秋の浅間山へ、前掛山~Jバンド~黒斑山を周回登山してきました。
秋の浅間山と言えばカラマツの紅葉。湯ノ平高原に広がる落葉松の群生、それが一斉に黄色く色づく光景はまさに圧巻!日本国内でも早々見れない規模だと思います。
秋に訪れたのは初めてだったので、浅間山の紅葉風景に心底感動させられた1日でした。火山帯の前掛山に加えて、開放感満点の外輪山の稜線、Jバンドの岩壁など、周回ルートで歩けば色々な世界観を楽しめるのでお勧めです。
2018年の紅葉登山、第4弾は浅間山。
浅間山については夏と冬に登頂済みですが、長らく噴火レベルが引き上げられていたので、本峰の前掛山を訪れるのは4年ぶり。噴火レベルが1に引き下げられたのに加えて、いまだに秋の紅葉シーズンには訪れたことがなかったので行ってみることにしました。
秋の浅間山と言えば落葉松(カラマツ)が一斉に黄色く染まる光景。事前に雑誌なんかでも見ていたのでわかってはいましたが、実際見てみたらやっぱりすごかったです。
ちょっとこれまで見た落葉松の紅葉とは桁違いの規模と迫力。恐れ入りましたm(__)m
2018年10月8日 浅間山(前掛山~黒斑山) 日帰り紅葉登山
紅葉の名所は火山が多いのかどうなのか、前回の焼岳に続いて今回の舞台も日本を代表する活火山。
噴火レベルが1に引き下げられて間もない浅間山本峰・前掛山と外輪の黒斑山を周回しに行ってきます。
早朝というよりも深夜に近い、午前3時半。真っ暗な中、黒斑山登山口駐車場に到着。
これだけ早い時間帯なのでまだそんなに混んでないだろうと思ってたけど、全然甘かった。秋の浅間山人気もすごいもので、すでにだいぶ車が停まって、その後も引っ切り無しに押し寄せてきました。
紅葉に加えて、警戒レベルが下がったことで前掛山登頂チャンスと考えた人が多かったのかもしれない。
まだ真っ暗で日の出まで1時間以上ありますが、トーミの頭あたりで日の出を見ようということで、4時過ぎに登山開始。
スタートは10ヶ月前の冬時期に黒斑山~蛇骨岳登山で訪れた、この黒斑コース登山口(車坂峠)です。
見上げる星空が綺麗に輝いていて、幸先良さそうなスタートでございました。
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あえなく撃沈……
場面は一瞬にしてトーミの頭。日の出を見ようという目論見は無情なガスによって呆気なく阻まれたのであった……
トーミの頭まで瞬間移動ですが、実際のところは1時間以上の登りが続きます。真っ暗な中を黙々と登った結果がこれでしたよ…。
頭上には雲の切れ間から青空も見えたので結構粘ったのですが、結局太陽をお目にかかることはできませんでした。
10月ともなると、標高2000m地点で立ち止まっているのは結構寒いね。風も少しあったので余計に太陽が恋しかったです。
トーミの頭からの景色は諦めて先へ。すぐに草すべり分岐があります。
左に行けば黒斑山ですが、自分たちは最初に前掛山に登ってしまおうということで、右の草すべりコースへ。
この草すべりを歩くのも久しぶり。
かなりの急坂で、一気に標高を落としていきます。雨上がりの時なんかは、それこそ名前の通りに草が滑りやすいので転げ落ちないように要注意。
草すべりの急坂を下り終えて見えてきたのが、今回のメインでもあるカラマツの紅葉。タイミングを狙っていたのもあって、色づきに関してはバッチリ見ごろの状態でした。
あとはどうにか晴れてくれ…っ!
秋の山でよく見る、まん丸のホワホワ~
湯ノ平口の分岐に来たら、前掛山へは向かわずにいったん火山館の方へ寄り道。
今回みたく前掛山~黒斑山の周回ルートを歩く場合、この先の火山館くらいにしかトイレはありません。
朝の7時過ぎ、火山館に到着。湯ノ平高原の入り口に立てられたログハウスで、山小屋ではないので宿泊はできませんが、水洗トイレや水場が用意されています。
火山館の広場の紅葉も見事。
ベンチも用意されているので休憩にはちょうどいい場所になっています。
しばらく休んだ後に、来た道を引き返して前掛山山頂方面へ。
ここら辺一帯は湯ノ平高原と呼ばれる場所で、色づく落葉松の樹々がとても綺麗。広範囲にわたって群生が立ち並んでおり、上から見るとその凄まじい規模が見て取れます。
浅間山の紅葉は基本的に落葉松の黄色が大部分を占めるので、時折みられる赤の葉が逆に目立つ。
雲がなかなかどきそうにないものの、登山道を取り巻く紅葉はとても綺麗。
Jバンド分岐点。地図上で言うと、ここが前掛山登山口。
ここから先が浅間山紅葉の真骨頂。
一瞬で展望が開けて、目の前に突如現れたのが浅間山本峰・前掛山。
火山の黒々とした山をバックに、カラマツの黄色の紅葉が凄まじいことになっておる。
これぞ浅間山の落葉松の紅葉群。一部緑も残っているので、グラデーションのような色合い模様がまた綺麗。
紅葉狩りは後で存分に楽しむとして、まずは山頂へ。
道なりに巻いていくように登って行きます。登山道自体は火山特有の砂利道で、ここら辺は富士山にそっくり。
お鉢の稜線に出る。
この辺りになると青空も見えてきて天気も回復傾向。徐々に見えてくる山の影に焦らされます。
山頂直下にある避難用のシェルター。
噴火時の緊急避難場所として用意されているものですが、このシェルターのお世話にだけは絶対になりたくないな。
ここから前掛山山頂まではお鉢の淵に沿って登って行く感じに。
前方に人の影がたくさん見えてました。規制解禁効果もあって、このチャンスをみんな待っていた感じでしょうかね。
前掛山山頂はこの道の先端。
晴れそうで晴れないビクトリーロードを突き進む。
そして、最終的にはガスの中へ……
9時過ぎ、前掛山に到着。ここが浅間山の山頂とされているところ。
4年ぶり3回目の前掛山登頂でございました。
ガスが抜けるかどうかの瀬戸際な感じだったので、しばらく山頂で待ってみることに。
タイミングによっては山頂の標識撮影で渋滞することもあるようですが、この時はガスっていたのでだいたいの人がさっさと引き返しており、山頂で並ぶというようなことはなかったです。
20分くらい粘ったけど、結局ダメだったので下山開始。
この日は太陽に見放されっぱなしでしたよ。。
涙ながらの下山も、起死回生の展開はこの後に待っておった。
前掛山からの下山中、雲の中から姿を見せ始めたのが外輪山。
次に目指すJバンドが、あの岩壁です。
下るにつれて少しずつ雲が取れていき、その全貌が見えてきた。
賽の河原を挟んで壁のように立ちはだかる浅間山外輪山。
そして、眼下に見える落葉松の紅葉が凄まじいことになっているじゃないかっ!
ベタながらも黄色い絨毯という表現がピッタリの光景。ガスが切れてその規模の大きさを知る。
ようやくまともな青空が見えてきた。
改めて見るカラマツの黄葉と外輪山の岩壁が素晴らしい!
そして振り返ってみてまた絶景!落葉松の紅葉と浅間山・前掛山の錦秋風景。
枝の整ったラインにどこかスピード感を感じる不思議感覚もあり。
青空の下で見たかった1枚。
これぞ待ち焦がれていた景色!空が晴れ渡ると、紅葉も一層輝くなぁ
下るにつれて再び落葉松の黄色に包まれる。
絵具で塗りたくったかのような、不思議なくらいのイエローワールド。
こんな綺麗に色づくもんなんですね。
場所は戻って先ほどの分岐点。今度は標識に従ってJバンド方面へ。
最初に訪れた時、この「Jバンド」の意味がよくわからなかったけど、後ほど現れる岩壁のこと。その名前のインパクトが強いので、一度訪れれば絶対に覚えるポイント。
Jバンドに向かうまでも落葉松ロード。
むしろここからが本番で、カラマツの群生の中を突っ切るように進んでいきます。
ひとたび視界が晴れればまた大迫力の景色。
浅間山外輪山という山でありながらも、見た目はもはや壁。
毎度のことながら、進撃の巨人を彷彿させる。
数時間後にはあの壁の稜線を歩いている。
当然ながら、あの上から見下ろす景色も半端ないことになっております。
徐々に近づいてくる大岩壁。
あれをどう登るのか初見では全然想像つかなかったけど、ちゃんと道が用意されています。そう、Jバンドがね。
カラマツの紅葉と外輪山の大岩壁
反対側にはカラマツの紅葉と浅間山。
外輪山と前掛山、壁のように連なる外輪と見たまんまの火山の本峰。全く違う風景を同時に楽しめる。1つで2度おいしい。
噂のJバンドに到着。
見上げるほど巨大な外輪山の稜線目指して、ここから登って行きます。
急登ながらもちゃんと岩場の道が用意されているJバンド。
登る分には大して危険個所もないですが、壁との距離が近いので岩が落ちてこないかが心配。
急斜面を一気に登って行くので、振り返れば先ほどまでいた賽の河原をあっという間見下ろす位置に。
紅葉の規模が凄まじい。
何度も言うけど、規模が本当に凄まじい。
Jバンドの岩場を登って行く。
見た目は岩だらけですが、北アルプスの穂高岳とかいうレベルでもなく、鎖場やハシゴもないので道なりに登れば難しい箇所はほとんどないです。
Jバンドを制して外輪山の稜線に出る。
まずは外輪山の先端の方へ。
外輪山の先端にあるのが鋸岳。
展望は申し分なし。
鋸岳から眺める前掛山。
間を遮るものがなく、ちょうど対面に構えているので、綺麗な三角形を拝むことができます。火山特有の黒々とした山肌なので、その裾に広がる黄色の紅葉がいっそう映える。
ここからいよいよ外輪山の稜線トレッキングの始まり。
鋸岳からスタートして、仙人岳、蛇骨岳、黒斑山と進んでいきます。
これから始まる外輪山の稜線ハイク。
先ほどまで見上げていた巨大な壁、上から眺めてもいかにして横に広くそそり立っているかが良くわかる。
下に敷き詰められた黄色い絨毯に嫌でも目が行く。
本当にすさまじい色づきよ。紅葉って当然ながら山の上から始まるもんだけど、高原という平らな台地に落葉松の群生があるので、こうして一斉に紅葉するんでしょうね。
外輪山の稜線は片側が断崖絶壁なので、真下まで良く見えてかなりの高度感があります。
登山道も一筋の線が入るように紅葉の中を延びているので、自分が数時間前に歩いていた道も一目瞭然。
外輪山の稜線からは常に浅間山が見えているので、撮影スポットは豊富。前掛山の火山帯と紅葉を合わせて一望できるのも、こちらの外輪山ならではの眺め。
時間があれば前掛山だけじゃなく、こちらの外輪エリアもぜひ歩いてほしいところ。
外輪山の稜線もまた、登山として面白味のあるところ。
道は平坦で距離もそこまで長くないものの、アルプスのような開放感ありつつ、岩壁の逆側には紅葉もありつつ。
前半の前掛山よりも後半の外輪山の方が、個人的には歩いていて楽しいです。
仙人岳に到着。
広い山頂なので、休憩するには持ってこいの場所。ここの展望も、いまさら言うこともなく一級品。
まだまだ続く外輪ロード。
道も微妙に変化して、赤土が見えるここら辺は火山の面影を色濃く残す箇所。
振り返って見る景色は同じながらも、何度も撮ってしまうこの風景。
冬の時期に浅間プリンを見ているのもあって、その対比も面白い。雪で白くなるのとはまた違う、浅間山の魅力の1つ。
(冬の浅間プリン↓)
続けて蛇骨岳に到着。
ここも山頂は広くて展望にも恵まれているので、多くの人が休憩していました。
例によって浅間山を眺める。
ふと思った。冬に山頂部が雪を被った姿を「浅間プリン」とか言ったりするけど、よくよく見たら配色的には秋のこの姿の方がプリンっぽくないか。上が黒で下が黄色なんて、それこそぷっちんプリンじゃないか。
蛇骨岳から先へ。標高を徐々に上げていくも、逆にこの先は樹林帯も増えてくるという不思議。
道も部分的に狭い箇所があったりします。
落葉松の紅葉と浅間プリン(秋バージョン)
外輪山の最高峰・黒斑山に到着。最高峰でありながらも、この山だけ片側は完全に樹林帯に囲まれてしまっています。
黒斑山は雪山入門の山としても良く語られているので、冬場に訪れるのもおすすめです。
これまで歩いてきた外輪山と浅間山を見納め。
出だしのガスっぷりでどうなることかと思ったけども、後半は好転してくれて素晴らしき紅葉ハイクができました。
明け方暗いうちに登ったトーミの頭を経て下山。
駐車場までの帰りは初めて中コースというのを歩きましたが、これが意外と良かったです。
中コースでも終盤にかけて落葉松の紅葉を見ることができました。
あと、こちらの道は登り返しもないので、下山に徹するなら表コースよりこちらの方が良いかもしれません。
14時30分、黒斑山登山口駐車場に帰還。
意外と良い時間になりましたが、まだまだ奥の方までびっしりと車が並んでおりました。
温泉はすぐ隣の高峰高原ホテルでも良かったけど、そちらの駐車場もひどいことになっていたので、街まで降りて別の所を探すことに。
やってきたのは、こちらの「あぐりの湯こもろ」。
小高い丘に立てられた温泉で、露天風呂からは浅間山などが一望できてかなり良かったです。リニューアルオープンして施設も綺麗で、料金も500円とリーズナブル。
ここ、おすすめです。
そして例によって、温泉併設のお食事処でご褒美の天ぷらそばを食して完パケでございます。
お疲れ様でした。
知ってはいたけど、実際に見てみてすごかった浅間山の紅葉。
これだけ一斉に色づくって日本国内探してもあまりない気がします。少なくとも落葉松の紅葉に関しては、これまで自分が見てきた中では一番でした。
外輪山の稜線と久しぶりのJバンドも楽しかったです。
活火山なのでまたいつ規制がかかるかはわかりませんが、黄色の紅葉で敷き詰められた秋の浅間山も唯一無二の景色に出会える場所なので、ぜひ機会があれば訪れてみてください。
(ランキング参加中↓)
【日程】
2018年10月8日
4:20 黒斑山登山口(車坂峠)
5:40 トーミの頭
7:10 火山館
9:10 前掛山
11:15 Jバンド
13:15 黒斑山
14:30 黒斑山登山口駐車場
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