岳が標高1915mなので、この先に400m以上の登りが待っているけど、それはあまり考えない方がいいかも(^^;

実際、弥山までの登りがものすごいしんどくて泣きそうになったけど、この時はまだ笑顔で歩けてました。

 

10時前に奥駈道出合に到着。ここが行者還トンネル西口登山道との合流地点になります。

大半の人はこの行者還トンネル西口から登ってくるので、ここから一気に登山客が増えます。和佐又山ヒュッテからすでにかなりの距離を歩いてきたので、もうヘトヘト。。。3日分の登山装備なので荷物が重いのも鬱陶しかったです。

自分が疲れているのがわかったんでしょうね。。。ここに着いたときに、群馬県から登りに来たご夫婦の方が親切に話しかけてくれて、「どこから縦走してきたんですか?すごいですね~!」と激励してくださったのが救いでした。

 

ここから先もしばらくは緩やかな道が続きますが、これは嵐の前の静けさと思っておいた方がいい。

特に自分みたいに縦走してきてる人は疲れもピークに達し始める頃合いなので、この先の急登が相当地獄に感じるはず。

周りには身軽な装備で登る人が多いので、羨望のまなざしで見つめてました。「荷物軽いって良いな~」と……。

そういうのもあって、たまに重装備背負って辛そうに歩いている人を見ると、変に仲間意識感じました(笑)

 

標高1600m、弁天の森。登る人が増えるコースだからなのか、先ほどまでの縦走路とは変わって標識も豊富になってきます。

 

森というには葉があまりにもない枯木が立ち並ぶ場所でした。広々としているので、休憩場所には困らないです。

 

弁天の森を抜けて現れたのが、理源大師像。この大師像が急登の始まりを告げるポイントです。

ここから先、弥山までひたすら登りが続く。

 

階段が続く登山道。整備されて歩きやすいんだけど、疲れているほうからすると、歩幅が合わない階段は余計に疲れるんじゃないかってぶつぶつ言いたくなる。

これが本当にしんどかったです。。。トンネル西口から登ってきたであろう、ちびっ子に余裕で抜かれて行きました。

 

とにかく辛抱して登るしかない。たまにこういう展望のいい場所があるので休憩ポイントは用意されているけど、一度立ち止まると心が折れそうだと思ったので、ノンストップで登ることにしました。

それくらい追い詰められてた。。弥山までの最後の登りは侮れない。

 

蛇行して登っていくので、高低差以上に距離があるように感じる。無心になって登ってました。

おそらく、かつての修行僧の気持ちに一番近づけたのはここだと思う。最短ルートで登れば大したことのない登り坂でも、縦走路の終盤として待ち構えていた自分にとってはまさに関門。楽しさなんてない、ただの修行でしたよ。。。

ちびっ子たちが楽しそうに追い抜いていく中で、奇しくも一人修験者となることができた瞬間でした。

 

11時30分、急登を登り終えてどうにか弥山小屋に到着。今回の登山道で唯一の有人の山小屋です。建物もかなりしっかりした造りになってました。

長く感じた急登も、こうしてブログにまとめてみると、実際は奥駈道出合からたったの1時間30分だったことが判明。過去最高に疲れ切った90分だったと思います。

 

弥山小屋にはテント場もあり。そこまで広くはないけど、フラットで芝生のキャンプ場だったので居心地は良さそうです。

 

立派な看板があったので記念撮影。この弥山が大峰山の主峰と思わせるほどの、立派な看板でした。

上にちょこんと乗っているフクロウが終始気になった…。

吉野熊野国立公園・弥山。熊野という文字を見て、熊野古道を歩いてきたんだな~と改めて実感させられます。

 

弥山から最高峰の八経ヶ岳まではすぐ近く。往復1時間あれば登れる距離です。

手前に立ち並ぶ枯木は大台ヶ原でも見たけど、この大峰山の特徴でもある景色。冬場は樹氷となって、幻想的な雪景色となるようです。

 

弥山山頂に神社があったのでお参り。皇太子殿下登頂の記念碑もありました。

(皇太子さまってかなり山に登ってる気がするけど、日本百名山で言うといくつくらい制覇しているんだろうか……)

 

弥山山頂にある天河奥宮。これまで歩いてきたピークとは打って変わって広い山頂でした。

そして、ここで携帯を開いてようやく圏外という事実を知った。。。山小屋もあるし電波届くだろうなんて安易に考えてたけど、全然甘かったぜ……。

 

さて、どうするか……

 

タクシーに時間変更が伝えられないので、とりあえず荷物だけデポって急いで八経ヶ岳を目指す。12時近くになっていたので約束の14時まであと2時間。標準タイムならここから八経ヶ岳まで往復してトンネル西口まで約3時間。

1時間巻く必要がある。。

 

八経ヶ岳までの地味なアップダウンがまたいやらしい。稜線伝いに登ればそんなに高低差はないのに、、、ってぶつぶつ言いながら歩いてました。

途中、オオヤマレンゲ保護の看板を発見。オオヤマレンゲは国の天然記念物もされており絶滅危惧種にもなっている貴重な花。ここ八経ヶ岳山頂付近ではそのオオヤマレンゲが自生する場所で、シカの被害から守るために防護ネットで保護されていました。

花が咲くのは6月なので、少し時期は早かったようでまだ蕾でした。

 

オオヤマレンゲもいつか見たいなと思いつつ、大峰山の最高峰・八経ヶ岳に到着。岩場の山頂ですが、最高峰なだけあって360℃の展望が開けていて景色は抜群です。

 

こちらは八経ヶ岳よりさらに先へと続く大峯奥駈道の稜線。今回はここまでで大峯奥駈道は終わりですが、いつかこの先も歩いてみたいとは思っている。

この先にもまだ日本二百名山の釈迦ヶ岳という魅力的な山は控えているし、熊野古道の最終目的地でもある熊野本宮大社へもいつか行ってみたい。

まだまだ先は長くて大変そうだけど、そんな思いに駆られた景色でした。

 

八経ヶ岳山頂からの景色と言って、良く目にするのがこの枯木が立ち並ぶ西側の展望。これも鹿の被害によるものなのかわからないけど、葉がないおかげで視界は開けて気持ち良かったです。

 

こちらは八経ヶ岳山頂から見た弥山と、右奥に見える山がこの日最初に登った大普賢岳。大普賢岳山頂にいたのはほんの6時間ほど前のことだけど、中身の濃い登山をしていただけに遠い昔のように感じてしまう。

直線距離としてはそこまで遠くはないけども、実際に歩くとなると大きく迂回することになるので大普賢岳から八経ヶ岳まではなかなか時間がかかります。日帰りで登る際は下山時刻にお気を付けくだされm(__)m

 

山頂での展望を数分楽しんだのちに、急いで弥山小屋まで戻ってきた。某ウ○ダーinゼリーでこれから下山までの最終エネルギーをチャージする。

ハシゴを伝ってしか行けない二階建ての小屋が気になりました。あの小屋に登ればもしかしたら電波をキャッチできるんじゃ……、とか変なことまで考え出す。。

 

休憩もそこそこに来た道を戻る。ここからは時間との勝負。

 

登ってきた階段を今度は一気に下る!

幸いだったのが登ってくる人がほとんどいなかったこと。すでに昼過ぎだったのでこの時間帯で登りに来る人はあまりいなくて、すれ違いを気にせず飛ばせました。同じく下山中の人を何人か追い抜く程度で、登りに比べたらだいぶ静かな登山道でした。

 

途中はだいぶ省略して、奥駈道出合まで戻ってきたのが、13時20分。到着時は写真に写っている青い服着た男性と同じような恰好してたと思う(笑)

なかなか疲れたけど、苦手な下山も割と快調なペースでした。ここからトンネル西口までは標準タイムでも40分。14時まで残りちょうど40分。ここでようやく標準タイムとの差がプラマイゼロになったので一息つけた瞬間でした。

 

人間って追い詰められると力発揮できるもんですね。下山苦手なのに、自分でも驚くほどテンポよくスタッと降りれこれた。

トンネル西口までの登山道も単調な登り坂だったけど、ミツバツツジに目をやる余裕もありました。

今回の旅ではあまり花をみることができなかったけど、花についてはGW後半の山行で大いに語ってやろうと思います。これでもかっていうくらい花を見ることができた山旅となりました。

 

急坂を下りきって吊り橋を渡る。トンネル西口から登る場合は、この吊り橋が急登の始まりを告げるポイントになるってわけですな。

なかなかきつい斜面が続いてたので、トンネル西口からスタートしても結構つらい登山になりそうでした。

 

13時50分、なんとか14時までに間に合わせることに成功。

行者還トンネル西口に降りてきました。12時間を超えるコースタイムを9時間ほどで歩けたのは、個人的にはかなり衝撃的な結果。全盛期とは程遠い体調の中でこのコースタイムは結構自信につながりました。

……というか、「14時で」と軽く告げた自分を殴りたかったな(笑)。14時ってどう計算したらその時間になるんだか、、、

 

登山口に書いてあった、世界遺産・大峯奥駈道の文字。今回は大峯奥駈道のほんの少しの区間でしかないけども、歴史ある道を歩けたのは大いに意味のあること。

下山した時の達成感といったらここ最近味わったことのないものでした。ゴールデンウィークということでこの登山口も下の方までかなり路駐が続いてたけど、ここから登山した人よりは少しは大峰山の歴史を体感できたんじゃないかなって思ってる。大変だけど、和佐又山ヒュッテからの日帰り登山も全然不可能じゃないので、ぜひお勧めしておきます。体力ある人ならタクシー使わずに、バス停の天川川合まで直接降りることも可能だと思うので、ぜひやってみてください。

 

すでに手配していたタクシーは来ていたのでそれに乗車。

大峰山縦走の旅は無事に終了。

 

最後にタクシー運転手の方から思わぬプレゼントいただきました。地元名産、吉野杉の割りばし5本セット。ありがとうございました!

色々とお話し聞かせてもらったけど、やっぱり電波通じないことを知らないで登ってしまう人が多いらしい。そのせいで登山口で待たされることも多いんだとか……

あとは、麓のみたらい渓谷の紅葉は素晴らしいとおっしゃってました。紅葉の名所にもなっているようで、一番タクシーが忙しくなる時期だそうです。

大杉渓谷で渓谷トレッキングの面白さは十分に体感したので、これからの山旅では渓谷も外せないテーマ。なので、もしかしたらここへは再び来ることがあるかもしれない。

いずれ熊野古道を本宮大社まで歩くことがあるだろうし、その時にでも立ち寄りたいと思います。

 

下山後の温泉は、天川川合から下市口駅までの途中にある下市温泉秋津荘・明水館ごんたの湯へ。奈良県のマスコットキャラクター・せんとくんがお出迎え。

広々として綺麗だったのでかなりくつろげました。露天風呂もあります。

 

こうしてバスに乗って下市口駅に到着。

 

駅前はこんな感じ。見た感じ何もなさそうですが、線路を挟んで反対側にローソンがあったので、登山の際は利用できそうです。

 

この下市口駅っていうのが、どこに位置しているのか全然わからなかったけど、路線図に奈良や京都という文字を見て、改めて西日本に来たんだなぁ~と実感した。

こういう全く来たことない場所に電車に乗って帰るっていうのは、それだけで旅の感覚があって楽しいもの。

 

だいぶ長くなってしまったので下市口駅のプラットホームで今回の旅の記録はおしまい。

この後、京都まで出てそこから東京へと帰りました。

 

そして、帰った翌日、すぐさまGWの後半戦に突入。お次は島旅へと繰り出したわけですが、そちらも素晴らしい内容で終えることができたので近いうちにアップしようと思います。

良ければまた見に来てください。

 

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【日程】

2016年5月1日 快晴

【コースタイム】

和佐又山ヒュッテ(4:30) —- 大普賢岳(6:30) — 七曜岳(7:30) — 行者還避難小屋(8:40) — 奥駈道出合(10:00) — 弥山(11:30) — 八経ヶ岳(12:00) — 行者還トンネル西口(13:50)

 

 

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佐渡ヶ島の旅 有名観光巡り(二ッ亀、大野亀、遺跡、佐渡金山、トキの森)

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ゴールデンウィーク後半は佐渡ヶ島へ2泊3日の観光・登山の旅。

1日目はゆっくり島を周回して観光名所を巡りました。1日だけだったので島の上半分しか巡れませんでしたが、二ッ亀、大野亀、尖閣湾、北沢浮遊選鉱場跡、佐渡金山、トキの森、と主要な有名スポットはしっかり抑えたつもり。姫津漁港で食べた海鮮丼も美味しかったです。

観光に関しては、産業遺跡の北沢地区工場跡地がかなり衝撃を受けた場所でした。ラピュタの世界を彷彿させる廃墟と化した工場群は廃墟マニアでなくとも必見!佐渡の歴史を垣間見ることのできる貴重な遺跡です。

2日目からの登山に向けて、まずは旅行気分で佐渡巡り。

 

GW後半、島旅・佐渡ヶ島へ―――

 

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GW前半の大杉渓谷~大台ヶ原大峰山からの続きのお話し。

5月1日に大峰山を下山していったん東京へ帰宅。その翌日の深夜、次なる旅の目的地である佐渡ヶ島目指して、仲間とともにJR新宿駅へ。

旅の始まりは、先月オープンしたあのバスターミナルです。

 

そう、「バスタ新宿」。この場所はずっと良くわからぬ工事をしていて、いったいいつ何ができるだ?ってモヤモヤしてたけど、気が付いたらこうして立派なバスターミナルに生まれ変わってた。

高速バスヘビーユーザーの自分としては嬉しい限りだけど、建物内を少し探検した限りでは、通路が少し狭くてでかいザック背負うと行き来しづらいのと、1フロアをタクシーで占領するのはややもったいないと思った。

それでも綺麗な待合室ができたのは嬉しいし、上高地なんかに行く登山バスもここから出るみたいなので、今後も大いに利用させてもらおうと思います。

 

そんな、バスタ新宿デビューをこの佐渡ヶ島旅行で果たすことになりました。

バスターミナルが変わろうとも、バスでの即寝体質は絶好調で、乗った途端に就寝(笑)

このバス慣れは登山をする上では大いに役立ってるから、今後も錆びずに技を磨いていきたいところ。

 

日付が変わった頃に新宿を出発し、目覚めたらJR新潟駅に着いておりました。

新潟方面の山は何度か登りに来てるけど、新潟駅に降り立ったのは記憶がある限りではこれが初。ここを起点にいくつか登りたい山もあるので駅前を軽く偵察したけど、普通にホテルも飲食店も充実してますね。

 

JR新潟駅から佐渡ヶ島へのフェリー乗り場までは、バスかタクシーで行くことになります。

まだ早朝だったのでバスが動いていなく、自分たちはタクシーを使うしかなかったけど、10分程度なので割り勘すれば料金はバスと大して変わらなかったです。

 

いよいよこれから海を越えて、人生初の佐渡ヶ島へ。島に行くっていうのは、それだけでワクワクするな!

この「佐渡を世界遺産に」というスローガンはあちこちで見れました。海、金山、トキ、などなど色々あるけど、個人的には産業遺跡をもっと推せばいいのにと思った。あとで書くけど、佐渡ヶ島にはすごい遺跡が眠ってます。

 

佐渡ヶ島までのアクセスにはカーフェリーとジェットフォイルがあって、所要時間はそれぞれカーフェリーが2時間半、ジェットフォイルが1時間となっています。

マイカーを佐渡ヶ島まで持っていく場合はカーフェリーになりますが、カーフェリーのほうが予約がすぐ埋まるので、計画は早めにしておいた方が良さそうです。

 

自分たちはジェットフォイルでゆく。ゴールデンウィーク期間中は第1便が7時なので、早朝に佐渡ヶ島への上陸が可能になります。

 

ジェットフォイルは高速船なので早く佐渡ヶ島へ着ける反面、外に出れないのはやや残念。。

それでも船の車窓からは広大な海、そして徐々に佐渡ヶ島の姿が見えてきたときには眠気も一気にさめた。

 

船から見る佐渡ヶ島。佐渡ヶ島にも山はたくさんあって、北に大佐渡山地、南に小佐渡山地と2つの山脈があります。最高峰は標高1172mの金北山で、大佐渡山地のほぼ中央に位置している山。この山はもちろん今回登ることになるけど、この山に登る場合、ルートによっては少し注意が必要なので、そのあたりは後述しておきます。

 

1時間の船旅を楽しんで、8時過ぎに佐渡ヶ島・両津港へ無事に到着。

振り返ってみたら島旅は3年前の屋久島以来か……。島は独特の雰囲気があって、上陸しただけで何となく本土とは違う感覚になる。

そして予報に反して天気が快晴なのがうれしい。幸先良いスタート。

 

トキやら金山やら、色々とおもてなしPRを受けながら上陸。

佐渡ヶ島を登山目的で行く人ってどれくらいいるのかわからなかったけど、自分たちの乗車したジェットフォイルではザック背負った人はそれほど見かけませんでした。

ちなみに今回のメンバーは、俗にいう飯豊山メンバー、たくみとあつし。最近だと昨年秋に谷川主脈日帰り縦走をしたのもこのお二人と。確かその主脈を歩いているあたりで、佐渡ヶ島へ行きたいねって話になった気がする。

それが無事に実現できたわけだから島に入っただけで感慨深いものがある。

 

こちらが佐渡ヶ島・両津港のフェリー乗り場ターミナル。今回の旅でバスには乗らなかったけど、この両津港を起点に東西南北に色々と路線バスも出ています。

 

佐渡ヶ島でまずは朝食。まだ朝ということで店はどこもやっていなかったので、仕方なくコンビニへ。佐渡ヶ島のコンビニはセーブオン一択になります。一度は飲みたいと思っていた佐渡牛乳もコンビニで売っていたので難なくゲット。

 

両津港でレンタカーを借りて1日目はドライブ。山登りは抜きにして島旅をのんびり満喫します。

屋久島と似たように海沿いに周回道路があるので、それに沿って両津港から北上~

フェリー第1便で島入りしたせいか、GWなのに道はガラガラでした。

 

翌日に登ることになる大佐渡山地が見えた。

佐渡ヶ島といえば、野生のトキ。こういう田園にいることが多いので、田んぼがあるときはどうしても鳥の姿を探してしまう。(結局野生のトキには会えなかったけど……)

それにしても、山に登りたくなるような青空!もともとのプランとしては1日目と2日目に登山で、3日目に観光の予定だったんだけど、週間天気予報を見た限りだと3日目が一番良さそうだったので、1日目に観光を持ってきたわけで……

この天気なら十分登れたな~と。山登りが絡むと、天気の少しの変化にも翻弄されますね(^^;

 

30分ほど車を走らせて、まずは一気に佐渡の最北端へ。二ッ亀ビューホテルに到着。ここに泊まるというわけではなく、このホテルの裏手に佐渡の有名観光スポットがあります。

 

(裏話として……)

ここに来る途中で、この佐渡ヶ島の旅の成功を決定づける嬉しい情報が入ったので、それは次の登山編にでも書いておきます。この二ッ亀に到着した時に、心配事が解消されて心から観光を楽しめる気分になりました( ̄ー ̄)ニヤリ

 

それがこちら佐渡の観光名所の1つ、二ッ亀。2匹の亀がうずくまっているように見えるからその名がついたとされる島ですが、ここからだとアングルが良くないので、あまり亀には見えない。

2匹の亀は次に行く大野亀からその姿を見ることができます。

 

ここら一帯は佐渡弥彦米山国定公園となっており、観光客向けの遊歩道もしっかり整備されています。

奥の芝生はキャンプ場にもなっていてテントの設営も可能。テント場としては最高級のロケーション!夜は波の音を聞きながら星空を眺めて、明け方に海から日の出とか、、、相当贅沢な時間が過ごせそう。

 

山登りの前に、まずはその海の綺麗さに感動する!島旅といえば、いくら山好きであっても海は外せない。

ここには二ッ亀海水浴場という、佐渡随一の透明度を誇るビーチがあって、「日本の海水浴場100選」にもなっているだとか。

日本百名山もそうだけど、何にでも100選っていう括りがあるんだね。

 

面白い標識発見。ウラジオストクを入れているあたりにユーモアを感じるけど、こういうのは嫌いじゃない。

海を渡ってきた割に東京まで311kmというのを見ると、思ったよりも近く感じました。

 

海岸へ。まだ5月ということで流石に泳いでいる人はいなかったけど、真夏ともなればこの狭い海岸にビーチパラソルが立ち並ぶようです。

 

海水浴場からの景色でひときわ目を引いたのが、このお山。

あちらは「大野亀」という、佐渡ヶ島では二ッ亀に並んで観光スポットとなっている岩。山、もしくは島に見えるけど、巨大な岩という扱いになってます。あちらはこの後行きます。

 

しばし海辺を散策。佐渡随一の透明度というだけあって、水が本当に綺麗でした。

この日は気温も5月にしては高かったので、泳げるなら泳ぎたいくらいだった。

 

二ッ亀は潮が引いた時は陸とつながり、潮が満ちると離れ島になります。訪れたときは陸とつながっていたので、二ッ亀のすぐそばまで行けました。

登ることはできなかったので、適当に散策して撤収。

1つ目の観光スポットにして佐渡ヶ島の自然の真骨頂を見せられた感じでした。

 

二ッ亀に咲いていた遅咲きの八重桜。ドライブ中も街中のいたるところでこの桜が満開になってました。

花については山で大いに見ることになるのでここでは割愛。海辺には他にも花がたくさん咲いていたので、ぜひ見てみてください。

 

二ッ亀を後にしてお次は大野亀へ。一見すると小さい山に見えますが、これは一つの巨大な岩の塊。

二ッ亀以上に取り上げられている人気スポットで、この大野亀のハイシーズンとなるのが初夏の季節。

 

このトビシマカンゾウの大群生が有名で、佐渡ヶ島の案内やパンフレットには必ずと言っていいほど紹介されている観光名所。花が咲くのは5月下旬ごろなのでゴールデンウィークではまだ残念ながら見ることはできないです。

GWは山では花が盛りを迎える反面、平地ではまだ時期尚早。そこらへんが難しいですな~

 

ここにも大野亀自然歩道という遊歩道が整備されているのでしばし散策。山に登らずとも雄大な自然を堪能できるのが島の魅力。

 

大野亀から見る二ッ亀。こちらから見ると文字通り2匹の亀に見えます。

左の亀なんかは、いかにも登りやすそうなこんもりとしたおにぎり型してますね~

 

これだけ見ると東北のどこぞの山の雰囲気に近い。大野亀、山好きにはそそられるものがあるはず。

 

気温がどんどん上昇して夏日となったこの日。都会に入れば暑いの一言だけど、ここでは海風が何とも心地よい。のんびり島巡りするには持って来いの陽気でした。

ただ最初に言ってしまうと、3日間を通して一番登山日和だったのもこの初日。2日目、3日目も晴れはしたんだけど、暴風との激しい戦いとなりました。この後、登山編もアップする予定なので良ければ読んでくださいm(__)m

天気はやっぱりわからんもんですな。

 

二ッ亀のような穏やかなビーチとは違い、こちらはサスペンスドラマでも登場しそうな断崖絶壁。迫力ありました。

対して遠くを見渡せば、どこまでも広がる穏やかな日本海。地球が丸いというのを実感させてくれる水平線が広がってました。

 

大野亀はもちろん登ろうとしたんだけど、あいにく崩落の危険で途中までしか立ち入ることができませんでした。

 

鳥居のゲートをくぐってあえなく撤退。。。

いつかトビシマカンゾウが満開のハイシーズンに再訪してみたいものです。

 

隣接する大野亀ロッジにはレストランもあります。ソフトクリームも売ってるので小腹が空いたらここで。

 

引き続き島の周回続行。早くも最北端まで来たので、島の西側を今度は南下していきます。

ここら辺はコンビニはもちろん、飲食店もほとんどなく、小さい離れ島を横目に見ながら静かな海岸線を走っていく。

 

途中、観光地っぽいところがあったので立ち寄ってみました。

外海府の千本鼻という岬。2つの巨大な岩が縄で結ばれて、神が宿っているような風格が出てました。

 

岬の裏手には岩を伝って波打ち際まで降りれます。波が高いときは要注意。

釣りをするのに適してそうな場所でした。

 

そこから少し先へ行くと、有名な尖閣湾に到着。ちょうど団体さんが到着して混んでいたので入園はしませんでしたが、観光名所の1つなので良ければ立ち寄ってみてください。

入園料がいくらか忘れたけど、思っていたより高かった記憶あり。

 

駐車場の陰からでも尖閣湾の岩礁をのぞき見できたので、まぁ満足(笑)

正直なところ、ここに来るまでに道路わきに迫力ある岩礁が何度も登場するので、尖閣湾に着いた時にはやや見慣れたものになってしまってました。

それでもここの岩礁は他とは違う迫力、スケールがあるそうなので、時間があれば遊覧船にも乗って海からその景色を眺めてみてください。

 

お腹が空いたので少し遅いお昼休憩。尖閣湾からさらに先へ行ったところにちょうど姫津漁港のお食事処がありました。

姫津漁港『新龍館』。

 

漁港の海鮮丼がうまくないわけがない!お店も海鮮丼をお勧めしている通り、豊富な海鮮味わえて大満足の逸品でした。

あまり生のイカは好きではないんだけど、イカの甘みが美味しくて新鮮な魚介はこうも美味しいのかと思った。

 

相川まで来たところで、島の周回はおしまい。今回は島の上半分だけを半周しました。島1周は1日だけだとさすがに時間が足りなかった……。

相川からは有名な佐渡金山へ行きますが、その前に資料館みたいなところがあったので立ち寄ってみた。この日の観光で一番衝撃を受けたのが、まさにここ。

相川技能伝承展示館。すごかったのは、この展示館ではなくその裏手。

『北沢浮遊選鉱場跡』

これぞ佐渡が誇る産業遺跡。昭和の世界にタイムスリップしたかのような、昔の工場の荒れ果てた姿がそこにはありました。

 

 

こちらは50mシックナー。古代ローマのコロッセオを思い出させる、神殿のような遺跡。

すごい迫力……。

突然現れた歴史的建造物の前に言葉が出なかった。

 

ラピュタのような世界観。廃墟マニアにはきっとたまらない観光スポットだと思う。パンフレットに載ってないこともあるけど、これはもっと推していいと思うの。この遺跡推しで世界遺産狙えるんじゃないかな、っていうくらい心に響くものがありました。

この産業遺跡だけで記事1つ書けるほど、魅力を感じた場所。

来ようと思って来た場所ではなかっただけに、目の当たりにした時には本当にここを外さないで良かったと思った。ぜひ行ってみてください!

 

工場跡地には資料館があるので、そこで当時の写真やここがどんな場所だったのかも知ることができます。

 

お次は佐渡金山へ。佐渡でもおそらく1番有名な観光スポット。

 

佐渡金山には2つのコースがあって「宗太夫坑ルート」と「道遊抗ルート」。両方見学するセットもありますが、この後にトキの森公園にも行きたかったので、自分たちは片方だけにしました。受付でおすすめされた宗太夫坑ルートへ。

宗太夫坑は坑道内から採掘場を直に見学できます。

 

坑道内はかなり寒いので、夏でも厚着していったほうがいいです。半袖で8℃の坑道は寒かった……

 

採掘の様子。当時の採掘場を忠実に再現してあるようで、穴が奥深くまで掘られていたり、水が流れてたりと、なかなか興味深く見れました。

作業者の模型も精巧に作られていて、それぞれが何の役割を担っているのかも説明が詳しく書いてあるので、良く理解できます。

 

模型の完成度が高すぎて、若干怖い(笑)

人形1つ1つが動くので、子どもにもなかなかウケてました。

 

展示室に展示されていた佐渡小判と佐渡一分金。これは鑑定書付の本物で、歴史的価値が非常に高いらしい。

以前、TOKIOの鉄腕ダッシュという番組で金の採掘をやっていたんだけど、かなりの労力をかけて小粒程度のほんの少しの金しか取れないのを見て、金の価値を改めて思い知った。手に簡単に収まる程度の小判にすごい価値があるっていうのも今では大いに納得しております。(TOKIO、ありがとう~!)

 

佐渡の金山を後にして、お次はトキの森公園へ。佐渡ヶ島といえば朱鷺を見ずには帰れない。

本当なら野生のトキを見たいんだけど、確実に見るためにはここはやはり外せない。

 

本物のトキの前に、佐渡のゆるキャラ「サドッキー」がお出迎え。

男性とのこと。

 

めでたいことに、今年の春にヒナが誕生したようです。ゆうた君14歳とすみれちゃん6歳の年の差カップル、おめでとうございます!

 

こちらがゆうた君すみれちゃん夫妻。愛の巣が見上げる位置にあるので、ヒナの姿はチラッとしか見れませんでした。

 

こちらはお父さんでしょうか、お母さんでしょうか?

見ていたら運よく近寄ってきてくれました。こうしてよく見ると、羽がなんともお美しい!

 

観客にアピールするかのように、目の前で獲物をゲットしてヒナに分け与えてた。

なかなか貴重なシーンを見れました。

 

珍しい黒いトキもいました。

トキはかなり繊細な鳥なので、あまり近づくことができず離れたところからしか見学できません。大声で話すのはもちろん、フラッシュも厳禁。

写真撮るなら望遠レンズを持っていくことをお勧めします。

 

レンタカー返却までもう少し時間があったので、最後に両津港近くの灯台へやってきました。

 

姫崎灯台。あまり目立たないところに立っている灯台ですが、鉄造りの灯台としては日本最古のもので歴史的価値が非常に高いとのこと。日本の灯台50選に選ばれており、さらに世界灯台100選にも選定されている、実はブランド力ある灯台です。

世界灯台100選に選ばれている日本の灯台は5つしかないそうで、その1つを「ついで」感覚で見に来てしまった、、、

なんか申し訳ない。。

 

灯台の前には姫崎キャンプ場もあります。当初の予定では、佐渡ヶ島ではテント泊するつもりでもいましたが、暴風警報が出たのでやめにしました。

それがなければもしかしたら泊まっていたかもしれないテント場。海を見渡せ、ロケーションとしては抜群です。

 

結局1日目は天気が崩れることもなく、登山をしても何ら問題なかった陽気。海も終始穏やかで、島の長閑な雰囲気を大いに味わえた1日でした。

翌日の暴風を考えると、これが嵐の前の静けさだったってわけか……

 

この日は両津港近くの旅館「金沢屋」に宿泊。昔ながらの旅館で哀愁漂う居心地良い宿でした。

出発の3日くらい前にギリギリで予約できたのは運が良かった。登山が絡む旅行は、天気に応じて山を優先したいので、なかなか観光のプランニングがしづらいのが難点。。前日どころか当日までドタバタしたけど、とりあえず楽しい1日目を過ごせました。

 

今回、観光として周ったルートは佐渡の北側半分。佐渡の有名なたらい舟などは南側にあるので、次に佐渡を巡ることがあれば南側を旅してみたいです。

 

とりあえず1日目の観光編を書いてみました。佐渡ヶ島に限らず島旅というのは、海辺をドライブしているだけでも島ののどかな雰囲気味わえて楽しいものがあります。

観光に関しては記事内でも書いたけど、北沢浮遊選鉱場跡が個人的にはかなり衝撃を受けた場所でした。

産業遺跡恐るべし。廃墟マニアの気持ちが理解できた瞬間でもありました。

よくよく調べてみると、島にはこういう廃墟というか手つかずで残っている歴史的建造物が数多くあるようなので、島旅の魅力も大いに感じられた1日でした。

佐渡ヶ島にお越しの際は、ぜひこの産業遺跡も見てやってください。独特の世界観が広がっていて不思議な気持ちにさせられるはずなので…。

 

さてさて、一応このブログは登山メインとして書いているので、次からがいよいよ本題。2日目からは佐渡の山へ入って、2日間に渡る大佐渡山脈縦走が始まります。

近々、その登山の模様もアップすると思うので、良ければ見に来てください。

 

登山編に続く……

 

 

 

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大佐渡縦走登山(アオネバ~ドンデン山荘~金北山~白雲台)

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佐渡ヶ島の旅、後半はいよいよ山に入って大佐渡山地縦走登山。

コースはアオネバ登山口から登ってドンデン山荘に宿泊、2日目に佐渡ヶ島最高峰の金北山まで登って白雲台へと下山するという、1泊2日の人気縦走ルート。時間的に余裕もあったので、ドンデン高原を歩いて尻立山・論天山・芝尻山も登ることができました。

アオネバルートはとにかく花が豊富で、登山道わきには様々な種類の花が無数に咲き誇っていました。中でも圧巻だったのが、稜線に出てからのカタクリの大群生!本土ではあまり見ることのできない規模のお花畑が広がってました。

ドンデン高原は一面雄大な草原が広がり、縦走路の稜線には荒涼としたザレ場もあって3000m級の山に匹敵する景観。終始海の展望も抜群で、1泊2日ながらも佐渡島の自然の魅力を最大限に感じられた山旅でした。

 

花と稜線と草原・大佐渡縦走トレッキング―――

 

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観光編からの続きで、いよいよ今回はメインの登山。

佐渡ヶ島へ訪れた最大の目的が今回の大佐渡山地縦走トレッキングだったので、期待に胸膨らませて挑んできましたよ!

ルートはアオネバ~ドンデン山荘(泊)~金北山~白雲台という、大佐渡山地縦走トレッキングとしては定番のルート。日帰りでも一応歩けるコースですが、せっかくだったので1泊2日でゆっくり時間をかけて見て回りました。

 

5月の佐渡島は、山では花が最盛期を迎える頃。序盤からいきなり花の楽園を見せつけられ、稜線に出てからは3000m級の山を思わせるほどのザレ場と草原の世界。移り変わる景色の変化を大いに楽しめた2日間でした。

 

2日間の内容を一気に書くので、かなり長くなると思いますが、良ければご覧ください。

 

~~ 2016年5月4~5日 大佐渡縦走登山 ~~

1日目に宿泊した両津港近くの金沢屋旅館から旅を再開。

2日目は朝まで雨の予報だったので、7時ごろにのんびり起きて少し遅めの9時に出発。明け方は予報通りの雨でしたが、宿を発つときには無事に青空が広がってくれてました。

 

こちらが1日お世話になった金沢屋旅館。趣のある建物で、これぞ昔ながらの旅館といった佇まい。両津港からも徒歩10分ほどで、近くにコンビニもあるのでアクセスも良好。何より宿泊料金が安いので登山メインの自分たちにはピッタリのお宿でした。

ここを数日前に予約できたのも、GWということを考えたら相当運が良かったと思う。

 

コンビニで買い出しをして、登山準備。加茂湖からは佐渡ヶ島最高峰の金北山を早くも捉える。

GWの佐渡ヶ島は、例年であればもっと山が白いはずなんだけど、今年は異常なほど雪が少なかったようですね。見たところ、残雪は金北山山頂付近にわずか程度でした。

金北山を登るだけなら数時間で登れてしまうけど、今回はじっくり山を楽しむので、あの最高峰へ立つのは翌日。遠回りして大佐渡を大いに楽しんでやるさ~

 

登山口へ向かうために両津港のタクシー乗り場へ。アオネバ登山口へはシーズン中はドンデンライナーというバスもありますが、乗るには事前予約必須なのでお気を付けください。

自分たちはバスの時間に縛られたくなかったのと、3人で割り勘すればバス料金と変わらないのでタクシー使いました。

ついでにもう1つ重要なことがあって、今回のルートを歩く場合、事前に航空自衛隊佐渡分屯基地への届け出が必要になります。金北山~白雲台の林道が防衛省管轄になっているためで、ここを歩く際はご注意ください。

 

佐渡のトレッキングに関しては、旅の前に佐渡トレッキング協議会から資料請求しておくといいです。詳細なトレッキングマップはもちろん、観光ガイドブックや登山届までもらえる大変ありがたいもの。これだけ送ってくれて、なんと無料!無料ですよ!!

佐渡トレッキング協議会さんの太っ腹には頭が上がりません。

観光マップもあるので、登山しない人でも貰っておいて損はないです。これがあれば市販のガイドブックいらない。

 

タクシーに乗って9時45分にアオネバ登山口に到着。街からそれほど遠くなく、標高はまだ296m。登山口にはトイレもありました。

ルートが色々あるのでスタート地点をどこにするか悩みましたが、時間的に余裕があって花も豊富ということでここにしました。結果的には大正解だったと思います。

ちなみに、ここまで送ってきてくれたタクシーの運転手さんとは、下山後にも会うことになりました。

 

10時ごろに登山開始。この時間にスタートしても問題ないのが山小屋泊の魅力。

新緑が美しい登山道に入って早々、いきなり佐渡登山の真骨頂を見せつけられる。

 

オオイワカガミ

この花をトップバッターに続々と花が登場。

 

ニリンソウ

序盤の主役はこのニリンソウでした。凄まじいほどの群生!

 

最初から花の乱舞で、足が全然進まない(笑)

 

登山道わきに広がるお花畑。

佐渡ヶ島には熊はもちろん、鹿、猿、猪、狐もいないので、動物によって山を踏み荒らされることがない。それゆえ、本土では見られないほどのお花畑が広がっているようです。

 

アオネバルートには何回か渡渉ポイントもあり。渡渉と呼べるほどの規模でもないけど、大雨の後などはやや通りづらくなってることもあるようです。

ただ、この日も雨上がりの登山。それでこの程度なので、余程の台風レベルの大雨でなければそれほど心配しなくて良さそうです。

 

美味しそうな赤い実。

動物がいないから果実も豊富なんでしょうかね?

 

こちらはシャガ

同じく5月に登った丹沢・大野山でこのシャガの群生を見て以来、好きになった花。名前の響きがいかついわりに、見た目が可憐。

 

エンレイソウ

白い花が多い中での黒いエンレイソウは、その存在がひときわ目立つ。上品なブラックがカッコよかったです。

 

ニリンソウのお花畑が続く登山道。アオネバ登山道はひたすら花の楽園。

花が咲いてない箇所を探す方が難しい。

 

キケマン、という花だそうです。

 

30分ほど歩いて落合という場所に到着。小さい沢のせせらぎが聞こえる気持ちのいい休憩ポイント。

トレッキングマップに書かれているコースタイムはここまで40分となっていますが、全体的に多く見積もられている感じでした。花をゆっくり愛でながら歩いてちょうどいい時間だと思います。

 

スミレサイシン

中盤になってくると紫の花が多くなってくる。

 

中でも圧巻だったのはこのシラネアオイの大群生!

ただでさえ、大きな花びらで存在感があるのに、それが群生となって咲いているので見ごたえ十分でした。

稜線に出るまでの主役は間違いなく、このシラネアオイ。

 

何度目かの沢渡り。ドンデン山荘が標高890mなので600mほどの高低差はあるはずですが、花に気を取られてあまり登ってる気がしない。

 

小さくひっそりと咲く花もたくさんありましたが、全部載せているとキリがないので省略。

登山道わきにこれほどの群生がひたすら続くコースってのは、たぶん本土ではないじゃないかな。それくらい花が豊富。

動物がいないとこうも花が生き生きと咲くのか、とただただ驚くばかり。人間が立ち入らなければもっと咲くんでしょうけどね……

 

そして、終盤になってようやく登場してくれたのがカタクリ

佐渡ヶ島の花トレッキングの代表ともいえるのが、このカタクリ。枯れているのも結構あって、稜線までの登山道でまともに咲いていたのは数輪ほど。

時期が少し遅かったのかな、、、と意気消沈したけど、そんな心配は無用だった。カタクリのピークは稜線に上がってからにありました。

 

1時間半ほど登った11時40分、アオネバ十字路に到着。十字路という割にT字路な気もするけど、そこはあまり触れないでおく。

左へ行けば金北山へ行くけど、今日はドンデン山荘に泊まるので右へ。明日はここまで戻ってきて金北山を目指すことになります。

 

稜線に出てから風が強くなってきた。

この日と翌日は全国的に暴風警報が出ていて、標高1000m程度の佐渡ヶ島の山でもなかなかの風が吹き荒れました。

天気は相変わらずいいけど、結局ここから先は下山するまで強風との戦いになっちゃったな、、、

 

そんな強風をすっ飛ばしてくれるほど感動したのが、このカタクリの大群生。稜線に出てからの群生っぷりは本当に見事!瑞々しい透き通った紫の姿を見るあたり、ちょうどピークを迎えているようでした。

このカタクリの群生は大佐渡縦走路稜線のいたるところで見ることができます。

 

後ろを振り返れば、明日登る金北山の姿も確認。

なかなかの距離がありますが、あそこに至るまでにも見どころがたくさんあったので後程……

 

登山道からいったん林道に出て、12時30分にドンデン山荘に到着。左の看板には登山道で見ることのできる代表的な花が載っています。

駐車場が見えることからもわかるように、ここまでは車で来ることも可能。最初に書いたドンデンライナーというバスを使えば一気にこの山荘まで来ることもできます。ただ、それが損なことは登山道で見た花の群生からも分かる通り。

あのお花畑天国を歩かないのはもったいなさすぎます。

 

ドンデン山荘には展望最高なテラスもあり。

ただ強風吹き荒れているので、流石にこの日は誰もいませんでした。

 

ドンデン山荘からの眺望。晴れていれば本州の山も見渡すことができるそうです。

東北の鳥海山や飯豊山、北アルプスの白馬岳や剱岳まで見れるとはなんとも贅沢。

 

どれどれ・・・、と見てみましたが、あいにく春霞で本土までは見えませんでした。翌朝は薄っすらと本土まで見えていたので、5月の霞が強い時期は、明け方を狙うのがいいのかもしれません。

ただ、眼前に広がる両津港と街並みの眺めは素晴らしいの一言!

ドンデン山荘からは両津市の夜景も素晴らしいと聞くので、夜を楽しみに待ちます。

 

ドンデン山荘がまたすごい綺麗。山荘と名がついてますが、山小屋というよりホテルと言っていいと思います。

お風呂ももちろんあり。ドンデン山荘HPから空室状況の確認や予約手続きも可能です。

 

部屋はこんな感じで二段ベッドの洋室でした。他に大人数で泊まれる和室もあるようです。

山小屋のような雑魚寝スタイルではないので、ここの山荘は宿泊人数が限定されています。なので泊まるのであれば予約は必須。特に5月は混むらしいので、早めに予約しておいた方がいいです。

 

というのも実は……

自分たちはもともとテント泊の予定だったので、このドンデン山荘は予約してませんでした。それがテント泊予定日に暴風警報なんて出るもんだから、3日くらい前にドンデン山荘に慌てて電話したものの……。当然ながらGWなのでとっくに満室で予約できず…orz

とりあえずキャンセル待ちにして一縷の望みをかけて佐渡ヶ島入りを果たしました。つまり、佐渡ヶ島に入った時点ではまだ登山行程が明確には決まってなかったんです。

そして、その待ちに待ったキャンセルが出たという朗報が届いたのが、1日目の観光で二ッ亀に向かっている途中の車内。観光編で書いた「嬉しい情報」というのがこれです。

おそらく暴風予報でのキャンセルなんでしょうね。希望を捨てなくて本当に良かったと思いつつ、暴風にも少なからず感謝した瞬間でした。

 

昼ごはんとして頂いたドンデン山荘の山菜うどん。強風で結構寒かったから、あったかいうどんが身に染みて美味しかったです。

本当に登山って天気に左右されるから当日まで気が抜けんな~、、、とか食べながら色々と考えてた。

今回は本当に運が良かったと思います。もしドンデン山荘に泊まれなければ、一応保険として街の宿は確保してたけど今回のルートは歩けなかったので、何かしら楽しみは減ってたと思う。

ドンデン山荘の予約はお早めに!

 

お昼ごはんを済ませて、時間もまだたっぷりあったので山荘の裏手を散策。こちら側は明日の縦走路とは逆側になるので、ぜひ1日目に散策しておきたかった場所。

 

景色が一変して、一面の草原~!

ここら辺一帯がドンデン高原という山の上の牧草地帯。お花畑とはまた違う佐渡の雄大な自然に触れられる場所です。

 

エゾエンゴサク

樹林帯に入れば再び花の楽園。

 

ここもすごかったカタクリの群生。この後もカタクリの群生地が出てきますが、1つ1つの密集度が凄まじい。

昨年登ったカタクリの里がある三毳山の群生もすごい壮観な眺めでしたが、群生地を足し合わせたらおそらく佐渡島のほうが規模が上だと思う。稜線のいたるところにカタクリのお花畑が広がってました。

また、本土のカタクリと違って葉っぱに斑点の柄がないのが特徴らしいです。さらに運が良ければ白いカタクリも咲くことがあるそうなので、ぜひ探してみてください。自分は必死に探しましたが、この旅では見つけられませんでした。

 

山荘から20分ほどで尻立山に到着。標高940m程度の低山だけど、ここからの眺めがまたすごい!

 

目の前にあるのは、雄大な草原広がるドンデン高原。それを一望できるのが尻立山。

一目見て、ここは金北山縦走では絶対に外せない場所だと思った。

 

いざドンデン高原へ。時間の許す限り、稜線を北へと遡っていくことにしました。

左に見える赤い屋根がドンデン避難小屋。

 

気になったのでまずはドンデン避難小屋へ来てみた。中に入ったけど驚くほどきれいで、畳に毛布まで用意されてました。

結果論になってしまうけど、ドンデン山荘に宿泊できなくても、この避難小屋で泊まることは十分にできたなぁ~、とは思った。ドンデン山荘のテント場利用が困難な場合に利用するといいと思います。

 

これ書いてて思い出したけど、ドンデン山荘に電話した時に「テント場の空きはまだありますよ」って言っていたので、もしかしたらドンデン山荘のテント場も予約が必要なのかもしれません。テント場の予約は仲間に任せていたので確かなことはわからないけど、テント泊の場合も電話しておいた方が無難だと思います。

 

避難小屋の目の前にあるのがドンデン池。吹き荒れる暴風を抜きにすれば、なんとも長閑な環境です。

可能ならここでキャンプしたいくらい。

 

ドンデン高原をハイキング。

夏前になるとこのドンデン高原には牛も放牧されます。GWではまだ牛が放たれる前なので、牛と出会いたいならもう少し後がおすすめ。

 

誰もいない草原をゆく。

GWにこれほど閑散とした山歩きを楽しめるというのは島旅ならではなのかもしれない。標高1000m程度とは思えない雄大な自然が広がってました。

 

草原にも花は咲く。

エチゴキジムシロ。黄色い花が草原に点在して彩を添えてました。

 

雄大な草原ハイクを楽しんだ後にたどり着いたのが論天山

ここからの眺めもまた絶景!

 

眼前には両津港と日本海!夕暮れ時が近づいてきたからなのか、先ほどの山荘で見た時よりは視界がクリアに見える。

 

こちらは歩いてきた方面。はるか右奥に見える山が金北山。

こうして遠くまで山脈が連なっているのを見るあたり、佐渡ヶ島にもアルプスと呼べるだけの山脈が潜んでいるのがわかります。

 

まだ時間に余裕があるので、もう少し先へ。雄大な稜線はまだまだ続く。

高原というだけあって、開放感に満ちた草原が豊富に点在する縦走路。

ひとたび樹林帯に入っても楽しみに満ちている。

 

もう何度目かわからない、カタクリの群生。これだけの贅沢な花の景観を見慣れてきている自分に驚く(笑)

日差しもたっぷりと浴びているので、これでもかというくらい、花びらを広げています。

 

カタクリに気圧され気味だったけども、スミレサイシンも綺麗に咲いていました。

 

今回のドンデン高原散策の終点、芝尻山に到着。

1つ1つのピークが本当に展望良くて、1000mに満たない山とは思えない景色を堪能できます。

 

こちらはさらに北へと続く縦走路、雪畑山・金剛山の展望。

あちらから縦走してきてドンデン山荘に泊まるのもありだと思います。

 

自由なひととき。

夕暮れも近づいてきたので今日はここまで。時間を気にせずのんびり山歩きするスタイルも大事にしていきたいなと思った。

 

雄大な牧草地広がるドンデン高原。金北山に登る際はぜひ訪れてほしいところ。夏が近づいて来れば緑も増して、牛も放牧されるので、また違った景観を見せてくれるはずです。

 

ドンデン高原から尻立山、ドンデン山荘へ。

ゴールデンウィークとは思えない人っ気のなさでした。

 

明日はこちら側には来ないので、最後に見納めしておく。

お花畑からの雄大な草原の世界。素晴らしい景色の移り変わりでした。

 

こちらがドンデン山荘のテント場。さすがに風が強かったので1張もありませんでした。標高1000m程度だけど風速20mは出てたと思う。張れないことはなかったけど、山荘に泊まれて本当に良かった。

風さえなければ海を見渡せる場所なので、なかなかのロケーションだと思います。

 

風呂に入って、山荘の夕食。旅館で出る食事と変わらぬ美味しさでした。

翌日は早朝出発なので、朝食はいつものようにお弁当にしてもらいました。

 

夕食後、ちょうど陽が沈むところだったので、再びドンデン高原へ。

空が淡く染まる綺麗な夕焼けを見ることができました。

 

佐渡限定ラベルのビールが売られていたので買ってみた。

「佐渡を世界遺産に」というフレーズは佐渡に渡ってから何度も見た。佐渡の世界遺産登録への情熱は凄まじいものを感じます。

 

ドンデン山荘からの夜景も有名で、両津の街の明かりが綺麗でした。

外は風が強かったのでちゃっかり部屋から撮影。

 

ビール片手に夜景を楽しんで、この日は早々に就寝。

 

佐渡ヶ島の旅、最終日となる3日目へ。

 

翌日は6時に出発。薄曇りだけど、まずまずの天気。目指す金北山もしっかりと見えてました。

ただし、風は依然強いまま。。

 

昨日のアオネバ十字路まで戻って、金北山縦走路へ。ここから先は細かいアップダウンが続くのでしっかりとした山歩きとなりますが、景色の移り変わりが素晴らしい稜線天国が待っているので、大いに期待してよし!

 

樹林帯では相変わらず花が登山道を彩ってました。

このシラネアオイの群生も本土ではなかなか見ることのできない規模だったと思います。

 

昨日、見つけられなかったザゼンソウ発見。

 

シャレ杉

自然がありのままの姿でいるあたり、佐渡ヶ島には手つかずの自然が残っている感じがする。

 

最初のピーク、マトネに到着。ここが稜線天国の入口。

 

目指す金北山はまだ遥か先。

ただ、大佐渡縦走のハイライトともいえる場所は、あのピークではなく稜線の途中にあった。

 

ここからは稜線フリークにはたまらない至福の時間。

視界を遮る樹林が少ないので、開放感に満ちています。

 

昨日までは見れなかったザレ場も出始める。

 

ショウジョウバカマ

 

カタクリの群生再び。

カタクリは日差しを浴びると花が開くので、明け方や雨の日などは花が閉じた状態になります。眠っているカタクリも可愛げがある。

 

進むにつれて景色が一変する。ザレ場も多くなって、高山帯に近い雰囲気が出てきます。

 

この写真を見るとわかりやすいけど、稜線の右側が剥げていて、左側に樹が生えています。

これは大佐渡山地の特徴の1つらしく、冬に北西の冷たい風を強く受けるために、西側(右側)だけ樹林が育ちにくいんだとか。

全体的に稜線上に樹が少ないことからも、寒暖の差が大きい厳しい環境というのが窺い知れる。

実際、強風をこれでもかと体感しております(笑)

 

ブイガ沢のコル

大佐渡縦走路で個人的に一番感動したのがこの場所。

 

目の前に突然現れた荒涼とした風景。火山を彷彿させるような迫力さえありました。

標高1000m程度の場所で本土3000m級に匹敵する景色が見られるのも、季節風の影響を強く受ける環境のなせる業。

このシーンを見れただけで、今回の大佐渡トレッキングは大成功だと思った。それくらい感動した場所でした。

 

素晴らしき稜線!この手のだだっ広い稜線は、フリークにはたまらんぞ~

本当ならスキップでもしたいところですが、実際はこの時猛烈な風が吹いてて、真っすぐ歩けないほど。。。前日を上回る突風で、身体すっ飛ばされないように前進するのに精一杯でした。

写真では平和に見えるけど、実際は修羅場だったな(笑)

 

真砂の芝生

稜線上には広くてフカフカの芝生も用意されてる。穏やかな日なら絶好の昼寝ポイントだと思います。

 

真砂の峰

大佐渡のピークは1つ1つが本当に展望いい。ほぼ360℃のパノラマが拝めます。

 

雲の合間から海に向けて後光が射していた。

 

曇り空だけど視界はクリアなので気分は悪くない。

何より緩やかな稜線が続くのが稜線好きにはたまらない道。それだけに、暴風が邪魔で仕方なかったな……。風に耐えながら前に進んでおります。

実際、カメラを構えるのもかなりきつくて、写真を撮るために立ち止まる瞬間が一番怖かった。

でも撮らずにはいられないこの風景~

 

樹が少なくて展望がいい反面、風を遮る場所がないのが、この時ばかりはややつらかったか。

本当に突風が吹いた時は少ない樹林帯に慌てて逃げ込んだりしてね。。。これが雪山だったらどうなっていたことか。

低山で本当に良かったわ。

 

ミネザクラ

樹林帯に入ると風もやんで華やかな花を見せてくれる。大佐渡の稜線、緩急つけるのがうまいぜ(笑)

 

天狗の休場

稜線上には適度に休憩ポイントもあるので、かなり歩きやすいです。風が強いので立ち止まることはなかったけども……

 

う~ん、何度見ても素晴らしい稜線。アップダウンもそれほど苦にならない高低差。

景色が素晴らしいので疲れ知らずで歩けるってのが何よりも気楽です。

 

役の行者までの夏道と残雪ルートの分岐点。雪が大してなさそうだったけど、標識に残雪ルートを行くように書かれていたのでそちらに行きました。

 

ようやく金北山の直下までやってきた。

 

あやめ池

例年ならGWはまだ雪で埋まっているはずの池ですが、すっかり溶けて池が見えてました。

 

山頂までの登りでようやく雪の上を歩くようになった。

このロープが張られている雪壁が唯一の核心部ともいえる場所で、大した距離じゃないけど滑りやすいので少し注意が必要。軽アイゼンは一応持っていったけど、使うことはありませんでした。

 

山頂手前は雪で一部道が不明瞭なところがありました。

ロストしないように要注意。

そして久しぶりにガスった(笑)

 

10時少し前、金北山山頂に到着。

遠目でも見えてたけど、山頂には色々と建物が建っていました。

 

山頂には金北山神社の社もあり。

霧が立ち込めて、これはこれで神聖な感じがしました。

 

稜線ではほとんど人に会わなかったけど、山頂に着いたら違うルートから登ってきた人もいて、それなりに賑わってました。

社の隣には神社に似つかわしくない物騒な建物が見えるけど、これはかつて利用されていた自衛隊のレーダーサイトの残骸で、今は廃墟と化しています。

現在のレーダーサイトは、この金北山の隣の妙見山に移っているので、良ければ見てみてください。

 

雲が取れそうで取れない山頂。

展望は稜線上でひとしきり楽しんだので、まぁ満足。30分ほど居座って下山することにしました。山頂入り口にいた狛犬に見送られながら……

 

ここから先は予定通り白雲台へと続く林道へ。ここは前述したとおり防衛省管轄の道なので、事前に自衛隊への届け出が必要になります。通過するだいたいの時間も伝える必要があるので、電話する前にスケジュールはしっかり組んでおきましょう。

自衛隊車両が通る道らしくて、普通の道路がひたすら続きます。

 

林道わきのブナの森が美しかった。霧が立ち込めて、これはこれで幻想的な風景となってました。

ここの林道わきにさえ、カタクリの群生があったりもするので、大佐渡は本当に花の楽園なんだなぁ~と改めて思い知らされた。

 

林道わきにひっそりと建てられた雄魂碑。自衛隊管轄の地にいることを実感。

 

防衛省管轄の道路と聞くと、こういう建物に何が入っているのか見てみたくなる。

単純なんで、「戦車とかあんのかなぁ~」とか(笑)

結局、戦車どころか自衛隊員にも車両にも会うことはなかったです。

 

11時20分、白雲台に下山完了。山頂から1時間ほどでした。

ここからは、事前に配車頼んでおいたタクシーに乗車。5月中旬以降だと金北山ライナーという白雲台~両津港のバスもあるので、それを利用することもできます。ただし1日1便と本数が少ないのと、事前予約制なので、バスはやや利用しづらいかもしれない。

 

街まで降りてくると、すっかり青空広がってました。どうやら山にだけ雲がかかっていたようです。

島の空は本土のそれとはまた違って見えるから不思議。

 

両津港へ帰る前に温泉へ。途中の新穂潟上温泉へ立ち寄ってもらいました。

白雲台から両津港までにある日帰り温泉としては、ここかグリーンホテルきらくの「朱鷺の舞湯」が良いかと思います。

温泉後に佐渡牛乳を飲んで、1泊2日の山旅を締め。

 

再びタクシーを頼んで両津港フェリー乗り場へ。この時のタクシーの運転手さんが、偶然にも行きのアオネバ登山口まで連れ行ってくれた方でした。

色々と面白い話を聞かせてくれてありがとうございました。タクシー利用はお金かかるけど、運転手さんこそ地元民ならではの貴重なお話持っていたりもするので、旅先ではあえて利用してみるのもありかもしれない。

 

両津港前では何やら神輿担いでお祭りムードでした。

後々調べてみたら湊まつりという地元のお祭りだったようです。

 

強風でフェリーが出港しないんじゃないか、という一抹の不安もありましたが、どうにか動いていてくれました。

街中もそれなりに風が強くて、波の高さは運休になるギリギリだったようで、、、。最初から最後まで、今回の旅は運に助けられたな。

 

港から大佐渡山地にお別れ。ダイナミックな雲が山を覆ってました。

素晴らしい景色を見せてくれたことにただただ感謝。

 

こうして両津港を後にして東京へ。GW前半の大杉渓谷~大台ヶ原・大峰山の旅と合わせて、この佐渡ヶ島で2016年のGWは終わりとなりました。

 

佐渡ヶ島の旅の総括としては言わずもがな、大成功の一言に尽きる。前々から行きたいと思っていたけど、花の最盛期を狙いたかったので5月のGWまでずっと温めていた旅プラン。

無事に完遂できて本当に良かったです。

 

2日間の登山を通して、色々な景色に出会えました。お花畑に始まり、雄大な草原、海の展望に果てしない稜線、荒涼とした砂地などなど、佐渡ヶ島の大自然に存分に浸れたなんとも贅沢な縦走コースでした。

 

風に耐えながら突き進む仲間たち(笑)

強風で思いのほか大変なシーンもあったけど、今となっては良い思い出。佐渡ヶ島については観光名所もまだ行きたいところがいくつか残っているので、登山と合わせていつの日か再訪しようと思います。

そして、今回の旅で改めて「島って良いな~」と思った。島旅も今後積極的に取り入れていきたいところです。

 

大佐渡山地縦走トレッキング、本土とはまた違った雄大な自然に触れられるので、ぜひ機会があれば歩いてみてください。

一緒に歩いてくれた、たくみ・あつし、ありがとさん!

 

ゴールデンウィークの佐渡ヶ島の旅(完)

 

 

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【日程】

2016年5月4日~5日

 

【コースタイム】

・1日目

アオネバ登山口(10:00) — 落合(10:30) — ドンデン山荘(12:30~13:30) — 尻立山(13:50) — 論天山(14:30) — 芝尻山(14:50) — ドンデン山荘(15:45)

・2日目

ドンデン山荘(6:00) — マトネ(7:00) — 真砂の峰(8:05) — 天狗の休場(8:45) — 金北山(9:50~10:20) — 白雲台(11:20)

 

 

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